魔に憑依された「怪人」が起こす様々な事件を解決する、陸軍所属の特務部署「山王機関」の審神者の活躍を描く、レトロモダンなソーシャルゲームが公開されています。
「デモンズゲート 帝都審神大戦」です。
女神転生シリーズのスタッフが手がけた伝記シリーズと喧伝されている作品で、実際にメガテンテイストたっぷりの内容です。
ただ、原作は「女神転生 III」を手がけた方、監督は「東京魔人學園」を担当した方で、シナリオ協力やサウンドに初期メガテンの方が加わっていますが、中心となっているのはアトラスの後期作に携わった方々のようです。
ともあれ、すごく雰囲気のある作品で、その世界観に引き込まれること請け合いです。
一方、バトルはソーシャルゲームらしいソーシャルゲームで、そこの魅力はいまいち乏しい。
また、この戦前レトロな世界観は低年齢には理解し難いようで、評価はやや割れ気味ですね。
ソシャゲなので本体は無料ですが、課金・ガチャ・スタミナはあります。
公開元は「単車の虎」や「Tokyo 7th シスターズ」で知られる Donuts です。
世界観が徹底していて、用語や文字フォント、言い回しに至るまで、当時を感じられるものが使われています。
この雰囲気は本当、他のスマホアプリにはなかったものですね。
メニュー画面や移動時に出て来る古地図など、何もかもが戦前テイスト。
物語は「魔じん(じんの漢字は神+人)」に憑依された「怪人」が各所で事件を起こし、それを魔神を使役できる主人公が解決して回るもの。
クエスト(事件)を選択し、バトルに勝利すればクリアというソシャゲらしい展開ですが、ストーリーが重視されていて、バトルの前後には会話シーンと町での情報収集シーンがあります。
メインクエスト中はバトルより会話シーンを見ている方が長いぐらいで、1つ1つが単なるクエストと言うより、物語の一話という感じですね。
町のシーンには 3D で描かれている場所もあり、自由に動き回れる訳ではありませんが、視点が変わる演出があります。
また、路面電車やクラシックな自動車が走り、人力車なども見かけられ、単なる静止画ではない動きのある風景になっています。
※町での情報収集シーン。 出て来るフキダシをタップして会話を行います。
この街角は 3D で描かれていて、路上には車の往来があります。
※怪しい人物を探すときには、このコンピューター的な演出が。
レトロやオカルトな設定なのに、演出がやたらデジタルなのがメガテン系のお約束。
和装と洋装の人が混在しているのが当時っぽくて良いです。
※メニュー画面も昭和初期の雰囲気満点。 小道具1つ1つがそれっぽい。
バトルはトレーディングカードゲームのようになっています。
ただ、マスで区切られたボードがあり、配置したカードを動かしながら戦う、やや将棋っぽいシステムです。
まずは「エーテル」と呼ばれるポイントを使って魔神(カード)を配置。
コストの高い強力な魔神ほどエーテルの消費量は大きくなります。
その後、自分のターンのプレイヤーは配置した魔神を移動力の分だけ動かし、攻撃範囲内に敵がいれば攻撃が行われます。
もし攻撃範囲に複数の敵がいた場合、それら全てにダメージを与えられます。
魔神ごとに「前方4マス」「前方2マス+左右1マス」「前とナナメ1マス」といったように個別の攻撃範囲があり、攻撃しても相手の攻撃範囲に入っていると反撃を食らう場合があります。
相手の攻撃範囲を確認し、その外から攻撃するのがコツですね。
また、反撃を受けない状態で攻撃を行い、その敵を射程内に収めている別の味方がいる場合、支援攻撃が発生します。
これにより与えるダメージが増大するため、相手の死角から攻撃することがより重要になっています。
複数の魔神を配置しているなら、1ターンで全て動かすことが可能。
相手を魔神を全滅させるか、相手の陣内の一番奥に行き、相手の使役者にダメージを与えて HP を0にすれば勝利です。
一方、こちらは魔神がやられても、そのコスト分のエーテルが回復します。
エーテルはターン経過でも回復していくので、魔神のストックがあるならどんどん場に出すことが出来ます。
ルール的にこちらがかなり有利で、よほど相手が強くないと苦戦することはないでしょう。
