非常にシンプルなゲームですが、そのシンプルさがウケて世界的な大ヒット作になり、クローンゲームも数多く登場しました。
そんな Tiny Tower が、なんとあの「スターウォーズ」とコラボ。
デススターを建造するゲームになって帰ってきました。
「Star Wars: Tiny Death Star」です。
ゲームシステムはオリジナルの Tiny Tower のまんまで、見た目と曲だけスターウォーズになっているという感じですが、やはりこの手の開発ゲームは見た目もすごく大事。
映画にちなんだお店が登場し、おなじみのキャラクターが現れ、スターウォーズのアレンジ BGM が流れると、より開発意欲が湧きますね。
そして日本人にとって何より嬉しいのは、日本語化されている事でしょう。
開発は Pocket planes や Pocket Trains、Nimble Quest など、ヒット作を連発しているアメリカのメーカー NimbleBit です。
資金を使ってデススターのフロアを増設し、そこに住居や飲食店、小売店などを建設していきます。
フロアの建設には数時間の経過が必要で、待ち時間はフロアが増えるほど多くなります。
完成まで待たなければなりませんが、その間はアプリを落としておいても構いません。
次回起動時に必要な時間が経っていれば完成しているという、いわゆる「放置型」のシステムですね。
施設はまず「住居」が必要です。
住居を作ってそこに住民が入ると、その人は店舗の従業員候補となります。
さらにお店を建設し、住民を従業員として配置すると、商品の「仕入れ」を行えるようになります。
この仕入れにも時間の経過が必要です。
仕入れが完了するとタップで販売を開始でき、お客さんがやってきて、少しずつ資金が増えていきます。
売り切れたら再び仕入れをし、この繰り返し。 お金が貯まったらフロアを増設して規模を拡大していきます。
従業員にはどの種類の店舗が得意なのかを示す能力値があり、これが高いほど仕事の完了にかかる時間が短縮されます。
住民は「夢の仕事」も持っていて、その職場で働かせると仕入量が2倍になるボーナスが付きますが、飲食店を作ってもそれが「カフェ」になるのか「バー」になるのかはランダムで、希望の職場が出来るとは限りません。
ゲーム中、来客がやってきてエレベーターに乗ります。
エレベーターはプレイヤーがボタンで昇降させることができ、来客を望む階に移動させるとチップが貰えます。
たまにショップの売れ行きが良くなる「セレブ」や、まとめ買いしてくれる「浪費家」などの VIP が登場する場合もあります。
ここまでの仕様は前作 Tiny Tower と同じです。
そして Tiny Tower 系のほとんどのゲームに共通しているシステムですね。
※左は住民の一覧画面。 住民を適した職場に割り当てるためには、十分な住民を確保しておく必要があります。 住居は多めに作っておきましょう。
右は住民のコメント画面。 日本語化されたので、ここの文章も日本語で読めるのが嬉しいですね。
今作 Tiny Death Star の見た目と BGM 以外の新要素ですが、まず地下階層が追加され、そこには「帝国」の施設を作れるようになっています。
これには通信室や会議室、尋問室などのデススターらしい施設があり、ここに VIP の「補給担当将校」を送ることで任務用のアイテムを作ることが出来ます。
ダースベイダーのいる司令室をタップすると任務に必要なアイテムが提示され、これをそろえることで報酬を受け取れます。
また皇帝から与えられる「ミッション」もあり、これを達成することでも報酬を貰えます。
さらにゲームが進むと、スターウォーズの固有キャラが登場する場合があります。
その数は徐々に増えていき、課金通貨(帝国ドル、BUX)を使ってアンロックすることも出来ます。
特定の店舗に特定の固有キャラを送るとイベントシーンも発生するようで、これを探すのも楽しみと言えますね。
ただ店舗と固有キャラはかなりの数なので、どこに誰を送ればいいのかは、映画に相当詳しくないと解らないとは思いますが・・・
