7.新作への展望

2015年6月17日 (水)

E3でFF7がリメイクって前に、ついこの間出たゼノブレイドクロスもいきなりリメイクされたのかと思った

Horizon Zero Dawn


 「FF7」がリメイクされるらしい。90年代にトップと取ったタイトルのリメイクやリバイバルブームに沸き立つ最近だが、そのタイトルが再び作り直されるというブランドの意味よりもそこで描かれる内容、モチーフの描写がオレにはずっと重要だ。


 広大な自然と機械文明がミックスされたモンスターが徘徊する光景。インディアンのような女性が、弓矢を持って単身立ち向かう、ファンタジーとサイバーが混ざり合った奇妙さ。こんなのいきなり「ゼノブレイド」シリーズがリメイクでもされたのかとすら思うくらい、アートスタイルに同様のモチーフと描写が兼ね備えられている。散々な心無い言われに「ゼノブレイドはPSのような高スペックマシンでリリースされていれば…」みたいなフレーズがあったが、悪いと思いながら本作を観て皮肉にも思った。

 
 広大で幻想的な土地に巨大な原生生物がひしめき、巨大ロボで滑空する「ゼノブレイドクロス」がついこの間出たばかりなのにびっくりするくらい表向きのモチーフとアートスタイルが何もかも似通っており、なんというか変なシンクロニシティ感じて嫌に引っかかるタイトルですね。


 ゼノブレイドクロスには「世界には意味が無い」だなんてひどいオチを前回つけてしまったが、こちらのプレゼンのレポートを眺めるに「特徴的なマシン動物達を誰が作りどこから来たのか,なぜ動物の見た目をしているのかといったことにも,ちゃんと理由があるらしい。そうした世界の謎が明らかになっていくストーリーが2つめのキーポイントであり,多くは語らなれなかったが深みのある内容になっているとのことだ。」なんてあるので、そのあたりどう描くのかな?




Deus Ex: Mankind Divided


 80年代から現在の3DCGのヴィジュアル全盛を経て、ビデオゲームにて特に掘り下げ続けられるジャンルがある。当初SF小説や映画の界隈からスタートし、現実のテクノロジーの進歩の中で下火になったにもかかわらずビデオゲームの界隈でのみ取り上げ続けられることには、念入りな研究や考察が待ってしまうくらいだ。


 それはAAAタイトルの規模だけではなく中軽量級規模のインディペンデント作品のアドベンチャーまでもが題材とするリバイバルに次ぐリバイバルのなか、今やビデオゲームのメジャーなモチーフとして君臨するサイバーパンクだ。そのイメージは時には、サイコロジカルな近現代劇でもある「Hotline miami」にすら繋がっている。


   「wicther」シリーズのCD Projektも次回作にそのまんま「Cyberpunk2077」が控えているなど、これから先もサイバーパンクは描かれ続ける。Eidosの代表的シリーズの新作「Deus Ex: Mankind Divided」は、特にサイバーパンクのイメージを広めたギブスンやブレードランナーのヴィジョンに寄り添っている。かのシリーズは創始者こそディレクションを離れているが、海外のビデオゲームでは特にそのジャンルで有名だ。


 意外に地味ながらもシビアな、テクノロジーの進歩による倫理や未来に関してをプレイヤーに突きつけ続ける前作以後の世界、「人類の分断」と題された本作はどういう内容、そしてヴィジョンを掘り下げるのかはわからない。トレーラーで華麗に敵を撃破してたけど本編プレイでの肉弾戦は即、死を意味するくらいのバランス保ってたらいいなあと思うばかりだ。




 そして「FF7」のリメイクで提示されたヴィジョンは「人気タイトルだったFF7がいまの技術で再生される」というブランドの意味で捉えてはいない。そこで描かれるミッドガルの断片は、90年代から今まで掘り下げ続けられるサイバーパンクのヴィジョンの続きだ。


 再構築されたミッドガルは過去の回顧や当時の技術足らずの部分を想像で埋めていたのが現実化したみたいなそれではない。スクウェア・エニックスがEidos買収後にリリースされた「Deus Ex::Human revolusion」シリーズと共振したかのような光景であり、今現在描けるサイバーパンクの光景のそれだ。

