プレイヤー数が多く、テレビ CM も行われていたため知名度が非常に高い、韓国の横スクロールオンラインアクション RPG 「メイプルストーリー」が、1人用のゲームになり iPhone / iPod touch のアプリとして公開されています。
「メイプルストーリー シグナス騎士団編」と「盗賊編」です。
「盗賊編」が発売されたのは 2010年の8月、当初は 600 円でしたが次第に値下がりし、現在は無料で公開されています。
「シグナス騎士団編」は 2011年の6月末に登場した新作で、こちらも定価 600 円でしたがセールが頻繁に行われています。
「メイプルストーリー」は韓国の老舗オンラインゲームメーカー「ネクソン」(NEXON)が開発したもので、数あるオンラインゲームの中でもっともプレイヤーの年齢層が低いゲームとしても知られています。
ネクソンはこのゲームのような「2D でドットグラフィックの横スクロールアクション RPG のオンラインゲーム」を数多く開発・運営してきたメーカーで、ある意味このタイプの「韓国型 RPG」を作り上げたメーカーとも言えます。
知名度のためか、iTunes のアプリランキングでも上位常連となっていますね。
画面左下の方向スティックでキャラクターを操作し、画面右下のボタンでジャンプと攻撃を行うという、昔ながらの仮想コントローラー操作です。
真横から見た俗に言う「スーパーマリオ視点」のゲームで、その中で敵を倒して経験値を稼ぎ、レベルを上げていくアクション RPG ですね。
ゲームは町の人から「クエスト」を請け負い、それをクリアすることでストーリーが進行していくタイプです。
クエストはほとんど「○○を倒すと得られる○○を○○個集める」という、韓国の RPG によくある「強制経験値稼ぎ」的なお使いクエストばかりで、それをひたすら繰り返す形なので作業感があります。
よく日本のゲームは「一本道だ」と言われますが、韓国の RPG はどの敵と戦ってレベルを上げるかまで指示される超マニュアル型なタイプだと言えます。
ただテンポよく遊べるアクションゲームで、クエストをこなすことで無理なくレベルアップしていくことができ、難易度も低めでゲームも解りやすく、誰でも楽しめる内容だと言えますね。
経験値が貯まるとレベルが上がり、ステータスやスキルにポイントを振り分けて強化する事が出来ます。
また敵を倒していると装備や強化アイテムを落とし、それらを集める事でもキャラクターを強くすることが出来ます。
装備はかなり豊富に用意されており、装備することでアバターのように見た目も変化します。
ただし多くの装備は一定のレベルに達していないと使用できません。
この辺の基本システムも一般的な韓国 RPG のものを踏襲していると言えます。
※メインクエストもサブクエストも、そのほとんどが「特定の敵が落とすアイテムを集める」クエストばかり。
ただそのおかげで、「戦うべき敵」「無理なく戦える場所」が解りやすいので、非常にプレイしやすい。
さらにクエストをやっていると自然にレベルも上がるため、迷うことがない。
「完全マニュアル型」だけど、「非常に親切設計」のゲームでもあり、今の時代に最適化したゲームと言えるかもしれません。
「シグナス騎士団編」には男の子の戦士と女の子の魔術師がいて、双方で別のストーリー(1つのストーリーを別の視点から見た内容)が展開されます。
ゲーム中に様々なミニゲームが発生する事もあり、もちろんボス戦もあります。
ボリュームはかなりのもので、普通の市販ゲームソフトぐらいの内容がありますね。
「盗賊編」はストーリーは1つだけですが、こちらもボリュームは十分と言えます。
ただ、やっていて難点や気になる点も多いゲームでもあります・・・
まず、操作性が悪い。
ナナメがない十字キーで、かつ反応する範囲が狭く、うまく操作できない場合が多いのです。
ちょっとでもボタンから指がズレているとダメなようで、特にツタやハシゴを昇降する時の上下の反応が鈍いです。
同じタイプのゲームに ILLUSIA がありますが、こちらは操作性が悪いとは思いませんでした。
また、同じメイプルストーリーでも「盗賊編」はまだマシなのですが、新作の「シグナス騎士団編」は明らかに操作性が悪化しています。
さらに、ローカライズがヘン。
日本語化されているのは嬉しいのですが、誤字脱字は当たり前、文法もあきらかにおかしく、さらに主人公の男の子が「女言葉」でしゃべります。 おかげで完全に「オカマキャラ」。
キャラクターのセリフの多くは「日本語でおk」な状態で、普通に読んだだけでは話の繋がりが理解できないことも多いです。
ネクソンには日本法人の「ネクソンジャパン」もあるのですが、そちらはノータッチだったのでしょうか?