もちろんゲーム後半になればどうなるか解りませんし、ボスクラスの敵だと魔神のストックを持っていて、追加召喚してくる場合があります。
ただ、ソシャゲらしく当分は簡単すぎる状態が続きます。
このルールの面白さを理解できるところまでは、なかなか行き着きませんね・・・
※移動と同時に攻撃が行われるのと、攻撃範囲内の敵をまとめて攻撃するのが特徴。
移動力は魔神ごとに違うので召還時にチェックしておきましょう。
常に支援攻撃を狙うのがコツで、使いやすい攻撃範囲を持つキャラが便利。
※召喚魔神選択画面。 能力がグラフで示されていますが、機動力にも注目。
画面上部に魔神の合計の「素早さ」が表示されていて、これが高い方が先手になります。
よって戦力にはならないけど、先手を取るために機動力のあるやつを出しておく、と言うのも戦法の1つです。
属性の関係は 火→金→木→土→水→火 の関係。 5つもあるので解りにくい。
召喚画面の最後のページに相関関係が書いてあるので、解らなくなったらそれをチェックしましょう。
※ネコ型魔神(?)の攻撃シーン。 このキャラは結構ハデですが、全体的に渋くてシックな外観の魔神が多いです。
ちょっと芸術性と雰囲気を重視しすぎるあまり、解り辛いデザインになってる気も・・・
全体として、バトルが目立たず、それ以外のところが素晴らしいという、ソーシャルゲームには非常に珍しい内容です。
バトルしかないソシャゲも多い中では、かなり異端。 まさに「世界観を楽しむゲーム」ですね。
しかしそのため、この世界観を素晴らしいと思えない人にとっては、バトルが「ありがちなカードバトルのソシャゲ」なので、何の魅力も無いゲームになってしまいそうです。
特にこんな雰囲気を好む小中学生とか、どう考えても少ない。
iTunes でも Google Play でもそういった意見が散見され、だからダメな人には全くダメなゲームでしょうね。
また、魔神のパーツ(腕や足など)を強化して特性を変えていく育成要素や、特殊な「兵器」を開発する要素などもあるのですが、これらが出て来るのが遅すぎる。
仕様が小出し過ぎて、難易度がずっと低いこともあって、延々とチュートリアルが続いている気分になります。
基本無料のスマホアプリは初見や序盤で評価されがちですし、もっと早いうちから面白いと思わせる要素を出して来ないと、早々に見限られそう。
魔神のデザインも地味というか、渋すぎる気が。
「世界各地の神や悪魔+昭和初期の軍事兵器」という奇抜なものになっていて、悪魔に戦車砲が付いてたり、鳥形妖魔が爆弾を持ってたりします。
それは良いのですが、モニュメント的と言うか、あまりウケの良さそうなデザインではないですね・・・
※ヒロイン的なキャラクターのようですが、見てのように萌え的な要素はゼロ。
ウケ狙いの女軍人みたいなキャラもおらず、世界観を重視した設定には潔ささえ感じます。
※魔神の強化画面。 培養槽に入れられているところがメガテンぽい。
パーツごとの性能がグラフで表示されていて、これを変えることで攻撃範囲や属性をカスタマイズ出来るようですが・・・
そのための素材集めはかなり大変そう。 って言うか、当分出て来ない。
個人的には、かなり好きなゲームです。 もうこの世界観と演出だけで虜になってしまう感じ。
バトルもまあ、先に進めば面白くなって来そうな気配はあります。
当面は退屈なバトルが続きますが、私的には秀逸な世界設定がそれを補って余りあります。
ただ、これは私が歴史好きで、ミリタリー好きで、メガテニストだからってのもあるんでしょうね・・・
自分にはたまたま世界観がドストライクでしたが、他の人がどこまで魅力的に感じられるかは解りません。
ともあれ、一度は見てみるのをオススメしたいゲームです。
「この世界観はすごい!」と思う人は、おそらく少なくないはず。
そうした人なら、きっと私と同じように楽しめると思います。
・デモンズゲート 帝都審神大戦 ~東京黙示録編~(iPhone 版、iTunes 起動)
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