 あとはバレットが同じくEidosの人気ステルスゲーム「Hitman」の主人公47に似て、もう一つ買収したCrystal Dynamicsの新生「tomb raider」のララにエアリスが似通い、心に茨さえない純朴な穢れを知らぬくらい思い入れを持つファンが阿鼻叫喚に包まれることを願うばかりだ、




 

2015年5月13日 (水)

ゲームスコープサイズのTOKYO INDIE FEST 2015

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 会場前になぜかフリーマーケットが拡げられており、背中じゅうにラブライブのバッジをつけたイグアナになろうとしている青年などを横目で見ながら行きました「TOKYO INDIE FEST2015」


 今のインディーというのは「独立した作家による既存の市場や価値観にとらわれないモノづくりをする個人や少数」という意味よりも、どうあれ硬直化しつつあるメインストリームから外れ、ほとんどの縛りのないアンダーグラウンド側のちょうど中間の市場の意味していると思う。

 TOKYO INDIE FEST 2015はビデオゲームの中間市場の見本市のイメージだ。個人・少数製作チームだけではなく大企業もしくはそこから独立した著名クリエイターの出展はもちろん、この状況に象徴的に感じたのは無料版で誰でもインストール可能、個人からプロフェッショナルまで利用するゲームエンジンunityがスポンサーとなり、ブースが会場の真ん中に位置していることだ。


 そんな感じでゲームならではのインディペンデントの意味合いの変化の中での、ゲームスコープサイズの注目作をピックアップ。

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2015年4月20日 (月)

ゼノシリーズとファイナルファンタジー・18年の見えない相克 XenobladeXリリース記念エントリ

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 ドラゴンクエストとファイナルファンタジーが上手く競い合い、日本ならではのRPGの歴史を作り上げていた最良の時代は今振り返ればファミコンからスーファミまでの時代までではないだろうか。

 いまでもちょっとしたライバル関係みたいに持ち出されるが、実際両者が影響しあってたのはPS時代の手前くらいまでだと思う。スクウェアとエニックスが合併して以降はできあがったライバル関係を装っているが、もはや交わることのないすれ違いを感じる。


 ではPS以降のファイナルファンタジーとある種対となり、影響関係を感じられる存在は誰もいないまま、その映像技術やグラフィックス、そしてゲームメカニクスの相反するデザインを邁進しつづけていたのか?というとそうではない。いたのだ。それは同スクウェアから始まった現モノリスソフト・高橋哲哉のゼノシリーズだ。


 単なるブランドや売り上げのパワーバランスからすればピンとこないかもしれない。ゲームメディアにしたってこぞってこの対立を取り上げたりはしない。だがゼノギアスが裏・FF7と言われ戦略的にリリースされた縁は、奇しくも現在に至るまで続いているかのようだ。それはオープンワールドを謳うFF15に対して、WiiUにて発売される新作「ゼノブレイドクロス」に至るまで。


 

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2015年3月19日 (木)

Nintendo®2015

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2015年以降の任天堂のゲームデザインはどう変わるのでしょうか?


 つい最近発表された任天堂とDeNAとの業務提携。経営の視座からは両者停滞の末の野合みたいな解釈も健康事業の参入と重ねて任天堂どうなると見られているけれど、そこはあまり興味ない。


 環境激変で興味あるのはゲームデザインの定義とか変化はどうなるのかな、というとこ。日本のゲームデザインの天皇家とも言えそうな任天堂、かなり長期にわたり独自の立ち位置を守っていた。ところが時代の変化によって外部の流れに混ざらざるを得なくなるとき、そこにどういう変化つけんのかな?

 カジュアルとハードコアゲーミングの両者を併せ持った比類なきゲームデザインを通底している任天堂。パースペクティブずれてるかも知れないが、今回のニュースを観るに今年からはそんなカジュアルとハードコア双方に引き裂かれるかのような流れが面白い。


 カジュアルの最大の場であるスマートフォン・ソーシャルゲーム界隈。ハードコアには海外AAAタイトルやマルチプレイヤーのPCゲームの流れ。その極端な引き裂かれかたの中、ゲームデザインにどう結果として現れるんだろうな。

 


 任天堂のゲームデザインも最近のAAAタイトルからPCゲームの影響ってどれほどなんだろな、みたいなのをちょい前にやったが、今後に期待するとしたら「DayZ」はじめサバイバル&クラフトのマルチプレイヤー再解釈まで混ざりに行ってほしいもんだが…(スプラトゥーンもそろそろ「counter-strike」を1000時間くらいやりこんだ人からの記事でねえかな、いやあっても見てないだけかな・・・ 競技FPSさっぱりやってないオレではまったくわからない)