あきらかに日本人がチェックしていない文章ですね。
そして最大の難点は・・・ このタイプのゲームとしては、戦闘がいまいち面白くない。 というか爽快感がない。
iPhone / iPod touch には、すでにこのタイプの韓国型アクション RPG は ILLUSIA やサムライギャルなど複数のものが存在しています。
横スクロールアクションに範囲を広げると、PrincessFury や Third Blade 這い寄る混沌 なども存在します。
そしてこれらのゲームはすべて攻撃が「連続技」で、ボタン連打で1セットの攻撃がバシバシと気持ちよく決まります。
しかしこのメイプルストーリーだけは攻撃が単発で、攻撃ボタンを連打しても1回1回剣や杖を振るだけなのです。
そのため他のゲームと比較すると爽快感のようなものに乏しく、スピード感もなくて、攻撃も地味。
これは元のメイプルストーリーがそう言うゲームだったから仕方がないのですが、他のゲームをやった後だと見劣りするのは否めません。
なお、「盗賊編」だと盗賊だからか、攻撃が「シグナス騎士団編」よりも連打できます。(単発だけど攻撃間隔が短い)
だから戦闘の面白さは盗賊編の方が良く、この点も新バージョンで逆に悪化した点と言えます。
もちろん全体的なシステムやボリュームは「シグナス騎士団編」の方が良いのですが・・・
※さらに現時点(2011/7/31)のこのゲームには、男の子の戦士の主人公が「ソウル」という召還魔法を使うと攻撃ボタンが召還ボタンに変わってしまい解除不可能になり、MP が尽きて召還できなくなるまで通常攻撃が一切行えなくなると言う致命的なバグがあります。 死んでもアプリを落としても、データをロードしても治りません。
戦士でプレイする場合はこのバグに十分注意して下さい。 女の子の主人公だとこの問題は起こりません。
iTunes のレビューでは「落ちる」という報告も多く(私は落ちませんでしたが)、ローカライズの件も含め、どうもテストプレイや最終チェックなどが甘いような気がしますね・・・
以下は海外のゲーム情報サイト GameTrail により Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
価格は一応「シグナス騎士団編」も「盗賊編」も定価 600 円なのですが、セールや値下げが多いので実際の販売価格は常に変わっています。
とりあえず盗賊編は無料が続いていて、シグナス騎士団編は現時点(2011/7月末)はセール中で 85 円です。
ボリュームや全体のクオリティーとしては 600 円でもおかしくない内容で、これが無料や 85 円だとかなりの安値、コストパフォーマンスは非常に高いですね。
ランキングの上位常連になるのも頷けるアプリだと言えます。
ただ私的には、数百円ぐらい高くても良いなら ILLUSIA の方が良いかなぁ、という気もします・・・
まあ ILLUSIA は日本語化されていないので、そこが大きな欠点ですが・・・
(サムライギャルは現時点(2011/7)では2度目のボスを倒すとフリーズするという致命的な問題があるので勧められません)
しかしメイプルストーリーは、ユーザーがかなり多いゲームです。
メイプルストーリーは 2003 年末にスタートし、その主要ユーザー層は小学生~中学生の低年齢です。
そして初期のユーザーの多くは今では高校生や大学生、さらに 20 代になっていますから、ちょうど iPhone / iPod touch に興味がある人や、持っている人が多い年齢層になります。
それを考えると iPhone / iPod touch でもこのアプリのプレイヤーが多いのは納得出来ますね。
ゲーム自体はちゃんと「めいぽ」なので、経験者の方なら十分楽しめるアプリのはずです。
私的には、経験者向け、及びセール狙いのアプリかなぁ、という感じですね。
・メイプルストーリー シグナス騎士団編 (公開終了)
・メイプルストーリー 盗賊編 (公開終了)
2011/07
その Wizardry のリメイク作品が iPhone / iPod touch に登場しています。
「Wizardry 囚われし魂の迷宮」 です。
このゲームは 2009 年末に PS3 (プレステ3)で発売されたネット配信用のゲームで、開発したのは日本の「アクワイア」というメーカーです。
ここは「天誅」や「侍道」、「勇者のくせになまいきだ」などの非常に特徴的なゲームを作っているメーカーです。
Wizardry (ウィザードリィ)のオリジナルは Sir-tech というメーカーが作っていたのですが、続編の展開に失敗して業績が悪化し倒産。 ハッキリ言って、2作目以降の本家のウィザードリィは微妙なものばかりでした。
しかもウィザードリィの大きすぎるネームバリューが災いし、その後に「版権争い」が発生して、どこがどんな風にゲームの版権を持っているのかよく解らない状態になっています。
結果、Wizardry というブランドは地に落ちてしまった訳ですが、この「Wizardry 囚われし魂の迷宮」はそんなウィザードリィを復権させようという計画「ウィザードリィ ルネッサンス」の1作目にあたります。
しかしウィザードリィの人物名・都市名・魔法名・武器名などはゴチャゴチャになった版権の問題で使えず、ウィザードリィらしさが十分に出ていない、評価の難しい作品となっています。
ゲームはまず「キャラクターメイキング」から始まります。
主人公となるキャラクターを選択するとボーナスポイントが与えられ、それを各ステータスに振り分けて職業や名前などを設定します。
ウィザードリィと言えばこの「キャラクターメイキング」が大きなポイントで、ボーナスポイントは普通 5~10 ポイントなのですが、たまに 15~20、さらにそれ以上のポイントが出る事があり、高いポイントが出るまでキャラメインキングを延々とやり直すのがゲームの名物でもありました。
この点は「囚われし魂の迷宮」でも引き継がれていますが、有料課金でボーナスポイントを +10 出来る「成長の実」というものを使う事も出来ます。
いずれにせよ、ボーナスポイントは 15 以上でキャラを作りたいですね。
職業には戦士なら「STR(力)が 12 以上」、僧侶なら「PIE(信仰心)が 12 以上」など、選択するための条件があります。
主人公となるキャラを作った後は、町の「ギルド」で他のキャラクターも作成します。
最初から用意されているキャラクターもいて、これを仲間にして冒険に出ることも可能です。
パーティーは6人で構成されていますが、左側の3人は「前衛」、右側の3人は「後衛」となります。
後衛のキャラクターは敵の直接攻撃を受けにくいのですが、こちらも遠距離武器か魔法でなければ攻撃が出来ません。
また、宝箱を開けるために「盗賊」も必要になるため、パーティーは戦士型2~3人、魔術師1~2人、僧侶か司祭1人~2人、盗賊1人というのが一般的です。
※各職業に必要なポイントは、戦士は STR 12、魔術師は INT 12、僧侶は PIE 12 で善か悪、盗賊は AGI 10 と LUC 12 で中立か悪。
上位職は司祭が INT と PIE が 13 で善か悪、忍者は全部 15 で悪のみ。
侍は STR 15、INT 11、PIE 10、VIT 14、AGI 10、LUC 9 で善か中立。
君主は STR 15、INT 12、PIE 12、VIT 15、AGI 14、LUC 15 で善のみ。
悪と善は(ダンジョン内での合流を除き)一緒にパーティーを組むことはできない。 また上位職はレベルアップが遅め。
今回は序盤から未鑑定のアイテムが多く出てくるので、最初から鑑定が行える司祭が必須と言える。
転職はステータスの条件が満たされれば後からギルドで行えるが、各職業に転職できるアイテムもゲーム後半に出現する。
あと VIT は HP の伸びに関係するので、どの職業でも多めに振っておくこと!
