一ヶ月ほど前の話だが、YouTubeで日本を応援する多くの動画を発信し、ネット上で「テキサス親父」として知られるトニー・マラーノ氏より以下のメッセージを受け取った。
彼が別なYouTubeユーザーより受け取ったメッセージを日本語に翻訳して日本鯨類研究所に送って欲しいとの用件である。
トニー・マラーノ氏は4月27日に著書『テキサス親父演説集』が日本で発売になるなど日本での知名度は特にネット界ではここ最近は高くなって来ている方である。
彼とは以前に所用で何度かメッセージ交換をした事があるという位の関わりだったが、どうも彼が最初に頼もうとした日本人ユーザーから返事が来なくて困っていて、こちらに連絡が来たという事のようだ。
トニー氏が受け取ったメッセージには、米国のワシントン州で非営利組織として法人登録をしているシーシェパードは非課税団体であり、非課税だからこそ寄付金が集まるという構造において、その寄付金をテロ活動に用いる事の違反を指摘し非課税団体の資格を失えば、その資金源は枯渇するという提案が書かれている。
Title: シーシェパードと国税庁
Date: 2010年4月18日12:02 (テキサス時間)
Sender: PropagandaBuster
岩谷様
ご存知の通りシーシェパードは、ワシントン州の認可において米国において登録されています(首都のワシントンDCではありません)。
彼等は非課税団体です。それは米国内で彼等への寄付は所得税控除対象となる事を意味します。この免税資格はワシントンDCの米国政府の国税庁 (IRS) によって与えられています。
あるYouTubeユーザーが非常に興味深い情報を送ってくれました。これは米国税庁によるシーシェパードの免税資格に異議申し立てをする方法です。もし彼等が免税資格を失うなら、米国内の馬鹿者達からの寄付の大半が枯渇するでしょう。
以下が私に送られて来た、国税庁へのシーシェパードに対する異議申し立ての方法の情報です:
シーシェパードに対抗するための国税庁のフォーム
フォーム3949A [情報照会]
http://www.irs.gov/pub/irs-pdf/f3949a.pdf
フォーム13909 [非課税組織の苦情 (照会) フォーム]
http://www.unclefed.com/IRS-Forms/2009/f13909.pdf
シーシェパードの登録住所:
216 Halverson Rd. Friday Harbor Washington 98250
PO BOX 2616
代表:ポール・ワトソン (Paul Watson)
CEO:スティーヴ・ロースト (Steve Roest)
ピーター・ハッマーステッド (Peter Hammarstedt) はカナダで指名手配中である。
また彼等に関するその他の根拠に言及するのもいい。
彼等の米国法人番号:93-0792021
彼等の違反行為は寄付金をテロ活動に用いている事である。彼等がこれまで船を沈めるために爆薬を使って来た事や、体当たりをしたり劇薬を仕様した事に言及するのもいい。
この異議申し立ては、それが日本鯨類研究所 (ICR) から申請されればより大きな影響を持つ事になります。日本鯨類研究所にどうかこの情報を知らせて下さい。この情報を日本語で送ればより良いかもしれません。私はこれまで2回メールを出していますが返答が来た事がありません。以下が彼等のウェブサイトに出ているメールアドレスです:
[email protected]
それとも、彼等に連絡出来る日本人を誰かご存知ですか?
