大河ドラマ

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大河ドラマ(たいが-)とは、毎年開催される日本放送協会主催のエクストリームスポーツである。歴史上の人物を題材に、その人物の生涯・事績に歪曲・潤色・脚色・誇張・飛躍・捏造をふんだんに加え、さも偉大な人物であるかのように吹聴することが目標。主催者はNHK、選手は脚本家とプロデューサーと役者一同に演出その他スタッフ、採点者はテレビの前の貴方である。

概要[編集]

試合は50回に区分され、毎週ごとに選手一同が協力して題材の人物に対する喧伝を行う。視聴者による採点は「視聴率」という指標に反映され、それが高いほど高得点になる。1963年以来行われている伝統あるエクストリームスポーツで、西田敏行・津川雅彦・石坂浩二・江守徹・緒形拳など、何回も出場している選手もいる。

推移[編集]

まず、選手達の司令塔である脚本家とプロデューサーが、俳優や演出家達を糾合するところから始まる。基軸となる脚本家とプロデューサーの他に、演出家と作曲家、一定以上の俳優とスタッフが揃わなければ出場することは出来ない。

1年につき、出場できるチームは1組に限られている。これはNHKの気紛れによって選抜されるため、出場者達は舞台に上がるために、NHKへ賄賂を贈ってひたすら媚態を売る。これもこの素晴らしいスポーツの一環である。

加えて、脚本家とプロデューサーは題材選びに注力する。題材に選ぶことができるのは、任意の日本史上の人物である。職業などは特に問わないが、あまりにマイナーな人物だったり、タブーに抵触する危険性があったりすると、NHKから却下されてしまうので注意を払う必要がある。題材として人気が高いのは戦国(室町末期から安土・桃山時代を経て江戸時代初期)及び江戸時代末期の人物で、前者は日本史人気キャラクターの織田信長·豊臣秀吉·徳川家康の関係者で、後者は坂本龍馬新撰組の関係者である。たとえ関係が希薄でも、昵懇の関係者ということを必要以上に強調して大河ドラマで描くことが定番である。そして逸話が多数残っており、事績を誇張しやすい人物であること、特に戦乱動乱の時代は人気が高く、その時代の人物を題材にしておけば、内容の出来栄えに関らず無条件で点を入れてくれる採点者が多いことが、その理由に挙げられる。

ちなみに、太平の世である平安時代室町時代江戸時代は人気が低いため数少ないし、南北朝時代は複雑怪奇な上に皇室タブーも重なって大体スルーで、足利義満が大河ドラマで描かれたことはない。大和・飛鳥・奈良時代といった10世紀以前に至っては選ばれてすらいない。昭和は(連続テレビ小説でもないのに)3度だけ採り上げられた事がある(1984年の「山河燃ゆ」、1986年の「いのち」、2019年の「いだてん〜東京オリムピック噺〜」)。特に「いだてん」などは、脚本に「あまちゃん」の宮藤官九郎を起用しているあたり、もはや連続テレビ小説との違いを明白にしようなどとは考えてないようである。

「三姉妹」、「山河燃ゆ」、「いのち」、1980年の「獅子の時代」など、かつては架空の人物を主題にすることも容認されていたが、「歴史上の人物に捏造を加えて偉人に仕上げる」という趣旨を逸脱している、史実との整合性という制限に囚われない分やりたい放題が出来てしまう、という指摘が寄せられたため、全面禁止とはなっていないものの、出来る限り実在の人物を題材に選ぶ事が推奨されている。どうしても史実を無視したい場合には「たまたま同姓同名の別人」を使うことが許されるが、これを指摘してはならない。

また、大佛次郎は原作「赤穂浪士」で悪役だった大石内蔵助を戸別訪問の集金人が主人公にしてしまった事に腹を立て(映画の「赤穂浪士」は原作通り、吉良方の堀田隼人が主人公、吉良役も二枚目スターの月形龍之介)、それから題材をお断りしている。