ダンジョンは「試練の迷宮」と「シーインの迷宮」の2つが用意されていて、「試練の迷宮」は初代ウィザードリィの雰囲気があるマップ構成になっており、最初に行くべきダンジョンです。
しかしここはストーリーには直接関係ない、単なる修行場であり、メインストーリーが展開されるのは「シーインの迷宮」の方です。
シーインの迷宮は少し敵が強いので、レベル3~4ぐらいになってから行くのが無難でしょう。
ダンジョンは非常に暗く、すごく見にくく、2歩先さえ見渡せません。
しかしアイテムの「魔力の松明」を使うか、僧侶の魔法「Torch Light」を使うことで明るくする事ができ、数歩先まで見渡せるようになります。
また、ダンジョン内はオートマッピングで、移動した場所は自動的に地図に書き込まれるのですが、「地図」のアイテムを持っていないとマップを確認できません。
最初の地図は道具屋で売っているので、これを忘れずに買って行かないと迷子になること必至です。
加えてレベル1のうちはキャラクターがかなり弱く、数が多めの敵に会うといきなり苦戦するはずです。
まあ高めのボーナスポイントで前衛を作っておけばそんなに苦戦しないかもしれませんが、魔術師も僧侶も最初は魔法を1回か2回しか使えないので、ちょっと魔法を使ったらもう役立たずになります。
よってレベルが上がるまでは入口付近で戦い、小まめに町に戻って回復する必要があります。
つまりこのゲームは何も知らずにプレイすると、「前がよく見えない暗いダンジョンで、マップも目印もなくすぐ迷子になり、魔術師も僧侶もすぐに MP が切れて、何も解らないまま全員がのたれ死ぬ」ゲームなのです。
こう言うと多くの人は「なんだよそのクソゲー!」と思うでしょう。
でも実は、Wizardry というゲームはそういうゲームなのです。
もともと Wizardry はダンジョン内でいかに生き抜くかのサイバイバルゲームでもありました。
最近の RPG のような親切設計にはなっていません。 むしろ当時の目線で見ても不親切設計でした。
その状況をプレイヤーの知識とプレイの最適化によって、いかに打破していくかという内容だったと言えます。
だからハッキリ言ってしまいたいと思います。 最近のゲームしか知らない人にとって、ウィザードリィはクソゲーです。
でも、ここをカットしてしまうとそれはもう「Wizardry」ではない訳で、ここがウィザードリィというゲームのリメイクの難しさと言えるかもしれません。
※ゲームが始まったらまず「道具屋」に行き、商品リストの下の方にある「試練の地図 - 上層」を買っておくこと!
地図があればダンジョン内で上に表示されている「試練の迷宮」と書かれている部分をタップすればマップが表示される。 マップはオートマッピング形式で、歩いたところが書き込まれていく。
最初は回復魔法などがアテにならないので、深入りする時は「傷薬」や「毒消し」などもあった方が無難。
※マップはこんな感じ。 ダークゾーンに入ると周囲が見えなくなり、松明や明るくする魔法の効果が切れるので最初は避けよう。
鉄柵はどこかにあるスイッチを押すことで開けられる。 鍵のかかった扉はシーフで開けよう。
1ヶ所、ボスがいるところがある。 すごく強いので戦うなら事前にセーブを!
あくまで本家のウィザードリィではなく「ウィザードリィのリメイク版」なので、魔法や武器は異なっており、戦闘時の画面効果などもハデになっています。
炎の魔法を使えば画面が燃えますし、氷の魔法を使えば氷塊が飛んでいきます。
また「オート戦闘」のボタンもあって、これを押すと攻撃出来るキャラは攻撃、それ以外は防御になります。
戦闘中のメッセージは画面の押しっぱなしで「自動送り」にすることができ、戦闘は割とサクサクと進みますね。
PS3 版にはキャラクターの音声もあったようですが、これはなくなっています。
でもウィザードリィに声まであったらイメージが壊れるので、私的にはなくていいと思います。
(正直、顔グラフィックもイメージが固定されてしまうので無くて良かった気が。 付けるならもっと顔の種類を増やして欲しかった)
難点は、操作が煩雑だったり、タップの反応が悪い点でしょう。
戦う時は「戦う」のボタンを押し、ターゲットにする敵をタップします。
魔法を使う時には「呪文」のボタンをタップし、使う魔法のレベルをタップし、使う魔法をタップし、「呪文選択」のボタンをタップ、使うターゲットをタップします。
ハッキリ言って、戦う時は「戦う」を押さなくても敵をタップするだけで選択出来るようにして欲しいし、呪文の使用も「呪文選択ボタン」を押させる必要は無いだろうと思います。
「オート戦闘」があるからまだマシですが、もっとインターフェイスは最適化できる気がしますね。
(「最適化」という点で言うと、「地図を持ってないとオートマップが表示されない」と言うのもどうなのかと)
また、なぜかボタンの反応が鈍い場面があり、「道具の詳細」を表示した後に「戻る」を押してもなかなか反応しないなど、調整が不十分なところが見られます。
あと個人的に、「リセット」が効かないのもウィザードリィとしては残念に思えます。
戦闘中にキャラが死んでピンチになった時にアプリを落としても、キャラが死んだ状態での再開となります。
もちろんレベルアップ時に能力値の上昇が悪かったり下がったりしても、リセットは効きません。
(オリジナルは宿屋でレベルアップしましたが、このゲームはダンジョン内でも経験値が貯まり次第レベルアップします)
「セーブ」はどこでも可能で、そのデータからの再開も可能なのですが、これを利用する場合は毎回手動で小まめにセーブしておく必要があります。
そして何より、仕方がないけど残念なのは・・・ 「ウィザードリィらしさがない」ことでしょうね。
魔法の名前が「Flame Arrow」とか「Sleep Field」とか、そんなのは Wiz ではありません。
やっぱりウィザードリィの炎の魔法は「マハリト」で、睡眠の魔法は「カティノ」で、転移の魔法は「マロール」でないとその雰囲気が出ません。
商店も「ボルタック商店」で、寺院は「カント寺院」であって欲しいのです。
施設名が単なる「道具屋」や「寺院」で、魔法が「フレイムフィールド」とかで、武器にも「カシナート」がないゲームは、やっぱり「ウィザードリィを参考にした別のゲーム」であって、ウィザードリィじゃないよな、ってのが本音です。
まあこの辺は版権の問題で仕方がないのだとは思いますが。
私的には、どうもこのゲームがターゲットにしている「プレイヤー層」が解りません。
従来のウィザードリィをそのまま移植しても、オリジナルを知らないプレイヤーには楽しめないゲームになることは確かですから、今風のゲームに調整することは解るのですが、中途半端にウィザードリィの解り辛さや難しさが残っていて、最近のゲームプレイヤーが楽しめるようなバランスになっているとは思えません。
結果的に、オリジナルを知らない人には「不親切すぎるゲーム」であり、オリジナルを期待している人には「全然違うゲーム」になっていて、ユーザーの支持が得られにくいアレンジになっている印象がありますね・・・
とは言え、諸処の問題で望む通りのゲームが作れない状況で、それでもがんばってウィザードリィっぽいゲームを作ろうとした、ある意味涙ぐましい努力は感じられるのですが。
※アイテムの多くは未鑑定状態で、司祭で鑑定しないと正体がわからないし売ることもできない。
鑑定に失敗すると「恐怖」に陥る場合があり、こうなるとしばらくうろつくか寺院で回復しないと再鑑定できない。
宿屋での HP 回復はお金を取られるのでダンジョン内で回復しておき、馬小屋にだけ泊まるのが基本。
この辺りの「めんどくささ」はウィザードリィらしいが、オリジナルを知らない人には単に面倒なだけかも・・・?
