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パンドラの憂鬱

外国メディアの記事などに寄せられた、海外の方々の反応をお伝えします


海外「最高のランキングだ!」 英紙選出『日本を知る為の本トップ10』が話題に

今回は、英ガーディアン紙に掲載された記事からで、
英国の著作家クリストファー・ハーディングが選出した、
「豊かで、多面性を持つ、際限なく独創的な国」である、
日本を知る為に読むべき本トップ10に対する反応です。

早速ですが、ランキングは以下。

1.「遠野物語」/柳田國男
2. 「こころ」/夏目漱石
3. 「羅生門」など/芥川龍之介
4.「源氏物語」/紫式部
5. 「 Kyoto: A Cultural and Literary History」/ジョン・ダギル
6.「将軍」/ジェームズ・クラベル
 「The Shogun’s Queen」/レスレイ・ダウナー  
7. 「敗北を抱きしめて」/ジョン・ダワー
8.「A Tokyo Romance」/イアン・ブルマ
9. 「犬と鬼-知られざる日本の肖像」/アレックス・カー
10. 「センセイの鞄」/川上弘美


以上になります。
かなり絞られたテーマにも関わらず、記事には多くの意見が寄せられています。
その一部をご紹介しますので、ごらんください。

海外「日本文学は傑作の宝庫」 外国人が人に薦めたい好きな日本の文学作品

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翻訳元



■ ノーマ・フィールドの「天皇の逝く国で」を入れて欲しかった。
  昭和天皇崩御の時期に通常とは異なった視点から日本を描いてる。
  同時に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代の終わりでもあったね。
  



■ 古典文学は現代日本を理解するのにそこまで役立たないと思う。 +1



   ■ その意見は正しくもあるし、同時に間違ってもいる。
     現在の社会は古典文学に描かれている価値観の上に成り立ってるんだ。
     社会が変わったからと言って過去が関係ないとは言えないさ。 +7
      


■ 「センセイの鞄」がランキングに入ってて嬉しい。
  ここ数年で一番好きな日本の小説だから。文句なしに面白いよ。 +3




■ ラフカディオ・ハーンの著書もリストに入れるべきだったのでは? +2




■ ラフカディオ・ハーンの「怪談」はいつ読んでも面白いな。 +2




■ 日本を理解したいなら「沈黙」を読みましょう。 +7



   ■ 二十世紀に発表された日本文学の中では最高傑作だろう。 +2



■ 「こころ」は去年に読んだ本の中でベストだったよ。
  それどころかマイベストの1冊に入るかもしれない。
  ソウセキはディケンズよりプルーストに近いかな。
  プルーストに比べて文体は簡潔なものではあるけど。 +1



   ■ うん、「こころ」はエクセレント。
     あの作品の登場で、日本人が日本人とは何かを発見したんだ。 +2



■ 「高貴なる敗北―日本史の悲劇の英雄たち」がランクインしてないとは。
  この作品は、同様に選出されていないことがやはり驚きである、
  ミシマ・ユキオに関する物語でもあるような気がする。 +5
  


   ■ 誰も「高貴なる敗北」に触れてなくて驚いたよ。
     日本、日本人、日本文化が美しい視点から描かれてるね。
     ランキングに入れるべきかどうかではなくて、
     1位にすべきかどうかで悩む作品だよ。 +2



   ■ まぁ手に入れるのが容易ではないから。
     自分は40年前の古本を50ユーロで購入した。 +3



■ アラン・ブース の「ニッポン縦断日記」は素晴らしい旅行記だった。
  日本の田舎を旅したことがある人には伝わると思うけど、
  発行から40年経っても田舎はほとんど不変であることが分かる。 +6

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■ ユキオ・ミシマの「豊饒の海」をお忘れじゃないだろうか? +6




