ナムコの往年のキャラクターを使ったソフトを公開できる「カタログ IP オープン化プロジェクト」。
それを利用した「ゼビウス」の新作が公開されています。
ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた」です。

このプロジェクトは個人や小メーカーが利用していることが多く、そのため出て来るゲームも小規模なものが多かったのですが、この作品は「トバル No.1」や「エアガイツ」などで知られるドリームファクトリーが開発を行っています。
最近は名前を聞きませんでしたが、しっかりメーカー製らしいアプリに仕上がっていますね。

内容は「立体感のあるゼビウス」といった感じで、オリジナルを模したモードに加え、独自の展開を楽しめるモードも用意されています。
ゼビウスの世界をより楽しめる内容で、往年のゲーマーなら注目せざるを得ない作品でしょう。
タイトル名がアレなので、あまり期待していなかったのですが、やってみるとかなりしっかりゼビウスしていました。

価格は 600 円。 買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告などは一切ありません。
動画広告がありますが、無料版も用意されています。

ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた

まず最初に、大事なことを言っておきます。
操作についてです。

このゲームはスクロール方向が縦ではなく、ナナメになっています。
マップやキャラクターがボクセル(3D ドット)で描かれていて、その立体感を出すためにこうなっているようですが、このため画面の左下と右下が切れている感じになっていて、これが操作の大きな支障となります。

言葉では説明し辛いですが、図で表わすと以下のような感じです。

ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた 操作問題

よってまともに操作できない!
ホント最初にやった時は、操作性最悪のシューティングだと思いました。

しかしこれは、設定を変更することで改善できます。
まず「画面サイズ」を全画面表示ではなく、画面下にスペースが空く設定にしましょう。
これで画面下部が指置き場になります。

さらに「SPEED」の設定を3ぐらいにして下さい。
最初は1になっていて、指と同じスピードで自機が動きますが、これだと画面の端まで動こうとした時に指が画面外にはみ出てしまいます。
しかし数値を高めると、少量の指の動きで自機が大きく動くようになるので、やや慣れが必要ですが、指をあまり動かさなくても端まで移動できるようになります。

この2つを併用すれば、ナナメスクロールでも大きな支障なく遊ぶことができます。
逆に言うと、初期設定のままではまともに遊べません。 マジでクソ操作です。
この点を忘れないようにして下さい。

ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた 操作改善

そして内容についてですが、その前に・・・
タイトル名にある「ガンプの謎」について説明しておこうと思います。

これは 1986 年に発売されたファミコン用ソフト「スーパーゼビウス ガンプの謎」のサブタイトルです。
そして「ガンプ」と言うのは、敵である「ゼビウス軍」を統括するバイオコンピューターです。

ゼビウスは 1983 年に登場した縦スクロールシューティングゲームですが、その開発にあたって原作者の遠藤雅伸さんにより、ゲームの背景を描いた小説が執筆されました。
これは「ファードラウトサーガ」と呼ばれ、ゲームに登場するナスカの地上絵、ピラミッド型の構造物など、SF 的な世界観はここから来ています。

いきなり飛んで来て、自機の近くで制止して去って行く、意味不明な飛来物(シオナイト)なども小説が元になっていて、当時そこまで綿密に世界観を作り上げているゲームはありませんでした。
それがゲームに深みを与え、様々な派生作へと繋がっていきます。

初代のゼビウス本編では、ガンプは設定上の存在で、ゲームには出て来ません。
ボスの浮遊要塞「アンドアジェネシス」を破壊した際に、その一部とされるものが一瞬飛び去っていくのみです。
ファミコンソフト「ガンプの謎」でも、結局その謎がなんだったのかは、よく解らずじまいです。
(そもそもガンプの謎に遠藤さんは関わっていないらしい)

今作はゼビウスの持つ SF らしさが良く出ていて、後半ステージに入ると意味深な演出も見られるようになりますが・・・
ともあれ、あくまで「派生作のアナザーストーリー」と思っておくのが良いでしょうか。
それに正確なタイトルは「ガンプの謎はすべて解けた!?」で、「!?」付きですからね。

ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた
※ミステリーサークル、黒いストーンヘンジ、ナスカの地上絵・・・ これらがゲームの背景を醸し出しています。
新モードならさらに驚くようなものも登場。
某スターフォースのゴーデスのように、何かの謎もあったりするのでしょうか・・・?