と言う訳で「Wizardry 囚われし魂の迷宮」、私的にはウィザードリィとは「別物」として考えるべきだと思います。
ただ、「ウィザードリィのシステムを元にした別の RPG」として評価すると、なかなか楽しめてボリュームも十分にある、iPhone / iPod touch アプリの中ではかなり上位の RPG なのではないかと思います。
アプリは無料で公開されていますが、無料では体験版の状態に過ぎず、地下1階しかプレイ出来ません。(レベルも5まで)
製品版にするには 1200 円という高額の課金が必要になりますが、私的には十分それだけの内容があるゲームだと思います。
ただ、前述したようにこれを「面白い」と感じられるユーザー層が狭い印象ですね・・・
iTunes のレビューでもそれは見て取れ、評価も★5と★1が多いと言う真っ二つな状態です。
★2~4の割合も多めで、見事にバラけています。
これがそのまま、このゲームの一般的な評価の割合だと考えて良いように思います。
オススメかどうかは、「人による」としか言えません。
序盤を無料で体験できるので、実際にやってみて判断するしかないでしょうね。
・Wizardry 囚われし魂の迷宮 (iTunes が起動します)
フリーミアム版の「グルーヴコースター2 オリジナルスタイル」のレビューは こちら です。
2009 年に世界中で大絶賛された iPhone / iPod touch アプリ「スペースインベーダー インフィニティジーン」を世に送り出したタイトーのゲームデザイナー 石田礼輔 氏が、新たに「音楽ゲーム」を開発し本日公開されました。
「グルーヴコースター」(Groove Coaster)です。
実は私は「インフィニティジーンの流れを汲む次の作品は音楽ゲームだ」というのを聞いて、残念に思っていました。
音楽ゲームはリズムに合わせてタップするというシンプルな内容なので、インパクトのある作品を作るのは難しいだろうと考えていたからです。
しかしそんな杞憂は一度プレイして吹っ飛びました。 これはマジで素晴らしいです。
ZUNTATA(タイトーの音楽チーム)の軽快なサウンドと、レトロ風ながら変化に富んだ美しい演出、そしてノリの良いゲーム性が融合しており、やっていてとても気持ちの良いゲームに仕上がっています。
これは間違いなく iPhone / iPod touch の代表的なアプリの1つになるでしょう。
ゲームはシンプル。 一本のライン上を「アバター」と呼ばれるマークが走っていて、前方から曲のリズムに合わせたタイミングで「ターゲット」と呼ばれる丸い印が流れてきます。
ターゲットとアバターが重なった瞬間に画面をタップすると、曲に合わせたサウンドが鳴り「グルーヴゲージ」というゲージが増えていきます。
曲が終わった時にグルーヴゲージが一定以上ならステージクリア、それ以下ならミスとなります。
ターゲットは曲に合わせて出てくるため、目で見てタイミングを測るのではなく、リズムを取ってタップするのがコツですね。
タップするタイミングがズレているとサウンドもちゃんとズレて鳴り、iPhone の音楽ゲームによくある「プレイヤーの演奏がヘタでも流れる曲は常に同じ」というものではありません。
画面をタップする場所はどこでもよく、「矢印の向きに合わせてタップ」とか「特定のボタンをタップ」とかの複雑な操作はほとんどありません。
ノーマルやハードになると「特定の方向にフリック」「指を左右にスライド」「画面を連打」なども出て来ますが、大半のターゲットは単にタップするのみで、たまに「画面をしばらく押しっぱなし」が多めに出てくる程度。
ゲームとしては簡単に、誰でも楽しめるように作られています。
一方で画面の演出は凝っていて、ラインは単なる一本道ではなく、折れ曲がったりジグザグに動いたり、時には立体的な動きを見せ、ズームイン/ズームアウトなども行われます。
それらの演出が曲に合わせて行われ、タップした時のアクションも様々なものが用意されており、シンプルな見た目ながら綺麗で見所のある演出が行われます。
そして何より曲がいい!