■ 僕なら清少納言の「枕草子」と、ヨウコ・オガワの小説をリストに入れる。




■ ランキングの10作品にシュウサク・エンドウの「侍」と、
  コウボウ・アベの「砂の女」を加えたいところ。 +8



   ■ アベの「箱男」もかなり興味深い作品だからお勧めしたい。 +3



■ ソウセキの「三四郎」は? オオエの作品も入ってないし。 +3




■ アズビー・ブラウンの「Just enough(足るを知る」)」がお勧め。
  エド時代の日本人の生活が本当に興味深かった。 +1

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■ 日本関連の本は数多くある。
  でも近代日本を理解したいならアレックス・カーの著作が最適だろうと思う。
  



■ 「ナンバー9ドリーム」はデイヴィッド・ミッチェルの作品で一番好き。
  彼の「出島の千の秋」も日本を描いた秀作だと思う。
  それからムラカミの「ノルウェーの森」。
  絶対にリストに加えるべきだとまでは言わないけど、
  3作品とも本当に面白い作品だった。 +13




■ 「津波の霊たち──3・11 死と生の物語」も忘れちゃいけない。
  それからケイゴ・ヒガシノの「容疑者Xの献身」も。 +1
  


   ■ 「津波の霊たち……」は傑作だね。読んでいて本当に辛かった。
     ヒガシノの本は寒い日に湯船に浸かりながら読みたくなるな。



■ バナナ・ヨシモトの作品はいつ読んでも私に喜びを与えてくれる。 +5




■ ハルキ・ムラカミの「ねじまき鳥クロニクル」が入ってないか……。 +10




■ ダイセツ・スズキの「禅と日本文化」では、
  ゼンの歴史が詩的に、包括的に紹介されてる。
  剣術から茶道、果ては俳句などの詩にいたるまで、
  ゼンがいかに日本文化に影響を与えたのかが理解出来る。 
  人生で一番好きな本の1つなんだ。 +4

海外「俳句作るの面白過ぎ」 『俳句の作り方』に外国人興味津々




■ ユキオ・ミシマの「金閣寺」は日本人を理解するのに向いてると思う。 +9




■ 「センセイの鞄」を思い出させてくれてありがとう。
  もう一度読み返したくなりました。
  寒い季節に読みたくなる、心が温かくなる作品なの。
  それからバナナ・ヨシモトの「キッチン」もそう。
  私が今まで読んできた本の中で一番好きかもしれない。 +10
  



■ 2007年から日本で暮らしてる。
  現代社会がどう動いてるのかを示した最も有益な本は、
  マルヤ・サイイチの「女ざかり」だろうと思う。
  同時にとても笑える作品でもあるんだ。

  欧米では認識されていない事実は、日本の社会はノーマルであると言う事。
  他の国の人たちと同様に希望も恐れも抱くし、政局の危機だってある。
  全ての日本人が「KAWAII」に魅了されてるわけでもない。
  よりバランスよく日本を知りたいなら、R. ターガート マーフィーの、
  「日本‐呪縛の構図:この国の過去、現在、そして未来」を勧めたい。
 
  そして、「遠野物語」を取り上げてくれてありがとう。
  トオノはイワテにある本当に美しい町なんだ。
  僕が今住んでるイワテは日本の隠れた宝石の1つだと思ってる。
  マーフィーはイワテを相対的に遅れた地域と描写してたけど、
  モリオカにはコーヒーやジャズを中心に、洗練された文化がある。
  機会があれば、どうかイワテに足を運んでほしい。 +16




■ 素晴らしいリストをどうもありがとう。
  こういった記事は、読書の視野を広げる素晴らしい方法だね。
  僕が知ってるのは「源氏物語」だけだったけど、
  他の本も是非とも読んでみたくなったよ。 +9





目立って名前の挙がっていた作者・作品は特に見られず、
本当に幅広い意見が寄せられていたのがとても印象的でした。
強いて言えば、遠藤周作氏の作品が若干多かったですかね。



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[ 2019/02/04 23:00 ] 社会 | TB(0) | CM(0)


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