「俳句」7月号
で、ドゥーグル・リンズィー氏の句集『出航』評を書いてます。良かったら御覧下さい。
櫂未知子さんがどこかに書いておられたけど、句集評というのは総合誌などでは毒にも薬にもならないものが多いらしい。私のが毒入りかどうかはたぶんコンテクスト次第だけど、この句集の特徴を紹介するのにあたって自分の問題意識の俎上で書いてはいます。しかし、記事読んだ人がこの句集にもっと興味持ってくれるように書けたはず、と反省。
そこで、というわけではないけれど、以下、句集読んでいてやってみようとおもった画像コラボ企画をゲリラ的に。
ドゥーグル・J・リンズィー『出航』+YouTube
有人潜水船「しんかい6500」で初めて深度六五〇〇m未満に潜る
「しんかい」や涅槃の浪に呑まれけり
しんかい6500
身を開き閉ぢミズクラゲ梅雨に入る
秋彼岸マンボウ二つすれ違ふ
時雨るるややどかり殻を替へてゐる
ヤドカリが貝測りゐる大旦
鮟鱇の吊されて影持ちにけり
日脚伸ぶ直立不動のチンアナゴ
チャンスあれば飛びつく主義や潮まねき
数へ日の海蛇波へ伸び上がる
オウムガイの槽へ指先百本伸ぶ
彼方より誰か待ちゐる髪水母
怒濤退く甲板一面銀河かな
※ほかにも「朧夜の橋に悩めば鯔鯔鯔」「鯔飛んで一人また一人帰国せり」は、私も昔から鯔をよく見ていたし好きな句なのですが、いい画像がなく断念。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
わざわざコメントくださり恐縮です。
こういうの探し出すと面白くてついつい色々見入ってしまいますね。多少はお役に立てていれば幸甚です。
投稿: hashimoto | 2014/08/31 23:31
よくぞ色々映像を見つけてくれました。関心しました。これによって難解の生態句が少しでも理解していただければうれしいです。
本島にありがとうございました!
リンズィーより
投稿: | 2014/08/31 22:41