ロックやハウス、テクノやアンビエントなど、様々な種類の非常にノリの良い曲がそろっていて、ボーカルが入ったものも多くあります。
イヤホンを付けて聞くとかなり音質が変わり、臨場感や音響のある音になるので、是非イヤホンを付けてプレイするのをオススメします。
アイコンもインベーダーがヘッドホンを付けているものですしね。
特徴的なのは、ターゲットがなくても特定のポイントでタップすると「AD-LIB」(アドリブ)と表示され、サウンドが鳴りスコアが加算されるシステムがあること。
いわゆる「隠しポイント」なのですが、曲とリズムに合わせてタップしていると割と頻繁に発生します。
プレイヤー自身のアドリブが評価の対象になる、面白いシステムと言えますね。
発生しなくても(近くにターゲットがなければ)ミスにはならず、ハンドクラップ(手拍子)の音が鳴るので、それはそれで自分流のアレンジになったりします。
「スペースインベーダー インフィニティジーン」から引き継いだシステムとして、プレイしたスコアが経験値として加算されていき、一定量貯まるとレベルアップ、様々なシステムがどんどん追加されていくというものがあります。
このゲームの場合、アバターの種類やタップ時の演出などが増えていき、アバターには「ゲージが貯まりやすくなる」「タイミングがズレていても常にお手本通りの音が鳴る」などの効果があって、プレイ前に選択することが出来ます。
曲は初期状態では 16 曲、さらに内容が変化するスタッフロールの曲が1つ。
定価 250 円の音楽ゲームとして考えると、かなり豊富に用意されていると言って良いでしょう。
また、すでに有料課金による曲の販売も行われていて、1曲 85 円で売られています。
こちらは正直、1曲だけで 85 円というのは高い気がするのですが・・・
Jubeat が4曲で 450 円(1曲約 112 円)、太鼓の達人プラスが5曲で 600 円(1曲 120 円)なので、それを考えると「こんなものかなぁ」とも思います。
以下は Youtube で公開されている公式のプレイムービーです。
定価は前述したように 250 円。 現在(2011/7)は販売開始セール中で 85 円となっています。
iPhone / iPod touch と iPad の双方に対応しているユニバーサルアプリです。
誰にでも文句なくオススメできる、今後の定番になりそうなアプリですね。
なお、「グルーブ」ではなく「グルーヴ」なので、「グルーブコースター」で検索すると iTunes で出てこないので注意。
最近は音楽ゲームと言えば「太鼓の達人」や「リズム天国」などを始めとする、シンプルに叩くのみのゲームが主流となっています。
音楽ゲームの元祖と言えるのはビートマニアですが、こちらはマニアックになり過ぎて一般ユーザーが離れ、DDR やポップンミュージックなどもプレイできるユーザー層は限られていました。
結局、「プレイヤーが気持ちよくリズムを刻める」というのが音楽ゲームの理想だとすると、リアル指向やマニア向けに作るより、よりシンプルに遊べるように作るのが正解なのでしょうね。
iPhone は iPod でもある訳ですが、意外と音楽ゲームは少なかったりします。
スマートフォンのクールなイメージに合う内容ですし、あまりゲームをやらない人でも楽しめるシステムなので、インフィニティジーンと同じくロングセラーになり得るアプリと言えるでしょう。
・グルーヴコースター (iTunes が起動します)
※現在は無料拡張版の「グルーヴコースター ゼロ」も公開されています。
以下にレビューを掲載しています。
http://iphoneac-blog.com/archives/7585383.html
※グルーヴコースターの攻略を以下のページに掲載しています。
http://iphoneac.com/soundgame.html#groovecoaster
湾岸戦争の時、アメリカ軍が撮影した白黒の爆撃映像がよくテレビで流されていましたが、そんな雰囲気でゾンビを上空から機銃やミサイルで迎撃する、ディフェンス型のシューティングゲームが登場しています。
「Zombie Gunship」です。
プレイヤーは AC-130 という「ガンシップ」に乗っているという設定で、ガンシップとは上空から機銃で対地攻撃を行うための航空機のことです。
AC-130 というガンシップは機体の左側にしか武装が付いておらず、常に上空を左旋回しながら攻撃を行うよう設計されていて、そのためこのゲームでも常に画面が右回転しています。
このアプリを開発したのは Limbic Software というアメリカのメーカーで、ここは人気のタワーディフェンスの1つ Tower Madness を開発したメーカーです。
画面をなぞってスクロールさせ、画面右上の「105 MM、40 MM、25 MM」と書いてある部分をタップする事でズームを変更します。
ズームアウトしている時は広範囲を見渡せますが、機銃攻撃はもっともズームインしている状態(25 MM)でなければ行えません。
画面の中央には照準があり、ズームインして画面左下のボタンを押すことで機銃を発射します。
ただし銃弾は結構バラつきます。 ボタンを押しっぱなしにすると連射しますが、連射し続けているとますますバラつきます。
また撃ち続けているとオーバーヒートしてしまい、一定時間発射できなくなります。
フィールドの周辺からは黒い人影の「ゾンビ」が次々と出て来て、基地(バンカー)の方に向かっていきます。
これが基地に入らないように撃ち続けていくのですが、たまに白い人影の「生存者」も走ってきます。
生存者は基地に到着すると高得点になりますが、ゾンビに襲われるとやられてしまい、さらに誤って自分が撃ってしまうとその数が累積され、3人撃ってしまうとその時点でゲームオーバーになってしまいます。
もちろんゾンビが基地に入ってもゲームオーバーです。
ゲームオーバーになった後、ゾンビを倒した数と生存者の救出数に応じてお金が貰えます。
このお金で「アップグレード」を購入可能で、弾速や連射力のアップ、遠距離からも撃てる新武器の購入などが行えます。
お金はアプリ内課金で買うことも出来るのですが、無理にアプリ内課金が必要なゲームバランスではありませんね。
ゲーム中には通信士の音声が聞こえ、これが良い雰囲気を出しています。
スクロール時には赤外線カメラであることを再現しているのか、映像にブレが生じ、シンプルながらもリアルな映像になっています。
ゲームのコツは、パワーアップするより早めに武器をそろえる事と、生存者の誤射に注意すること。
特に遠距離から撃てる武器は攻撃範囲が広いので、生存者に気付かず巻きぞえにしてしまいやすいです。
画面上部の「WHOT」と書いてある部分をタップするとゾンビが白、生存者が黒になって、生存者を区別しやすくなるので、解り辛くなってきたら切り替えてプレイするのも良いでしょう。
難点は、ゲームが単調なこと。
フィールドマップは1種類しかないし、ステージクリアがある訳ではないので毎回同じ展開です。
短時間のプレイでハイスコアを競う内容で、ゲーム性としては「ショートゲーム」と言えます。
ボリュームのようなものは期待しないで下さい。
パワーアップも新武器の追加以外は目に見えて変わる程ではないので、ある程度プレイするとすぐに底が見えてきます。
ショートゲームとしても、もうちょっと変化や追加要素が欲しかった所ですね。
以下は海外のゲーム情報サイト Touch Arcade により Youtube で公開されているプレイムービーです。
価格は 85 円と、かなり安め。
ただボリュームがないので、このぐらいが適正価格だと思います。
アプリ内課金があるため、タイプとしてはフリーミアム(追加課金型)に近いアプリだと言えそうです。
ちょっとした時間に楽しめるショートゲームとしては、なかなかの秀作だと思います。
また、度重なるアップデートで人気を獲得していった Tower Madness を開発したメーカーの作品なので、今後のアップデートにも期待が出来るかもしれません。
もしかすると初期のボリュームが少ないのは、Tower Madness と同じようなアップデート戦略を想定しているからなのかも?
