主に中世のヨーロッパにおいて、
騎馬で戦う者に与えられた名誉的称号である「騎士」。
名誉と社会的地位を持ち、独特の美学や規範を有するなどの点で、
日本の武士と非常によく似ている事で知られています。
しかし人気の面では、地元であるヨーロッパにおいてさえ、
日本の武士(侍)に後塵を拝しているようで、
騎士道や中世ヨーロッパの話題を中心に取り上げている、
フォロワー14万人のX(旧twitter)ユーザーは、
以下のように自身の投稿の目的や意義を伝えています。
「私はサムライを愛する西洋人に共感します。
しかし、私のプロジェクトの目的の1つは、
神秘的で名誉を重んじる戦士の精神性や価値観等を求める場合、
何もはるか遠くにある日本の伝統に目を向ける必要はない、
という点を示すことなのです。
それは、ここ(西洋)にあるのですから」この投稿には、騎士(道)のファンから大きな反響があり、
なぜ欧州においてさえ、人気の面で騎士は武士に勝てないのかが、
様々な視点から語り合われていました。
その一部をご紹介しますので、ごらんください。
「現代人にはない品格がある」 幕末の志士達が英国で撮影した写真が話題に
翻訳元■ たしかにヨーロッパで武士は愛されてる。
サムライは他の日本の文化全般と同じく、
最高にクールだから仕方がない。
+40 ■ 自分も日本に関する物事が大好きだ。
魅了されていると言っても良い。
+57 投稿者■ 西洋人が十字軍や中世の騎士たちを、
英雄的で高潔な存在として描くことがほとんどないのは、
悲劇と言っていいくらいに残念だ。
+35 ■ 2つ文化の考え方には本当の違いがある。
赤穂四十七士に匹敵するような歴史的事件は、
俺が知る限りヨーロッパには存在しない。
+12 ■ ローマ劫掠(1527年)の際に、
教皇を救うために喜んで自らを犠牲にした、
189人のスイス人衛兵のことが思い浮かんだが。
+4 ■ こういう投稿が必要だったんだ。
西洋は騎士道精神と世界観を取り戻す必要がある。
+3 ■ だって映画とかでもさ、
サムライについて回るBGMはカッコいいんだもん。
騎士がどうやってそれに対抗していけばいいんだよ。
+2 ■ ヨーロッパからかなり遠く離れた文化圏で、
騎士道に似た文化が生まれたのは本当に興味深い。
超越的な何かを物語ってるよね。
+2 ■ 騎士の人気をサムライのように高めたいなら、
騎士をよりクールで、より身軽で、
より強い存在にしないと難しいだろうな。
サムライにはクールな殺気がある。
騎士は不格好で、重たそうで、無理してる感じ。
サムライのような刀の芸術家でもないし。
騎士にそういう面があるなら見せてほしい。
+84 「日本の鎧の格好良さは異常」 侍たちが着用した本物の甲冑が外国人を魅了 ■ それはポップカルチャーにおける描写と、
大いに関係があるだろうね。
+2 ■ 騎士とサムライは類似したものとして進化してきたし、
これからもそれは変わらないだろうと思う。
騎士道精神が血の中にあるのにもかかわらず、
武士道的な生き方を好む西洋人には同情する。
+2 ■ 皮肉にも、日本では欧州の中世の歴史は高く評価されてきた。
メディアでさえやはりその姿勢は変わらない。
+2 ■ ぶっちゃけサムライに関する話は嘘も多い。
あまりにも美化され過ぎてきた。
■ 騎士はキリスト教から切り離せないものだから、
非キリスト教徒にとっては、
日本に目を向けるのは魅力的なことなんだよ。
+20 ■ 自分はクリスチャンだけどサムライが大好きだ。
+2 ■ 中世ヨーロッパのファンタジーを舞台にした、
日本発のメディア作品の多さを見てほしい。
我々西洋人がそうであるように、
彼らもまたファンタジーに夢中なんだ。
騎士も武士も、同じ"生地"から作られてるしね。
+574 「なんて神秘的な国なんだ!」 日本の神社の異世界感が尋常じゃないと話題に ■ ヨーロッパ人と日本人との間にある、
相互の敬意は間違いなく素晴らしいものだね。
ただ俺がどうしても気になっちゃうのは、
日本の伝統に対する西洋人の好意が、
自己嫌悪を帯びている場合なんだ。
+584 ■ そういった自己嫌悪がなぜ欧州人に生まれるのか。
その一端は、外見上は日本の方が僕らよりも、
長く伝統を保持しているように見えるという、
極めてシンプルな事実にあるのかもしれない。
欧州には武術がなかったと信じられてる事に似てる。
実際には欧州の方が高度なものを持っていた。
+9 ■ 自己嫌悪と言うより、日本では自国の文化や歴史を、
積極的に称賛しているのに対して、
西洋では自国の文化が否定されて、
学者たちによって邪悪なものとして描かれてるから。
世界的に称賛される日本の文化に西洋人が逃避するのも、
不思議ではないと俺は思うね。
+8 ■ 自己嫌悪のトレンドがどこで始まったのか、
俺も本当に興味があるんだよ……。
生活や文化のさまざまな面で、
過去数十年よりも今のほうが、
自己嫌悪が欧州で広まってる気がする。
+25 ■ ミヤモト・ムサシに相当する西洋人っているのかな?