さて、前置きが長くなりましたが、内容について。

簡単に言うと「ななめスクロールになったゼビウス」です。
ボタンはなく、ショット(ザッパー)は自動で連射されます。
自機の前方には照準があり、画面をタップするとそこに対地ミサイル(ブラスター)が投下されます。

タップする必要があるので、画面から指を一瞬離す必要があり、これが回避に悪影響しますが、片手でも遊べるようになっています。
前述したように操作設定を変更し、ある程度慣れれば、操作性はそれほど気にならなくなるでしょう。
ただ、両手を使ってブラスターを撃とうとすると反応が悪くなるので注意して下さい。

ゲームモードには「アーケード」と「ガンプ」があり、アーケードはオリジナルのゼビウスを模したモード。
スクロールはナナメですが、マップの構成はオリジナルと同様です。

ただ、自機が高速で動けるため、ゆっくりとしか動けなかったオリジナルと比べると、かなり易しくなっています。 弾速も全体的に遅めですね。
とは言え、攻撃が激しい場所ではかなりの量の敵弾がバラまかれますし、自機の当たり判定も大きく、そもそもゼビウスは結構難しいゲームなので、簡単という訳でもありません。

そしてメインモードと言える「ガンプ」は、まったく新しいステージに挑戦できます。
新ステージと言ってもゼビウスらしさは維持されていますが、立体感のある崖や浮遊大陸など、オリジナル以上に SF らしさを感じるシーンも登場。
アンドアジェネシスの浮遊要塞っぷりも、よりリアルになっています。
(ちなみにファミコン版はハード性能の都合で浮いてなかった)

また破壊可能なバキュラ(板)が飛んで来て、壊すと「シオナイト」が出現。
これはオリジナルでは自機の近くを浮遊する単なる装飾だったのですが、今作ではバリアになっていて、敵弾を防いでくれます。

ガンプモードは「ソルバルウ」の他に、「ギャラクシアン」と「ギャラガ」の自機を選ぶこともできます。
ギャラクシアンはパワーアップ(シオナイト装着)で攻撃がビームに。
ギャラガは最初からデュアルファイター(2機連結)状態で出撃し、一方がやられてもそのまま継続できます。
一方がいない状態で破壊可能なバキュラを壊すと、シオナイトではなくデュアルに戻れる捕虜機体が出て来ます。

オリジナルの敵を強化したような、新しい敵も数多く登場。 謎に迫る特殊な敵も現れます。
ただ全体としては、オリジナルの世界観を損ねないように作られている印象ですね。

正直、ギャラクシアンとギャラガはかなり損ねているようにも思うのですが・・・
同じ戦闘機だから、まだマシかな・・・
実は他にもアレな機体があるけど、まあ隠しキャラ(?)に近いし・・・

ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた
※浮遊する島は立体感を感じられて良いですね。
右は強化版アンドアジェネシス。 外周にも砲台があってなかなか近づけません。
しかもグルグル回るので、なおさら接近は困難。
ただやられても、ラスト間近なら(エリアの 70 %を超えていれば)次のエリアに進めます。


ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた
※もちろん隠しキャラのソルやスペシャルフラッグもあり。 ステージ1のフラッグはこの辺り。
フラッグはお約束通り、川の上にあることが多いです。
ステージ数はオリジナルと同じく全 16 エリア。 ゲームオーバーになっても到達済みのエリアから再スタートすることが可能です。
16 エリアを突破すると、ハードを選べるようになります。 さらにタイトル画面に戻ると・・・


ナムコの「カタログ IP プロジェクト」によって、往年のナムコキャラを使った様々なオリジナルアプリが登場しています。
ただ、ゼビウスの世界でワンダーモモがフラフープ投げてたり、ドルアーガに源平の安駄婆が出て来たり、世界観ぶち壊しな悪ノリゲームが多く、紹介したいと思うものにはなかなか出会えませんでした。

しかしこのゲームはオリジナルへのリスペクトと世界観の尊重を感じ、それでいて 3D 化による新しい演出も見られる、期待していた「カタログ IP プロジェクト」のゲームになっています。
操作の初期設定さえちゃんとやっておけば、シューティングとして楽しめる内容で、オリジナルを知る人ならロマンを感じることも出来ますね。

まあ、シューティングとしては古いタイプであることは否めません。
ケイブシューのような派手さやスピード感はないし、自機を正確に狙ってくる弾が多く、弾幕シューティングよりもシビアなゲーム性です。
やはりオリジナルを知っている人向けのゲームですが、でもゼビウス関連作の中ではかなりの良作ではないでしょうか。

今作はドリームファクトリーのカタログ IP プロジェクト第一弾とのことで、第二弾、第三弾も予定されているようです。
私的にはこの作品を見ると、第二弾以降も期待せざるを得ませんね。

ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた(iPhone 有料版、iTunes 起動)
ゼビウス【無料版】ガンプの謎はすべて解けた(iPhone 無料版、広告あり)
※無料版は到達エリアから再開する際に、その都度動画広告を見なければなりません。

ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた(Android 版、Google Play へ移動)
ゼビウス【無料版】ガンプの謎はすべて解けた(Android 無料版)