今はまだ内容が少なめですが、今後に期待したいアプリと言えますね。
しかし何と言うか・・・
実際の白黒の爆撃映像がテレビで放映されるたびに、「戦争がゲームのようになっている」と言う批判意見が出ていましたが、「そのシーンのゲーム」が登場したというのは、なんとも皮肉なものです。
・Zombie Gunship (iTunes が起動します)
※新バージョンの DX のレビューは こちら を、NEO のレビューは こちら を。
※Retina ディスプレイに対応した HD バージョンが公開されました。
ぁゃしぃ奇妙な「なめこ」を育てるという、なんだかよく解らないけど大人気になっている、ソーシャル要素のあまりないソーシャル型栽培ゲーム。
それが「おさわり探偵 なめこ栽培キット」です。
このアプリは DS で発売された「おさわり探偵 小沢里奈」というアドベンチャーゲームの登場キャラクターを使ったミニゲームで、原作が持っていた奇妙でダークでシュールな世界観を引き継いでいます。
「おさわり探偵」というとエロ的なイメージが浮かびますが、そういういかがわしい内容のゲームではありません。
別の意味でいかがわしい気がしないでもないですが。
この「なめこ栽培キット」は今年の夏に発売される予定の iPhone 版「おさわり探偵 小沢里奈」 のプロモーションも兼ねているようですね。
ゲーム内容は非常にシンプルです。
画面下に5つの「なめこフード」が並んでいて、それぞれ 15 分、30 分、1時間、4時間、8時間 の効果時間を持ちます。
これを使うと現実の時間経過と共に「なめこ」が生えてきて、それを指でなぞって収穫すると NP (なめこポイント)が増えていきます。
なめこフードがなくなったら再びフードを補充して、これを繰り返すのみです。
なめこが生えてくるには数十分が必要なので、基本的にはフードを補充したらアプリを落とし、しばらく経ってから再び起動するとなめこが生えている、という形になりますね。
NP が貯まったら、原木・加湿器・保温器・照明器 などの設備をパワーアップしていくことができます。
ただ、上位の設備を購入するには特定の「レアなめこ」を収穫していることが必要で、レアなめこが生えてくるには下位の設備を一通りそろえておくことが必要になります。
例えば、グレード2の設備に必要なレアなめこを収穫するには、グレード1の加湿器・保温器・照明器をそろえておかなければなりません。
よって設備は基本的に、下の物から順番に購入していく必要があります。
このアプリが他の「たまごっち型ゲーム」や「村開発ゲーム」と違うのは、成果が現れるまでの時間がきっちり決まっている訳ではない点です。
このタイプの一般的なゲームは、30 分必要な作業なら 30 分経過後、2時間必要な作業なら2時間経過後でないと、その結果を確認できません。
しかしこのゲームは1時間の「なめこフード」を使った場合でも、必ずしも1時間待たなくても良いのです。
例えば1時間の「なめこフード」を使って、10 分後に見たとすると、10 分ぶんのなめこが生えています。
そこでなめこが一杯になるまで放置しても良いし、10 分ぶんだけ収穫しても良いし、他の「なめこフード」に切り替えても構いません。
つまり他の同タイプのゲームより融通が利きます。
自分に合った時間にログインして、その時点での結果を見て、そこで別の新しい行動を取れます。
「特定の行動を取るのに○時間待たなくてはいけない」という制限もありません。
これが非常にプレイしやすく、単純なゲームであるにも関わらず、ついつい続けてしまいます。
iPhone / iPod touch で大ヒットしている「ゆけ!勇者」も、結果が出るまでは規定の時間がかかりますが、適当な時間にログインすると、そこまでの過程をチェックできます。
ちょっと大げさかもしれませんが、この「好きな時間に作業の途中過程を確認できる」「任意の時間に介入できる」と言うのは、村開発ゲームやたまごっち型ゲームの新しいトレンドなのではないでしょうか?
なお、このゲームの「なめこ」は生えている状態で「なめこフード」が尽きると、徐々に「枯れなめこ」になってしまいます。
15 分のなめこフードの方が生えるぺースは早くなりますが、8時間の「なめこフード」の方が尽きるのが遅いぶん、枯れるのを防ぐ事が出来ます。
つまり早ければ早い事の、遅ければ遅い事の利点があり、これも面白いシステムです。
ちなみに調べてみたところ、設備が「グレード7」の場合、8時間のなめこフードで原木が一杯になるまで 52 分必要で、1本あたり約2分で生えることになります。
15 分のなめこフードの場合は一杯になるまで約 13 分で、1本が約 30 秒で生えます。
ただ一杯になってから収穫するとして、15 分のなめこフードは1回しか収穫できませんが、8時間のフードは9回収穫できます。
設備グレードが1だと 15 分のなめこフードでは一杯にはなりません。
序盤は生えてくるレアなめこの種類が少なく NP もなかなか増えないので、基本的にはタダで使える1時間のなめこフードを使っていくのが良く、15 分や 30 分のフードを使うのは設備グレードが上がってからの方が良いようですね。
ただ収入が十分増えた後は消耗品の「なめこが枯れないようにするアイテム」を併用して、時間の短いフードを多用する手もあります。
とは言え、ノホホンと育てていけばよいゲームなので、そんな攻略が必要な内容ではありませんけどね。
シンプルな内容なので楽しめるかどうかは人によると思いますが、無料で公開されているアプリですし、やってみて損はありません。
この手のソーシャル系ゲームとしては十分に楽しめるアプリです。
とりあえず、ここまで大ヒットしたのならプロモーションとしては大成功でしょう。
本編の iPhone 版も公開間近なようなので、こちらが「なめこ人気」でどこまでヒットするかにも注目ですね。
・おさわり探偵 なめこ栽培キット HD(iTunes が起動します)
かつてセガが発売した、対戦が楽しいドタバタアクションパズルゲーム「チューチューロケット!」。
それが iPhone / iPod touch に移植されました。
「ChuChu Rocket!」です。
このゲームは当時のテレビ CM がちょっとグロいシーンとユニークな楽曲で話題になったため、知名度だけは高いのですが、「ドリームキャスト」というあまり売れなかったゲーム機での発売だったため、実際にプレイした人や内容を知っている人は少ないという変わったゲームです。
(テレビ CM は こちら。 少し残酷な表現があるので注意)
後にゲームボーイアドバンスでも登場したため、そちらでプレイした人の方が多いでしょう。
このアプリは昨年(2010年)の10月末に海外で先に公開されており、日本では未発売のまま音沙汰がなくなっていました。
そのためこのまま日本では発売されないのかと思っていたのですが・・・ 先日、突然リリースされました。
なにか大人の事情でもあったんでしょうかね・・・?
