たとえ偽物だろうとそれは本物と同じじゃないか誇りを穢された暦と過去との決別を図るひたぎの両名が遂に貝木と直接対峙。
7話に渡って続いたかれんビーもいよいよクライマックス!
互いに譲れぬ思いを抱える暦と火憐の本気の兄妹喧嘩。
久方ぶりの喧嘩を通してぶつけ合う互いの主義主張と戦いの描写が熱い。
火憐ちゃんも瀕死の状態に近いのによくあれだけ動けるものだと感心です。
感情だけでなく痛みもフィードバックされるのに付き合う忍も良い子だなぁ(笑)
火憐が語る正義と暦が常々口にしていた正義というものの違い。
火憐なりに暦の言葉を受け止め解釈していたけど暦が伝えたいことは違って。
正義の在り方を考える時にその行動の理由を自身の内に求めるか他人に求めるか。
本物の正義に必要な強さとは物理的な力ではなくて意思の力の強さのこと。
自己犠牲や他人のためというのは正しいことだけど正義たり得ないもの。
他人に理由を見出していることで自分が責任を背負うこともなくなってしまう。
そこに火憐達の意思はなくそれ故に彼女たちは強くはなれない偽物なのだと。
そんな妹たちのことを暦は大嫌いだけど同時に常に誇りにも思っている。
自分の誇りを穢した貝木を許せないという暦の台詞。
これは暦の自己満足だけど他ならぬ彼自身の意思による正義かなって。
その暦の思いを受け取り後は任せたと言う火憐とのシーンは最高でした。
そして再び貝木と対峙することになった暦とひたぎの二人。
しかし貝木に動揺は微塵もなく自分の非をあっさり認め謝罪の言葉を口にする。
彼にとっては火憐やひたぎの件は既に過去にあった事実でしかないのかもしれない。
まさに毒気を抜かれるとはこのことで暦達も怒るに怒れない状況を作られたというか。
こういう会話運びの展開に持っていくのが貝木が詐欺師たる所以といった感じですね。
何より下手なことを言うよりこちらの方が相手の出方を牽制できるというか。
そして囲い火蜂の怪異についてもやはり彼は本物ではなく偽物であった。
彼はただ単に怪異を知ると語る人を知っていただけで利用していたに過ぎない。
劣等感と一生向き合うことを決めた誇り高き偽物である彼はもう本物と変わらない。
詐欺師としても怪異を操るものとしても偽物だけど本物に近づき超えたのかもしれない。
そんな貝木の去り際は彼の語り口と同じくらいあっさりしたものでした。
他人の望みを与え役割を演じることも手段の一つと考える彼には執着もない。
この街を去っても貝木にとっては何の痛手でもなく別の街で別のことをすればいい。
劣等感と一生向き合う覚悟を持つ誇り高い偽物である彼は本物以上に厄介な存在でした。
そんな貝木にかつて救いを求め意識を向けていたガハラさん。
絶望的な中で救世主的な貝木を意識するのは自然かもだけど今は暦さん一筋。
貝木との対峙は謝罪や金銭のことではなくかつての自分の思いとの決別。
だから変わった今の自分を否定されることは許すことが出来なかった。
ひたぎの過去の話を聞いて動揺する暦は見ていて面白かったですけど。
今のひたぎは本当暦しか見えてないし結局二人は相思相愛でお似合いだなと。
お願いの内容が今夜は優しくすることとかガハラさんのデレっぷりはヤバイね。
もうね今回はこの照れたガハラさんが見られただけでも私は満足ですよ(笑)
貝木が街から去り噂話を元にするおまじないを巡る一連の事件は一応の解決を見た。
しかし噂というものが急に消えることはなく後遺症に悩まされる人も居る。
ファイヤーシスターズはそんな人のために今日も正義の味方ごっこを行う。
火憐と月火が本物になる日はまだ遠いのかもしれないけど。
そんな二人の偽物がいつか本物になれる日が来ると良いなと心底思いました。
次回 第8話「つきひフェニックス 其ノ壹」というわけでかなり長かったかれんビーも今回で終了ですね!
貝木は本当にあっさり引いたけどその前の火憐ちゃんとの喧嘩は激しかったw
どっちかというか貝木より火憐ちゃんの方がラスボスみたいな感じで(^^;
ただかれんビーのサブタイ通り活躍する火憐ちゃんの姿が見られて良かった。
さてさてお次は小さい方の妹である月火ちゃんが主役になるんですね。
Web予告で言っていたけどかれんビーが終わらないと月火ちゃんの話が始まらない。
主役は変わるかもですがファイヤーシスターズとしての活躍も期待したいです。
次回からの新章ですがこの先どういう話をやるか今から楽しみですね。
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ファーストキスを意識せざるを得なかった火憐ちゃんの戸惑いを表すセリフがなくて
ちょっと残念だった佑紀です。
土曜日の代休で今日まで3連休なので、録画していたアニメを一通り観てました。
来週以降は基本的に月火ちゃんの話ですが
男勝りな火憐ちゃんの方が(意外にも)乙女な側面も持ち合わせていたりすること等々
火憐ちゃんのエピソードも多少あるので、その辺りも楽しみにしたいところです。
ではでは。
>強さや正義についての意見の相違
"意志の強さで負けるようでは、意志に基づき悪事を働く者をくじけない"
というのが暦の正義感の根底にあるのでしょう。
究極的な真の敵は別の正義なので、自己満足に甘んじる覚悟も必要だから、
羽川の正義を本物と見做しているのだと思います。
別に火憐ちゃんのが大人のそれじゃないと言っているわけではないですw
>火憐ちゃんと月火ちゃんについて
悪をくじく為、人の為というのは寧ろ正しいけども
自分の意志に基づいていない、意志の強さがないから
"正義の味方"ですらないとして"ごっこ"と評してきたわけです。
>兄妹喧嘩
暦の目的は「火憐ちゃんは僕に任せて休め」と説得することでしたからね。
吸血鬼のような存在となった副産物のタフさを武器にする方が
得策だと考えたのでしょう。
火憐ちゃんの技は"段の免状を持っているのは空手"と解釈すれば済みますが
彼女の師匠に至っては、一体何者なんだという疑問を禁じ得ませんでしたw