診療の質の問題指摘 群大病院の施術死亡、平均の第一外科4倍、第2外科10倍
群馬大学病院の手術死問題で、日本外科学会が行った死亡例の検証により、対象となった第一、第二外科(2015年4月に統合)の50例全てで、説明や記録も含めた診療経過に何らかの形で不備が指摘されていることがわかった。
死亡例全般で、行われた医療の質が問われる結果となった。問題の発端となった第二外科だけでなく、第一外科も含め二つの外科が限られた人員で同種の診療を別々に行う非効率な体制を続けた病院組織の問題が、診療の質の低下を招いたとみられる。
同学会の検証は、群馬大が設置した第三者の調査委員会が委託。07~14年度に行われた消化器外科手術(約6700例)の死亡64例のうち50例(第一14、第二36)をカルテや画像、病院関係者の聞き取りを基に医学的に検証した。
「群 馬大学医学部附属病院医療事故調査委員会」(委員長:上田裕一・奈良県総合医療センター総長)は昨年末、日本外科学会が専門調査を受託し、調査を開始した ことを報告した。同学会は総勢50人態勢で9つの小委員会を設け、群大病院での消化器外科手術後に死亡した50例について医学的な調査していた。
群馬大学病院で、手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、日本外科学会による死亡症例の調査結果が明らかになり、第二外科の肝臓手術の死亡率が全国平均の約10倍に上っていただけでなく、第一外科でも平均の約4倍の高率だったことがわかったと3月に報道されていた。
<群大学長は医学部のポスト?>
こんな杜撰な医療管理をしていた群大の学長は、前学長の高田邦昭(2009.4.1~2015.3.31)、その前の鈴木守(2003.12.16~2009.3.31)も医学部長出身であり、いまや学長の座は医学部人材で決定していたようだ。
高田前学長に至っては昨年3月、後任学長に野島美久群大病院長を内定させ、群大の医学部支配を継続強化させようとしたが、人体実験のような大量の医療死亡事故を発生させた問題から、野島美久群大病院長は辞退した経緯がある。
群大の過去2代の学長や医学部長・病院長がそこらへんの民間病院にも劣る手術・病院管理を行っていたことが判明している。
いつも闇に葬り去られる医療死亡事故、神戸のように、学会の調査委も質の問題に責任転嫁させ施術者の問題にならないように最善の経過を発表したものと思われる。結果、うやむやに終わらせることを学会の使命としているようだ。
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