ゲームモードは1人でプレイする「パズルモード」、指定された目的を時間内に達成していく「ステージチャレンジ」、そして最大4人で対戦する「4プレイヤーバトル」です。
パズルモードは初期配置されているネズミ(チューチュー)をすべてロケットに運んでいきます。
マスをタップし、そのまま指をドラッグすると、ドラッグした方向の矢印タイルが設置されます。
ステージごとに設置できる矢印タイルの数と種類が決まっており、すべて設置した後に画面左上のスタートボタンを押すとネズミが移動を開始、全てのネズミがロケットに入るとステージクリアです。
ネズミは壁にぶつかるまで真っ直ぐ移動し、壁にぶつかると必ず右折します。
矢印タイルの上ではその方向に曲がります。
この修正を上手く利用してロケットに導く訳ですね。
ネズミの他にネコ(カプカプ)もいて、ネズミがネコに1匹でも触れるとアウトになります。 ネコがロケットに入ってもアウトです。
ネコもネズミと同じ法則で移動するため、ネコの移動方向を矢印タイルで制御しなければクリア出来ないステージもあります。
移動中にスタートボタンを再度押すとゲームの進行速度が2倍になります。
リトライも「キャンセル」のボタンを押せばすぐに行えるため、非常にテンポ良くプレイ出来ます。
ステージも現時点(2011/7)で 140 以上用意されており、十分に楽しめるパズルゲームですね。
ただ、パズルゲームとして見るとゲームシステム自体はありがちなもので、特筆すべきほどではありません。
このゲームの最大の特徴にして一番面白いのは、やはり「バトルモード」(4プレイヤーバトル)でしょう。
バトルモードではチューチューが穴から次々と出て来ます。
このチューチューを4人で取りあう内容で、ロケットは各プレイヤーのものが用意されていて、矢印タイルを設置して自分のロケットにチューチューを導いていきます。
ただしネコも穴から出て来て、これがロケットに入ってしまうとそのプレイヤーの獲得チューチューが 1/3 減少します。
よって取得しているチューチューの数が多いほどダメージも大きく、連続でネコが入ってしまうと激減するため、リードしていても一気に挽回されてしまいます。
よってチューチューを取りつつ相手にネコを誘導する「取り合い・邪魔のし合い」の応酬が続きます。
これに加え、誰かが「?」マークの付いたチューチューを取るとスロットが回り、チューチューやネコが大量に出てくる「チュー2フィーバー」や「ネコフィーバー」、ロケットの位置が変わる「みんなひっこし!」、矢印がすべて消える「矢印おきなおせ!」などの効果が発生、これによりさらに激しく展開が変わります。
とにかくスピード感のある対戦ゲームで、矢印パネルは3つまでしか置けない(4つ目を置くと最初に置いたものが消える)ため、それを加味した計画性も必要になります。
画面ではその面白さがあまり伝わらないのですが、やってみるとかなり楽しめるゲームです。
ただ、難点は・・・ 現時点(2011/7)では、人があまりいないこと。
オンライン対戦は Game Center を利用した自動マッチングで、人数設定やフレンドの招待ができる「ロビー」と、既存のゲームに参加する「クイックプレイ」がありますが、どちらを選んでもゲームはなかなかスタートしません。
今のところ4人対戦なんて出来る状況ではないですね。
海外ではすでに発売から半年以上経っていますし、日本では発売したばかりですが 250 円の有料アプリ。
どうしてもユーザー数は限られる訳で、残念ながら全然マッチングされません。
ストIV Volt や 麻雀・雷神 のようにマッチング中に1人で練習できる、なんてこともありません。
これが 85 円や無料のアプリならもっと人が増えて、オンライン対戦もまともに機能すると思うのですが・・・ メーカーも収益が必要ですから一概に安くすることも出来ない訳で、難しいところです。
でも普通に考えて、250 円のアプリの4人対戦プレイなんて、よほどの定番アプリでないと成り立つとは思えないのも本音です。
また、オンライン対戦中は同期のため、矢印パネルを置いてから実際に配置されるまで、数秒間の遅延があります。 この数秒というのはこのゲームではかなり長い時間です。
よってネコが来た時に「とっさに矢印パネルを置いて防御!」なんて事はムリで、かなり早い段階で対策しないと間に合いません。
ゲームの性質上、同期を取る必要があるため仕方がないとも思うのですが、オリジナルとはゲーム性が変わっているのはやや残念な点でしょうか。
なお、対戦は Bluetooth や Wi-fi を通しても行えます。
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
価格は前述したように 250 円。
オンライン対戦はともかく、1人用のパズルゲームとして見ても面白いので、値段分の価値は十分にあるアプリだと思います。
ただ、このゲームはやはり対戦が一番面白いです。
その一番面白い部分であるオンライン対戦が成り立っていないので、非常に残念な気がして仕方がないのも本音です。
面白いのにプレイ出来ないって、なにかヤキモキしますからね・・・
もしセールが行われて、一気にユーザーが増えるようなことがあれば、その時こそ「オススメ」とハッキリ言えるかもしれません。
・ChuChu Rocket! (iTunes が起動します)
・ChuChu Rocket! HD (iPad 専用版です)
1988年に発売され、一部では名作と呼ばれる事もある、第二次世界大戦の戦闘機を主人公にした横スクロールのシブいシューティングゲーム「P-47」。
それを iPhone / iPod touch に移植したものが発売されています。
「P-47 - The Phantom Fighter」です。
このゲームは今はすっかり縮小してしまった「ジャレコ」というメーカーが開発したものです。
