「才能はあるけど、まだコドモ」な印象だった2017年のデビュー・アルバム『What Do You Think About The Car?』から長足の進歩を遂げた飛躍の2作目。力強いバンド・アンサンブルによるストレートかつソリッドなアレンジが奏功、全編に漂うグラムの香りは70sのデヴィッド・ボウイを彷彿とさせる。骨っぽくなったデクラン君の歌いっぷりには王道のブリティッシュ・ポップ/ロックの正統後継者としての風格さえ。実際、全英チャートで大先輩のストーンズと激しい首位争いを繰り広げた末に初登場2位にランクイン。まだ22歳だけど、本当に逞しくなったもんだ。
前作『Something To Tell You』は決して悪い出来とは思わないけれど今振り返ると過渡期というか、やっぱりちょっと考えすぎてたんだろうなぁ。3年ぶりのニュー・アルバム 『Women in Music Pt. III』を聴いてそうひとりごちた次第。憑き物が落ちたように表情も明るくなり、自然体のスタイルに回帰して天真爛漫なキャラクターはより生き生きと。音楽的素養の高さを浮かび上がらせる楽曲のクオリティもお見事。3作目にしてキャリア最高傑作。
IDLES 『Ultra Mono』
IDLES "Mr. Motivator"
2018年の前作『Joy as an Act of Resistance』でイギリス中を震撼させたブリストルの怒れるパンクス、IDLESは満を持してリリースしたニュー・アルバム『Ultra Mono』で遂に全英チャートで初登場1位を獲得。ヒップホップのビートを取り入れたりSavagesのジェニー・ベスをゲストに迎え、より多様な個性を持つ楽曲が増えたのは3作目らしい変化。とはいえ持ち前の破壊的なパワーは健在。反逆のロックンロールで嘘つきどもの化けの皮を剥がしてやれ!ヽ(`Д´)ノ
The Strokes is back!!!(`・∀・´)ノ ここ10年ほど低迷していたのが嘘みたいに最高なニュー・アルバム『The New Abnormal』を届けてくれました。振り返れば2001年に当時行き詰っていたロックンロールを更新して新時代の扉を開いた彼らが、苦心の末にThe Strokesそのものの更新にようやく成功。なにしろ20年選手とは思えない、このフレッシュネスたるや。やっぱりスペシャルなバンドだなぁと改めて見直した次第。
Yves Tumor 『Heaven To A Tortured Mind』
Yves Tumor "Kerosene!"
ダークサイドに堕ちたプリンス?カテゴライズ不能の鬼才イヴ・トゥモアはニュー・アルバム 『Heaven To A Tortured Mind』で今度はロックに急接近。それも70sの妖艶でグリッターなムードに自身の特異なキャラクターを投影することで匂い立つようなセクシャルで生々しい世界を構築。前述のプリンス、あるいはデヴィッド・ボウイの最もエッジィな部分を受け継いだ異形の表現者の面目躍如たる、聴くほどにクセになる怪作。
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