お久しぶりです。
最近大学関連ので忙しくてなかなかこちらに手をつけれてませんでした。
カテゴリ通り、
今回はそうです!!!
久々の九一家ですww
連載のほうと僕のツイッターと、犬良氏の夕暮れナンセンスネクサスのPR文まとめをみていてもらえたらですけど、とてもそちらではイキイキしていました。
はい、雑談はここまでにしておいて・・・
本編に、ちょっと入っていきましょうかね!!
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140話・141話にて、生物学者である小五郎の悪友<秋山>が銃殺にて生存世界から強制退場。
遺体は・・・崖から落とされ野犬のエサに。
そして、魂は・・・・・・
秋山の生涯は小五郎の手によって幕を閉じた。
だが、魂は生きている。その魂の終着点は・・・
目を開けたときにまずピントをあわせる。
合わせた先には死んだ魚のような目の白髪いや、銀色も混じったような髪の色の男性。年齢は小五郎と近しいくらいだろうか。顔を見ればみるほど自分を殺した黒髪メガネの憎いアイツの顔を思い出す。
あと一日でニュートンやアインシュタインにも並べる、教科書に載れるような偉人になれる本当に寸前で・・・。
「貴様、起きあがれるか?」
先に声をかけたのは白髪の男性だった。落ち着きがあり、低音のイイ声。やはり、小五郎を連想する。だが、外見は正反対だ。
「あぁ、問題ないが・・・」
「まずは起きあがってから言いたいことを言え」
相手を一気に不機嫌にさせてしまったようだ。
これ以上怒らせないために立ち上がり、相手の顔を見る。
辺りを見回すと最後に見たあの絶景が名所の崖の下。現実世界なら、自分の体があるであろう場所に自分は寝転がっていた。
「ここはどこだね?私は小五郎と話をしていたのだが?」
「まずは、ここはおそらくだが死後の世界だ。
小五郎と話をしていたのは私は知らん。だが、ここにくるには一度死ぬことが条件だと思われる、つまり」
「つまり?」
「貴様は死んだのだ。おそらく自殺ではないのであれば小五郎に殺されたと推測するのが通常だろう」
当たっている、小五郎に殺されたこと。
そして、その話を聞くと話し相手である白髪の彼も死んでいることになる。ここは、本当に生きていた世界とは違う世界なのだろうか?
そうなら、もうきっとアインシュタインやニュートンにも並べなくなった。
もう、なにもかも終わってしまった。
「ここには死んだもの以外人は来ない。
とりあえず、話を聞きたい。私の家に来い」
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「お帰りなさい、千怜」
「お兄さまお帰りなさい、ご飯まだ作ってませんから」
でかい豪邸、本人曰く別荘だった今の本拠地の玄関を開けて迎えてくれたのは白髪青目の美女とマロン色の髪の毛エメラルドのきれいな瞳の童顔少女。顔とは合わずにとても胸がでかく少し動くだけで揺れている。
パァンッ!!!
「貴様、今怜那の胸を見ていたのだろう?
卑猥なことを少しでも考えて見ろ、もう一度地獄を見させてやる」
どうやら、ただ者ではないという気がしてはいたがそれは本当のようだ。
殺気がものすごいのだから。
「お兄さま、お友達いたんですか?」
「その言い方だと他にも友達が居たって聞こえるわよ?
千怜にお友達っていると思ってたの?」
拳骨の音が2つ聞こえた。
そして、
巨乳と真っ白が頭を抱えてうずくまっているのを余所に白髪は靴を脱ぎ家の奥へと入って行ってしまった。
「なにをしている、あがってこい」
私が動いていないのに気がついたのか、声をかけてくれた。が、私の目は完全に別のところに行ってしまっている。そう・・・
<うずくまっている女子達の胸の谷間>
靴を脱ぎながらうずくまっている女子の谷間を覗けないかと姿勢を低くし、低くすればするほどもっと下のほうまで見えるのではないかと邪な感情が渦巻きだした。
「どちら様でしょうか?
