なぜ絶版?
今日は「パーキンソンの法則」(C.N.パーキンソン著、森永晴彦訳)から。
法則といっても、科学の法則ではありません。「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」「組織はどうでもいい物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」といった、社会の構造に関するようなもので、ウィキペディアに載っています。
物理と関係ないじゃないか、と思いきや、翻訳した森永さんという方は、東大の物理学科の先生だそうです。原子炉物理学の権威ワインベルグ博士が東海村を訪れた後、嵯峨根博士という方に「日本原子力研究所運営に当たりパーキンソンの法則の厄介にならざることを希望しつつ―ワインベルグ」と頭書してこの本を送ってこられたのだそうです。当時日本にほとんどなかったこの本は、欧米ではベストセラーだったそうです。
アマゾンで調べても新品はなかったので、多分絶版なのだろうと思います。ずいぶん時代を感じさせる外観でしたが、読んでみると、実に面白くてうなずけることばかり。現在の日本の諸問題は、1960年ごろには欧米ではすでに常識となっていたこれらの法則が日本であまり知られていないことが原因ではないか、とさえ思ってしまいます。
特に私が面白いと思ったのは、組織を崩壊に導く「劣嫉症」というもので、第3段階まであるそうで、
第1段階:無能力と嫉妬心を併せ持った人物が現れる。
意識的に低いスタンダードが求められる。
「トップと競争する気は毛頭ないのです」
第2段階:病変した人物が中央組織を把握したときに到来する。
独善的。
「うちのチーフは非常にしっかりした男でね、よく知って見るとこれがまた非常に賢明なんですな。彼は多くを語りません。だが、間違いをおかすことはほとんどない」
第3段階:治療不可能。焼き払うしかない。
無頓着
掲示板には四年前のコンサートのポスターがはられ放し、ブラウン氏のオフィスにはスミス氏の名札が下がり、・・・
ちなみに、第2段階になると、食堂が劣化するから食堂をみればわかると書いております。責任者の自己満足はめしとごみの区別がつかなくなる程度まで達しているからだと。うちの職場の食堂、このところ明らかに劣化しているのだが、大丈夫だろうか?
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法則といっても、科学の法則ではありません。「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」「組織はどうでもいい物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」といった、社会の構造に関するようなもので、ウィキペディアに載っています。
物理と関係ないじゃないか、と思いきや、翻訳した森永さんという方は、東大の物理学科の先生だそうです。原子炉物理学の権威ワインベルグ博士が東海村を訪れた後、嵯峨根博士という方に「日本原子力研究所運営に当たりパーキンソンの法則の厄介にならざることを希望しつつ―ワインベルグ」と頭書してこの本を送ってこられたのだそうです。当時日本にほとんどなかったこの本は、欧米ではベストセラーだったそうです。
アマゾンで調べても新品はなかったので、多分絶版なのだろうと思います。ずいぶん時代を感じさせる外観でしたが、読んでみると、実に面白くてうなずけることばかり。現在の日本の諸問題は、1960年ごろには欧米ではすでに常識となっていたこれらの法則が日本であまり知られていないことが原因ではないか、とさえ思ってしまいます。
特に私が面白いと思ったのは、組織を崩壊に導く「劣嫉症」というもので、第3段階まであるそうで、
第1段階:無能力と嫉妬心を併せ持った人物が現れる。
意識的に低いスタンダードが求められる。
「トップと競争する気は毛頭ないのです」
第2段階:病変した人物が中央組織を把握したときに到来する。
独善的。
「うちのチーフは非常にしっかりした男でね、よく知って見るとこれがまた非常に賢明なんですな。彼は多くを語りません。だが、間違いをおかすことはほとんどない」
第3段階:治療不可能。焼き払うしかない。
無頓着
掲示板には四年前のコンサートのポスターがはられ放し、ブラウン氏のオフィスにはスミス氏の名札が下がり、・・・
ちなみに、第2段階になると、食堂が劣化するから食堂をみればわかると書いております。責任者の自己満足はめしとごみの区別がつかなくなる程度まで達しているからだと。うちの職場の食堂、このところ明らかに劣化しているのだが、大丈夫だろうか?
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