以下は実際にシーシェパードが提出した2008年度の納税申告書ですが、ここに興味深い事が書かれています。26ページの彼等の説明を見れば、日本によって2人のメンバーを人質に取られたと、彼等が如何に嘘をついているかが分ります。これはこの2名が日本の捕鯨船に手紙を届けるために不法侵入した時に関するものです。
http://www.box.net/shared/dflc9mnzrn
彼等が書いたその他の嘘の説明も読んでみるといいでしょう。この資料は全て訴訟の根拠と出来るものであり、日本鯨類研究所は行動を起こすべきです。
数ヶ月前に、ワシントン州の認可に異議申し立てをする方法を説明した動画をアップした事を覚えているでしょうか? 日本鯨類研究所はそれを行ったのでしょうか? この動画のタイトルは:「Sea Shepherd purposely and illegally rams and slams into a Japanese ship」(シーシェパードは意図的・不法に日本の船舶に体当たりしている) です。
以下はその動画に関する情報です:
シーシェパードの不法侵入の動画
http://www.youtube.com/watch?v=-73OTQsjMJg
ワシントン州のサム・リード州務長官
http://www.sos.wa.gov/office/default.aspx
シーシェパードの登録データ:
http://www.sos.wa.gov/corps/search_detail.aspx?ubi=602021149
シーシェパードの法人資料 (ワシントン州)
https://www.sos.wa.gov/corps/OrderDocs.aspx?ubi=602021149
ニュース記事:
『捕鯨の抗議者が日本で有罪に』(AP通信 2010年2月16日)
http://www.ctv.ca/servlet/ArticleNews/story/CTVNews/20100216/ whaling_protester_100216/ 20100216?hub=SciTech
以下はオーストラリアの国家警察がシーシェパードを侵入者撃退の訓練をしている写真ですが、一体何なのだこれは?
http://www.facebook.com/album.php?aid=171430&id=253536396780&ref=mf
あなたにこの情報を送るので、もし日本鯨類研究所に送って頂けるなら彼等もこの情報を入手する事になります。行動を起こすかどうかは彼等次第です。突然のお願いを失礼します。数週間前に別な日本のYouTubeユーザーにこの情報を送りましたが、今の時点でも返事がないので。
シーシェパードのガキ共をストップする必要がある。彼等の資金源にダメージを与える事がその不法行為を枯渇させる事に繋がると思います。
トニー
トニー氏にメッセージを出したこの手紙の主は、まず自分で日本鯨類研究所に英語のメールを出して、反応がないためトニー氏に頼んだという顛末になっている。[>>4]
しかし、日本鯨類研究所は英語でレポートを発表している組織であり、英語だから反応がなかったという事は考えにくい。
日本鯨類研究所は水産庁管轄の公益法人であり、その運営資金の一部は国庫補助で行われており、水産庁を通さずに独断で訴訟に関する見解など出せる筈がないのは最初から分り切った話であり、トニー氏も彼等に情報提供さえすればそれでいいという事である。
しかしこのメッセージにはいろいろ興味深い内容もあるので、トニー氏のご快諾を頂きメッセージの翻訳をここに掲載する。
シーシェパードの納税申告書
手紙中ではシーシェパードが提出した2008年の納税申告書のコピーのPDFファイルのリンクがあるが、ここにはシーシェパードの詳細にわたる収入が書かれていて非常に興味深い内容である。
そのうちから手紙内で言及されていた26ページ以降の「プログラムサービスの達成」から日本に関する部分の訳を以下に掲載する。
2008年の納税申告書は2009年4月に提出されたもので、2008年1月1日から12月31日までの期間の申告である。
2ページ目の「プログラムサービスの達成」が手紙で言及されていたシーシェパードの活動の説明であるが、26ページ以降は追加情報のページに書き込む事になっており、シーシェパードは自らの活動を更に5ページにわたって書いている。