事情によってはそれなりの対応をしますが?」
背後にサングラスをかけた男性とその後ろには前髪パッツンの女子が居た。
サングラスをかけているからなのか、それともこちらの姿勢が低いからなのか、相手がとても威圧的に見える。
「す、すまなかった。謝るから・・・」
ついつい自分のいつもの傲慢な態度を忘れざるを得なかった。
パッツンは真っ白と巨乳に声をかけて私の目の前を通り過ぎてしまった。
「すみませんね、彼女達は本当はいい子で楽しい子達なんです。ここにはどうやって?」
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「そうですか、一人退場者が増えただけですか」
「ただ増えただけではない、今回コイツがここにきたのは私が大学院に居た頃同じゼミに通っていた知人に殺されてここにきたのだ。モブと一緒というわけではないぞ」
「それは失礼しました、九様」
白髪は足音もたてずに、だが、殺気は赤子にも悟れるくらいに放っている。
私は彼を丸め込めるのか?
そして、
この一家の主導権を握ることは可能なのか?
「無理だ」
こんな人間離れした白髪に勝てる気がしない。
「デブ、とりあえず居間に来い。
貴様が生きているときになにをして、そして、どう殺されたのかを教えてもらおうか」
あの受精卵のことなど、未練がないわけではない。
だが、
この人間に果たして言ってもいいのだろうか?
自分の手柄をまた別の人間にとられるのではないのか?
使い捨てにされるのか?
一気にあふれる疑問と恐怖とここを支配しようという支配欲が混ざりながら秋山の中に充満していく。
「あぁ、話そうか。
私がなぜ小五郎に殺されたのかを。
そして、大学院時代に小五郎と同じゼミに居たという君についても聞きたい、是非ともね」
カチャッ
冷たい鉄の音
辺りに響くリロード音
そして、
突きつけられる銃口
「デ、デジャブ」
「デジャブではない、ただ今の物言いは私を怒らせるには十分すぎた。
貴様の態度は人を苛つかせる才能がどうやらあるらしいな」
「九様!!そんな物騒なもの毎回生きているときに黒服さんに『間違えて暴発したりしたら危ないから持ち歩くな!!』と口酸っぱく言われていたのに、まだ持ち歩いているんですか?!! 黒服さんがこちら側にきたらすぐにまた怒ってもらいますからね!!」
目の前でサングラスがオカンに見えた。
いや、違う。
サングラスのいう『黒服』というのがオカンに聞こえるのだ。きっと、彼を制御していた重要人だったのだろう。
「お兄さま!!どうしましょう!!また真子さんが料理失敗してダークマター生成しちゃいました!!」
「なんだと?あんなものを食って見ろ、私たちがもう一度死ぬことになる」
「千怜ー!!どうしよう!!上手にアンチマター作れたよー!!褒めて褒めてー!!」
真っ白が白いプレートに乗せて持ってきたものは
<黒く><焦げ臭い><食べたら寿命が縮みそうなもの>
それこそ言っていた<ダークマター>という言葉が合いそうだ。
見た瞬間に「これは食べては、口に入れてはいけない」と危険信号を発信した。脳がそう判断した。
真っ白は白髪にソレを食させようと駆け足で白髪に迫る。
そこからは、なにが怒ったかわからなかった。
ただ、一つわかったのは
真っ白が白髪に足を引っかけられて転けて、
私の口の中にダークマターが入った。
ただ、
それだけだった。
そのあとのことはなにも覚えていない。
だが、
目を覚ました時にはすでに足首にGPS内蔵の謎の機器を取り付けられていた。
「ここからまだ、地獄は続くのか・・・?」
................................................
長かったですww
とりあえずといったかんじですが、
秋山視点なんですけど、
あの人ぜんぜん僕が一読者としてせりふを読み上げたりしていたら
「コイツ、結構苛つくイイ方だな。千怜さんに一度ビビらされるだろうな~」
とか考えながら今回のはけっこうダラダラと考えました。
でも、
やっぱり書いていて楽しかったです。
秋山氏の外見的特徴を考えて適当に性格をかんがえたんですけど、スケベじゃないのかな?
