iOS9.3 はすでに正式公開されており、アップデート可能です。
アプリのメッセージが強制的に英語化されるなど、非アルファベット圏に 様々な不具合を引き起こした iOS9 ですが、多くのアプリが対応し、ようやく安定しつつあります。
※ iOS9 関連のトラブルは こちら でまとめています。
新型 iPhone と iPad も登場しますし、ここで最新の iOS9 の新機能と使い方をまとめておきたいと思います。
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【 ナイトシフト(iOS9.3)】
スマホからは、目の疲れや睡眠不足を誘発する「ブルーライト」が出ていると言われています。
画面を暖色系にして、その発生を抑えるのが「ナイトシフト」です。
「設定」の「画面表示と明るさ」にある「Night Shift」でオンにでき、指定時間に自動で適用させることも可能。
コントロールセンターの下部中央のボタンでも ON/OFF することが出来ます。
ただし暖色になるので、画面の色は本来のものではなくなります。
(カメラやスクリーンショットの撮影には影響ありません)
なお、ブルーライトの人体への影響は、まだ予測の域に過ぎませんので悪しからず。
ただ夜にスマホを使っていると寝れなくなって、生活リズムが狂うというのはよく言われますね。
【 メモ帳の拡張とパスワードロック(iOS9、iOS9.3)】
iOS9 の拡張要素で、一番解りやすいのがメモ帳の強化。
手書きが可能になり、それを画像として貼り付けられます。
チェックリスト、太字や箇条書きなども行えるようになっています。
さらに iOS9.3 では、メモにパスワードロックをかけることもできるようになりました。
メモ画面の右上にある共有ボタンを押し「メモをロック」を選択すると、まだメモロック用のパスワードを設定していないなら、その入力画面になります。
パスワードを設定すると、そのメモはすぐにロックされ、以後はパスワードか指紋認証でロックと解除を行うことが出来ます。
パスワードの変更やリセットを行いたい時は「設定」の「メモ」で「パスワード」を選んで下さい。
【 低電力モード(iOS9)】
「設定」の「バッテリー」で「低電力モード」をオンにすると、バッテリーの消耗を抑えるモードになります。
バッテリーが残り 20 %を切った時にも、低電力モードにする選択ウィンドウが表示されます。
具体的には、画面の明るさや演出を抑え、バックで動くアプリや通信を最小限にし、共有機能や自動アップデートなどを停止します。
そんなに大きく伸びる訳ではなく 10 %程度の延長と言われていますが、外出中に充電できなくてピンチの時には、早めにオンにしておくと助かるかも。
【 前に戻る(iOS9)】
Safari や特定のアプリを利用中、左上に「○○に戻る」という表示がある時、これを押すと1つ前の画面に戻ることが出来ます。
ウェブページから iTunes に移動した時、メールからウェブページに移動した時などに、1タップで戻れるので覚えておくと便利。
【 ウェブページの広告ブロック(iOS9)】
Safari でウェブページを見ている時に表示される、様々な広告を非表示にすることが出来ます。
ただ、これは正確には「Safari に広告ブロック用アプリを適用することが出来る」という機能であり、実際にブロックを行うのは導入したそのアプリです。
よってどこまでブロックできるのかは使っているアプリ次第です。
対象アプリを別途入手し、インストールされていれば、「設定」の「Safari」に「コンテンツブロッカー」という項目が出て来るので、ここで適用するアプリを選択できます。
【 パスコードの6桁化と二段階認証(iOS9)】
iOS9 でパスコードを6桁の数字や、英数字のパスワードにすることが出来るようになっています。
iOS9.2 からはパスコードは6桁が標準です。
「設定」の「Touch ID とパスコード」を選び、「パスコードをオンにする」か、「パスコードを変更」を選んで古いパスコードを入力すると、キーボードの上に青い「パスコードオプション」の文字が現われます。
これを押すと6桁のパスコードや英数字パスワード、昔ながらの4桁のパスコードに変更できます。
二段階認証は、新しい機器で課金や購入をする際、及び iCloud や Apple ID の管理ページに入る際に、スマホに一時的な「確認コード」が送られてきて、これを入力しないと利用できない仕組みです。
これだと Apple ID とパスワードが漏れても、スマホごと取られない限り安心。
ただ、利用するにはウェブサイトの Apple ID 管理ページ にログインして、利用登録をしないといけません。
ログイン後に下の方にある「2ステップ確認」の「利用を始める...」を押して、後は案内通りに進行すれば登録可能です。
