2025/01/11
大均一祭(初日) ― 良き日の200円均一
1が三つ並んだこの良き日(?)、高円寺の古本均一の祖(?)、大均一祭は初日である。
2025年の古本運を計る真の闘いがここにあると言っても決して過言ではなく、否応なしに気合が入る……入るが、人混み嫌いかつインフルまじコワコワなのでのんびりと家を出る。
古書市での収穫は早い者勝ち。
通常、開場時間に近ければ近いほどお宝と巡り合える確率は上がる(※1)。自分も古書市に通い始めの頃は暑かろうが寒かろうが雨だろうが槍だろうが並んだものだが、朝一は色々ストレスも多いんよね。現在は「出会える時は出会えるべ」という緩い心持ちである。
到着はお昼ごろ。以下雑感想。
① 混み具合はそこそこ。既に空きが目立つ棚もあった。
最初に抱えたのが帳場付近の床に置かれたこちらの二冊。
② 会場内をザっと回って今回目に着いたのは、古い農業関係の本、教育関係の三一新書、雑誌は『中央公論』と『世界』、後は『こだま』って古い林業の冊子がドカッと。戦記も一棚分(※自費出版系・非売品系はなし)くらいあったかいな。軸物が複数棚に入ってたけど、一本くらい中身確認しておけばよかった。まさか絵画じゃなかろうから書の類か?
総じて、他の古書市で見たことのない、ウブい感じの棚が多くて大変楽しかった。
③ 俺は……
上画像のうち『それからの青木盛久 大使』(1999)は〈在ペルー日本大使公邸占拠事件の際の大使であった青木盛久の人となり、また夫妻の気高い人間性を、関連する3冊の本から抜粋引用して詳述した冊子である〉――という旨が序文に書かれている。適宜引用ではなくマジで本文の9割ほどが引用で構成された本なので資料性については微妙ながら、ネット検索では引っ掛からん代物のようなのでヨシ!
④ こちらは東京大学名誉教授で2002年に逝去した森口繁一が、1977年に発行した写生画集。
画集を作るなどということは、こんな機会ででもなければ、とても企て及ぶことではないので、あえて試みる次第。どうかみなさん、お世辞でもけっこうですから、ほめてやってください。そうすれば本人も、ますますいい気分になって、今後とも練習を重ねることでしょうから。
とある。簡潔で、ユーモア溢れた名文。こういう文章を書けるようになりてえなあ。
⑤ 成蹊小学校父母と教師の会の作成による「こみち通信」不揃いを一抱え。
これ、1冊ずつバラになったものと紐で括られて一括になったものが置いてあり、つまりどういうことだってばよ……? と帳場に確認したら、紐で括ってあるものは一冊ずつバラしてのカウントになる由。逆に言うと、紐で括られているのをバラしてもいいとのことだったので、【状態があんまりにあんまりなもの】【活字化されたもの】【重複したもの】は除いた上でカゴに入れた。状態難のはマジで天・小口・地がそれぞれズタボロ・ギザギザで如何ともしがたくてなあ……。成蹊小学校には状態良好のバックナンバーって残ってるんかいね。
購入は22点、4,400円分だった。
明日は全品100円、明後日最終日は全品50円と大盤振る舞い故、お時間ある方は覗いて見るとよいかと思う。自分は書庫に積まれたあれこれの出品作業に励みます。古本を積んでいるだけじゃ 生活は できないんだ なあ ニザワ。
- ※1 開催期間が長い古書市だと補充や入れ替えがあったりするので、初日朝一が絶対とも言いづらいところがある。