題材を選び、NHKの眼鏡にかなって選出されたところで、初めて競技はスタートする。選手達は1年をかけて、捏造・誇張・歪曲・喧伝に精励恪勤する。脚本家は史実と創作を上手く整合させ、演出家は派手な演出で扇情的なシチュエーションを醸成させ、役者達は大袈裟な演技をして、題材となる人物の事績にありったけの尾鰭をつける。なお2000年よりメルヘンな内容を入れるようになり、2011年の江〜姫たちの戦国〜では9歳の主人公を25歳の上野樹里が演じるという無茶な演技になっている。

余談だが戦国時代~江戸時代初期を扱う場合は、本能寺の変の描写はおろそかにしてはならないと言う不文律がある。その場合は一部の歴史家が唱える異説よりも通説(明智光秀織田信長から理不尽に近い暴行を受けた事による怨恨説)を採用するのが望ましいとされる(そこを守れば、後はいかように肉付けしてもかまわない)。そして光秀を「キンカン頭」と揶揄される禿げ頭にせず、美形の俳優が髪の毛ふさふさに演じている。

その一方、豊臣秀吉千利休謀殺や、朝鮮侵略は黒歴史として取り上げない方針であったが、それを勘違いした『花燃ゆ』が大政奉還スルーをやらかした事で、『真田丸』では大阪城仮装大会でフェイントしつつ朝鮮侵略を描いて点数を稼いだ。

ちなみに、第一回の題材に選ばれたのは井伊直弼である。安政の大獄で悪名高い「赤鬼」である直弼を偉大な人物として喧伝するのは、至難の業だったであろう。NHKのチャレンジ精神と意欲の高さをうかがわせる題材であるが、以後井伊直弼を主人公に据えた大河ドラマはない。

迷走に次ぐ迷走[編集]

「篤姫」が視聴率的に成功したことで図に乗ってか、恋愛ドラマにハマる「恋愛厨」どもを釣ろうと女性を主役にした作品(2011年の江、2013年の八重の桜、2015年の 花燃ゆ)を度々放送する。しかし、誰でもわかりそうなものであるが、従来の大河ファンを置いてけぼりとしたこの所業は当然、視聴率を軒並み下落させていったのである(但し、意図的に下げた節もある:後述{これまでの好成績者}を参照)。そのため、「江」を演じた上野樹里は低視聴率女優のレッテルを貼られてメディアへの露出が極端に減り、「花燃ゆ」の主役を演じた井上真央は、こんなクソ仕事を取ってきた事務所に対しての不信感が拭えず、事務所を退社するハメとなった(ただし、八重の桜で主役を演じた綾瀬はるかはノーダメージだったので、女優の元からのキャラや実績が関係しているのは否めないところであるが)。

「じゃあ、女主人公で大河ファン納得させればいいんでしょ?」とでもNHKは考えたものか、ゲームなどに登場して話題となり、偶々女性ながらに当主となっただけで(しかも放送開始直前に男性の別人説が浮上)然して大きな事跡も残されておらず、どうせ「江」みたいに主人公の周囲ばかりが慌ただしい作品になるだろうこと請け合いの井伊直虎を2017年大河の題材に据えるという、実に安直な決定を降す始末である。

挙句、2018年の西郷どんの脚本家中園ミホは制作発表記者会見にて、「今度の大河はボーイズラブだ!」などと宣い、NHKが今度は腐女子を釣ろうという安易な考えに及んでいるのを露呈した。

採点[編集]

採点者達による採点方法はとても簡単で、日曜午後8時にNHK総合テレビを見るだけでいい。それだけで得点される。逆に点を入れたくない場合は、同時刻にNHKにチャンネルを合わせてはならない。

これまでの好成績者[編集]

目下、最高得点を叩き出したのは1987年の独眼竜政宗である。DQN四天王と言われるほどの問題人物だった伊達政宗にスポットライトを当て、虚実を織り交ぜ、また服部天皇こと服部敬雄が政宗に敵対する最上義光の徹底したネガティブキャンペーンを行ったことも功を奏し、あたかも大人物であったかのように宣伝することに成功、未だに破られることのない最高得点を獲得した。

