細長い家といえば日本の長屋などを思い浮かべますが、長屋でなくとも地価が高い所だと正方形の土地を半分に切って2軒建てることが多くなるわけで、お住まいの地域によってはよく見かけるかもしれません。
無印も「縦の家」という細長い家を発売しています。こういう家の欠点である「採光」を、家の中心にある天窓とスケルトン階段(スケスケの階段)により解決しようという構成です。窓の家、木の家と比べてどれが一番売れているのかな?なんとなく無印好きな方は縦の家の需要が多そうな気がする。
そんなわけで、間口に対して比較的奥行きが深い、「細長い家」を3軒紹介します。
採光の悪さや狭さに対してどのようにアプローチしているかに注目してみます。
白い、まるい、細長い家
物件名:Love House 設計:保坂猛 敷地:横浜 建築面積:33平米
夫婦とウサギの家族だそうです。
採光の悪さを、昼間に使うLDKスペースを2階に、寝室などを1階にすることによりカバーしているようです。とてもコンパクトな住宅ですが、外部がどこまでも続くようなアプローチや、小さな三角形の木の植え込みの吹き抜けによりとても開放的な感じがします。
このアプローチはワクワクする。2階玄関です。
上がり切って振り返れば、もうLDKの全貌が。ここにいれば1日中木陰にいるようで気持ちよさそうですね。
VIA:Love House / Takeshi Hosaka | ArchDaily
外部を挟む坂の家
物件名:House-H ~黒いクレバス~ 設計:岸本和彦 敷地:目黒 延床面積:72平米
細長い上に旗竿敷地の住宅。階段をどんどん上がっていくような動きのある開放的な構成で、さらに中庭が二つ挟まれています。
個人的にはこの異常な感じのある入口が一番好き。
VIA:岸本和彦 / acaaによる東京都目黒区の住宅「House-H ~黒いクレバス~」 | architecturephoto.net |
シナの木と白い家
設計:髙橋真紀建築設計事務所 敷地:埼玉 延床面積:58平米
この物件は気になっていてかなり前から「こっそり保存」していたんだけど、何が気になっているのか今日になっても分からない。壁が縦4枚に分断されていることでの強い「縦」感とか、通りからもスカスカに見える階段室とかのせいなのかもしれない。
特にこの写真が好き。細長く切り取られた、あまりにも普通な景色がヘンな感じで良い。
VIA:white hut and tilia japonica by takahashi maki and associates
以上、細長い住宅。
敷地的に狭かったり暗かったりすると、やれることが減って構成が似通ってくると思うのですが…構造の工夫や素材によってもかなり違った感じになります。こういう仕事が来たら、設計は結構悩むんだろうな~。
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