 こんなにドラスティックな変化の流れ、ある意味今年は任天堂ブームだ。ゲームの日本産だとか海外産だとか、もういいじゃないか。この激動が面白そうなのでちょいちょい任天堂ネタやってこう あっそうだあれでも書こう 次回の次回そのまた次回あたりに”宮本茂の生み出したマリオに命を吹き込んだ男”みたいなネタでもやろう そうしよう まったく今回のニュースも前回のWiiUと海外PCゲームムーブメントの影響も関係ないネタだが…ちなみに次回は任天堂まったく関係ない、2014年ダウンロード中軽量級トップコンテンダーー「This war of mine」です…

 ところで、ゲームにおけるカジュアルの対義語はなんだったかな?めんどうだからハードコアだなんて書いてしまった。

2015年2月 9日 (月)

WiiU新作に見る日本コンソール界隈が直撃してるゲームデザインの闘い とかいって

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 ソニーは建設業のほかになんと美容業界に進出、任天堂は健康事業へと進出と日本のプラットフォームホルダーが揃って別事業に迷走してる現状だが、その一方で今年のWiiUで発売される作品はどれも現在のゲームデザインのシーンから鑑みるに意味深い。

 そのラインナップを眺めるに日本のコンソール界隈のゲームが、どこかで生まれたかわからない空白を経て現在のゲームデザインで数多くのスタジオやクリエイターが切磋琢磨してる前線のテーマに真正面からぶつかる摩擦がどこか感じる。

 …とかいって気取りくさった口ぶりだけどごめん!WiiU買ってないです。そうものすごく単純に期待の新作そろってきてるからそろそろWiiu買ってみようかなという記事です…

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2013年7月22日 (月)

MGSVはGTAV程度には普通に圧勝できる・過去そして未来のオープンワールドデザインの考察

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 さてツイッターを眺めているとこんな発言が流れてきた。

 なるほど今の日本のクリエイターの中では屈指の技術進歩の垂直方向へのビデオゲームへのクリエイティビティを持つ氏らしく、特に諸海外のトップレベルの作品と張り合っていこうとしている意見を普段から発しているし、このように高度なゲームデザインには賛辞を贈る。


 特に「MGSV」は売りに「オープンワールド化」を置いており、そのジャンルのキングである「GTAV」に対してこのツイートであるからちょっとした話題になったけど、しかしこうは言っていてもオレはというと「GTAV」「MGSV」断然勝てると見てる。

 もちろんIPの売り上げうんぬんなんてことじゃなく、それはオープンワールドというものとゲームデザインの関係ってことなんだけど、ポイントはハナからオープンワールドというメカニクスの上に、アクションからシューティング、カーレースといった他ジャンルのメカニクスを乗っけてきた「GTA」シリーズのデザインと、ステルスアクションという明確なジャンルのゲームデザインをハードの時代と環境に合わせて進歩させる上で遂にオープンワールド化にまで接触した「MGS」シリーズの比較によって浮かび上がる今のビデオゲームにおけるオープンワールドの変貌ということだ。


 その考察と並行しつつ、何を持って、どの点において「MGSV」「GTAV」に断然勝つと言っているのか?の結論に関してのエントリ。

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2013年6月20日 (木)

E3 2013の感想と考察・「The Division」「Watch dogs」、「Destiny」「MGSV」が織りなすネクストレベルの未来光景(追加版)

A
 

あたりまえのオープンワールド オンライン シングル・マルチプレイヤーの境界消失? タブレット連動などの多重インターフェース 拡張現実

 さて現行のビデオゲームの世代が過去最長のスパンののちに、いよいよ次世代へと向かうことになったことで今回E3で発表された作品の中で話題になった作品たちがあるテーマを共有して表現して見せているかのようで、例年になく良かった。

 そうオレが感じたのも、そのテーマというのはそれはなんと言うべきかな、初代のプレイステーションに現れた諸作品が見せた90年代のテクノロジーと社会変化の合わさった光景みたいな時代の前線が作りだした象徴的な未来光景というもののような、2010年代(こうしたディケイドの区分け自体ももしかしたら時代遅れになるのかも知れないが・・・)のテクノロジーと社会環境が生み出す、時代とテクノロジーの拮抗が生み出す象徴的な未来光景になるのではないか?と久方ぶりに思わされたからだ。

