2017/05/17(Wed)
スーパーフード ”カカオ” とカドミウム
<スーパーフード”カカオ”>
カルディで「話題のスーパーフード、カカオパウダー」とかポップに書かれた輸入もののカカオパウダーを見つけた。100%ピュアココアパウダーとも書かれているし、200g500円足らずなので、普通のココアパウダーに違いない。
その隣には、輸入もののカカオニブも置いている。
もしかして、”健康にいい食べ物”として今ブームなのは、カカオなんだろうか?
そういえば、高カカオチョコレートをイオンの店頭で数種類見かけたし、糖尿病で健康食品マニアのお向いの奥さんはTVCMで見た「チョコレート効果」を食べているという。
普通のチョコレートは、重量の半分が糖質なので、5g食べたら糖質は約2.5g。
太りすぎで糖尿病なのに砂糖いっぱいのチョコレートなんか食べていいのだろうか?と思っていたら、「チョコレート効果」はかなりの低糖質。
5gあたりの糖質量は、「cacao72%」1.7g、「cacao86%」1.1g。「cacao95%」0.7g。
「cacao95%」は、同量の純ココア(糖質0.7g)よりも糖質が少ない。(食べ方/飲み方が違うので比較する意味はあまりないけれど)
チョコ1切れ(5g)を食べる程度なら、血糖値にはほとんど影響がないレベル。
純ココアの方は、牛乳130ccくらいを入れて飲む場合は、糖質がさらに5g増えるし、砂糖も入れたらその分上乗せされる。(糖質だけでなくカロリーも増える)
チョコレートは罪な快楽?それとも健康食品?(連載:医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ)
チョコレートのなかでは「ヘルシーなダークチョコレート」の方を推奨。
市販のダークチョコレートでも、糖質量やカロリーはミルクチョコレートと変わらない製品もあるので、成分表示を確認して食べた方が良いと思う。
カカオパウダーとココアパウダーは正確には別物。
カカオ豆を低温処理したロー(生)のカカオパウダーなら、カカオの栄養と風味が濃厚。
普通のココアパウダーは、カカオ豆を高温で焙煎しているので、ロータイプの方がカカオの栄養が残りやすい。
ローカカオパウダーはオーガニック製品が多く、価格が100gあたり1000円くらいはするものが多いので、普通のココア(100g当たり300~400円)と間違いにくい。
ココアパウダーとカカオパウダーの違い
カカオパウダーはココアパウダーの代わりに使えるようなのでちょっと興味がある。
以前飲んでいたココアで気に入っていたのは、『明治 コクがおいしいミルクココア』という調整ココア。
商品名通り、ココアのコクにミルキー感もあって、森永のミルクココアよりもずっと美味しい。
このココアの良いところは、美味しいのはもちろん、植物油脂不使用で、添加物も香料以外は使われていないこと。
※原材料は、砂糖、ココアパウダー(ココアバター11~13%)、ココアパウダー(ココアバター22~24%)、全粉乳、ミルククラム、食塩、ココアバター、香料。
この調整ココアはなぜか製造中止になってしまったのが残念。
今はオランダ産の純ココアにクリープ(牛乳は飲まないので)か砂糖(1cc分)のどちらかを入れて、熱湯で溶かして飲んでいる。砂糖に塩を少し加えるとよりこってりした甘さになる。
コーヒーと違って、クリープも砂糖も入れないココアはさすがに苦くて飲めない。
ココアパウダーの高級品といえば、VALRHONA(ヴァローナ)。100g600円くらいとバンホーテンの1.5倍。
商品名は「カカオパウダー」でも、商品説明は「ココアパウダー」と紛らわしい。(確かに、ココアパウダーは、(広義の)カカオパウダーの一種とは言えるだろうけど)
風味の良い品種のカカオ豆を配合しているので、カカオ風味濃厚でマホガニー系の赤色が特徴で、焼成後も色落ちしない。
私は買ったことはないけれど、そのうちココアにして飲んでみたい気はする。
教えて!「私のマスト・バイ」アイテム vol.45 『ヴァローナ カカオパウダー』
ココアパウダーよりもさらにカカオ風味が濃厚らしき、カカオパウダー。
カカオ豆の脂肪分を減らして焙煎したココアパウダーとは違って、カカオ豆を低温加工して(天日干しまたは機械干し)粉末にする。これがロー(生)タイプのカカオパウダー。
amazonで”ローカカオパウダー”と検索すると数種類ヒットする。フードネイチャー プレミアム ロー カカオパウダー
レビューが多いのが、「ナビタスナチュラルズ(Navitas Naturals) オーガニック カカオパウダー」。
並行輸入品なので450gで2700円くらいと、普通のココアパウダーの倍くらい。ローカカオとしては安い。
<”カカオ”に含まれるカドミウム>
Navitas Naturals社製オーガニック カカオパウダーには、パッケージ裏面下部に「WARNING:THIS PRODUCT CONTAINS A CHEMICAL KNOWN TO THE STATE OF CALIFORNIA TO CAUSE BIRTH DEFECTS OR OTHER REPRODUCTIVE HARM」という注記が記載されている。
ローカカオパウダーに共通する化学物質なのか、それとも、この製品特有のものなのかよくわからない。
少し調べてみると、この化学物質というのは、カドミウムのことらしい。
Is There Cadmium In Your Cocoa?
