2015年05月28日

大阪都構想・住民投票(2)

5月17日に行なわれた「大阪都構想」の住民投票ですが、
属性ごとの結果分析も、さまざまなものがなされています。
(あまり感心しないものも、少なくないようですが。)

ここではつぎの年代別と性別にわけた賛成と反対の
割合を示した図を見てみることにします。


この図は投票日の夕方17-18時くらいまでものであり、
期日前投票と当日の締め切り直前は含まれないという、
やや正確でないものであることは、注意が必要でしょう。


一見して眼を惹くのは男女差が顕著ということです。
男性のほうが女性より賛成が多く、また女性は世代差が
70代以外は小さいのに、男性は全世代にわたって世代差があります。
とくに男性の若年層に賛成が多く、ピークは30代で71.6%が賛成です。

問題にするところは、賛成が多い男性だと思うのですが、
わたしが見たところ多くの分析は、高齢者(70歳以上)と女性に
反対が多いのはなぜかに、関心が集中しています。


女性と高齢者に反対が多いのは、これらの人たちは
行政サービスと接することが多いからだろうと思います。
社会的弱者ゆえに、行政サービスの世話になる機会が多いということです。
それゆえ大阪都構想によって、行政サービスが縮小することに対して
危機感がより強かったということだと思います。


また女性のほうが男性より約10万票、投票数が多かったことがあります。
これも行政サービスの縮小によって、社会的弱者である
自分たちが切り捨てられるという切実さを感じたため、
積極的に反対票を入れたことの現れだろうと思います。



さきほどもすこし触れましたが、わたしに言わせれば、
これは「なぜ女性と高齢者に反対が多いか」ではなく、
「なぜ20-40代の男性に賛成が多いか」を、考えることだと思いますよ。

男性に顕著ということは、彼らは社会的強者ゆえに、
行政サービスに縮小に対する切実さを、
ほとんど感じないことがあるだろうと思います。



世代的には、もともと「カイカク」が好きということがありそうです。
本気で社会を望ましい方向に変革しようというのではなく、
とにかくなにか「世の中が変わった」という気持ちに
なれることを期待している人たちです。



参考エントリ:

「辛坊治郎氏に贈る大阪市の住民投票結果の分析」


関連エントリ:

「大阪都構想・住民投票」


posted by たんぽぽ at 21:18| Comment(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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