国道10号

福岡県から大分・宮崎県を経由し鹿児島県に至る一般国道

国道10号(こくどう10ごう)は、福岡県北九州市門司区から、東九州大分県宮崎県を経由して、鹿児島県鹿児島市に至る一般国道である。

一般国道
国道10号標識
国道10号
地図
地図
総延長 556.6 km
実延長 547.4 km
現道 505.3 km
制定年 1952年昭和27年)
起点 福岡県北九州市門司区
老松公園前交差点(北緯33度56分50.4秒 東経130度58分6.1秒 / 北緯33.947333度 東経130.968361度 / 33.947333; 130.968361 (老松公園前交差点)
主な
経由都市
福岡県豊前市
大分県大分市佐伯市
宮崎県延岡市宮崎市都城市
鹿児島県霧島市
終点 鹿児島県鹿児島市
照国神社前交差点(北緯31度35分36.8秒 東経130度33分9.7秒 / 北緯31.593556度 東経130.552694度 / 31.593556; 130.552694 (照国神社前交差点)
接続する
主な道路
記法
国道3号標識 国道3号
国道57号標識 国道57号
国道58号標識 国道58号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
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全座標を出力 - KML
国道10号 終点標柱
鹿児島県鹿児島市
照国神社前交差点
国道3号などの終点でもある。

概要

 
国道3号(重複区間)からの分岐
福岡県北九州市小倉北区
三萩野交差点

起点の福岡県北九州市門司区の老松公園前交差点から福岡県北九州市小倉北区三萩野交差点までは、国道3号との重複区間となり、福岡県北九州市小倉北区の三萩野交差点からの単独区間等は南へ進路を取り、周防灘別府湾日向灘沿いの大分県宮崎県沿岸部を走り、内陸部の鰐塚山地都城盆地鹿児島湾沿いを経由して、終点の鹿児島県鹿児島市に至る路線で、九州地方内で完結する国道では最長の距離を誇る東九州の大動脈である。大部分はJR九州日豊本線と並走しており、車窓から列車を見ることができる[注釈 1]

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 2]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

歴史

  • 国道10号に相当する道は、江戸時代以前には日向街道などと呼ばれていた。

年表

路線状況

福岡県内
北九州市から大分市までは北大道路が整備されている。特に北九州市内 - 行橋市 - 中津市の区間は交通量が多い。北九州市 - 苅田町 - 行橋市の一部北側は4車線となり、北九州市内では6車線となる区間も存在する。また福岡県豊前市においても、豊前バイパスの整備により4車線となっている。
大分県内
中津市区間では、中津バイパスの整備により4車線化された。また中津日田道路伊藤田ICで接続しており、中津港方面・日田方面(東九州自動車道 中津ICまで)ともに供用中である。
別府市から大分市までの区間である通称「別大国道」は、九州有数の交通量を誇る交通の要所であり、6車線化が行われた(国道10号別大拡幅事業)[注釈 10]。また、この区間は、九州で初めての電車(大分交通別大線)が走った場所でもある。大分県宇佐市 - 杵築市、大分市南部 - 宮崎県延岡市にかけては、概ね山間部で峠(立石峠宗太郎峠など)を越える区間も多い。
宮崎県内
延岡市 - 宮崎市の区間は、日豊本線や東九州道と並行しながら日向灘沿岸部を南下していく。交通量が多い延岡市 - 日向市、および宮崎市の周辺部では、4車線化やバイパスの整備が進められている。また日向市美々津から児湯郡新富町にかけては2車線の区間が多いが、随所にゆずり車線が設置されている。児湯郡都農町道の駅つのが設置されている。
宮崎市高岡町から都城市高城地区までは、急峻な鰐塚山地を通るためトンネルや坂道などが多い。宮崎市高岡町花見に道の駅高岡が設置されている。
都城市街地に入ると交通量が増え、再び4車線となる。また地域高規格道路都城志布志道路)の都城道路が同区間のバイパスとして建設中であり、このうち乙房IC - 五十町IC間が供用中である[8][9][10]
鹿児島県内
曽於市から霧島市福山地区にかけては、シラス台地によるやや山なりの地形を通過する。霧島市の中心部である国分地区へ抜けてからは、鹿児島湾に沿うように平野部(国分平野姶良平野)を通過していく。国分 - 姶良間は東九州道や九州道とも並行する。
鹿児島市付近では急峻な山地と鹿児島湾の間を日豊本線と並走している。この場所は1993年8月6日平成5年8月豪雨災害の時に、車の渋滞する最中に土石流が多発し、多くの車が鹿児島湾に流された他、竜ヶ水駅に停車中の列車も土石流に巻き込まれる大災害が発生した場所である。

