大林組は2008年度の中期経営計画に掲げている「技術を核として利益成長企業へ」という目標を実現する一環として、東京都清瀬市のある技術研究所を整備することになりました。
その新本館となる「テクノステーション」には、「技術の革新」、「技術の実証」、「技術のプレゼンテーション」という同社の技研の理念を象徴するかのように、様々な新機軸が取り入れられています。
まずは、スーパーアクティブ制震「ラピュタ2D」という高性能の制震システム。地震時に建物の揺れを地面の1/30から1/50まで低減できるというスグレモノです。
模型による性能実証実験で示されたその性能は、
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
震度5で鉛筆倒れず
というくらいのものだったそうです。
この制震システムは、積層ゴムによって支えられた建物本体を、センサーとコンピューターによって制御されたアクチュエーターで地震力と反対方向に動かすことにより、揺れを打ち消す仕組みです。
まるで「天空の城ラピュタ」のように、建物が空中に静止しているようなイメージですね。
建物の内部には、研究員の交流や刺激を活性化するために、吹き抜け大空間のワークスペースを設け、ICタグによる入退場管理などのセキュリティシステムも採用するそうです。
さらに特筆すべきことは建物の環境性能です。快適性と省エネ性の両方に配慮した建物や設備、太陽光発電や地熱の利用などで、
CO2排出量を55%削減
できるそうです。
さらに、CO2排出量の残り45%分のカーボンクレジットを購入することにより、日本の研究施設として初めてのカーボンニュートラルを達成するとのこと。
建物の環境性能評価指標である「CASBEE」も評価Sクラスを取得できるとのことです。来年8月の完成が楽しみになる建物ですね。