とか考えながらそれをぶっこんだ話でしたww
真子さんが思いの外暴れなかった一話です。
さて、
これがあと何回続くかな?
暴れない真子さんとか、僕的に逆に変な感覚がするのは気のせいだろうか?
脳内で今回は千怜さんの方がとても動いていたのでそこがとても驚きました。
秋山さんが全然動かないというか・・・
でも、
なんとか動いてくれたのは千怜さんのおかげかと思ってたりします。
また、
次回(あるのか?!!まだ続くのか?これ)は話はまた全く別かも知れませんが、九一家の僕の妄想書き殴りに変わりはないと思います。ネタが偏っていたりするかもですけど<楽しんで>をモットーにやっていこうと思います。
最後までおつきあい頂きありがとうござました。
実はこの作品はホワイトデーの前から考えていたのに、pomeraのデータの隅っこで眠っていた。眠らされていたというモノです。
結局最終的には宅間さんの安定コースに行きました。
よければ、
暇つぶし程度に読んでくれたらです。
またこれを発掘したので時間があったらまた続きを書きたいと思います。
ホワイトデー ~九千怜の場合~
バレンタインの時にチョコを受け取った(受け取らされた)ので、お返しに何かを真子さんと小鳥さんに何かをあげねばと思い・・・
「所長、焦げてます」
「いまは所長ではない。それと、焦げたとしてもあいつらは魔女だ。これくらい食べたくらいで死にはしない」
この人の基準はやはり、ヴィンガルフにいたせいでひどくなっています。長期間いて、そして、所長の座まで上り詰めた結果がこれです。
私宅間が所長と出会ったときはもう所長だったので、所長になる前の学生の所長をみたことはありません。
今まで女性に対してどんな対応をしてきたのか気になるくらいです。ただ、黒服さんがいれる限りですがそばにいたのできっと研究所では黒服さんが千怜様の代わりにすべて対応していたのでしょう。顔も声も良いですから、拒否されることも少なそうですし。
今日はホワイトデーとやららしいが、ただの菓子業界の戦略であってそれをいい機会といわんばかりに女子は菓子を食い漁るだけの日だ。常日頃から菓子を食ってばかりのあいつら(真子・怜那)には必要ないだろう。
だが、それを言っても無駄な面倒くさい家政婦(宅間)がそばにいるせいでこの場を離れようとすればすぐに引き戻される。ただ、黒服も同じことをしたのかと考えるとどちらにせよ側近というやつは面倒くさい。
お節介というのはいいもので、時には人を不快にもさせるものなのだ。
「あとは型にいれて冷やせばいいだろう」
手は抜かない。見栄えが悪いのは自分でも見ていて嫌だからだ。だから、型にいれる作業だけは綺麗にきちんと手順通りに行う。たとえ、流し込むチョコレート本体に問題があったとしても。
「冷蔵庫の一番上の段にお願いします。あの3人娘の手の届かないところです。できれば、一番奥の方で」
「わかった。が、いつからそんなにも口うるさい黒服みたいな正確にお前はなったんだ?」
こんなにもお節介やら口うるさく追加で何かを注文してくるのは黒服だけだと思っていたが、隣にもうひとり増えていた。
「いえ、黒服さんなら同じことを言っていると思いまして。もしかして、同じようなことを言ってましたか?」
「あぁ、あいつがココにいるのかと思ってうざいという感情が生まれた」
「そうういえば、黒服さんはまだコチラに来ていませんね。千怜様はなにか事情はご存知ですか?」
「いや、瑞花の件でクビになりその後処刑されたとは耳にしたが。ココにも来ていないということはなにかあったのか?まぁ、そのうち近いうちに来るだろう、嫌でもな」
------ 2時間経過 ------
「では、ラッピングしましょう」
宅間が色とりどりのカラフルなラッピング用のリボンや包装紙などをダンボールから出してくる。
私がラッピングせねばならない分は2人分。真子と怜那だ。リボンや包装紙の色を二人に似合いそうな色と思い探してみようかとおもったが、面倒くさい。
