トランプ政治の本質(米国建国精神への回帰)
米国大統領選挙において、ドナルド・J・トランプ氏が次期大統領として選出されました。2025年1月20日には米国第47代大統領として就任します。新しい時代が始まろうとしています。
しかし世界各地で、トランプ氏の大統領就任前にもかかわらず、トランプ氏の言動に右往左往して戦々恐々としているのがうかがわれます。トランプ氏の極端で恫喝的な言動に真意を図りかねているものと考えられます。相入れないような見解もあるがためにどうなるのか不安なようです。
一つ一つの言葉をそのまま受け取るがゆえに、言葉に翻弄されているというのが現実でしょう。トランプ氏の言動は、交渉の方法論にすぎません。落ち着き先は別のところにあるのです。そこを見定めて対応すべきなのです。
そのためには、トランプ氏の基本姿勢をはっきりと理解することです。トランプ氏の基本姿勢は、大統領選勝利後アメリカ国民に向けて語りかけている動画に端的に現れています。
トランプ次期大統領は、大統領選勝利後アメリカ国民に向けてユーチューブ動画で次のように訴えかけています。ここで語られている精神は、アメリカ建国精神そのものです。建国精神に戻りましょうと語っているのです。アメリカの繁栄は、建国精神にあることをよく理解しているのです。トランプ次期大統領のアメリカ国民向けのメッセージを次のユーチューブ動画を通して見てください。
We Are Bringing The Bible BACK To America‼️🥳🇺🇸 // President Elect Donald J. Trump
私は宗教と信仰が失われていき、憲法までも踏みにじられたアメリカを神のもとに返すため、アメリカ国民が聖書を持って読むことをお薦めします。神を立て、愛し生活の中に神の権威とキリスト教を守らなければなりません。建国の父祖たちは大変な苦難を乗り越えてユダヤ初代教会の価値観のもとキリスト教を信奉してきましたが、検閲や監視によって、その価値観が攻撃され消されようとしています。私たちはアメリカを再び祈りの国として立て直さなければなりません。祈り、神を動機とし、教育し、アメリカへの忠誠心をもって神とキリスト教を取り戻し、再びメリカを偉大な国にしなければなりません。
私が手にしている聖書ですが、God Bless The USA 聖書を広め、キリスト教の価値観を多くの人たちに伝えていきましょう。神の祝福が皆さんにありますように。アメリカに神の祝福がありますように!
トランプ次期大統領のアメリカ国民に向けてのメッセージこそが トランプ革命の本質なのです。それは、「アメリカ国民よ、建国精神に戻りましょう」ということです。
1776年アメリカ合衆国は、英国との独立戦争を戦い英国からの独立を勝ち取りました。独立戦争は1783年に終結し、1787年アメリカ合衆国憲法が起草されます(1788年発効)。アメリカ合衆国建国にあたって、重要な役割を果たしたのが初代大統領ジョージ・ワシントンでした。ワシントンは、独立戦争を戦い、憲法立案の中心人物として取りまとめ、1789年から8年間初代大統領を勤めました。
アメリカ建国精神は、ワシントンが大統領職を辞するにあたっての「アメリカ国民に対する告別の辞」の中にわかりやすく要約されています。拙ブログからかいつまんで記載します。
アメリカ合衆国初代大統領ワシントンのアメリカ国民に対する告別の辞: キヴィタス日記 2022年2月11日付
8年間の大統領職を全うした初代大統領ジョージ・ワシントンは、アメリカ国民に告別演説を発表して別れを告げます。告別の辞の原文は、1796年9月19日付けの「アメリカン・デイリー・アドヴァイザー」紙の1ページ全面を埋めました。そこに示されていることは、アメリカとは何か、どうあるべきか、あるいはアメリカについてどう考えていたかについて、ワシントンの考えが簡約に示してあります。それは、同時にこれこそがアメリカ建国の精神だと言ってもいいものなのです。
その主な論点は三つです。第一に長文を割いて、情熱的に「派閥意識の悪影響」について論じています。それによれば、「アメリカは伝統と自然によって結ばれた国で、微妙な違いはあれ、おなじ宗教、風習、政治原理を共有している。北部と南部、東部海岸と北西内陸部の経済制度の違いは、国を分裂させるものではなく、補完しあうものである。違いや意見の対立や論争は存在するだろう。しかし集団、あるいは個人の幸福の源泉である連邦に対して、万人が貢献することがまさに国家の基盤であり、その中心には憲法に対する尊敬の念がある。全人民が明確に承認を与えて変更されないかぎり、憲法は恒久的であり、すべての人にとって神聖な義務である。人民が「政府を樹立する権力と権利」をもつことは、「すべての人が政府に従う義務」を前提としている。議会が憲法にもとづいて制定した法律を執行する合法的政府の決定には、全市民が道徳的義務として従うべきである、という力強い声明です。
第二に、ワシントンは外国の紛争にかかわらない智恵を強調しています。ヨーロッパをのみ込んだ大戦中、同盟を求める両陣営の圧力をはねのけて合衆国が戦いに巻き込まれるのを防いだことをワシントンは誇りにしていました。アメリカは、あらゆる国と「協調」し、「自由な外交」を追求して平等の立場で通商を行なわなければならない。また、「ふさわしい(軍事)施設」によって「相当の防衛体制」を維持しなければならないと述べているのです。
最後(第三)に、ワシントンは(革命期のフランスで起こった恐ろしい事件の数々を考慮して)、アメリカは世俗国家(宗教的原理を持たない国家)であるという考えを永久に排除したい、と望んだのです。アメリカは法治国家だが道徳の国でもある。政治を成功に導くあらゆる性向や習慣の中で、宗教と道徳は欠くことのできない支柱であると述べているのです。
ワシントンは、自由な共和国アメリカは秩序の維持を市民の善行に頼っており、宗教なしでは存続できない、と述べていました。それが当然のことだったのです。ワシントンは、おおかたの国民と同じく、アメリカはある意味で神に選ばれ恩寵にあずかり祝福されている国だと感じていました。このため、「たゆまぬ祈願」を「死ぬまでつづける」つもりでした。つまり、「天の御恵みの妙なるしるしを、アメリカ国民にとこしえにお示しくださるよう、連邦とはらから(同胞)の愛が永遠につづき、人々の手になる自由の憲法が堅く守られんことを」と祈っていたのです。神が共にあることを念願していたのです。
こういう建国精神のもとにアメリカ合衆国は建国されたのですが、建国の父祖たちは、少なからず将来について不安をもっていました。ワシントンは、「憲法は公正にためしてみるが、人間と人間が自由を使いこなす力を信頼していない。だからアメリカは、イギリスの政治体制のような結果に終わるだろう」というのがワシントンの考えだったというのです。また、ともに告別の辞を書いたハミルトンは、憲法についてはいちども幻想を抱かず、ひとは堕落した生き物というのが持論だったといいます。憲法さえないがしろにしてしまうのが今の愚かな人間であることを建国当初から理解していたのが、アメリカ建国の父祖たちだったのです。
最後に、トランプ次期大統領の改革が前進し、世界に希望の光をもたらしてくれることを願うものです。