属性ごとの結果分析も、さまざまなものがなされています。
(あまり感心しないものも、少なくないようですが。)
ここではつぎの年代別と性別にわけた賛成と反対の
割合を示した図を見てみることにします。
さらに性差、世代差の対立をけしかけるクソ辛坊 pic.twitter.com/YpRzVinovG
— なにわっち (@naniwacchi) 2015, 5月 17
この図は投票日の夕方17-18時くらいまでものであり、
期日前投票と当日の締め切り直前は含まれないという、
やや正確でないものであることは、注意が必要でしょう。
一見して眼を惹くのは男女差が顕著ということです。
男性のほうが女性より賛成が多く、また女性は世代差が
70代以外は小さいのに、男性は全世代にわたって世代差があります。
とくに男性の若年層に賛成が多く、ピークは30代で71.6%が賛成です。
問題にするところは、賛成が多い男性だと思うのですが、
わたしが見たところ多くの分析は、高齢者(70歳以上)と女性に
反対が多いのはなぜかに、関心が集中しています。
女性と高齢者に反対が多いのは、これらの人たちは
行政サービスと接することが多いからだろうと思います。
社会的弱者ゆえに、行政サービスの世話になる機会が多いということです。
それゆえ大阪都構想によって、行政サービスが縮小することに対して
危機感がより強かったということだと思います。
その点女性は各年代で様々な形で自由や権利を抑圧されてるので、社会の仕組みが変わることのどういう部分によって自分が(さらに)損させられるか、ってことには良かれ悪しかれ敏感なんだと思うな。だからこういう傾向になったんじゃない?って思った。
— なつめ (@na2me321) 2015, 5月 20
また女性のほうが男性より約10万票、投票数が多かったことがあります。
これも行政サービスの縮小によって、社会的弱者である
自分たちが切り捨てられるという切実さを感じたため、
積極的に反対票を入れたことの現れだろうと思います。
出口調査は賛成多数なのに開票結果は反対多数となったのはなぜか--毎日新聞の出口調査では、女性は反対(52%)、男性は賛成(56%)が多数。出口調査は男女ほぼ同数を対象にしたが、実際の投票は女性が男性を約10万人上回った。これが出口調査と開票結果の食い違いを招いた可能性がある、と
— Shoko Egawa (@amneris84) 2015, 5月 18
さきほどもすこし触れましたが、わたしに言わせれば、
これは「なぜ女性と高齢者に反対が多いか」ではなく、
「なぜ20-40代の男性に賛成が多いか」を、考えることだと思いますよ。
男性に顕著ということは、彼らは社会的強者ゆえに、
行政サービスに縮小に対する切実さを、
ほとんど感じないことがあるだろうと思います。
↓ああ、私も女性に反対が多かったんだな、っていう印象だった。積極的に支持してるの30代前後の男性ぐらいじゃん?っていう印象で、あのひとたちはいまの日本の社会では自分が強者であることを一番意識しないで済んじゃう層だからああなんだろうなーって。
— なつめ (@na2me321) 2015, 5月 20
「若くて健康で独身で男」なことで我が世の春を謳歌できるのは一瞬に過ぎないっていうことを、若くて健康で独身の男の大半は理解してなくて、そのせいで色々と浅薄な考え方をしがちなんだと思う。病気したりして弱者になって初めて弱者の人権が尊重されてない現実に驚く、みたいな。
— なつめ (@na2me321) 2015, 5月 20
世代的には、もともと「カイカク」が好きということがありそうです。
本気で社会を望ましい方向に変革しようというのではなく、
とにかくなにか「世の中が変わった」という気持ちに
なれることを期待している人たちです。
若い頃サッチャーの改革に思想的影響を受けた世代ですね。あの頃のような高インフレではないのに。小泉改革を支持した中心世代。それが民主党に流れ、失望し、今橋下。 https://t.co/2OnAvGcYMR
— 秋田紀亜 (@akita_kia) 2015, 5月 12
参考エントリ:
「辛坊治郎氏に贈る大阪市の住民投票結果の分析」
関連エントリ:
「大阪都構想・住民投票」