+1■ ドン・キホーテも変な見方をされがちだけど、
彼もヒーローと言える存在だよな。
+3 ■ 日本では武士階級がより中央集権的で、
社会で支配的な役割を果たしていた、というのが自分の認識。
欧州の騎士はより細分化された封建制度の一部であることが多く、
権威と権力はさまざまな領主や貴族に分散してたよね。
日本が島国で、文化が内向きであったから、
彼らの精神性と文化がより長く「保存」されて、
外部の人間にとってより「神秘的」であったことは、
簡単に想像できることではある。
+10 「何で日本はこうも特殊なんだ」 米誌が映した伝統とモダンが融合する日本の姿 ■ 君はかなりいいところを突いてる。
あと日本はサコクをしてたのが大きい。
もし欧州にもわずか150年前まで騎士が存在してたら、
またちょっと違ったんじゃないかね。
+2 ■ 武徳(武術の倫理)は歴史的には他の文化にもあったよ。
日本の武士道とヨーロッパの騎士道が有名だけど、
いつの時代も、たった1つの文化だけが、
真実を独占してきたわけではない。
+10 ■ そもそも「騎士道」は19世紀に生まれたおとぎ話であって、
実際の中世の習慣ではないんだけどね。
■ サムライの魅力の多くは浪人の物語からきていると思う。
主君に仕えない孤独な戦士たちのことね。
カウボーイやフロンティアスピリットに凄く似てる。
一方で主や王に仕えるということは、
今や多くの西洋人にとってより異質な概念だ。
+1 ■ 日本の文化に対する劣等感を捨てよう。
普通に西洋でも東洋でも騎士は人気があるんだから、
気にする必要なんてない。
+4 ■ ヨーロッパの騎士映画よりも、
サムライ映画の方がずっと質が高い。
その影響もあるんじゃないかね。
+14 ■ どっちも現実ではそんなクールな存在じゃなかったよ。
彼らの主な目的は農民一揆を鎮圧することだったし。
+2 「日本の識字率は世界一だった」 江戸時代の農民たちの教養の高さに外国人が衝撃■ 日本にもミンネ(宮廷風恋愛)*に相当するものは、
歴史的にあったのかな?
+2 (*中世ヨーロッパの騎士道精神に基づく恋愛。
主君の奥方や高位の貴婦人などに対する騎士の恋愛感情を指す )
■ 武士道はたしかに魅力的だ。
だけど武士道が生まれたのは戦の時代が終わり、
武士が休息に入った時代だったことをみんな忘れてる。
それはサムライを手なずけるための掟であって、
武士を高揚させるためのものではないんだ。
+1 ■ いつも同じことを思ってた。
サムライはヨーロッパのシステムの騎士道に、
かなり似ていると自然に感じられるから、
多くのヨーロッパ人が興味を持つんだと思う。
+116 ■ 両方愛しても良いんだろ?
いずれにしても、地理的にこれ以上ないほど離れた、
ヨーロッパと日本という2つの封建的な文化圏で、
武人の詩的な精神文化が、それぞれ独立した形で、
人々から支持されたという事実に、
僕はいつも魅了されてきたよ。
+44
おそらく、今はアニメや漫画の影響で、
若者にとってはますます武士人気の方が高いでしょうね。
コメントにもあるように、広大な大陸を挟んだ東と西で、
同じような文化・価値観・美意識を持つ集団が生まれ、
その2極が先進的な文明を築き上げていったというのは、
たしかに何事かを物語っているような気がします。
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