Navitas Naturals ナビタスナチュラルズ オーガニックカカオペースト ローチョコレートペースト!ローストしていないカカオを低温加工!濃厚で美味しい♪ローチョコやロースイーツ作りにおすすめ!ローチョコチップを作ってローフードバーに入れると美味しい!【ローフード】 - iHerb(アイハーブ)やVitacost(ビタコスト)で個人輸入
10年くらい前にチョコレートに含まれるカドミウムとニッケルについて報告書が出ていた。
高カカオをうたったチョコレート[国民生活センター、2008年2月6日公表]
高カカオをうたったチョコレート(結果報告)(PDF)
PDFの報告書には、製品別のカドミウムおよびニッケルの含有量が記載されている。
「カドミウムの量について」
土壌からの由来と思われる重金属のカドミウムについて測定した。チョコレート中のカドミウム含量は、銘柄によって差があった。すぐに健康被害を及ぼす量ではないが、チョコレートのカドミウムは含量が低いことが望ましく、引き続き品質管理等が適切に行われることが必要であると思われる。
※メーカー側の説明によると、カドミウム含量は主にカカオ豆栽培の土壌に由来する場合が多いとのこと。
「ニッケルの量について」
ニッケルが普通のチョコレートの1.9~3.8倍含まれていた。ニッケルは、接触性の金属アレルギー物質として非常に多くの症例報告があり、経口摂取によっても発症する可能性が報告されているため、ニッケルアレルギーを有する人は注意したほうがよい。
カカオにカドミウムが含まれていることは今に始まったことではないし、毎日ココアやチョコレートを多量に摂取しているわけではないので、この報告書を読んだ限りでは、私には実害はない。
それに土壌中のカドミウムが原因なら、ココア以外にもカドミウムは含まれている農作物があるに違いない。
水産物(貝類・イカ・タコ・エビなど)にもカドミウムは蓄積されやすいというのは昔から知っていたけれど、調べてみると、米などの穀物、ナッツ、野菜、果物から肉類まで、多かれ少なかれカドミウムは含まれている。
<農作物中のカドミウム含有量データ>
「食品に含まれるカドミウム」に関するQ&A[以下、厚生労働省]
食品中のカドミウムの実態調査の結果
各農産物からのカドミウムの平均摂取量
第240回食品安全委員会講演資料:食品から摂取されるカドミウムの健康影響評価[PDF]
国別にみると、米に含まれているカドミウムは鉱物資源が豊富なベネズエラが飛び抜けて多く、米国は少ない。日本は米作地帯のアジア諸国のなかでも、中国に次いで高い。
農作物から肉・魚までカドミウムが含まれているので、これを毎日気にせず食べているのなら、国際的な規制基準値を大幅に上回ったカカオ豆製品を毎日大量に摂取しない限り、カカオパウダーやココアパウダーのカドミウムも気にする必要があるとは思えない
問題があるとすれば、産地によってカドミウム含有量が違い、パッケージに含有量表示がないこと。
それを気にするのであれば、カカオ以外の農作物や加工製品についても全て同じことなので、やっぱりカカオのカドミウムだけに拘っても仕方がない。
カルディで「話題のスーパーフード、カカオパウダー」とかポップに書かれた輸入もののカカオパウダーを見つけた。100%ピュアココアパウダーとも書かれているし、200g500円足らずなので、普通のココアパウダーに違いない。
その隣には、輸入もののカカオニブも置いている。
もしかして、”健康にいい食べ物”として今ブームなのは、カカオなんだろうか?