確認コードを受信するスマホが壊れてしまうと困るので、コードを受信するデバイスは可能なら2つ登録しておきましょう。(途中で追加登録をする画面が出て来ます)
パスワードを忘れた時のための「復旧キー」も提供されるので、メモって保存しておきましょう。
【 iCloud Drive アプリ(iOS9)】
iCloud は iPhone の状態を Apple のサーバーに保存して、パソコンを通さなくても新機種に移行できる機能のことです。
メールや連絡帳、カレンダーなどの情報を同じアカウントの機器で共有することも出来ます。
対応アプリなら、ゲームのセーブデータなどを iCloud に保存することも可能です。
そして iOS8 からは「iCloud Drive」に強化され、エクセルや PDF ファイルなどもやり取り出来るようになったのですが、そのためには iCloud Drive 対応の書類作成 / 閲覧ソフトが必要でした。
しかし iOS9 では「iCloud Drive」という名前のアプリを使い、簡単に中身を確認できるようになっています。
(ただしファイルの保存は出来ません)
このアプリは「設定」の「iCloud」で「iCloud Drive」を選択、一番上の「iCloud Drive」のスイッチをオンにした後、「ホーム画面に表示」のスイッチもオンにすると現れます。
なお、iCloud で各ファイルを連携させる方法は以下の通りです。
・メモやカレンダー、連絡帳などは「設定」の「iCloud」でその項目をオンにするだけで共有されます。
・共有したくないメモがある時は「設定」の「メモ」で「iPhone アカウント」や「iPad アカウント」をオンにした後、「iCLOUD」ではなく「IPHONE」や「IPAD」のフォルダを選び、その中にメモして下さい。
・Windows PC で iCloud を利用するには、こちらのページ から iCloud をインストールする必要があります。
・インストール後にエクスプローラーの「お気に入り」の下に「iCloud フォト」「iCloud Drive」が現れます。ここに入れたファイルが自動で共有されます。
・写真は「設定」の「iCloud」でオンにすれば共有されますが、以下の項目があります。
・「iCloud フォトライブラリ」は通常の共有です。 iCloud の容量を消費。
・「iPhone のストレージを最適化」にしておくと、他の機種で撮影された画像や動画はサムネイル画像のみが読み込まれ、それを選択するとフルサイズの画像や動画をダウンロードする形式になります。
・「マイフォトストリーム」は写真しか保存できず、期間は30日、枚数は1000枚が上限の一時的な保存スペースです。画質もやや落とされますが、iCloud 容量を消費せずに使用できます。
・「iCloud 写真共有」がオンだと、アルバムに「共有」のボタンが現れ、知人と共用できる「共有アルバム」を作成できます。
【 Mail Drop(iOS9.2)】
iCloud Drive に入れたファイルをメールに添付したり、添付メールを受け取った時に iCloud Drive に保存する機能。
これを使うと最大 5GB までの大サイズのファイルもメールで送ることが出来ます。
ただしあまり大きなファイルを iPhone で受信すると容量を圧迫するので注意。
メール作成時に本文をタップし、黒いバーが現れたら右の三角ボタンを押すと「添付ファイルを追加」のボタンが出て来ます。
【 マルチタッチジェスチャー(iOS9、iPad のみ)】
なぜか iPad のみですが、メモやメールを入力中、画面を二本指でスライドすると、ノートパソコンのタッチパッドのように自在にカーソルを動かすことが出来ます。
二本指でタップするか、しばらく押しっぱなしにすると範囲選択モードになり、この時も二本指でスライドすればスムーズに範囲を選択可能。
また、文章を範囲選択した状態だとキーボードの左上に「切り取り・コピー・貼り付け」のボタンが表示されます。
アンドゥ(一手戻る)やリドゥ(戻したのをやり直す)、メールなら太字や斜体のボタンも加えられています。
iPhone の場合も Plus なら、英数字キーボードで横向きにすれば、切り取りやコピー、アンドゥのボタンが表示されます。
【 端の方で違うアプリを起動する Slide Over(iOS9、iPad のみ)】
iPad Pro、iPad Air 以降、iPad mini 2 以降で、アプリ使用中に画面右端を左へスライドすると、縦長の帯が現われます。
この帯の中で、実行中のアプリとは別のアプリを、もう1つ起動できます。
ただし2つ同時に使える訳ではなく、Slide Over を利用中はメイン画面のアプリは停止状態になります。
