EUROPE『幻想交響詩』

FreeBird
今回のテーマ/The 名盤 80's HR/HM~探訪編~②
ヨーロッパ『幻想交響詩』
 EUROPE   1st Album  
Produced by EUROPE
Co-produced by  Thomas Erdtman and Erik VidegÃ¥rd
Engineer: EV
Recorded at The Electra Studio, Stockholm
Mixed at Europafilm

ヨーロッパのファーストアルバム『幻想交響詩』は、1983年にリリースされた模様であった。

europe
左からトニー・レノ(D)、ジョーイ・テンペスト(Vo)、ジョン・ノーラム(G)、ジョン・レヴィン(B)

洋楽を聴き始めたころは、HR/HM系のバンドには、関心が無かったため、シングル『ザ・ファイナル・カウントダウン』が大ヒットするまでは、ヨーロッパというバンドの存在を知らなかった。

同名タイトルのサードアルバム『ザ・ファイナル・カウントダウン』は、ほぼ全曲が良い曲だったので、大変気に入ったのだが、その頃は、まだ過去の作品をさかのぼって聴くという習慣が無かったため、俺が初めて、ヨーロッパのファーストアルバムを聴いてみようと思ったのは4枚目の『アウト・オブ・ディス・ワールド』がリリースされた、直後くらいだったように記憶している。

確か、その際に、ファーストとセカンドを2枚続けて聴いたような記憶が残っております。

ファーストアルバムは『セヴン・ドアーズ・ホテル』という曲が、すごい名曲で、特に日本で人気の高い曲であるという事で、確かに、実際にすごく良い曲だと思ったが、個人的には、1曲目の『イン・ザ・フューチャー・トゥ・カム』の方が、より一層よい曲に思えた。

その他『フェアウェル』『キング・ウィル・リターン』『BOYAZONT』『チルドレン・オブ・ディス・タイム』『ワーズ・オブ・ウィズダム』『パラダイズ・ベイ』『メモリーズ』等、こうして、列挙してみると、おそらく収録曲全曲になってしまったが、本当にどの曲も、よい曲だと感じた、当時の俺でありました。

憶測にすぎませんが、ほとんど共同プロデューサーの手が加わっていないというか、バンドのデモをほぼそのままレコーディングしたかのようにも思え、そこがまた、興味深くもあり、ヨーロッパというバンドの類まれなる才能がうかがい知れるようでもあった。

だいぶ後年の再結成時に発売された、ヨーロッパのベストDVDには、デビュー前のコンテスト出演時の映像等も収録されておりましたが、その時点で既に、アルバムに収録されている、ほぼそのままの演奏だった事からも、改めてそのように感じたのでありました。

又、このアルバム全体を通して感じたのは、それぞれの楽曲が良いこともさながら、この当時のジョーイ・テンペストの歌と、ジョン・ノーラムのギターは、相性が抜群にマッチしているようにも感じたのであった。

その数年後から再結成までの間、約20年近く、お二人は、袂を分かつことになりますが、やはり歴史的な名盤、名曲が生まれる背景には、ミュージシャン同士の運命的な巡りあわせがすごく重要なポイントでもあると、強く感じさせられた1枚であった。

EUROPE『幻想交響詩』
俺がこのアルバムを初めて聴いたのは、リリースされてから約5年程後の事でありましたが、過去の作品をさかのぼって聴くことの大切さや面白さを存分に思い知らせてくれたアルバムであった。
ただ、過去の作品を振り返って聴いてみて、いろんな意味で、このアルバム以上に面白かったアルバムは、そんなになかったようにも思いますが。
そういった意味でも、個人的にも非常に思い入れの強い1枚でありました。


所有音源
Victor / VDP-1147 【86年初CD化盤】
â„—1986 VMI
Licensed by Hot Records AB, Sweden.
Manufactured by Victor Musical Industries, Inc., Tokyo, Japan.
Made in Japan. 

Epic / SICP 30394 【Blu-spec CD2 (2013年日本盤)】
音源 2004 DSD Mastering
℗© 1983 Sony Music Entertaiment
Manufactured by Sony Music Japan International Inc.

※2004年当時は、リマスター盤等には、全く関心がなかったのだが、大分後に気になり始め、2004年DSD Mastering 音源の2013年再発盤Blu-spec CD2を聴いてみたところ、驚きの連続であった。
もこもこ籠っているうえに、中でもバスドラがドタバタうるさく、全体的にドラムの音が大きく感じた、初回盤のミックスに比べ、もわもわ感が排除された芯のある抜けのいい音質となっており、非常にすっきりと耳になじむ音処理がなされていた。
その分、ベースラインや、ギターのバッキングも鮮明に、聴きとりやすくなっており、若き日のジョン・レヴィンとジョン・ノーラムの力量も、より鮮明に聴き取れるようになったようにも思えます。

全体的に音の分離もバランスも良くなり、まさにプロフェッショナルな音質に改善されている事もあり、それ以来、このアルバムを聴くときは、もっぱらリマスターの方を聴いてしまいますが、ただ、当時は当時で、やっぱり、あの粗削り感といいますか、デモテープっぽいサウンドが良かったのではありましたが…

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YOU NO IT NAME

北欧

伊藤正則さんがラジオで凄いバンドをご紹介します的な感じで"SEVEN DOORS HOTEL"を流したのを聴いて悶絶しました。まだ80年代北欧メタルの三要素でもある「1.もさい、2.煮え切らない(突き抜けない)、3.垢抜けない」を醸し出してはいましたが、透明感を帯びた美旋律、そして叙情性とドラマティックな展開といった北欧メタルとは何たるかを確立したのは紛れもなく彼らでした。仰る通りこの粗削りな1st、そこがまた堪りません。あっ、因みに三要素は私が勝手に考えた、ある意味誉め言葉です(^^♪

2024年12月17日 (Tue) 00:47
FreeBird
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Re: 北欧

To: YOU NO IT NAMEさん
このアルバム、本当にコメント頂いたそのまんまだと思います。
この頃は、ジョーイ・テンペストとジョン・ノーラムの音楽的なベクトルも同じだったんでしょうね。
紆余曲折ありましたが、今となっては、ロックの歴史上、世界有数の偉大なバンドといっても過言ではないですよね。

2024年12月17日 (Tue) 06:40
グラハムボネ太郎

私も同感!

YOU NO IT NAMEさんと同じ感想です!
日本盤のジャケットは幻想的でしたが、後に知ったこのオリジナルジャケットには拍子抜けしました。みんなほっぺた赤いし(爆笑)

2024年12月22日 (Sun) 05:38
FreeBird
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Re: 私も同感!

To:グラハムボネ太郎さん
このジャケットの素朴な感じとアルバムの中身のギャップがまたいいですよね。
ダイヤモンドの原石のようにも思えてしまいます。

2024年12月23日 (Mon) 01:26
FreeBird
Admin: FreeBird
趣味は音楽鑑賞。
主に80’s中心の洋楽への思い入れ強です。
楽器はギターを少しやっておりました。
楽曲の裏話等は詳しくないので、各曲の感想や、どのようにしてその曲と出会ったのかなどを日記みたいな感じで綴っていきたいと思っております。

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