そういえば、高カカオチョコレートをイオンの店頭で数種類見かけたし、糖尿病で健康食品マニアのお向いの奥さんはTVCMで見た「チョコレート効果」を食べているという。
普通のチョコレートは、重量の半分が糖質なので、5g食べたら糖質は約2.5g。
太りすぎで糖尿病なのに砂糖いっぱいのチョコレートなんか食べていいのだろうか?と思っていたら、「チョコレート効果」はかなりの低糖質。
5gあたりの糖質量は、「cacao72%」1.7g、「cacao86%」1.1g。「cacao95%」0.7g。
「cacao95%」は、同量の純ココア(糖質0.7g)よりも糖質が少ない。(食べ方/飲み方が違うので比較する意味はあまりないけれど)
チョコ1切れ(5g)を食べる程度なら、血糖値にはほとんど影響がないレベル。
純ココアの方は、牛乳130ccくらいを入れて飲む場合は、糖質がさらに5g増えるし、砂糖も入れたらその分上乗せされる。(糖質だけでなくカロリーも増える)
チョコレートは罪な快楽?それとも健康食品?(連載:医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ)
チョコレートのなかでは「ヘルシーなダークチョコレート」の方を推奨。
市販のダークチョコレートでも、糖質量やカロリーはミルクチョコレートと変わらない製品もあるので、成分表示を確認して食べた方が良いと思う。
カカオパウダーとココアパウダーは正確には別物。
カカオ豆を低温処理したロー(生)のカカオパウダーなら、カカオの栄養と風味が濃厚。
普通のココアパウダーは、カカオ豆を高温で焙煎しているので、ロータイプの方がカカオの栄養が残りやすい。
ローカカオパウダーはオーガニック製品が多く、価格が100gあたり1000円くらいはするものが多いので、普通のココア(100g当たり300~400円)と間違いにくい。
ココアパウダーとカカオパウダーの違い
カカオパウダーはココアパウダーの代わりに使えるようなのでちょっと興味がある。
以前飲んでいたココアで気に入っていたのは、『明治 コクがおいしいミルクココア』という調整ココア。
商品名通り、ココアのコクにミルキー感もあって、森永のミルクココアよりもずっと美味しい。
このココアの良いところは、美味しいのはもちろん、植物油脂不使用で、添加物も香料以外は使われていないこと。
※原材料は、砂糖、ココアパウダー(ココアバター11~13%)、ココアパウダー(ココアバター22~24%)、全粉乳、ミルククラム、食塩、ココアバター、香料。
この調整ココアはなぜか製造中止になってしまったのが残念。
今はオランダ産の純ココアにクリープ(牛乳は飲まないので)か砂糖(1cc分)のどちらかを入れて、熱湯で溶かして飲んでいる。砂糖に塩を少し加えるとよりこってりした甘さになる。
コーヒーと違って、クリープも砂糖も入れないココアはさすがに苦くて飲めない。
ココアパウダーの高級品といえば、VALRHONA(ヴァローナ)。100g600円くらいとバンホーテンの1.5倍。
商品名は「カカオパウダー」でも、商品説明は「ココアパウダー」と紛らわしい。(確かに、ココアパウダーは、(広義の)カカオパウダーの一種とは言えるだろうけど)
風味の良い品種のカカオ豆を配合しているので、カカオ風味濃厚でマホガニー系の赤色が特徴で、焼成後も色落ちしない。
私は買ったことはないけれど、そのうちココアにして飲んでみたい気はする。
ヴァローナ カカオ(ココア)パウダー / 100g TOMIZ(富澤商店) |
ココアパウダーよりもさらにカカオ風味が濃厚らしき、カカオパウダー。
カカオ豆の脂肪分を減らして焙煎したココアパウダーとは違って、カカオ豆を低温加工して(天日干しまたは機械干し)粉末にする。これがロー(生)タイプのカカオパウダー。
amazonで”ローカカオパウダー”と検索すると数種類ヒットする。フードネイチャー プレミアム ロー カカオパウダー
レビューが多いのが、「ナビタスナチュラルズ(Navitas Naturals) オーガニック カカオパウダー」。
並行輸入品なので450gで2700円くらいと、普通のココアパウダーの倍くらい。ローカカオとしては安い。
ナビタスナチュラルズ(Navitas Naturals) オーガニック カカオパウダー 454g [海外直送][並行輸入品] ナビタス・ナチュラルズ(Navitas Naturals) |
<”カカオ”に含まれるカドミウム>
Navitas Naturals社製オーガニック カカオパウダーには、パッケージ裏面下部に「WARNING:THIS PRODUCT CONTAINS A CHEMICAL KNOWN TO THE STATE OF CALIFORNIA TO CAUSE BIRTH DEFECTS OR OTHER REPRODUCTIVE HARM」という注記が記載されている。
ローカカオパウダーに共通する化学物質なのか、それとも、この製品特有のものなのかよくわからない。
少し調べてみると、この化学物質というのは、カドミウムのことらしい。
Is There Cadmium In Your Cocoa?