利用できるアプリは限られていますが、ウェブサイトを見ている時にメールや Twitter を確認したり、メモをしたりする事が可能。
ごく一部ですが、Threes のように帯側で起動できるゲームもあります。
【 画面分割で2つのアプリを使う Split View(iOS9、iPad のみ)】
iPad Pro、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降なら、Slide Over の帯の境界線を中央まで引っ張ることで、2つのアプリを同時に使用することができます。
こちらは両方操作できるので、2つの資料を見比べたり、PDF の資料をめくりながらメールを書いたりすることも可能です。
【 子画面で動画再生ピクチャ・イン・ピクチャ(iOS9、iPad のみ)】
通称「PiP」。 iPad Pro、iPad Air 以降、iPad mini 2 以降の iPad で使える機能で、動画や FaceTime(テレビ電話)を子画面で表示できます。
動画再生中に右下にあるボタンを押すだけで子画面になり、四隅の好きな場所に配置可能。
単に再生中にホームボタンを押し、ホーム画面に戻るだけでも子画面化されます。
そのまま他のアプリを使うことが出来るので、サイト巡りやゲームをしながら動画をながら見することが出来ます。
ただし動画を流しながら重いゲームをやると、やはり動作速度は落ちますが。
Youtube は iPad でアクセスするとモバイル用の表示となり、その状態では利用できませんが、再生中に右上にあるオプションボタンを押して PC 表示に切り替えれば、縮小ボタンで子画面化できます。
アプリは対応しているものでないと利用できませんが、現時点(2016/3)では Amazon ビデオや Hulu は利用可能。
再生中にホームボタンを押すだけで子画面になってくれます。
【 その他の iOS9.3 の機能 】
他にも iOS9.3 の機能はあり、発表会でもアピールされていましたが・・・
いまいち体感できないものや、日本では利用できないものも多いです。
以下はそうした、その他の iOS9 の機能の一覧です。
・標準マップに乗換え案内機能(iOS9)
使えるのはアメリカ・イギリス・ドイツの一部都市のみです。
・NEWS アプリの拡張(iOS9)
アメリカ・イギリス・オーストラリアなどしか対応しておらず、日本では NEWS アプリそのものが非公開。
・Siri の対応が高速化、ユーザーの行動を先読み(iOS9)
認識精度が 40 %上がったらしい。 さらに先回りの検索を行ってくれるそうですが、体感できない・・・
スポーツの結果表示などにも対応すると言われていましたが、やはりアメリカのみ。
・「ヘイ シリ」を常に利用できる(iOS9)
iPhone 6s と iPhone SE なら、本体が給電されていなくても「ヘイシリ!」と言えば Siri を呼び出せます。
が、この機能をオンにしていると消費電力が大きくなります。
・ヘルスケア機能の強化(iOS9、iOS9.3)
健康情報を蓄積してくれるヘルスケアアプリが、他の様々な健康関連アプリと連携。
Apple Watch との連携も強化されていますが、それらを活用している人でないと意味がありません。
・Car Play(iOS9.3)
対応している自動車やナビゲーションシステムと連動、iPhone の機能を簡単に呼び出せます。
しかし対応している車やカーナビでないと使えません。
・教育向けプレビュー(iOS9.3)
iPad を学校教育に使うための支援機能。 複数の生徒で1つの iPad を使い回せるなど。
主にアメリカの教育現場を対象としていて、一般の日本人には関係ないですね。
・メディアライブラリ(iOS9.3)
対応した他社製の音楽アプリの楽曲を、iCloud のミュージックライブラリに追加する機能らしい。
「設定」の「プライバシー」にある「メディアライブラリ」で操作するようですが、対応している他社製の音楽アプリが現時点(2016/3)では存在しません。
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iOS9 の新機能の紹介は以上です。
最後になりますが、まだ iOS9 で不具合が出るアプリは存在します。
これだけ紹介しといて何ですが、iOS8 のままでも不便がある訳ではないし、OS のアップデートはあくまで自己責任で行って下さい。
セキュリティの強化も行われているので、私は基本的に「最新の OS を使うべき派」ですが、当初の iOS9 が酷すぎましたからねぇ・・・
でもメモを多用している人や、最近の iPad を持っている人は、色々と面白い機能があるので導入する価値はあると思います。
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