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パンドラの憂鬱

外国メディアの記事などに寄せられた、海外の方々の反応をお伝えします


海外「欧米人には難解だった」 BBCの『もののけ姫』特集記事が海外で大反響

スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画作品、
「もののけ姫」が今月12日、公開から25年を迎えました。
それに合わせて英BBCは14日、特集記事を配信しています。
早速ですが、以下が要点になります。

・評論家のスティーブン・ケリー氏は、
「もののけ姫」について以下のように書いている
「この映画は、宮崎駿作品の中でも最も複雑な作品である。
 しかしこの作品が欧米でどのように扱われたのかが、
 日本と欧米の芸術の根本的な違いを物語っている」と。

・「テクノロジーは悪。もののけは善」。
 そういった単純な構図にする事も出来ただろうが、
 この映画はそうではなかった。
 宮崎監督は以前に雑誌のインタビューでこう語っている。
「実際には悪人ではない人が良かれと思って行った事が、
 とんでもない事態になる事もあるのです」。

・日本文化研究者のスーザン・J・ネイピア女史は、
「ジブリを観ると、西洋の視点とは逆に、
 人間は必ずしも地球を支配する種ではない、
 という実感を持つ事が出来る」と話す。
 日本の災害の歴史と、神道に根ざした倫理観が、
 その根底にある事は間違いないだろう。
 なおネイピア女史は「もののけ姫」を
「アニメーションのシスティーナ礼拝堂」と評している。

・日本でセンセーションを巻き起こしたが、
 アメリカでの公開には紆余曲折があった。
 米国の配給会社であるミラマックスは、
 特定のキャラクターが善人なのか悪人なのか、
 善き神なのか悪しき神なのか知りたがったのだ。
 他にも、"音響が壊れたのかと思うような"静寂を嫌い、
 独自に音響効果を加えようと試みたりもした。

・アニメをアメリカに輸出しようとする際、
 いつも同じような事が問題となる。
 多くの米国人が「アニメは子供の物」と考えているからだ。
 結果として米国での興行は失敗に終わった。
 ディズニーの「歌って踊って」の作品に慣れた観客に、
「もののけ姫」などのような作品は、
 まだ早かったという説が有力である。

・前出のネイピア女史はこう指摘する。
「米国はいまだに善と悪、黒と白といった、
 二元的な価値観が刷り込まれていて、
 それはアメリカンドリームの根幹を成している。
 一方で日本の文化は無常観に基づいている。
 良い悪いではなく、より複雑な世界なのです」

・ニューカッスル大学講師の吉岡史朗氏によると、
「風の谷のナウシカ」がアメリカに輸出された際、
 単純な善と悪の物語にされてしまい、
 宮崎監督が激怒したというエピソードがある。

・なぜ今再び「もののけ姫」が注目されているのか。
 英語版脚本を務めたニール・ゲイマン氏は、
「かつてないほど現代にふさわしい作品」だという。

「どんなに世の中が悪くても、どんなに絶望に陥りそうになっても、
 それでも人は進み続けなければならない」。
 これは宮崎駿作品の「もののけ姫」以来のテーマとなっている。


 
以上です。
記事や記事を扱った関連投稿には、多くの意見が寄せられています。
その一部をご紹介しますので、ごらんください。

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翻訳元



■ 映画館で観た時、圧倒されたなぁ。
  だってそれまでこんな特殊な作品は観たことなかったもん。
  今でも「一番好きな映画は?」って訊かれたら、
  「もののけ姫」が最初に頭に浮かぶ。 +4




■ 欧米と日本の自然やアニメーションの概念の対比が鮮明だよね。
  日本以外でも大人向けのアニメーションが、
  コメディ以外で真剣に受け止められればなぁ。 +11




■ 「もののけ姫」が公開されたのは自分が10歳の時。
  映画館に連れて行ってくれた父親は、
  アニメだから子供が喜ぶと思ったんだろうね。
  だけど実際に作品を観た父親は、
  私が夜に悪夢を見るんじゃないかって心配になったらしい。
  でも結果として2人とも大好きになった。
  今でも一番好きな映画の1つ。 +352




■ 授業で「もののけ姫」を使用してます……。
  濃密な、不朽の名作。この映画は魔法。 +2




■  もちろん私見だけど、「もののけ姫」という作品は、
  構造的にもストーリー的にも、完璧な映画だと思ってる。
  ミヤザキ監督はこの映画で主人公の「敵役」を登場させたけど、
  「悪役」は1人として登場させなかった。
  全てのキャラクターが複雑な背景を持っていて、
  物語はその一人一人に敬意を持って寄り添ってるんだ。 +32




■ ディズニーはミヤザキ作品の存在が、
  自分たちに影を落とす事になるのを恐れてたと思う。
  ウォルト・ディズニー亡き後のディズニー作品よりも、
  ずっと豊かな価値観がある映画が現れたから。 +2




