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朝日新聞や共同通信のニュースをきっかけに、Twitterではエコナに関するつぶやきが多く見られました。かくいう私も結構呟きました。しかし、どうも関係者やエコナ報道を追ってる人たちと、ニュースを見た人たちの温度差が大きすぎて若干戸惑います。
グリシドール脂肪酸エステルに関してはようやく議論を開始するためのデータが出揃ったばかりで、まだスタート地点ですのであまり断定的なことは言えません。しかし、間違った認識が広まっていくと食品の安全性に関するリスクコミュニケーションに支障をきたすような気がしたので、6月の報告と8月の報告を合わせて簡単に解説しようと思います。
読み進める前に、花王が出しているQ&Aを紹介しておきます。
今回の結果についても簡潔にまとまっていますのでどうぞ。こんなブログを読むよりも時間の有効活用になりますよ!
エコナに関するQ&A(花王株式会社)
まず前提として、エコナクッキングオイル(以降エコナ)の安全性は確認されています。
少なくともすぐにどうにかしなければいけないほどのリスクはありません。
詳細については過去に言及済みなので改めては書きません。
ぐちゃぐちゃで恐縮ですが過去エントリをご覧ください。
【追記あり】6年前から指摘されているエコナの「危険性」って?(azure blue)
過去の安全性試験は「グリシドール脂肪酸エステル(以降GE)も不純物として含むDAG油」で行われています。現在はその中でも特にGEを取り上げてその体内動態に関する試験が行われています。
たとえば、コーヒーにはごくごく微量ながら発がん性物質が入っています(約1000種類の化学物質のうちの19種類【PDF注意】)。しかし、コーヒーという飲み物で見てみると、いくつかのがんに対して抑制的に働くであろうことが示唆されていますし、コーヒーの飲み過ぎでがんになったという話は聞いたことがありません。
詳しくは国立がん研究センターのHPで。
それと同じように、エコナには発がん性物質に変化する成分(GE)が入っていますが、食用油としての安全性は確認されています。
以上を前提に解説をしようと思います。
最初にグリシドール脂肪酸エステル(GE)について簡単におさらいしましょう。
2009年3月にドイツのリスク評価機関(BfR)により精製油脂およびその油脂から製造された乳児用粉ミルクにGEが含まれていることが公表されました。ドイツでは「製品中から減らすよう努力しなさい」と言われていますが、いまのところどの製品も販売中止や摂取制限などはされていないそうです。
食用油脂のGE(3-MCPD脂肪酸エステルの安全性議論からスタートしましたね)を調べたところ、エコナに含まれるGE量がその他の食用油脂に比べて10倍以上であったことが判明しました。
グリシドール脂肪酸エステルについて(花王株式会社)
不純物であるGEをDAG油とともに摂取し体内で分解された場合、ヒトに対しておそらく発がん性のあるグリシドール(IARCによる評価はGroup2A)になる可能性がありました。また、GEは最近になって食用油脂中に含まれることがわかったので、体内動態に関する知見がほとんどありませんでした。リスクのわからない不純物が他の食用油脂と比較して高濃度に含まれるのため、消費者の安心に配慮して販売を中止し、製品中のGE含有量を低減して再販売するとしています。
現在は改めてトクホの申請をするために安全性と有効性情報を積み重ねているところだそうです。
この間、消費者庁と消費者委員会の暴走がありましたがそれについては(過去に散々吐き出したので)もう触れないでおきましょう。
発足直後でいろいろ混乱があったのだと思います。
また、最近はとても良い仕事をしていると思うので頑張ってほしいですね。
さて、食品安全委員会は花王に対して以下について2009年11月末日までに報告するように要請しました。
(情報の伝達としては、花王←→厚生労働省(医薬食品局)←→内閣府(食品安全委員会))
「1.グリシドール脂肪酸エステル及びグリシドールの毒性に関する情報収集」に関しては2009年11月30日に報告されています。
2.3に関しては2010年の6月と8月に報告があります。
それについては次のエントリで簡単に解説します。
というわけで続きます。
続きました→エコナに含まれるグリシドール脂肪酸エステルのその後についてちょっと解説するよ(解説編)
関連エントリ:
【メモ】エコナの話(あくまで所感)【追記した】(azure blue)
Wikipediaのグリシドールの記述がおかしい(9/28現在)(azure blue)
厚労省は責任を負うべきか(azure blue)
グリシドール脂肪酸エステルに関してはようやく議論を開始するためのデータが出揃ったばかりで、まだスタート地点ですのであまり断定的なことは言えません。しかし、間違った認識が広まっていくと食品の安全性に関するリスクコミュニケーションに支障をきたすような気がしたので、6月の報告と8月の報告を合わせて簡単に解説しようと思います。
読み進める前に、花王が出しているQ&Aを紹介しておきます。
今回の結果についても簡潔にまとまっていますのでどうぞ。こんなブログを読むよりも時間の有効活用になりますよ!