Navitas Naturals ナビタスナチュラルズ オーガニックカカオペースト ローチョコレートペースト!ローストしていないカカオを低温加工!濃厚で美味しい♪ローチョコやロースイーツ作りにおすすめ!ローチョコチップを作ってローフードバーに入れると美味しい!【ローフード】 - iHerb(アイハーブ)やVitacost(ビタコスト)で個人輸入
10年くらい前にチョコレートに含まれるカドミウムとニッケルについて報告書が出ていた。
高カカオをうたったチョコレート[国民生活センター、2008年2月6日公表]
高カカオをうたったチョコレート(結果報告)(PDF)
PDFの報告書には、製品別のカドミウムおよびニッケルの含有量が記載されている。
「カドミウムの量について」
土壌からの由来と思われる重金属のカドミウムについて測定した。チョコレート中のカドミウム含量は、銘柄によって差があった。すぐに健康被害を及ぼす量ではないが、チョコレートのカドミウムは含量が低いことが望ましく、引き続き品質管理等が適切に行われることが必要であると思われる。
※メーカー側の説明によると、カドミウム含量は主にカカオ豆栽培の土壌に由来する場合が多いとのこと。
「ニッケルの量について」
ニッケルが普通のチョコレートの1.9~3.8倍含まれていた。ニッケルは、接触性の金属アレルギー物質として非常に多くの症例報告があり、経口摂取によっても発症する可能性が報告されているため、ニッケルアレルギーを有する人は注意したほうがよい。
カカオにカドミウムが含まれていることは今に始まったことではないし、毎日ココアやチョコレートを多量に摂取しているわけではないので、この報告書を読んだ限りでは、私には実害はない。
それに土壌中のカドミウムが原因なら、ココア以外にもカドミウムは含まれている農作物があるに違いない。
水産物(貝類・イカ・タコ・エビなど)にもカドミウムは蓄積されやすいというのは昔から知っていたけれど、調べてみると、米などの穀物、ナッツ、野菜、果物から肉類まで、多かれ少なかれカドミウムは含まれている。
<農作物中のカドミウム含有量データ>
「食品に含まれるカドミウム」に関するQ&A[以下、厚生労働省]
食品中のカドミウムの実態調査の結果
各農産物からのカドミウムの平均摂取量
第240回食品安全委員会講演資料:食品から摂取されるカドミウムの健康影響評価[PDF]
国別にみると、米に含まれているカドミウムは鉱物資源が豊富なベネズエラが飛び抜けて多く、米国は少ない。日本は米作地帯のアジア諸国のなかでも、中国に次いで高い。
農作物から肉・魚までカドミウムが含まれているので、これを毎日気にせず食べているのなら、国際的な規制基準値を大幅に上回ったカカオ豆製品を毎日大量に摂取しない限り、カカオパウダーやココアパウダーのカドミウムも気にする必要があるとは思えない
問題があるとすれば、産地によってカドミウム含有量が違い、パッケージに含有量表示がないこと。
それを気にするのであれば、カカオ以外の農作物や加工製品についても全て同じことなので、やっぱりカカオのカドミウムだけに拘っても仕方がない。