マイナス金利導入3ヶ月 住宅ローンの借り換え急増の3.3倍
日銀がマイナス金利政策を導入してから16日で3ヶ月。
当政策により世の中の金利全般が大きく低下し、住宅ローンの借り換えの申し込みは急増しているが、投資や消費を刺激する効果はまだ限られており、日銀は政策の効果が実体経済に及ぶまでには、なお一定の時間がかかると説明しているが・・・。
2月から導入された日銀のマイナス金利政策で、長期金利の代表的な指標とされる満期までの期間が10年の国債の利回りがマイナスになるなど金利全般が低下し、各大手銀行は住宅ローンの金利を過去最低の水準まで下げている。
この結果、返済中の住宅ローンを借り換える人が急増しており、大手銀行5行の合計で4月の住宅ローンの借り換えの申し込み件数は、前年同月比3.3倍に上っている。
これに対して4月の新規の住宅ローンの申し込み件数は、5行で10%の増加にとどまっており、不動産バブルが生じる気配はない。
日銀は、住宅ローンの借り換えによって返済の負担が軽くなれば、消費に回すお金が増えるとしているが、日銀が公表している指標でも消費の回復は確認されていない。
また、マイナス金利政策で企業による積極的な投資を促そうとしているが、企業は投資の増加になお慎重のまま。
日銀の黒田総裁は13日の講演で「企業にとっては、これまで経験したことのない低い金利になっており、空前の投資チャンスだ」と、積極的な投資を呼びかけているが、政策の効果が実体経済に及ぶまでには、なお一定の時間がかかるとも説明しているのだが・・・。
市場では、資金需要は不動産向けを中心にある程度出ているが、マイナス金利政策の導入で企業の借り入れ姿勢が積極化したかというと、足元の円高や世界的な経営環境の下押し要因のようなものを経営者が感じているので、マイナス金利だから必ずしも設備投資をするという雰囲気ではない。国内の資金需要は依然として低迷を続けているというのが実態。
一方、マイナス金利で生保やスーパー銀行が膨大な資金量を海外投資に回している。円高円安の為替ヘッジをかけ、投資妙味は限られるものの1%台の投資効率はあり、マイナス金利よりまし。その結果、日本の為替を円高にシフトさせている可能性が高いと指摘されている。日銀の本来の狙いは円安、実態は導入により12円以上円高にシフトさせてしまった。さりとて、マイナス金利を導入したベルギーのように不動産住宅バブルが生じることもまったくなくなく、日本の空は静まり返っている。笛吹けど誰も踊らず。踊っているのは日銀と政府の仲良しコンビだけか。
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