生煮えの国民的議論
討論型世調で原発ゼロが46.7% NHK 8月22日
討論型世論調査は、専門家が作成したバランスのとれた討論資料の学習に続き、小グループに分かれての国民同士の討論や、全体会議における専門家への質問を繰り返すことにより、熟慮の結果として国民の意見がどう変化するかを把握する点に特徴があるらしい。
調査の内容や報告書は政府のホームページ(以下参照)で公開されている。
エネルギー・環境の選択肢に関する討論型世論調査ホームページ
調査報告書(PDFへのリンク)
討論後の結果は上記の通り、ゼロシナリオの支持者が46.7%と最も多くなった。ただ、注意しなければならないのは、参加者に与えれた情報が不十分なうえに、討論時間も短かかった(3時間)ということだ。
信じられないことだが、討論後でも参加者の8割は京都議定書のCO2等の削減義務の比率(90年比で2008~2012年の間6%)すら知らないのだ(調査報告書69P参照)。削減義務の比率が26%もあると考えている参加者がなんと5割以上もいる。
3つのシナリオはどれも2030年のCO2削減率が25%程度と大きく、そのため特にゼロシナリオはCO2削減のための負担が大きくなっている。ゼロシナリオを選択すると生活が苦しくなるということがこれでもかと書かれている。
それでもゼロシナリオの支持者が46.7%と最も多かったのだが、参加者がそもそも事実として2030年のCO2削減義務など一切ないということを知っていれば、ゼロシナリオの支持率はもっと増えていたことだろう。ゼロシナリオで示された負担は2030年のCO2削減率25%という前提を外せばかなり軽減するからだ。
参加者の知識が不十分なことにつけ込んで、シナリオ作成者である政府は選択を誘導しているのだ。そうした誘導がありながらも原発ゼロが46.7%となったことを重く受け止めてもらいたい。
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