ジャレコは一流のゲームメーカーとは言えませんでしたが、クソゲーを味のあるゲームを数多く発売していたメーカーで、当時のゲームファンなら知らない人はいない有名(だった)メーカーです。
そんなジャレコのゲームを(なぜか) iPhone に次々と移植しているのが、フランスの DotEmu というメーカー。
ここは「過去の名作」を数多くパソコンに移植しているクラシックゲーム好きのメーカーで、iPhone では「ジャレコ アーケードシリーズ」と銘打って、「64番街」や「ファンタズム」、「E.D.F.」などの知る人ぞ知る(大半の人は全く知らない)ゲームを次々と iPhone / iPod touch で発売しています。
今回の「P-47 - The Phantom Fighter」は、そのジャレコアーケードシリーズの4作目となります。
ちなみにこのメーカーは EA から発売された iPhone / iPod touch 版「R-TYPE」の開発元でもあります。
自機の操作は、画面のどこをなぞってもその方向に移動する「相対移動」です。
画面の左側に「指置き場」となるスペースが用意されているため、画面の左端にも位置しやすく、操作性は悪くはありません・・・ が、良いとも言えません。
操作性についての詳細は後述します。
ショットは自動で連射されますが、パワーアップした時の特殊攻撃は画面右下のボタンを連打して行わなければなりません。(押しっぱなしにしても連発してくれません)
特殊攻撃は爆弾や炸裂弾、ナナメに撃つ機銃、複数発射ミサイルの4種類で、アイテムを取ることで変更できます。
またやられずにアイテムを取り続けることで、発射弾数が増えるなどのパワーアップをしていきます。
なお、パワーアップには「スピードアップ」もあるのですが、移動は指の動きに合わせて動くため最初から高速で移動可能で、スピードアップにはほとんど意味がありません。
このゲームの特徴は、ハデさがない、すぐやられる、全体的にシブい、それなのに遊べてしまう不思議な魅力があるところでしょうか。
どう表現して良いのか難しいのですが、自機や敵の攻撃のバランスが適度で、システムも基本に忠実なため、プレイしやすいゲームになっているのです。
残機が多めで、初心者でもそれなりに進めるのも良い点でしょうか。 ただ後半ステージはかなり難しくなりますが。
もう1つの特徴は、あまり戦闘っぽくない BGM でしょう。
特にステージ2のバカンスにでも行っているかのような楽しげな音楽と、夕日をバックにした綺麗な背景は全然シューティングっぽくなく、それが逆にオシャレな雰囲気を醸し出していました。
このアプリの BGM は当時の音源をそのまま再現しているため、今聞くと音質が劣りますが、名曲と言われた当時の曲をそのまま聞く事が出来ます。
※敵の「飛行機」を「爆撃する」という、このゲーム特有のゲーム性はそのまま再現されています。
※巨大戦艦も登場する。 当時のゲーマーの1つの壁だった。
ただ、やっていて気になるのが「操作性」の問題。
前述したように移動は相対移動で、左側に指置き場があるので、それほど悪い訳ではありません。
ただ、画面右下の爆弾ボタンを押している時、ボタンの位置からちょっと指がずれてしまうと、「画面のどこを触っても自機を操作できる」という特性が逆に災いし、それに自機が反応。
これによって一時的に操作できなくなったり(画面上に指が2つ置かれている状態と判断される)、思わぬ方向に自機がズレてしまうことがあるのです。
前述したようにボタン押しっぱなしでは特殊攻撃を連射してくれないため、ボタンは連打することになります。
そのため指がズレてしまい、不意に自機が止まってしまう事故がよく起こるのです。
ボタンはかなり気を付けて連打しなければなりません。
また、横画面のゲームなので親指で操作することになり、どうしても人差し指の操作より操作し辛さがあります。
加えてこのゲームは中盤以降になると後方からも敵が出てくるので、指が邪魔で敵が見辛くなる事も良く起こります。
総合的に見て、操作性は決して良いとは言えず、思い通りにプレイ出来ない事があるのが難点ですね。
ただ、この操作性を加味しているためかオリジナルよりは敵弾が少なめで、ベースの難易度は低めに設定されています。
また、このゲームのオリジナルは「方向スティックを入れている方向に合わせて発射位置が変わる」特殊攻撃がありましたが、これが相対移動だと反映されません。
オプションの設定で「フルスクリーン」をオフにするとスティック操作になり、この時はスティックの方向に合わせた攻撃が行えるのですが、操作性が悪くて問題外ですね。
ゲームモードは「Story」と「Survivor」の2つが用意されていて、ストーリーは到達したステージから始める事が可能、残機は4機です。
サバイバーは常にステージ1からのプレイとなり、残機は8機です。
オンラインランキングはサバイバーのスコアのみ送信されるようです。
以下は Youtube で公開されている公式のプレイムービーです。
価格は 170 円で、安めの設定です。
基本的にはオリジナルを知っている人向けの、オールドゲームファン用のアプリだと思います。
原作を知っている人なら、この価格なら悪くなく、懐かしさもあって楽しめるのではないでしょうか。
ちなみに私も原作を PC エンジンとかでやっていたので、懐かしかったですね。
もちろんジャレコファンにもオススメです。 今時ジャレコファンがいるのかどうかは別として。
近年は会社が1円で売られた挙げ句、ゲームより社長の発言が最大の名物になっているジャレコですが、ユニークなゲームが多かったメーカーなので再生して欲しいものです。
このアプリに関しては、出来ればアップデートで操作性をもう少し調整して欲しい所ですね・・・
・P-47 - The Phantom Fighter (iTunes が起動します)
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