こんにちは
どうも、宅間です。
今日は3/14です。
ホワイトデーという日です。
ですが、
チョコをもらった我が家の大黒柱である千怜様は何もお返しをする気がなさそうなので、
私が今台所に立ちチョコレートを温めて溶かす作業などを行っています。
私はヴィンガルフに土屋を連れていった時に脱走した魔法使いに殺されました。
が、なぜか次に目覚めたときには一人でこの家にいました。
人気は一切なく、不気味なくらいに一般人の家庭のような雰囲気がありました。
それから2週間ほど、私はこの家にて炊事洗濯など行ってきました。
とある日に大声を出しながら走り回っている少女がいたので近づいてみると、研究所にいたAAランクのスカジだとわかりました。
それから、二人で暮らし始め一般人の普通の生活を送りました。
それから1週間程してから
「なぜこの家がある。何故私は生きている?ヴァルキュリアはどこだ?誰か居るのか?」
という大きな独り言を言っている生きていた頃の上司である九千怜様がいました。
ですが、服装は制服ではなくおそらくは私服と思われる格好で眉間に皺を寄せて家の周りを徘徊していました。たとえるならば『白い幽霊』のようでした。
声をかけ、何があったのか全てではありませんが説明してもらい3人で暮らすという話をしていたら
「お兄さまのバカー!!!アホー!!!腕から銃生えてるくせにー!!」
ずっと千怜さまが捜し求めていた鷹鳥小鳥こと「九怜那」が家の近くで悪口を叫んでいました。
それに怒りを覚えたのか千怜様は私たちにここにいるようにとだけ言い残して鷹鳥の元へ行き・・・その先は我々は知ることはありませんでした。
ただ、鷹鳥の頭にはタンコブができていたのでおそらく殴られたのでしょう。
兄の悪口を言ったらどうなるか、体感したのだと私は思っています。
4人に増えてから数刻過ぎ、昼食でも取ろうかと家庭菜園で育てていた食材を取りに湖周辺の畑へ千怜様も一緒に行きました。
「ららら全然きにしなぁ~い♪
寧子にふ、フルボッコにされたけど・・・そんなの気にしなぁ~い♪
千怜と離ればなれになっちゃったけど、私の心の中にはずっといるはずだし、これから見つけだすからぜんっぜん全く気にしなぁ~い!!!
・・・・気にしてないもん!!!
ほんとだもん、気になんか、してないもん」
ものすごくきにしてますね。
今回も鷹鳥同様千怜様が真子さんを回収しました。
どうやって説得したのか声は聞こえてはいませんでしたが、真子さんが千怜様に抱きついて引きはがそうとしても離れなさそうだったので一発頭に拳を。
一緒に畑で野菜を収穫して家に帰宅。
そして、鷹鳥と真子さんが一悶着しそれを終わらせたのは千怜様の拳だったり。
スカジは体が自由に動くのがうれしいのか、気がついたら家にはいなかったり知らないうちに家に帰ってきたりと実に不思議な子だったりと、なかなか普通ではなさそうな。でも、研究所にいた頃よりも平和で笑顔の多いこの日常が普通になってとても幸せだと実感していたりする今日この頃です。
「宅間、何をしている」
「千怜様でしたか。ホワイトデーなので、千怜様の代わりにチョコレートを作っているだけです。何かありましたか?」
千怜様は何故か無言でチョコレート用の型に手を伸ばし、器用にボールに入ったままのチョコレートを流し込んでいく。
「これくらいはする。あとは冷やすだけか?」
「そうです。では、冷蔵庫の一番上にお願いします」
冷蔵庫の扉を開け、チョコの型を冷蔵庫の一番上に。真子さんや鷹鳥にばれないように。もちろん、スカジにもバレないように。
「「何してるの?!!」」
突然音もなく、いえ、魔法を使ったらしいのでハングアップの音は聞こえました。
千怜様にダイブ。後で鉄拳を食らうだろうと考えたりしましたが、目の前の光景が驚きで。
「キャー!!千怜にチョコがかかったー!!
