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タケルンバ卿の生食にはリスクがありますよーの記事、個人の宣言としては潔いね、と思う一方、薬味の記述(リスク論で気に入らないところはブコメに書いたので省略)はいまいち納得できなかったのでぐだぐだ探してたら似たようなことを考えている人がいました。コメントを書こうと思ったのですが、初めましてでこのような長文を投下する勇気がなかったので少しアレンジしてトラバを送ることにしました。
わさびの抽出物(イソチオシアネートを主成分とする)は抗菌作用をもつとして食品添加物として認可されています(整理番号200:セイヨウワサビ抽出物、419:ワサビ抽出物)
しかし、本来のわさびの状態でどの程度の抗菌作用を持つか、の研究結果はあまり見つかりません。
ご存知の方はぜひ教えてください。
私が調べた範囲でわかったことを以下に簡単に書いておきます。
わさびの殺菌作用について、たとえば東京都がわさびの抗菌作用の実験をしていますが、繁殖してしまったO157やサルモネラに対しては殺菌作用は期待できないとの報告があります。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/rensai/files/jikken08.pdf
以下の実験でも、すりおろしたわさびの効果は期待できないとされています。
http://www.takasaki.ed.jp/ssh/research/report/h18report-research-4.pdf
有効成分のイソチオシアネートは揮発性成分であり、密閉状態でなければ長時間留まって作用することは難しいからですね。
タケルンバ卿の提示している論文
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006992810
ですが、シャーレ逆さまにしてわさびを蓋側に置いて蒸散条件(密閉して最大48時間)行っています。
論文を読むとわかるのですが、生食用牛肉の取り扱い条件である4℃(正確には10℃以下)の曝露条件において48時間曝露しても菌の増殖を抑制できていません。これはおそらく、4℃ではアリルイソチオシアネートがあまり揮発しなかったこと、曝露中の大腸菌がほとんど増殖しなかった(ために静菌状態であり、わさびが取り除かれたあとに正常に増殖した)ことなどが理由として考えられます。
また、抗菌作用が見られた黄色ブドウ球菌でも35℃の条件で5時間までは菌数が減少していません。生食用のものを真夏の気温の中、5時間放置しておくのがどれほど恐ろしいことかわかるでしょうか?
つまり、生食用の薬味の効果を担保できるような論文ではないのです。論文でもそんなことは一行も書いてません(導入としてはそういう経緯があったんだろうねーとは書いてますが)。
論文自体は普通だと思うのですが、今回必要な条件からかけ離れているので素直に「わさびをつけておけばリスクを減らせるね!」とはちっとも思えないのです。
あと、気になっているのが菌種ですね。
東京都の実験はO157ですが、他の二つは非病原性の大腸菌です。
まあ、アリルイソチオシアネートは殺菌スペクトルが広いそうなので、結果をそのまま挿入してもよいのかもしれません。
さて、わさびには抗菌作用はあるんだと思います。
実際に抽出物が食品添加物として認められていますしね。
しかし、私としては生食のお供にわさびやしょうがなどの薬味をつけたからといって安全だとは思えません。安心できるかもしれませんが。おまじない程度に考えておいた方がいいでしょう。
ブコメでも薬味を過大評価している方が散見されたのでつい書いちゃいましたが、薬味は美味しくいただくためのお供として利用しましょう。
わさびの抽出物(イソチオシアネートを主成分とする)は抗菌作用をもつとして食品添加物として認可されています(整理番号200:セイヨウワサビ抽出物、419:ワサビ抽出物)
しかし、本来のわさびの状態でどの程度の抗菌作用を持つか、の研究結果はあまり見つかりません。
ご存知の方はぜひ教えてください。
私が調べた範囲でわかったことを以下に簡単に書いておきます。
わさびの殺菌作用について、たとえば東京都がわさびの抗菌作用の実験をしていますが、繁殖してしまったO157やサルモネラに対しては殺菌作用は期待できないとの報告があります。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/rensai/files/jikken08.pdf
以下の実験でも、すりおろしたわさびの効果は期待できないとされています。
http://www.takasaki.ed.jp/ssh/research/report/h18report-research-4.pdf
有効成分のイソチオシアネートは揮発性成分であり、密閉状態でなければ長時間留まって作用することは難しいからですね。
タケルンバ卿の提示している論文
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006992810
ですが、シャーレ逆さまにしてわさびを蓋側に置いて蒸散条件(密閉して最大48時間)行っています。
論文を読むとわかるのですが、生食用牛肉の取り扱い条件である4℃(正確には10℃以下)の曝露条件において48時間曝露しても菌の増殖を抑制できていません。これはおそらく、4℃ではアリルイソチオシアネートがあまり揮発しなかったこと、曝露中の大腸菌がほとんど増殖しなかった(ために静菌状態であり、わさびが取り除かれたあとに正常に増殖した)ことなどが理由として考えられます。
また、抗菌作用が見られた黄色ブドウ球菌でも35℃の条件で5時間までは菌数が減少していません。生食用のものを真夏の気温の中、5時間放置しておくのがどれほど恐ろしいことかわかるでしょうか?
つまり、生食用の薬味の効果を担保できるような論文ではないのです。論文でもそんなことは一行も書いてません(導入としてはそういう経緯があったんだろうねーとは書いてますが)。
論文自体は普通だと思うのですが、今回必要な条件からかけ離れているので素直に「わさびをつけておけばリスクを減らせるね!」とはちっとも思えないのです。
あと、気になっているのが菌種ですね。
東京都の実験はO157ですが、他の二つは非病原性の大腸菌です。
まあ、アリルイソチオシアネートは殺菌スペクトルが広いそうなので、結果をそのまま挿入してもよいのかもしれません。
さて、わさびには抗菌作用はあるんだと思います。
実際に抽出物が食品添加物として認められていますしね。
しかし、私としては生食のお供にわさびやしょうがなどの薬味をつけたからといって安全だとは思えません。安心できるかもしれませんが。おまじない程度に考えておいた方がいいでしょう。
ブコメでも薬味を過大評価している方が散見されたのでつい書いちゃいましたが、薬味は美味しくいただくためのお供として利用しましょう。
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