2011 年に発売された、放置型のビル建設シミュレーションゲーム「Tiny Tower」。
このアプリの世界的なヒットの後、似たシステムのゲームが次々と発売された訳ですが・・・
そんな中、「パズル&ドラゴンズ」や「ケリ姫クエスト」をヒットさせたガンホーも、この Tiny Tower 型の建設シミュレーションゲームを公開しています。
「Crazy Tower」(海外名は Freak Tower)です。
ぶっちゃけ「クローンゲーム」に過ぎない訳ですが、グラフィックがコミカルホラーの独特なものになっていて、さらにビルを登ってくるモンスターを住民が撃退するタワーディフェンス風のバトルモードが追加されています。
タワー建設の部分に関しては、ほぼ Tiny Tower のまんまです。
資金を使ってビルにフロアを追加し、どんどん高くしていきます。
フロアには「アパート」「レストラン」「娯楽施設」「サービス」「小売店」の5種類があり、アパートは住民の住居となって、それ以外の4種類は住民の職場となります。
まずは「アパート」を作って住民を住まわせ、それから職場を作って働いてもらう形ですね。
住民には職種別の能力値と希望職種があり、関連能力が高くて希望の職種であれば、仕入れ値や仕入量がアップします。
住民を就職させた職場をタップして仕入れたい商品を選び、仕入れ完了後に販売を開始すれば、徐々に資金が増えていきます。
商品の仕入れと販売には実時間の経過が必要で、その間は待たなければなりません。
その間はアプリを落としていても構わず、次回起動時に経過した時間に応じて仕入れや販売が行われています。
ここまでの仕様は Tiny Tower 系のゲーム全てに共通している項目です。
このゲームのオリジナルな部分は、なぜか1階に大きなスロットマシンがあること。
絵がそろうと特殊な VIP がやってきて、VIP には建設時間を短縮する「内装業者」や、販売商品を全部買う「セレブ」、仕入れをすぐに終わらせる「納品業者」などがいます。
絵がそろわなかった場合は普通の来客になりますが、来客が(空いている)アパートに降りればそのままビルの住民になってくれます。
来客や VIP は目的の階にエレベーターで移動しますが、他の Tiny Tower 系のゲームと違い、移動は自動で行われます。
エレベーターを自分で動かす必要がないので、この点はラクですね。
また細かい点ですが、住民の「希望のお店」が「希望の職種」になっています。
Tiny Tower 系のゲームはどんなお店が出来るかはランダムで、そのため住民を希望のお店に配置できるかは運次第なのですが、このゲームは希望が職種なので条件を満たしやすくなっています。
※コミカルホラーな雰囲気なので、住民のデザインもちょっと不気味というか、シュールというか、そんな感じですね。
住民を能力の高い、希望職種に就かせる事は、後述する「ハンティング」での戦力アップにも繋がります。
そのためアパートを多めに作り、住民の数に余裕を持たせて、各店舗には必ず希望職の住人を就かせましょう。
オリジナルの要素として、たまにケンカやチカンなどが発生する場合があり、タップで解決すると課金コインの「ジュエル」を貰えます。
ケンカのときは手裏剣を投げたり、フェンシングをしてたり、ユニークな演出があります。
そしてこのゲームの大きな特徴は、モンスターを撃退する「ハンティング」があること。
ハンティングは任意に実行するもので、おびき寄せるモンスターを選択すると、そのモンスターが1階に出現して最上階まで登っていきます。
住民は色々な物を投げて攻撃し、モンスターのライフを減らしていきます。
戦闘は自動で行われますが、時間の経過と共に「パワー」が貯まっていき、これを使ってモンスターに爆弾を投げたり、モンスターの速度を下げる「ネット」や防御力を下げる「毒薬」を落とす事が出来ます。
モンスターごとに苦手とする職種があるので、その階にさしかかった時にネットや毒薬を落とすのが攻略となります。
モンスターを撃退すると資金が貰え、さらに特定の店舗で利用できる高収入の商品「クレイジーメニュー」を獲得することが出来ます。
クレイジーメニューはモンスターごとに4つ用意されていて、同じモンスターを何度も撃退して資金稼ぎをすることも可能です。