バイパス

通称

重複区間

  • 国道3号(福岡県北九州市門司区老松町・老松公園前交差点(起点) - 北九州市小倉北区黄金1丁目・三萩野交差点)
  • 国道213号(大分県中津市大字佐野・佐野交差点 - 宇佐市大字岩崎・岩崎交差点)
  • 国道213号(大分県速見郡日出町・堀交差点 - 別府市汐見町・九州横断道路入口交差点)
  • 国道57号(大分県大分市新町・大道入口交差点 - 豊後大野市犬飼町久原)
  • 国道210号(大分県大分市畑中1丁目・府内大橋北交差点 - 大分市大字宮崎・宮崎交差点)
  • 国道502号(大分県臼杵市野津町大字宮原・日当三差路交差点 - 臼杵市野津町大字野津市・明治橋交差点)
  • 国道326号(宮崎県延岡市北川町川内名・曽立交差点 - 延岡市昭和町1丁目)
  • 国道388号(宮崎県延岡市和大門町 - 東臼杵郡門川町中須2丁目・門川町中須交差点)
  • 国道269号(宮崎県宮崎市橘通西3丁目・橘通3丁目交差点 - 宮崎市大工1丁目)
  • 国道269号(宮崎県都城市平江町・都城駅入口交差点 - 都城市大岩田町・大岩田交差点)
  • 国道504号(鹿児島県霧島市福山町福山・牧之原交差点 - 霧島市隼人町真孝・国道223号入口交差点)

道路施設

橋梁

トンネル

  • 大分県
    • 古城山トンネル(大分市)
    • 上尾(あがりお)トンネル(大分市)
    • 中の谷隧道(高さ制限4.2 m、臼杵市 - 佐伯市)
    • 桃原隧道(佐伯市)
    • 大原隧道(佐伯市)
    • 前畑隧道(佐伯市)
    • 宗太郎隧道(佐伯市)
  • 宮崎県
    • 市棚トンネル(延岡市)
    • 和田越トンネル(延岡市)
    • 熊田隧道(延岡市)
    • はゆまトンネル(延岡市)
    • 高岡トンネル(宮崎市)
  • 鹿児島県
    • 鳥越トンネル(磯トンネル、鹿児島市)

道の駅

事前通行規制区間

区間 距離 規制内容 備考
宮崎市高岡町内山 - 都城市高城町本八重 01.5 km 連続雨量が200 mmに達した場合通行止
鹿児島県姶良市重富 - 鹿児島県鹿児島市吉野町磯 11.3 km 平成5年8月豪雨で知られる竜ヶ水地区にあたる。

交通規制を参照

特殊通行規制区間

区間 距離 規制内容 危険内容
鹿児島県姶良市白浜 1.0 km 越波があり通行が危険と判断される場合。 波浪

地理

通過する自治体

交差する道路

福岡県
大分県
  • 国道212号(中津市・新山国大橋交差点)
  • 中津日田道路伊藤田IC(中津市)
  • 国道213号(中津市・佐野交差点
  • 国道387号(宇佐市・法鏡寺交差点)
  • 国道213号(宇佐市・岩崎交差点)
  • E97 日出バイパスE97 大分空港道路 1 日出IC(速見郡日出町)
  • 国道213号(速見郡日出町・堀交差点)
  • 国道213号・国道500号(別府市・九州横断道路入口交差点)
  • 国道57号国道197号国道210号国道217号国道442号(大分市・大道入口交差点)
  • 国道210号(大分市・府内大橋北交差点
  • 国道210号(大分市・宮崎交差点)
  • E10 東九州自動車道 14 大分米良IC米良道路(大分市)
  • 国道57号(豊後大野市・犬飼バイパス分岐)
  • 国道326号(豊後大野市・久原交差点)
  • 国道502号(臼杵市・日当三差路交差点
  • 国道502号(臼杵市・明治橋交差点)
  • 国道217号(佐伯市・番匠交差点)
宮崎県
鹿児島県

