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神戸朝鮮学校への襲撃事件にかんする声明

 2014年1月22日、神戸朝鮮高級学校に金属棒を持った人物が侵入し、教員が負傷するという事件が起こった。この事件は紛れもないヘイト・クライムであり、このような猟奇的な事件が発生したときには決まって叫ばれる、病理的要因や漠然とした社会的閉塞感によって生じるといわれる「心の闇」の問題に関心を集中させてはならない。
 
 いちはやく発せられた在日コリアン青年連合(KEY)の声明でも言及されているように、この事件が発生してしまったことについては、日本政府の排外主義的諸政策に、また排外主義的風潮に支配されている日本社会に、大きな責任がある。朝鮮学校はそうした排外主義の主要なターゲットとされてきた。朝鮮学校は憎悪を向けてもよい対象であり、暴力を振るわれてもよい対象であるというお墨付きを、制度的差別(高校「無償化」からの朝鮮学校の適用除外、教育内容への介入および補助金のカット)によって、まさに国および地方行政が与えてきたのである。
 
 私たちは、朝鮮学校排除の問題について、昨年11月、東京都の補助金停止の決定に対し以下のような声明を発表した。

http://livingtogether.blog91.fc2.com/blog-entry-124.html

この声明で指摘したのは、「日本において朝鮮人の民族教育が作り出され、維持されてきた歴史的経緯」の、また「朝鮮にたいする日本の侵略と抑圧の歴史や、また戦後も在日朝鮮人にたいする抑圧や差別が続いているという事実」の、完全な「無視」のうえに、東京都の差別的措置が成立しているということであった。私たちは、このような問題の一帰結が、今回のような暴力事件であると考える。

 繰り返される在日朝鮮人への卑劣なヘイト・クライムを、私たちは許さない。このような差別事件の本質的な原因である、日本政府・日本社会の排外主義に、私たちは改めて強く反対する。それにくわえて、次のことを強調しておきたい。「素朴な実感」だけを反差別運動の原理とする一方で、歪められた歴史認識にもとづく、日本政府の周辺諸国に対する敵視政策や、民衆の敵視感情そのものを、批判の対象とすることなく、さらには容認あるいは肯定してしまうなら、そのような反差別運動は、日本の排外主義に対抗する真の力にはなりえないだろうし、排外主義に同調する結果にも陥りかねないだろう。私たちは、特に反差別諸団体において、このような認識が共有されることを望んでいる。

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

コメント

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朝鮮学校襲撃事件をヘイトクライムと非難するんやったら、大阪市生野区で起こった韓国人による日本人に対する殺人未遂事件について非難したことがあるんかい。あれも立派なヘイトクライムやど。その事件について無視することはあかんからな。

No title

一読して、「制度的差別」のカッコ書きのなかに、学校閉鎖令やそのあとの武力弾圧が含まれないのはどうして? と首を捻りました。

朝鮮学校を潰すべく、警察力を動員しつつ無法の限りを尽くした歴史が戦後すぐの時期にあり、そこから加害の歴史は連綿と続いてきたのではないですか?

「朝鮮学校は憎悪を向けてもよい対象であり、暴力を振るわれてもよい対象であるというお墨付き」は、無償化適用排除のずっと前から積み重ねられてきたのではないですか?

「高校「無償化」からの朝鮮学校の適用除外、教育内容への介入および補助金のカット」というふうに、限定的に列挙したことで、重要なことがこぼれた気がします。
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