ただし撃退するほどモンスターは強化されていくので、だんだん勝つのは困難になります。
またモンスターを攻撃した時に「レベルアップチケット」を入手できる事があり、それをお店に使えば仕入量と戦闘時の攻撃力が上昇します。
※戦闘は基本はオート。 有効なお店で特殊技を使うのがコツですが、そんなに戦略性があるものではありません・・・
強いて言えば、パワーが貯まらないと技は使えないので、4~6階あたりの低層は全てアパートにして、そこを通過している間にパワーを貯め、7階からお店を並べて有効な店の前で技を連発する、と言うのが序盤は有効です。
また、同じ種類のお店を連続で並べておいた方が、敵を下に落とす「植木鉢」の有効性が上がります。
敵によって技の効果が異なるようで、例えば植木鉢は敵を2階分下に落としますが、スライムやサボテンは1階分しか落ちません。
ただ残念なのは、「ハンティング」はしょせんは「イベント」に近く、ゲームのメインではないということ。
モンスターは撃退するほど強くなっていくので、ある程度のところで撃退できなくなります。
倒せるモンスターがいなくなると、マンションやお店を増やし、タワーを高くして、ビルを発展させなければ対抗できなくなります。
しかし「放置型」のゲームですから、ビルは一朝一夕に発展する訳ではありません。
じっくり長い時間をかけて少しずつ拡張していく必要があり、「ハンティング」はビルがある程度発展したときに数回だけ行える、ボーナスイベントのようなものに過ぎない感じです。
ハンティングはタワーディフェンス風ですが、あくまでタワーディフェンス(TD)っぽいだけで、実際の TD のような戦略性がある訳ではないので、プレイヤーのテクニックや攻略で何とかなるようなものではありません。
また、モンスターを倒すとお店がレベルアップしますが、モンスターが出す「レベルチケット」には種類あって、それぞれ上がるレベルの上限が決まっています。
上位のチケットは強力なモンスターからしか手に入らないので、初期のチケットの上限に達してしまうと「レベルアップしてモンスターに対抗する」ということも出来なくなります。
お店を強くしていく RPG 的な楽しみは薄いですね。
そしてハンティングが単なるイベントに過ぎず、ゲームはあくまで Tiny Tower であると考えると・・・
ゲームとしては、グラフィックが綺麗で立体感のある「りとるキングダム」の方が、Tiny Tower 系としてはオススメできるかなぁ、というのも否めません。
課金については、課金コインである「ジュエル」は割と頻繁に入手できるのですが、エレベーターや技の強化に必要な量がかなり多いため、課金しないとパワーアップは厳しい印象です。
1階にある「スロット」もジュエルで強化しないと滅多に当たらず、強化なしだと VIP の出現率は Tiny Tower 系の中では一番低いです。
※ Tiny Tower 系は課金はほとんど必要ないか、少量の課金で良い場合が多いのですが、このゲームは相応に課金しないと進行が遅い印象です。
お店のレベルアップも、一定値まで上がるとジュエルを使わないと伸ばすのが困難になります。
課金はありますが、基本料金は無料。
あわてて成長させず、ゆっくり進めて行くのであれば、無料のままでも十分に遊べるゲームです。
要するに Tiny Tower ですが、されど Tiny Tower。
継続して楽しめる遊びやすい開発シミュレーションゲームで、特にライトユーザーにはオススメですね。
「パズドラのガンホーだから!」とか「開発 SLG にタワーディフェンス要素が!」みたいな期待感を持ってプレイするとガッカリになると思いますが、そういう過剰な期待を持たずにプレイすれば悪くないゲームです。
アプリ自体のクオリティーは良く、キャラやお店の種類も豊富で、何より日本製なのでプレイしやすいですね。
私的には、思ったより TD 要素が低く、コピーゲームの域を超えていなかったのが残念ですが・・・
放置系の開発 SLG の中では、上位なのは確かです。
・クレイジータワー (iTunes が起動します)
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