トレーディングカードゲーム(TCG)の元祖にして大定番「マジック・ザ・ギャザリング」(Magic The Gathering)、通称 MTG 。
その iPad 版の最新アプリが、今月の MTG 最新版の登場に合わせて公開されました。
「マジック2015」です。
iPad 版のみ少し早めに公開されており、PC(Steam)版や XBOX 360 版、Android、Kindle 版などは7月16日に公開されます。
ただし iOS / Android 版はタブレット専用です。 スマホではプレイ出来ないのでご注意下さい。
メッセージなどは全て日本語に対応しています。
※Android 版は画面が大きめのスマホならインストールできるようです。
トレーディングカードゲーム(TCG)とは、自分の山札(デッキ)からカードを引いて手札とし、それを場に出して対戦相手を攻撃、倒せば勝利になるというカードゲームです。
ただしトランプのようなシンプルなルールではなく、カードを出すには一定の条件が必要で、その条件は強力なカードほど難しくなります。
カードの多くはモンスター(クリーチャー)で、それぞれ攻撃力と体力、固有の特徴を持ちます。
さらに装備品や魔法など、特殊なカードも存在し、多種多様なカードを自分のデッキ(山札)に何枚含めるかが勝敗のポイントになる、非常に戦略性の高いゲームです。
ただ問題は複雑なルールであるため、奥深いゲーム性がある反面、初心者には理解し辛いこと。
特に 20 年の歴史を持つ「マジック・ザ・ギャザリング」は、幾度も拡張が続けられた結果、初心者には難解なものになっており、専門用語も多数存在します。
iPad 版の MTG も、初期バージョン(マジック2013)はとても初心者が手を出せる代物ではありませんでした。
しかし今回の「マジック2015」は、その初心者向けのチュートリアルがパワーアップ。
大幅に解りやすくなっています。
解説はナレーターのお姉さんが日本語で喋ってくれるようになり、手順も丁寧になって、専門用語の説明も増えました。
全4回+最終試験の5ステージで構成されていて、この点は前作「マジック2014」と同じですが、内容は今回の方が明らかに上。
まだ「プレイ」や「墓地」などの用語を説明なしでいきなり使う場合があり、全てのシステムを一気に解説しようとするため長すぎな感もあります。
しかし今回はトレーディングカードゲーム未経験の方がやっても、大丈夫なのではないでしょうか。
ようやく「入門用アプリ」として勧められるものになったと思います。
(一応今回も、用語解説を記事の最後に付属しておきます)
※チュートリアルでの「パワー」と「タフネス」の解説。
この辺の用語説明は今まではなかったのですが、今回はバッチリ拡大画像付きで説明されます。
ちょっと早口なお姉さんの喋りも非常に解りやすいです。
※スキルの効果はカードをダブルタップして拡大し、「詳細」のボタンを押せば表示されます。
この詳細の解説も前より詳しくなっています。
本当、今作の最大の変化は「解りやすさ」ではないでしょうか。
今までの単色(単独属性)とは違い、「白」を選んだ場合、さらに「青」や「緑」「赤」などを組み合わせます。
単色の方が好きな人から文句も出ているようですが、前のように初期デッキが単色だと、他の色のカードが集まるまでずっと単色のままになるので、ゲームとしてはこちらの方が楽しめると思います。
ゲームモードは1人用の「キャンペーン」と、3人戦・4人戦もできる「プラクティス・デュエル」、そしてオンライン対戦の「多人数戦」の3つ。
メインとなる「キャンペーン」にはストーリーが付いていて、吸血鬼が出てくるシーンでは吸血鬼中心のデッキと戦い、アンデッドが襲ってくるステージではアンデッド中心のデッキと対戦します。
特徴的な戦法を使ってくる場合が多く、ステージごとにメリハリがあって良いですね。
キャンペーンではストーリームービーが流れるシーンもあり、前作(マジック2014)はこのムービーのセリフが棒読みで、世界感ぶち壊し、むしろ大爆笑だったのですが、今回はそんなことはありません。
解りやすく違和感のない日本語で語ってくれます。
2014 には即席デッキ対戦(シールドデッキ戦)や 2vs2 のチーム戦(双頭巨人戦)、2013 には次元カードやダイスを使う多人数戦(プレインチェイス戦)があったのですが、今回はそういった特殊な対戦はありません。
「プラクティス・デュエル」の多人数戦を選んでも、普通のルールで3人戦や4人戦を行うのみです。
結局、普通にやるのが楽しいし、それでなくても複雑なゲームをますます解りにくくするようなモードは避けたのでしょうね。
※キャンペーンのステージ開始前にはモノトーンのイラストが表示されます。
ダークファンタジーの雰囲気があって良いですね。
※4人戦の模様。 はっきり言って、漁夫の利を得た人の勝ち。
ユニークではあるけど、やっぱり TCG は1対1で対戦すべきものかな。
カードは「キャンペーン」や「プラクティス・デュエル」で勝利することで得られます。
入手量は前より多くなっていて、新デッキのためのカードは比較的早く集まります。
