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2024-12

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確率と統計−情報学への架橋−

確率と統計情報学への架橋

「確率と統計−情報学への架橋−」渡辺澄夫, 村田昇 共著(コロナ社)

かなりコンパクトに纏まっていて説明も分かりやすく良いと思った。
確率変数の変換や、積分による確率変数の消去など、デルタ関数を
使って説明してあったりと多少テクニカルにはなるがスッキリと
まとめてあって個人的には好み。だが、初心者向けではないことは
確かだ。私が知らないだけかもしれないが、カルバック−ライブラ
ーの情報量なども、初めてその有用性が分かった。統計的推定に関
しても不偏性などの説明もしっかりと書いてある。薄いが色々と詰
まった一冊。ただし,癖があると言われる部類かもしれない。

 

チューリングの計算理論入門

チューリングの計算理論入門

ブルーバックスから出ている「チューリングの計算理論入門」(高岡詠子著)を読んだ.
ヒルベルト・プログラムに対する否定的な解決を直感したアラン・チューリングの
理論について解説した一冊。数学的な証明といっても、難しい話は殆どない。これ
は、コンピューターの原型となるチューリング・マシーンのアイディアと、それを
使って数学的な証明可能性に迫ることができるというチューリングのアイディアを
l解説した一冊。アルゴリズムとは何か,計算ができるとは
どういうことかを丁寧に解説している。チューリング・マシーンとか、不完全性
定理に興味のある人にはおすすめ。

熱力学・統計力学 原島鮮著



「熱力学・統計力学(原島鮮著)」は学生時代に購入したが殆ど読まず
に本棚の奥に眠っていた。引張りだして調べてみると、気になっていた
表面張力に関する議論がしっかりと載っている。学生時代に講義を担当
していただいた先生のお勧めで購入したが、当時は熱力学に落ちこぼれ
本を読み込むこともなかった。あらためて読み直してみるとしっかりと
した一冊であることが分かった。特に、熱力学の応用や統計力学と熱力
学の橋渡し的な話題が詳しく書かれていて勉強になる。最近は新しい本
が多く出版されていて、特に熱力学の定式化に関しては力の入ったもの
が多いが、一方で表面張力などの話題を議論したものが少ないのではな
いだろうか。そういった意味では原島先生の「熱力学・統計力学」は、
基礎的なこともある程度しっかり書いてあって、応用に関してもある程
度カバーするバランスの取れた良書だと思う。恐らく原島先生が実際の
講義で何度となく洗練させてきた熱力学スタイルを具現化したものなの
だろう。時間をかけて熟成させた深みが感じられる一冊。

宇宙を復号する



「宇宙を復号する」 チャールズ・サイフェ著  林大訳(早川書房)

久しぶりに面白いものに出会ったという感覚を抱いた。情報理論を通
じて世界を見直すというスタイルなのだが、話があちこちに飛ぶ。
しかし、それらが自然に繫がったストーリーとして語られる。淡々と
話が進んでゆくのだが、脳内に入った情報がじわじわと知的興奮のス
イッチを回してゆく。それは決してサイモン・シンの語るような熱い
情熱ではないのだが、情報は脳内で熱に変わり,確かに熱くなるのだ。
サイエンスに興味のある人には是非おすすめしたい一冊。

シャノンの情報理論入門

シャノンの情報理論入門

シャノンの情報理論入門 高岡詠子著 (ブルーバックス)

文章が頭に入ってこないので何度か読み返したりと、くじけそうに
なるが、興味深い話題が続いていたので読み終えることができた。
ポイントが分かり辛い、しかしレベルは入門者向けに設定されてお
り、概して読みやすい入門書だと思う。

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アトム 

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趣味   近所散策と物理