※左は地下にある「帝国」の階層。 ダースベイダーのホログラムがある階が司令室で、ここをタップすると任務に必要なアイテムと報酬が表示されます。
右はイベントシーンの一部。 上のシーンは「尋問」に、下のシーンは「拘留フロア」にレイア姫を降ろすと発生します。
これらはまだ解りやすく、発生させやすいのですが・・・
一方、今回の難点ですが、前より課金要素が強くなりました。
前作「Tiny Tower」の課金通貨専用アイテムはエレベーターの強化ぐらいだったのですが、今回は固有キャラや店舗のアンロックなども課金要素になっています。
もちろん作業時間の短縮などにも課金通貨が要求されます。
そして来客をエレベーターで目的の階に運んでも課金通貨(帝国ドル)を貰えることがなくなり、これによって課金通貨の入手量は減少。
スパイを探すミニイベントやフロアの増設で少しずつ増えてはいきますが、とてもエレベーターの強化を進めていけるような量ではありません。
固有キャラや店舗はゲームの進行によっても増えていきますが、固有キャラを増やすにはそのキャラを発見するミニイベントが起こる必要があり、ゲームを起動し続けていないと滅多に発生しません。
放置系のゲームですが、放置ではキャラはほとんど増えませんね。
レイア姫だけは序盤にアンロック出来ますが、ルークやハン=ソロといった主要キャラは普通にやるといつ登場するのか見当が付かないレベル。
さらにヨーダや R2-D2 などのキャラを課金でアンロックしようとすると 1000 円分ぐらいの課金通貨が必要で、かなり高い。
ミッションのスキップや VIP の招聘など課金通貨を使う場面も増えていて、もう前作のような「高額課金のない良心的なフリーミアム」という印象はなくなりました。
もちろん無料アプリである以上、どこかで収益をあげないといけないのですが。
※左は皇帝からのミッション画面。 ただ、こうした画面の時に右下の「×」ボタンが働かなくなる場合があります。
この時はアプリを落としてタスクからも消し、アプリを再起動して下さい。
右は住民の配置を変えようとしたらベイダー卿が邪魔しに来た画面。
この画面が出ると住民の再配置を行えなくなります。 ベイダー卿の強権ぶりを表現しているのか、それとも単なる「大きなお世話システム」なのかは解りませんが、非常に不便です。
※左は固有キャラのアンロック画面。 ヨーダは 141 BUX ですが、150 BUX で 1000 円です。
課金しなくてもいずれは登場すると思いますが、スターウォーズのゲームで主要キャラがこんな風に高額でズラっと並んでると、課金ゲー感は拭えません。
右は固有キャラのプロフィール画面で、こういう解説文があるのはいいですね。
本体価格は無料。 課金要素はありますが、無課金でもゲームを進めていくことは出来ます。 バナー広告のようなものもありません。
ただし無課金だと、エレベーターの強化は1回であきらめた方が良いかも。
このメーカーのゲームは無課金でも問題なく進めて、しかししばらくプレイすると課金したくなってくる、でも青天井の課金ではない、そんなバランスのものが多かったのですが、今回は序盤から課金圧力を感じ、将来的な課金額も見えてこない印象があります。
最大の長所であり短所なのは、スターウォーズコラボというところでしょうか。
スターウォーズのファンなら見逃せないアプリであり、スターウォーズを見たことない人だとサッパリ興味を持てないアプリでしょう。
まあそれでも Tiny Tower だから、それ自体の面白さはあるけど。
個人的には、開発シミュレーションゲームはもっとあれこれ考えたい人なので、このシンプルなシステムは物足りないのが本音です。
それは前作の時から変わっていません。
でもこのゲームは、これで世界的な大ヒットになったんですよねぇ・・・
好みの違いというか、自分が楽しいと思うゲームの認識が、決して万人と共通している訳ではないことを痛感するアプリです。
・Star Wars: Tiny Death Star (iTunes が起動します)
SWファンではありますがファンむけというには弱く、ゲームそのものも単調なので自分には合いませんでした。