■ 米国で公開された時に観に行った。
  当時はまだアニメはブームじゃなかったら、
  ほとんどの親はカートゥーンを観る感覚だった。
  だけど、ショッキングなシーンもあり、
  その時には劇場全体が息を飲むような雰囲気だった。
  あの夜は、多くの子供たちがトラウマを抱えたはず。 +1




■ 傑作だよね。何度か観てるけど日本語版の方が好き。
  ユニークで示唆に富み、視覚的にも素晴らしい。 +5




■ サントラがまた良いんだよなぁ。
  子供の時に聴いて何回も泣いたもん。 +13

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■ アメリカ人以上にイギリス人の方が唖然となったはず。
  少なくとも米国では絶賛の声もあったわけだし。 +2




■ 私も大好き。1997年にグアムで観た。
  マーケティングをちゃんとやってなかった事もあって、
  劇場はガラガラな状態だったのを覚えてる。
  今となっては、現在の映画のトレンドの先駆けだよね。 +3




■ 圧倒的にマイベスト。
  ジブリ映画には観た人を成長させる力があると思ってる。 +2




■ 美しい映画だった。
  派閥に基づく対立を描いた映画がもっと増えれば良いのに。
  「もののけ姫」では誰も間違った選択はしておらず、
  誰もが納得のいく動機を持ってるんだけど、
  それでも選択の結果の対立が問題を引き起こす事になる。
  説教くさい環境保護主義じゃなくて、
  示唆に富んだニュアンスを持った作品だ。 +6500



   ■ 違う派閥の対立や自然が立ち上がる内容は、
     「風の谷のナウシカ」にも似てる。
     ぜひそっちも観て欲しい。
     あの幽玄な雰囲気は忘れられん。 +2200



      ■ 「ナウシカ」はトップ3。
        1位は間違いなく「千と千尋」。
        「魔女の宅急便」が2位3位争いに入ってくる。 +732



■ 俺が思うに、アメリカに与えた衝撃の大きさは、
  「もののけ姫」より「千と千尋の神隠し」の方が上。 +335

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   ■ 「もののけ姫」はPRがほとんど行われなかった。
      公開されてる事自体ほぼ知られてなかったんだよ。 +59



   ■ 「千と千尋の神隠し」が上映された頃の方が、
      環境的にはるかに観やすくなってたのもある。 +292



      ■ そして米国への扉を開いたのは「もののけ姫」。 +32



■ 一般的には「もののけ姫」よりも、
  「千と千尋の神隠し」の方が人気だよね。
  もちろんどちらも傑作には違いないんだけど、
  個人的には「もののけ姫」の方が壮大に感じる。
  テーマ自体がより大きなものだから。 +6




■ フィアンセと一緒に「もののけ姫」を観直したばかりなんだ。
  その世界観やストーリーの巧みさに改めて衝撃を受けたよ。
  2時間以上にわたって、特に説明されることなく、
  それでもあの世界と繋がって、理解する事が出来るの。 +941




■ 文句なしの傑作だよなぁ。
  俺の中でジブリ映画の女王であり続けてる。 +198




■ この映画を観て自分の中で価値観が変わったね。
  以来俺は今まで「悪者」と言ってた人たちを、
  「敵対者」と呼ぶようにしたんだ。 +26

「日本の作品の特徴だね」 何で日本の漫画やアニメは脇役が一番人気なの?




■ たしかに最初に観た時は、文字通り当惑して、
  唖然として、そしてビックリしてた。 +350



   ■ 恐らくは「混乱した」とも言えるだろうね。 +70



   ■ 衝撃的すぎてしばらく言葉が出てこなかったもん。
     いやほんと、君の言う通りだったよ。 +14



■ アニメーションという枠に限らず、
  全ての映画作品の中で最高傑作の1つ。 +131



   ■ そう、自分の中でもお気に入りの作品の1つだ。
     影響を受けて屋久島にも足を運んだくらい。 +9



■ 自分にとっては初めてのジブリ作品。
  一生忘れられないほどの衝撃を受けた。
  そのスタイル、登場人物の複雑さ、
  日本的なアニミズム(精霊信仰・汎霊説)。
  その全てを自然に受け入れる事が出来たし、
  すごく美しいと感じたんだ。 +5

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■ もしももう一度「初見」を体験出来るなら、
  俺はかなりの額のお金を差し出せる。 +48




■ 自分がアニメファンだから言うわけじゃないけど、
  善と悪の対比に慣れていた欧米人には難解だったと思う。
  日本の多くの作品では「悪」にも正義があるとされるからね。 +7




■ 自分は90年代前半、10代の頃にアニメを観てたんだ。
  だから「もののけ姫」もすんなり頭に入ってきた。
  アニメを観てた人はみんなそうだったんじゃないかね。
  たしかに観た事がない人にとっては難しかったかも。 +90




■ 「もののけ姫」は欧米人の価値観を変えた傑作。
  その時はまだ11歳だったんだけど、
  人はストーリーを紡ぐ事でどんな事が出来るのか、
  この映画を観て、初めてそれを知る事が出来たんだ。 +3





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[ 2022/07/17 23:00 ] 社会 | TB(0) | CM(1)


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