エコナに関するQ&A(花王株式会社)
まず前提として、エコナクッキングオイル(以降エコナ)の安全性は確認されています。
少なくともすぐにどうにかしなければいけないほどのリスクはありません。
詳細については過去に言及済みなので改めては書きません。
ぐちゃぐちゃで恐縮ですが過去エントリをご覧ください。
【追記あり】6年前から指摘されているエコナの「危険性」って?(azure blue)
過去の安全性試験は「グリシドール脂肪酸エステル(以降GE)も不純物として含むDAG油」で行われています。現在はその中でも特にGEを取り上げてその体内動態に関する試験が行われています。
たとえば、コーヒーにはごくごく微量ながら発がん性物質が入っています(約1000種類の化学物質のうちの19種類【PDF注意】)。しかし、コーヒーという飲み物で見てみると、いくつかのがんに対して抑制的に働くであろうことが示唆されていますし、コーヒーの飲み過ぎでがんになったという話は聞いたことがありません。
詳しくは国立がん研究センターのHPで。
それと同じように、エコナには発がん性物質に変化する成分(GE)が入っていますが、食用油としての安全性は確認されています。
以上を前提に解説をしようと思います。
最初にグリシドール脂肪酸エステル(GE)について簡単におさらいしましょう。
2009年3月にドイツのリスク評価機関(BfR)により精製油脂およびその油脂から製造された乳児用粉ミルクにGEが含まれていることが公表されました。ドイツでは「製品中から減らすよう努力しなさい」と言われていますが、いまのところどの製品も販売中止や摂取制限などはされていないそうです。
食用油脂のGE(3-MCPD脂肪酸エステルの安全性議論からスタートしましたね)を調べたところ、エコナに含まれるGE量がその他の食用油脂に比べて10倍以上であったことが判明しました。
グリシドール脂肪酸エステルについて(花王株式会社)
不純物であるGEをDAG油とともに摂取し体内で分解された場合、ヒトに対しておそらく発がん性のあるグリシドール(IARCによる評価はGroup2A)になる可能性がありました。また、GEは最近になって食用油脂中に含まれることがわかったので、体内動態に関する知見がほとんどありませんでした。リスクのわからない不純物が他の食用油脂と比較して高濃度に含まれるのため、消費者の安心に配慮して販売を中止し、製品中のGE含有量を低減して再販売するとしています。
現在は改めてトクホの申請をするために安全性と有効性情報を積み重ねているところだそうです。
この間、消費者庁と消費者委員会の暴走がありましたがそれについては(過去に散々吐き出したので)もう触れないでおきましょう。
発足直後でいろいろ混乱があったのだと思います。
また、最近はとても良い仕事をしていると思うので頑張ってほしいですね。
さて、食品安全委員会は花王に対して以下について2009年11月末日までに報告するように要請しました。
(情報の伝達としては、花王←→厚生労働省(医薬食品局)←→内閣府(食品安全委員会))
1.グリシドール脂肪酸エステル及びグリシドールの毒性に関する情報収集 2.グリシドール脂肪酸エステルを経口摂取した場合の体内動態試験 3.グリシドール脂肪酸エステル及びグリシドールの遺伝毒性試験 |
「1.グリシドール脂肪酸エステル及びグリシドールの毒性に関する情報収集」に関しては2009年11月30日に報告されています。
2.3に関しては2010年の6月と8月に報告があります。
それについては次のエントリで簡単に解説します。
というわけで続きます。
続きました→エコナに含まれるグリシドール脂肪酸エステルのその後についてちょっと解説するよ(解説編)
関連エントリ:
【メモ】エコナの話(あくまで所感)【追記した】(azure blue)
Wikipediaのグリシドールの記述がおかしい(9/28現在)(azure blue)
厚労省は責任を負うべきか(azure blue)
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