翌年の武田信玄は武田を美化し、かつ織田信長をとにかく貶めることで高い得点を出した。最終回で加賀国手取川で上杉軍にフルボッコで単騎で敗走する信長など初めて見た。(近年では手取川に信長もいた説も再考されつつある)

近年では、採点者である視聴者の評価が厳しくなったこともあって得点は低迷しているが、2008年度の競技では、大奥という象牙の塔に閉じこもって何もしなかった天璋院篤姫を、明治維新の立役者に誇張した選手一同の手腕が高く評価され、近年では珍しい高得点を獲得した。2009年度の天地人もその波及効果でそれなりに高得点を稼いだ。

天地人はどう見ても風林火山より出来が悪く、タヌキがこぶ爺さんだったり、石田三成が奇天烈な髪型だったり、与板衆のキールロワイアルたちが能登に進軍中に「きゃっ、虫が出てきた」と大騒ぎするヘタレ、小物の小早川が威張りすぎ、「笑わない人」が極端な無口、遠山金四郎が御館でも小田原でも死なず毎回生き残る、など駄作演出がてんこ盛りなのに、何故か世間では受けた。

また、2010年度の競技である坂本龍馬岩崎弥太郎はお互いを誇張させたが、最後で愛媛県知事中村時広が全てをかっさらい高得点を得た。

2011年の『江』は2008年と同じ布陣で臨み、亡霊の登場、江が政治に介入するが結局何もできない、朝鮮人をかばって死ぬ江の夫(豊臣秀勝)など、これまでにない反則スレスレの歪曲で物語が進み、それなりの得点を挙げた。

翌年の『平清盛』は画面が暗く汚なく見え、兵庫県知事から叱られたり、歴代最低の得点を叩き出したが、一部採点者からは評価されており「技術点も加算すべき」との意見がある[誰?]。その次の『八重の桜』は清盛を下回ったため、この記録は当分破られることはないだろう・・・と思っていたのも束の間、翌々年の『花燃ゆ』であっさりと記録を破って見せた。新記録を打ち立てた制作統括である土屋勝裕ディレクターは、「オレら評判悪い番組をどれだけ作っても御咎めナシだし、何より総務省が民間人からミカジメ料を分捕るのを許可しているから高給取りのまんまなんだぜ」と、民放テレビ局にアピールして優越感を得るべく低視聴率に絶賛挑戦中であったNHKの方針に合致するとして、2015年末の紅白歌合戦の制作統括である柴崎哲也ディレクター共々表彰された。

幸い翌年2016年の『真田丸』は「真田丸どうでしょう」、「ブラック大阪城に勤めているんだが、もう俺は限界かもしれない」、「プロジェクトX-真田紐-」、「風雲さなだ丸」の四部構成で、『江』以降ほぼ軒並みダメダメだった『軍師官兵衛』以外の作品中では最高得点を叩き出す健闘を見せた。ところが東京オリンピックに合わせて作られた 『いだてん〜東京オリムピック噺〜』では、『平清盛』や『花燃ゆ』を下回る歴代最低の得点を叩き出してしまった。

大河ドラマ一覧[編集]

