16〜17世紀頃のヨーロッパにおいて広く流行した、
細身で先端が鋭く尖った片手剣「レイピア」。
今回ご紹介する動画では、江戸時代の一大流派、
淺山一傳流兵法の関展秀宗家と門下の塚田さんが、
初めてレイピアを使用する様子が収められています。
関宗家がレイピアを初めて持った際の第一印象は、
「打ち払い十手のようだ」というもの。
続けて「小太刀の片手で持ち、半身になった方が効果的」
とその特徴と長所をすぐに見抜き、
その後、刀を持った塚田さん相手に、
実際にレイピアを使って技を披露していきます。
その結果、打ち払ったり、相手の剣を巻いたりする、
鉄鞭のような使い方がやりやすいと伝えています。
続いてさらにレイピアの特徴を探っていき、防御も実践。
「刀を払えるだけの強度はないかも」とした上で、
レイピアの剣身を使って防御をするよりも、
「隙間を縫って突く方が良いんでしょうね」とし、
その後も「突く道具」である事を重ねて指摘しています。
そして今度は関宗家がレイピアを受ける側(刀側)に。
1回目の突きで「怖い怖い怖い」と焦っていたものの、
その後は冷静にレイピアの特徴を見極め、
「大きい動作をすると上げた側に突かれる」と指摘。
刀側も突きと小切りが有効であり、
あとは両手というアドバンテージを生かして、
力技でレイピアを吹っ飛ばすという策も提案しています。
その上で、「レイピアは見えない」ため「恐ろし」く、
あまり対戦したくない事を笑いながら認めています。
全体的に断定はせず、「かもしれない」に終始し、
レイピアの弱点を突いた戦い方を披露した後も、
もう1人の門下のShogoさんが、
「レイピア側もそれをカバーする技術があるんでしょうね」
と指摘するなど、レイピアに対して敬意が払われています。
動画の英語版は再生数が150万回に迫り、
コメントも3000件近く寄せられています。
その興味深い内容や、関宗家の謙虚な人柄などに、
絶賛の声が文字通り殺到していました。
その一部をご紹介しますので、ごらんください。
なぜ西洋人は騎士よりも日本の武士が好きなのか議論に
https://www.youtube.com/watch?v=cG986u0Vx7g■ あっという間にレイピアの特性を見抜いててさすがだ。
本物の剣士である事が分かる。
+24 フランス■ 俺はフェンシングを少しやったことがあるけど、
まず関先生が適切な構えを素早く身につけて、
「太い剣を打ち払うには力不足かもしれない」
って見抜いたことに感心した。
+78 フランス■ レイピアは、持った時に重さを感じず、
軽快に動けるようにデザインされていて、
刃は菱形で刃持ちは基本的には悪い。
だから主に突きが中心になるんだよ。
+43 ■ 関先生はレイピアの剣士と対峙する際の、
最善の戦略をすぐに見つけ出した。
レイピアの突きは速すぎて見極めるのは難しく、
経験豊富なレイピア剣士に対しては、
大きな動作は効かないという点で、
先生の指摘は正しいと思う。
+1211 スウェーデン■ 偉大な剣術家がレイピアに畏怖の念を抱いている。
先生の公平さと謙虚さが大好きだ。
+1128 ■ この動画を観ただけでも関先生の達人ぶりがわかる。
レイピアの技術を学んだ事がなくても、
独力で理解していっちゃうんだから。
こういうクロスオーバー大好き。
+1150 イギリス■ 関先生がレイピアの実際の使用方法を、
徐々に理解していった事が一番興味深い。
実際に使ってみると突きが有効だって分かるんだ。
そして自分に向けられた時に、
いかに見えにくいのかにも気づいてる。
+342 ■ 日本で西洋古武術のインストラクターをしてる。
そんな自分にとって、東洋と西洋が融合した、
こういう光景を見ることは夢だった。
+6 ■ この動画は刀剣界で起こった最高の出来事の1つだ!
向上心の大切さが伝わってくる。
+6 スペイン■ 先生は洋の東西を問わず、剣が大好きなんだな。
本当に美しいクロスオーバーだ。
+180 「どの剣も格好良すぎる」 日本からは2本 世界の伝説的な刀剣7選が話題に■ 関先生が「距離感が難しい」とおっしゃったとき、
フェンシングの先生が教えてくれた事を思い出した。
相手に距離感をさらに伝えづらくするために、
自分の肘、手、刃先を相手の目と一直線に揃える。
これはよく使われるスキルだ。
+305 フランス ■ ボクシングではジャブを隠すけど、
あれと同じ考え方かな?
