酒井隆史 meets ヘイトスピーチに反対する会 ~何が運動を国民主義化するのか~
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酒井隆史 meets ヘイトスピーチに反対する会
~何が運動を国民主義化するのか~
■問題提起 酒井隆史さん
大阪府立大教員、著書に『通天閣 新・資本主義発達史』青土社、他
■主催 ヘイトスピーチに反対する会[email protected]
■日時 4月26日(土)13時開場/13時半開始
■場所 初台区民会館/渋谷区初台 1-33-10/京王新線 初台駅 徒歩5分
■資料代 500円
※無断での録音・撮影および右翼と警察協力者の入場は禁止です。
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何よりも社会運動が問われなければならない。
日本社会の排外性や、歪んだ歴史認識にもとづく自民族中心的な対外姿勢について口を閉ざす反差別運動。その一方で、在特会などのレイシスト市民運動による「慰安婦」展への妨害活動の活性化。「そよ風」「なでしこアクション」「花時間」などの「慰安婦」を「合法的な売春婦」とするキャンペーンを正面切って批判する声の弱まり。
これらは、いまの社会運動が陥った倒錯が呼び寄せている。「新たな運動参加者への敷居」を引き下げるために天皇主義右翼を引き入れたこと。民主主義を国政から街頭へと取り戻す運動が警察協力へと行動を枠づけ、不当な介入や逮捕に抗議すらしないこと。そしてあろうことかこれらを批判する者たちには悪罵をもって答えていること。ひどい倒錯である。
「誰も指導しないし、指導されもしない・・・民主主義のデモ」は、参加者間の創意と討議による運動の変化に期待をかけることだ。しかしその根幹は空洞化している。罵りとレッテル貼りで批判者を排除し、人々を羊群として扱う運動組織者を擁護してはいけない。この姿勢が、国家権力の規制に乗っかり、本来もっと豊かな可能性を内包しているはずの 「直接行動」を、官許の「オプション」へと貶めている。
日本の軍事・警察国家への傾斜を止めるには、政権が市民を戦争に巻き込む恐怖を煽るだけでは足りない。この動きが根差す排外主義やナショナリズムの根を克服する運動が必要だ。そのための議論を続けよう。