主な峠

  • 立石峠(標高147 m、大分県杵築市)
  • 赤松峠(標高130 m、大分県速見郡日出町)
  • 中ノ谷峠(標高168 m、大分県臼杵市 - 大分県佐伯市)
  • 宗太郎峠(大分県佐伯市 - 宮崎県延岡市)

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ ただし福岡県豊前市 - 大分県宇佐市大分市 - 佐伯市、宮崎県宮崎市 - 都城市の区間を除く。国道57号と重複する大分市 - 豊後大野市では豊肥本線と並走している
  2. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  3. ^ 2005年3月31日、大野郡朝地町・大野郡犬飼町・大野郡大野町・大野郡清川村・大野郡千歳村・大野郡三重町が合併して豊後大野市発足。
  4. ^ 2005年1月1日、臼杵市・大野郡野津町が合併して、臼杵市発足。
  5. ^ 2005年3月3日、南海部郡宇目町・南海部郡蒲江町・南海部郡上浦町・南海部郡鶴見町・南海部郡直川村・南海部郡本匠村・南海部郡弥生町・南海部郡米水津村合併して、佐伯市発足。
  6. ^ 2007年3月31日、延岡市に編入。
  7. ^ 2006年1月1日、宮崎市に編入。
  8. ^ a b c 2005年11月7日、国分市姶良郡霧島町・姶良郡隼人町・姶良郡福山町・姶良郡牧園町・姶良郡溝辺町・姶良郡横川町が合併して、霧島市発足。
  9. ^ a b c d e f g 2022年3月31日現在
  10. ^ 平成11年度道路交通センサスによると、平日12時間交通量は別大国道区間中の国道10号別府市南的ヶ浜町が九州一であった[11]。また、平成17年度道路交通センサスによると、平日24時間交通量は九州では国道3号糟屋郡新宮町大字三代、国道202号長崎市大黒町長崎駅前についで多かった[12]

出典

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年10月31日閲覧。
  2. ^ 距離標(キロポスト)って何?【佐伯河川国道事務所|国土交通省 九州地方整備局】”. 佐伯河川国道事務所|国土交通省 九州地方整備局. 2024年7月15日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月2日閲覧。
  4. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年10月26日閲覧。
  5. ^ 防災の取り組みと過去の災害”. 国土交通省九州地方整備局. 2018年9月11日閲覧。
  6. ^ 一般国道10号 戸次犬飼拡幅” (PDF). 国土交通省九州地方整備局. 2018年9月11日閲覧。
  7. ^ 南日本新聞』 2013年1月3日付 25面(前を向いて かごしま 8・6水害20年)
  8. ^ a b 『南日本新聞』 2012年3月25日付 13面(平塚-五十町が開通)
  9. ^ a b 国道10号都城道路(横市IC〜平塚IC) 平成31年3月17日(日)16時に開通!!” (PDF). 国土交通省九州地方整備局 宮崎河川国道事務所 (2019年2月1日). 2019年2月1日閲覧。
  10. ^ a b 「都城志布志道路」乙房IC〜横市IC間が 令和4年3月12日(土)に開通! 〜物流・雇用促進・医療活動等を支援します〜” (PDF). 国土交通省九州地方整備局 宮崎河川国道事務所 (2022年1月28日). 2022年1月28日閲覧。
  11. ^ 九州の道あれこれ 道路交通センサスあれこれベスト10”. 国土交通省九州地方整備局. 2007年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年8月9日閲覧。
  12. ^ 平日24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)”. 国土交通省. 2007年8月9日閲覧。
  13. ^ 市報おおいた 昭和53年6月15日号 No.767” (PDF). 大分市. 2017年11月20日閲覧。
  14. ^ 事業総括調整官室, 国土交通大臣表彰「手づくり郷土賞」- ガス燈のともる歴史と文化の道(平成2年度) (PDF), 国土交通省 
  15. ^ 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日、127頁。ISBN 4-534-03315-X 
  16. ^ 「道の駅なかつ」新たに登録』(PDF)(プレスリリース)国土交通省 九州地方整備局、2014年4月4日https://www.qsr.mlit.go.jp/n-kisyahappyou/h26/data_file/1457403307.pdf2014年4月5日閲覧 
  17. ^ “国道10号沿いに道の駅-都農町”. 夕刊デイリーWeb. (2012年7月21日). http://www.yukan-daily.co.jp/news.php?id=33008 2012年10月25日閲覧。 

関連項目

外部リンク