+35 ■ あと、後ろ足を前足の後ろに隠すことで、
相手が自分の構えの幅を判断しにくくしつつ、
相手の注意を剣と腕に集中させるようにする。
そういう技術もある。
+20 フランス■ 最高だった。
日本の刀とは違う剣の可能性に、
先生が興奮しているのが印象的だった。
一方で西洋のコンテンツクリエーターは、
何が最強かにスポットを当てがち。
+654 スペイン■ 専門家が新しいツールを素早く理解していく過程は、
見ていて本当に興味深い。
+124 スペイン■ ヨーロッパの刀剣を扱う時の、
関先生の純粋な熱意と好奇心を見ていると、
自然と心が温かくなる。
+23 イギリス■ レイピアは一対一の場面ではかなり有効だった。
唯一の欠点は手首、腕、肩の力が必要なこと。
片手で5ポンド(約2.3キロ)の剣を持ち続けるのは、
見た目よりもずっと難しい。
+17 イギリス「神話に出てきそうだ」 江戸時代に作られた超巨大な日本刀に外国人が驚愕 ■ レイピアの平均的な重さは2.2ポンドだ。
5ポンドの片手剣っていうのはほぼなくて、
ほとんどが2~3ポンド。
+7 ■ あんなに早くレイピアに慣れるものなのか。
基本的には柄のついた片手槍だよね。
鎧の隙間を狙うのに役立ったんだ。
+13 ■ 日本の刀とサーベルの比較も見てみたい。
突きがメインのレイピアよりも、
サーベルの方が機能的には似てるし。
+23 イギリス■ レイピアの強みを徐々に理解して、
それを情熱的に伝える様子がとても良いね。
日本人はなんて公平なんだろう。
みなさんとても謙虚だ。
+21 ■ レイピアはとてもしなやかで、
普通の剣の両手打ちをブロックするのには使えない。
通常はブロックしようとするよりも、
かわしてから突進した方がいい。
+5 イギリス■ 先生方の謙虚な姿勢が素晴らしい。
この動画は本当に興味深い!
+1344 イギリス■ レイピアとかは受け流し用のダガーや、
バックラーシールドと併用される事が多かった。
その点も考慮した方が良さそう。
+24 「なぜ侍は盾を使わないんだ?」 戦国時代の合戦を再現した映像が海外ネットで大反響■ 生徒だったときの興奮を決して忘れない。
それが優れた教師なんだよ。
+6373 ■ 実際に関先生の適応の速さは見事だ。
+134 ■ 関先生をヨーロッパの刀剣博物館に連れていって、
色々な時代の本物の剣を見てほしい!
可能であれば持って欲しいし。
+65 ■ レイピアの戦い方の技術は、
足を引っ込めたり体を傾けたりする動きを強調する、
宮廷のファッションが重視された時代に生まれた。
同じ美学から、カーテシー(おじぎ)、
似たような動きでの礼、そしてバレエが発展した。
あと上流階級におけるレイピア剣術の重要な要素は、
たとえ戦いの最中であったとしても、
美しく見える事が求められていた点ね。
+14 スイス ■ 宮廷の作法はレイピアの戦いが基で、
それが広く社会に広がったんだと思ってた。
だから逆じゃない?
+7 ■ 実際には同時期だろうな。
お互いを補完し合っていって、
最終的に一体化した形。
+9 ■ 当時は突きがを重視されてたから、
刃は最小限に抑えられてたんだよ。
レイピアが広く使われるようになった背景には、
重装備の鎧がレアになった時代の流れがある。
+407 「日本の鎧の格好良さは異常」 侍たちが着用した本物の甲冑が外国人を魅了 ■ 一口にレイピアと言っても、
ヨーロッパの剣の多くがそうであるように、
年代や地域によって大きく変化するけどね。
多くの人が 「レイピア 」と考えるものは、
曲がるタイプだろうけど。
+10■ レイピアって映画とかでは過小評価されてるけど、
実際にはかなり効果的だったよな。
+6 アメリカ■ 俺は剣について詳しいことはよく分からない。
だけど文化を超えて職人技やスキルを相互に評価し、
尊重する様子を満喫してる。
+383 ノルウェー■ 日本の剣術の熟練者なのにもかかわらず、
新しいことに挑戦する姿が大好きだ。
長所と短所をバランスよく取り上げてくれた事が、
西洋の人間として本当に嬉しかったよ。
+109
西洋の刀剣であるレイピアに敬意を払いながら、
長所短所を公平に評価している点が、
ヨーロッパの人々に大きな感銘を与えていました。
なお、日本には「水口レイピア」と呼ばれる謎の洋剣が。
当初は欧州から伝来した物だと考えられていましたが、
最新の研究によると、鍛造方法が日本刀に酷似しており、
17世紀前半(江戸時代初期)の日本の刀工などが、
欧州の物を模して作った写しの可能性が高いようです。
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