  1. 花の生涯(1963年) - 主人公:井伊直弼
  2. 赤穂浪士(1964年) - 主人公:大石内蔵助(原作の主役は吉良方の堀田隼人
  3. 太閤記(1965年) - 主人公:豊臣秀吉
  4. 源義経(1966年) - 主人公:源義経
  5. 三姉妹(1967年) - 主人公:架空人物
  6. 竜馬がゆく(1968年) - 主人公:坂本龍馬
  7. 天と地と(1969年) - 主人公:上杉謙信
  8. 樅ノ木は残った(1970年) - 主人公:原田甲斐
  9. 春の坂道(1971年) - 主人公:柳生宗矩
  10. 新・平家物語(1972年) - 主人公:平清盛
  11. 国盗り物語(1973年) - 主人公:斎藤道三織田信長
  12. 勝海舟(1974年) - 主人公:勝海舟
  13. 元禄太平記(1975年) - 主人公:柳沢吉保
  14. 風と雲と虹と(1976年) - 主人公:平将門
  15. 花神(1977年) - 主人公:大村益次郎
  16. 黄金の日日(1978年) - 主人公:呂宋助左衛門
  17. 草燃える(1979年) - 主人公:源頼朝北条政子
  18. 獅子の時代(1980年) - 主人公:架空人物
  19. おんな太閤記(1981年) - 主人公:ねね
  20. 峠の群像(1982年) - 主人公:大石内蔵助(2度目)
  21. 徳川家康(1983年) - 主人公:徳川家康
  22. 山河燃ゆ(1984年) - 主人公:架空人物
  23. 春の波涛(1985年) - 主人公:川上貞奴
  24. いのち(1986年) - 主人公:架空人物
  25. 独眼竜政宗(1987年) - 主人公:伊達政宗
  26. 武田信玄(1988年) - 主人公:武田信玄
  27. 春日局(1989年) - 主人公:春日局
  28. 翔ぶが如く(1990年) - 主人公:西郷隆盛大久保利通
  29. 太平記(1991年) - 主人公:足利尊氏
  30. 信長 KING OF ZIPANGU(1992年) - 主人公:織田信長(2度目)
  31. 琉球の嵐(1993年) - 主人公:架空人物
  32. 炎立つ(1993年-1994年) - 主人公:藤原経清藤原清衡藤原泰衡
  33. 花の乱(1994年) - 主人公:日野富子
  34. 八代将軍吉宗(1995年) - 主人公:徳川吉宗
  35. 秀吉(1996年) - 主人公:豊臣秀吉(2度目)
  36. 毛利元就(1997年) - 主人公:毛利元就
  37. 徳川慶喜(1998年) - 主人公:徳川慶喜
  38. 元禄繚乱(1999年) - 主人公:大石内蔵助(3度目)
  39. 葵徳川三代(2000年) - 主人公:徳川家康(2度目)・徳川秀忠徳川家光
  40. 北条時宗(2001年) - 主人公:北条時宗
  41. 利家とまつ〜加賀百万石物語〜‎(2002年) - 主人公:前田利家まつ
  42. 武蔵 MUSASHI(2003年) - 主人公:宮本武蔵
  43. 新選組!(2004年) - 主人公:近藤勇
  44. 義経(2005年) - 主人公:源義経(2度目)
  45. 功名が辻(2006年) - 主人公:山内一豊千代
  46. 風林火山(2007年) - 主人公:山本勘助
  47. 篤姫(2008年) - 主人公:天璋院篤姫
  48. 天地人(2009年) - 主人公:直江兼続
  49. 龍馬伝(2010年) - 主人公:坂本龍馬(2度目)
  50. 江〜姫たちの戦国〜(2011年) - 主人公:
  51. 平清盛(2012年) - 主人公:平清盛
  52. 八重の桜(2013年) - 主人公:新島八重新島襄の妻)
  53. 軍師官兵衛(2014年) - 主人公:黒田官兵衛
  54. 花燃ゆ(2015年) - 主人公:杉 文吉田松陰の妹)
  55. 真田丸(2016年) - 主人公:真田信繁
  56. おんな城主 直虎(2017年) - 主人公:井伊直虎
  57. 西郷どん(せごどん)(2018年) - 主人公:西郷隆盛(2度目)
  58. いだてん〜東京オリムピック噺〜(2019年) - 主人公:金栗四三田畑政治
  59. 麒麟がくる(2020年) - 主人公:明智光秀
  60. 青天を衝け(2021年) - 主人公:渋沢栄一
  61. 鎌倉殿の十三人(2022年) - 主人公:北条義時
  62. どうする家康(2023年) - 主人公:徳川家康(3度目)
  63. 光る君へ(2024年) - 主人公:紫式部
  64. べらぼう(2025年) - 主人公:蔦屋重三郎
  65. 豊臣兄弟(2026年) - 主人公:羽柴秀長

関連項目[編集]