『死ぬまでに飲みたい30本のシャンパン』
『死ぬまでに飲みたい30本のシャンパン』山本昭彦、講談社+α新書
ワインに関する本は、さまざまといいますか大量に出回っていますが、それと比べるとシャンパンに関する本は質、量とも圧倒的に少ないようです。ぼくもズブのシロートですが、そんな人間にはピッタリの本が出ました。この本に説得力があるのは、何度もシャンパーニュ地方を訪ね、造り手を訪問して、納屋をセラー代りにしているような小さな作り手にも、ブドウの絞り方(キュヴェ=最初の絞り汁)、ドサージュ(リキュールを加えて甘口、辛口を決めること)の方法などを丹念に聞いているからです。
たとえば、セロスの弟子であるジェローム・プレヴォー(Jerome Prevost)。この人のことは知りませんでしたが、ピノ・ムニエで素晴らしいシャンパンをつくっているという文章を読んで、「飲まずに死ぬと後悔する10本」にも選ばれていたジェローム・プレヴォー・ラ・クロズリー・ベギーヌ(Jerome Prevost la Closerie les Beguines)を思わず注文してしまいました。
このほか、「一生に1度は飲みたい10本」では、ワインこそホディだと断言するアンドレ・クルエのシルバー ブリュット(Silver Burut Andre Clouet)なんかも飲んでみたいし、「1年に1度は飲みたい10本」ではナポレオンにも愛されたジャクソン・キュヴェ732なんかもいいかな、と思いました。
シャンパンにまつわる話では、ヴーヴ・クリコ(veuve-clicquot)は「クリコ未亡人の意味だ」と言われてハッとしました。このほか、ポメリーも未亡人だし、ローラン・ペリエのリリー・ボランジュも未亡人だそうです。マッチョなワインの世界と違って、パッケージなどでも女性独特の感性が生かされますし、いいんでしょうね。だから、ベッカム夫人なんかもクリスタルが好きなんでしょうし。ヴーヴ・クリコがエカテリーナ相手に売りまくったのも、女性同士の絆を感じます。
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