どうしよう!!千怜、大丈夫?!」
「このままお兄さまを食べましょう!!消えて無くしましょう!!」
「怜那、貴様ぁ」
「千怜、大丈夫!!私がベッドで千怜についたチョコを全部食べてあげる!!」
「うわぁー、義理の妹の前でそんなこと堂々と言っちゃうんですね。いいですよ、私はその一部始終を録画しておくんで」
「怜那、真子!!貴様等いい加減にしろ!!」
私にはもうこうなるともうなにもできなくなります。
手を出した時のトラウマが一応、ありまして・・・。
「何してるんですか?」
ヒョコっと隣にいたのはスカジで、目の前で何が起こっているのか説明するのも教育上よくないと思い
「まだちゃんと固まっていませんが、チョコトリュフです。お一ついかがですか?」
「宅間さん、どうしたんですか?」
「今日は何の日ですか?」
「えぇっと・・・あ!!ホワイトデー!!
じゃあ、その・・・頂きます」
あちらが普通でないのなら、こちらはなるべく一般の普通っぽい日常をおくっても大丈夫ですよね。
最初にスカジと出会ったあの日に二人で約束し合った
『魔法使いということや研究員という過去を忘れて、普通にあったかもしれない生活をおくろう』
スカジには、せめて普通の楽しいかもしれないし辛いかもしれない生活を・・・
「チョコ、おいしいです」
「それは良かったです」
「なんだか、普通の女の子できてるのが夢みたいです」
「これからは、普通に生きて大丈夫ですよ」
「宅間さん、ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございます」
「千怜!!千怜!!あけましておめでとー!!
初夢みたよ!!」
新年早々元気いっぱいの藤崎真子ちゃん。
そして、
真子ちゃんの見上げている背の高い白髪の男性が九千怜。
新年を迎えたということで千怜は少し派手めの着流しを着ている。
「あぁ、あけましておめでとう。
ことしもよろしく頼む。
ちなみにだが、
初夢というものは新年の1日と2日の間の夜に見る夢を初夢という。
からして、
おまえの見た夢は初夢ではない。今夜みる夢が初夢だ」
チッ
舌打ちが廊下に一瞬響きわたった。
「そっか」
「舌打ちするほどいい夢だったのか?」
「うん、だって・・・千怜との子供でしかも、
一姫二太郎「三茄子です!!!」だったか・・・え?」
(のかわいい子共)
一姫二太郎三茄子
と、聞こえた。
千怜には間違いなくそう聞こえた。
「あけましておめでとうございます!!
おせちは畳の部屋の机に置いてますよ。今回は自信作なんですよ!!
あと、私初夢みました!!