そのうち4Aが捕鯨船妨害、4Bがカナダのアザラシ漁の妨害活動で拿捕された件、4Cがガラパゴスの浮遊レンジャー基地設置、4Dがその他の活動として、イルカキャンペーン、海洋生物保護の普及宣伝活動、フカヒレスープ反対キャンペーンを説明している。
p. 2
Form 990 (2008) | シーシェパード・コンサベーション・ソサエティ | 93-0792021 |
Part III:プログラムサービスの達成の陳述
団体の役割を簡単に記述
エコシステムと種の保存とプロテクションのために、海洋生物の保護:世界の海洋の環境破壊と野生生物の虐殺を終わらせる事。
4a 南極海でのクジラ防衛キャンペーン
(費用:$2,354,529) [約2億5000万円 (2008年12月レート)]
ミガルー作戦は2007年12月から2008年3月にかけて行われ、それは日本の捕鯨団による南洋サンクチュアリにおける違法殺戮からクジラを守る我々の4回目の遠征である。
我々はスティーブ・アーウィン号 (旧名:ロバート・ハンター) とヒューズ300ヘリ『クッカバラ』は南極海に、給油のために帰還するため一度でなく3回行き、日本の捕鯨団の操業の妨害を行い、彼等の目標の半分近くの損害を与え、それは483頭のクジラの命である。このキャンペーンの間、オーストラリア連邦法廷は日本の捕鯨団の活動が違法行為だとの宣言を公布し、シーシェパードは2名の非武装ボランティアのメンバーを捕鯨船の一つに送り、
書面を届けた。これらの2人のメンバーが人質に取られたが、最終的に人質の解放を容易にするために介入したオーストラリアの税関取締船によって我々の船に帰還した。
このキャンペーンはアニマルプラネットチャンネルの撮影チームによって記録され、『クジラ戦争』と題された全7回のテレビシリーズとなり2008年に米国とカナダ、2009年に世界各国で放送された。
これがこの違法捕鯨を永久に止めさせるために必要な認識を広める事に役立つのが我々の願いである。
シーシェパードは、これらの素晴らしく知覚力があり生態学的に重要な動物達の命を救うためにこの遠く敵対的水域に毎年戻る事をコミットしている。
実際ミガルー作戦の終了の後、我々は直ちに厳密な行程計画とその年のうちにこれら水域に戻る準備を開始した。
2008年12月に我々は、スティーブ・アーウィン号に乗り込んだ12ヶ国からの48人の乗組員と共にムサシ作戦を開始、南氷洋の氷の水域に再び向かった (我々のヒューズ300ヘリ『クッカバラ』と共に)。
三年目にも我々はクジラの命の防衛に成功した。日本の不法捕鯨船団を追跡、ブロック、そしてコンスタントに妨害する事で、我々は305頭のクジラを致命的な爆発銛による苦痛の死から救った。
シーシェパードの船は、2月の撤収までこの殺戮船団を3200キロ以上も追跡した。
日本の水産庁がシーシェパードの妨害によって割当に達しなかった事を公式に非難した事は、我々の成功の確認である。
このキャンペーン全体はアニマルプラネットのヒットショーの『クジラ戦争』に記録された。
この第二シーズンは米国ではアニマルプラネットで6月に放送された。
この「2人の乗組員が人質に取られた」というのは2008年1月15日にシーシェパードが第二勇新丸に酢酸瓶を投げつけるなど妨害行為を行った後、シーシェパードのベンジャミン・ポッツ [豪] とガイルス・レーン [英] の2名が同船船内に侵入し拘束され、同月17日に解放された事件の事である。
2008.01.15 シーシェパードによる日本船への不法侵入 SeaShepherd who intruded (2'20") (財)日本鯨類研究所 提供 http://www.icrwhale.org/
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この時の水産庁と日本鯨類研究所の発表によれば、侵入目的が「抗議文の手交」である事が判明し、2名をSS側に戻す事となったが、16日の時点でSS側より一切の解答がなくコミュニケーションが取れない状態であり、そして18日に仲介を行ったオーストラリアの税関巡視船オセアニック・バイキング号に引き渡されたが、侵入した2名は着替えや生活雑貨を持ち込んで侵入した事から、オーストラリア政府の仲介がなければSS側も引き取る意思はなく2名は居座る積もりであったのが明白であったと報告されている。[>>1][>>2][>>3]