 ではその「この時代の未来光景」を思わせたそれは何か?ということで、E3にてハイライトを飾ったUBIの「The Division」「Watch dogs」 、Bungieの「Destiny」そしてコナミ小島組「MGSV」から予想される2010年代・AAAタイトル最前線での未来光景の考察。

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2013年1月28日 (月)

2013年コンシューマーゲーム中心時代終わりの始まりの奇跡を待つ「bioshock infinite」・「The Last of Us」・「KILLER IS DEAD」など5本のアクションアドベンチャー

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 さて既に大手メディアなどで高い期待をよせられている作品群のなかで、特に気にかかる5本の作品への期待と展望。細かい部分のジャンルは違うかもしれないが、全部基本的にはアクションアドベンチャーです。

 その期待の元とは極めて単純化するにゲームシステム・レベルデザインの面白さ(アクション)と描かれる物語と表現(アドベンチャー)の現代的な融合と発展。ここで取り上げる作品は発展に関して同じテーマを踏んでいたり、ジャンルの構造に関わることを予感させたりするのが特に強い意味で共通しております。

コンシューマーゲーム機の世代の終わりには名作が生まれやすい、とはゲーム史の事実でありますが、ここで期待する5本はもうそもそものコンシューマーというもの自体が終わりに来ている中での集大成かつ奇跡的傑作になるだろうポテンシャルが見える作品ばかりであります

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2012年9月 7日 (金)

「ライトニング・リターンズ」ファイナルファンタジー13-3などの続編はどうして未だ作られるのか?

最近の新作への展望

FF13-3「ライトニング・リターンズ」

 

 ナンバリングタイトルに関わらずの続編ってやつ、FFに限らず「アサシンクリードⅡ」 (最近も「エツィオ・サーガ」だなんてまとめて出ましたね)でもそうだし、広義にいえばAAAタイトルではどこもそういうところあるように見える。

 もうゲームの表現レベルが莫大になっていた10年前の「FF10」の時点で、新作を作る際には世界観からゲームエンジン、レベルデザインなどの基礎工事づくりでかなりの時間と予算が取られるのは容易に想像できることだし、ここはオレの推測で説得力は薄いのが申し訳ないが近年のFFの制作期間の長期化ってのはそこがでかい気もする。

 ここ10年のビッグタイトルにおいて、新作ではなく「FF10-2」みたいなナンバリングタイトルの続編はまずその基礎工事の分の予算と手間が省けるって点が大きく、またヒットした元の作品の続編ってことで宣伝の費用もある程度抑えられる(のでは?わかってない)などなどのコストを抑えられるということが大きいゆえに生まれる、というのが基本だ。

 しかも「FF10-2」に限って言えばその当時のスクウェアの状況などを加味して見直すに、これは「FF10の感動を汚した失敗作」と思う人が多数だが、あの制作当時、あの坂口博信氏の莫大な予算をかけた「映画ファイナルファンタジー」の興行不振による負債をスクウェアが背負っておりソニーの資本参加うんぬんがあった、なんて揺らいでいたこと時代を見るに、「FF10-2」の誕生は俗に見てしまえば親の借金で子供が脱がされるみたいなものと言え、そう考えると「ユリパ」もバカゲーかと思いきや彼女らのキャラに一抹の哀愁が漂っているようにもみえはしまいか。実際のアイドルもそういう感じで昔はかなり家庭環境のキナ臭いってのが多くてそういう意味でも実はリアリスティックなアイドルRPGだったなんて再評価できそうだ。

 まあいまさらFF10-2はともかく、例えナンバリング続編であろうとオレはそのタイトルでしかあり得ない部分が洗練されさえしていれば良い。ナンバリング続編の楽しみ方と言えば揃っている素材を使ってゲームデザイナーがいかなるセンスを発揮するに至るのか?を看取るものなんて考えている。

 がしかし、「世界終末時計」システムか・・・前作のタイムトラベルものも目新しいものでなかったし、そのエンディングの引き延ばし方も反発あってそれが「リターンズ」への乗れない印象を作っているというのは分かるが、とりあえずゲームデザインのコンセプトを聞くに、すでに「リンダキューブ(世界の終わりまでに動物を集めて脱出)」とか「ヴィーナス&ブレイブス(世界の終りの予言を覆して世界の終りを引き延ばす)」とか「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面(世界の終りの三日間を繰り返しながら回避を目指す)」とかの近い作品の最大成功例を思い出してしまう。