一富士ニ鷹三茄子だったんですよ!!」
「初夢は今晩だ。同じ夢がみられるといいな」
「ちょっと、さっき私の言葉にかぶせてきたのは知ってたの?<一姫二太郎>って言葉」
「知ってましたよ、もちろんです。
三人目は茄子ですよね?」
女子の因縁の対決・・・今、開始の鐘が鳴り響く。
年に一度のバレンタイン
好きな人に好きだと言うことを伝えられる
貴重な日。
「チョコレートなど食わん。
おまえが自分で勝手に食っておけ」
伝えようと思った言葉をすべて詰め込んだ、
甘い香りのする丁寧にラッピングされた小包が藤崎真子の手からこぼれ落ちる。
「せめて、一粒でもいいから・・・ね?」
「いらんと言っている。
勝手に食っておけ」
千怜は言うことを言ってこの場から立ち去ってしまった。
千怜の部屋のドアが閉まる音が聞こえ、完全に一人になった瞬間に涙が溢れてきた。
とても、とても泣いた。
一週間前から必死になって練習した料理。
小鳥にも手伝ってもらい、必死に勉強した。
今回のチョコは真子一人で作り、最高の出来だと自負していた。
千怜なら、無表情でも何も言わなくても口にはしてくれると思っていた。
だが、
現実はそう甘くはなかった。
口にする以前に受け取ってすらもらえなかったのだ。
目の前に形の崩れた小包がある。
捨てようかと思ったが、もったいないから拾おうと手を伸ばした。
「待ってください、いいんですか?それで」
「え?」
小包を拾い上げ、しゃがみ真子と目線をあわせる小鳥。
「え?じゃないです。
受け取ってもらえなかったから、すぐに自分が食べようだなんて・・・
まだ、押しが足りてないです。そんなんじゃお兄さまに一生ついていくなんて不可能ですよ?」
確かに、まだ一回しか渡しに行ってない。
何度も行けば、いつかは受け取るだけでもしてくれるかもしれない。
でも、
「また、断られるのが・・・拒まれるのがこわい」
パシンッ
平手の音が響きわたる。
もちろん、殴ったのは小鳥だ。
「ヴァルキュリアなのに、なんでお兄さまにはそんなにも弱腰なんですか!!いつもの偉そうな態度はどこにいったんですか?!あの元気いっぱいのウザイくらいのハツラツはどこにいっちゃったんですか?!!」
いつもの真子とは違い、今は好きな相手に告白をしてフラれたあとだ。
メンタルが弱っているのも頷ける。
だが、そのような感覚ではあの九千怜についていこうなど到底不可能だ。
いつもの自分はどんなだった?
千怜にどんなに蔑まれようとそれを受け入れていた。
千怜に冷たい言葉を言われても平気だった。
それと今では何が違う?
ただ、今回はチョコレートを渡すというだけ。
想いを込めたチョコレートを渡すだけ。
断られて死ぬワケじゃない、イジェクトされたわけでもない。
「チョコ、返しなさいよ」
小鳥の手から小包を奪い返し、立ち上がり片腕で涙を拭き取る。
「私ほど千怜にふさわしいお嫁さんなんて、いないんだから。
千怜と私の甘々を見せつけてやるわ!!」
「そうです、これがいつもの真子さんです!!
では、今度は思い切って突撃LOVEアタックです!!
できますか?」
「言われなくても、千怜にコレを渡して受け取らせるわ」
真子は髪を手櫛でサラっとほどき、
千怜の部屋のドアを開けた。
「千怜、受け取って、絶対に」
ズンと突きつけられた小包。
形が崩れようが気にしない。
中身が多少溶けていようと関係ない。
これをとにかく受け取らせて、自分の想いを相手にわからせる。
長く時間が経った気がした。
先に手をあげたのは千怜の方だった。
「負けだ、コレを受け取ろう」
真子の手から小包を取り、ラッピングを解く。
ずっと手に持っていたこともあって少し溶けてしまっている。だが、食べられないこともない。
一粒摘み、口に入れる。
「・・・・・・悪くは、ない」
「ほ、ほんと!!?」
「一つ食べた、もう良いだろう。あとはおまえが食え」
「いやだ!!私が千怜にアーンってするの!!ね?だから、もう一粒だけでいいから食べて!!」
「いらんと言っている」
「やだ!!アーンさせてくれるまで部屋の扉、絶対に閉めないから!!」
両者再び粘った。が、
今回も千怜が先にてをあげた。
「わかった、もう一粒だけだ」
「うん!!じゃあ、アーン」
一粒、形のなるべく崩れてないものを選び千怜の口に持っていく。
口に含み、飲み込むまで真子は千怜と視線を外さない。
「食べたぞ。満足か?」
「うん、ありがとう、千怜」
「はわわわわわ!!アーーーーー!!!」
ドアの扉の段差に躓いた小鳥が真子の背中に激突。
小鳥が手に持っていた紅茶とコーヒー、そして、菓子は様々な方角に飛び、
千怜と顔を近づけていたためそのまま真子と千怜は・・・
はじめてのキスは チョコと血の味でした。