そして2名が戻された同日に酢酸弾10発が第三勇新丸に投げ込まれている。
一方シーシェパードは納税申告書において、2名は日本側に人質に取られオーストラリアの介入で解放されたと書いているが、最初から人質として演出するために送り込んだという事のようである。
ここでシーシェパードは、酢酸瓶やロープを海に投げ込む等の危険な行為には一切触れず、どのように乗組員が日本側に拘束されたかも触れていないが、ブロックと妨害行為は行ったとは書いている訳で、こういう物理的テロ行為を行う団体が寄付金を受け免税を受けている事を米国国税庁にレポートするべきであり、訴訟を起こせるのは当事者の日本鯨類研究所であるというのが、トニー氏にメッセージを出した人物の主張という事である。
それにしてもこの申告書のコピーがどこから流出したのかは謎である。それでもシーシェパードは欧米でも批判されており、米国国内にも彼等を告発しようという動きが確認出来たのは大きな収穫ではある。
オーストラリア連邦警察と合同訓練を行うシーシェパード
トニー氏がメッセージの後半で言及していたのが、Facebookのシーシェパード・ニュージーランド支部のフォトアルバムで今年の4月11日にアップされた、オーストラリア連邦警察との合同訓練の写真である。
ここでは警察の訓練生がシーシェパードの船に侵入を試み、シーシェパード側が放水砲で侵入を阻止するという訓練が行われている。
オーストラリア連邦警察VSシーシェパード
シーシェパード・ニュージーランド 2010年4月11日 (Facebook)
撮影場所:タスマニア州ホバート
オーストラリア連邦警察 (AFP) の若手警官が私達が上から放水砲を浴びせる中、船に乗り込もうとする。私達は彼等といい時間を過ごせた。360度船体に段差がなく船から飛び出さないためのフットストラップがあるジェミナイ船で、この機会に対してAFPタスマニアのイアン・シェパード上級巡査部長に感謝したい。持ちこたえるのは大変だった。
ジェンマとアンバーがAFPのジェミナイ船の接近を見ている。
AFPの乗組員がさおのチューブに入ったフックとはしごで船に乗り込むために水に入る。恰好いい。
3人の若いAFP訓練者がフックを上げはしごを引き出す。彼等は順調に見えても次の写真では・・・あはは。
私達が放水砲で彼等を撃った衝撃で気の毒にも、彼等は大笑いしなかったから事態はもっと大変な事になった。
彼等の数人を船に乗らせた。彼等は偽物のプラスチックの銃を持っていたが本物のふりをしなければならない。。
レールを乗り越えるのに両手を使ったので時には彼等は前の人に向けて両手を突き出していた様子がおかしかった・・・前にいる人が可哀想。
放水砲を浴びせたのは誰?
苦闘
接近するAFPの別な角度から。
彼が水の中にいた最長記録で、2つの放水ジェットを10分以上も顔に浴びて、はしごを上らなければならなかったのに誰もはしごの下を支えていなかった。少し滑ったので私達は彼を吹き飛ばすのを止めた。
AFPとシーシェパードのボブ・バーカーがデッキの上でミーティング。
風景の中で一枚
実際シーシェパード側に関してはそこまでシリアスな訓練には見えないが、特記すべき事は言うまでもなく、オーストラリア連邦警察とシーシェパードが近い関係にあるという事である。
また実際、捕鯨船への侵入行為を積極的に行っているのはシーシェパード側であり、シーシェパードに必要なのは防衛訓練でなく侵入訓練の筈で、全く逆の事をやっている訳だが、この訓練自体が日本の捕鯨船側を攻撃的な侵入者として暴力的に演出するためのパフォーマンスである。
ちなみに、一枚目の写真で名前が出ている女性、アンバー・パールマンはシーシェパードの南洋遠征 (少なくとも2008年と2009年) で調理を担当していたメンバーである。
また納税申告書で言及されていたアニマルプラネットに関しては非常に興味深い内容のため、次回に扱う事にする。
脚注・資料:
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