もちろん課金でカード(ブースターパック)を買うことも出来るのですが、やはりゲーム的には勝利して少しずつ集めていった方が楽しめますね。
インターフェイスは前作と共通していますが、ゲームのテンポは改善されている印象です。
MTG にはプレイヤーの行動に割り込んで使える「インスタント」というカードがあるのですが、このため行動するごとにインスタントの受付時間が入り、テンポが悪くなっています。
ただ、今回はこの時間が短めになっていて、前より早く進行します。
それでも他のカードゲームと比べるとテンポが良い訳ではないし、受付時間が短くなったということは、インスタントの使用は難しくなっている訳ですが・・・
残念なのは、オンライン対戦である「多人数戦」ですね。
Game Center を通してのマッチングのみで、対戦レートもランキングも何もなく、マッチングにプレイヤーの腕前が考慮されている事もないようです。
アッサリし過ぎていて対戦意欲が湧きません。
また、多人数戦で勝ってもカードも何も貰えません。
この点は 2013 や 2014 の時と変わっておらず、対戦レスポンス自体は悪くないのですが、そろそろ本家たる MTG なんだから、もうちょっとやる気の出る仕様に改善して欲しいところです。
まあ、あまり競わせるような内容にすると、チートなどが横行するのかもしれませんが・・・
※デッキ構築画面。 土地カードは自動で入るので、それ以外のカードを入れ替えます。
36 枚がベストと言われているので、それ以外の枚数になると表示が赤くなりますが、別に 36 枚にしなくてもプレイは可能です。
土地カードも自分で設定したい場合は、「ヘルプとオプション」の「詳細」の「アドバンス」にある「自動土地プレイ」のチェックを外して下さい。
アプリ内の説明では「詳細設定」とか「レイ・オフ」とか言われますが、そんな項目ないです。
価格は、アプリ本体は無料。 ただし無料のままでは体験版に近く、キャンペーンはチュートリアルと最初のエリアのみ。
プラクティス・デュエルやオンライン対戦も出来ません。
最初のエリアをクリアすると 300 円で次のステージをアンロックするよう言われますが、これを行ってしまうと以後、新エリアの度に 300 円支払わないと進めなくなります。(計 1200 円)
全ステージをまとめてアンロックする課金は 1000 円。
また特典機能を利用できる(?)3500 円の課金もあります。
ただしこれらは 300 円で新エリアをアンロックすると消滅します。
とりあえず「1000 円のアプリなんだ」と思っておくのが良いでしょう。
正直、解りにくい課金形式なのは否めません。
また、プレイ環境にはご注意下さい。
iTunes には「落ちる」という意見が多いようですが、今回から iPad 3 以降推奨になっています。
iPad 2 は「最低環境」だと思った方が良いでしょう。 初代 iPad はもう対象外。
Android の場合、快適に動く端末は限られるでしょうね。
私が iPad Air で試した限りでは、非常に快適に動作しています。 もちろん落ちません。
ともあれ、キャンペーンを最後までプレイするための金額は高めですが、クオリティーやゲーム性は十分です。
チュートリアルも改善され、1人用のトレーディングカードゲームアプリとしては、文句なしの内容になりましたね。
・マジック2015(iTunes が起動します)※公開終了
・マジック・デュエルズ(iTunes が起動します)※最新版です。一部仕様が異なります。
【 MTG 基本用語解説 】
・ドロー : カードを引くこと
・プレイ : カードを使うこと、もしくは場に出すこと
・アンタップ : 場に出している、まだ未行動や未使用のカード。縦向き
・タップ : 行動済み / 使用済みのカード。横向き。ターン開始時にアンタップに戻る
・クリーチャー : モンスターや兵士などのカード
・トークン : カードの効果により出現するカード。主にクリーチャー
・アーティファクト : マナの色に関わらず出せるカード。 装備などがある
・エンチャント : クリーチャー強化の魔法。 継続して効果がある
・ソーサリー : 使い捨ての魔法カード
・インスタント : 相手の行動に「割り込んで」使える魔法。使い捨て
・パーマネント : 場に出ている使い捨てでないカード全部
・コントロール : 自分が場に出している(操れる)カード
・パワー : クリーチャーの攻撃力
・タフネス : クリーチャーの体力
・ライフ : オーナー(プレイヤー)の体力
・カウンター : カードの上に置くチップ。チップ1つでパワーとタフネス+1
・シンボル : カードに書いてある消費マナを表すマーク
・ライブラリー : 山札。 ゲーム中のデッキの呼び名
・アップキープ : 自分のターン開始時
・墓地 : カード捨て場
・軽減する : 実際には「無効化」する
・召還酔い:出したばかりのクリーチャーは次のターンまで攻撃できない。その状態
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。