 やっぱ基礎エンジンや世界観など素材の使いまわしだけれどそのタイトルでしかないデザインも優れていた、ナンバリング続編系の大傑作は「ムジュラの仮面」で、あれはビデオゲームの本質を撃ってる(時を繰り返す=トライ&エラーでゲームを繰り返す)とともに、青沼英二氏によるデザインの「青沼ゼルダ」という言い方が付くほどのデザインの個性の発揮などなどと共に良いことづくしだったわけで、FFでは野村哲也氏以降にコアなファンのレベルで名前を聞くデザイナーってのを聞かないのだが、とりあえず上の動画のゲームデザイン担当の阿部雄仁氏に期待したい。 (と思ってちょっと検索かけたら氏の実績はこんな感じ。ど、どうでしょうか?)

メタルギアソリッド グラウンドゼロズ

 そしてこれも「小島プロはもう新作を作らないのか?」とかぼちぼち言われちゃってるけど、もうオレは考え直して新規IPじゃなくても、続編やスピンオフでも、その作品でしかない何らかの革新的なものがあればいいじゃないか、と思うようになった。これはさっきの「ナンバリングの続編」でも同じなんだけれど。

 とはいえスニーキングアクションでオープンワールド、解法はプレイヤーごとに様々であると聞いて思い当たるのは「ヒットマン」シリーズで、オレが数多あるスニーキングアクションの中で「日常に紛れる暗殺者」「様々な解法がある」「ゲームデザインの面白さとサスペンス・スリラーの妙味が同居している」いう点で最も評価しているのだが、まあメタルギアのこと、城落としみたいなのになるのかな、いや「天誅」の最も良かった時に百倍金と予算をかけたものみたいなものなのかな、などとプレイ映像を見ながら思う。

 それにしても、メタルギアもストーリーとゲームデザインの乖離の激しいゲームではあるが、ここでまた「核」とかみると現代の情勢から言って奇妙な話だけど懐かしい話だよなとも感じたりする。どこかで「冷戦時代は、今からしたら逆説的な平和な時代だった」というのを読んだのだけど、今だメタルギアのストーリーラインの中核にその頃を配置しているというのを見るに、その説を納得してしまいそうになる。(それがメタルギア・サーガの辻褄を合わせるために便宜的に冷戦時代のビッグボスを主人公にせざるを得ないとしてもだ)

 メタルギアに現実のリアリティどうのなんて野暮であのリアリティなんてせいぜい軍事オタコンのサバゲー程度だってなんてのはわかっているにしても、アメリカと旧ソ連の社会主義国と帝国のせめぎ合いこそが一つのユートピア的な均衡でありビデオゲームがそれを体現しているのだ、それがメタルギアそれがコールオブデューティ・モダンウォーフェアなんて見立てをついついやってしまう。なんせライトニング・リターンズの「世界終末時計」もあれはもともと核戦争勃発の可能性を時刻の形で表しているってもので、やっぱ米ソの対立の緊張ゆえのもので、かの時代からの想像力って未だリサイクルされ続けている。

2012年7月23日 (月)

「watch dogs」ウォッチドッグス中心で見るポストGTA・オープンワールドスタイル

 今年のE3でやっぱり目を引いたのはUBIがここまでに情報をリークさせないように非常に配慮したという、会場で披露された「Watch dogs」だった。あれは上手く転べばアドベンチャーゲームのジャンルにおける、ジャンルの構造自体を逆転させて驚かせた「EVER17」「YU-NO」になるか、それとも最近のちょっとひねったGTAベースのもののようにの「トレーラーやアイディアを見る限りは面白そうだが実際に遊んでみると序盤までは確かにいじっていて面白いが中盤以降に展開が広がらずダレる。消化試合的になる」のかの2択になると思う。ものすごく高いハードルなんだけど。

 

 最近も「prototype」や、本家ロックスターの「LAノワール」など、精微に現実の都市社会を模したオープンワールド系も、「GTA3」より単なる自由な暴力を振るいまくれるスキャンダラスな段階を経て、一ジャンルとして普遍的になったスタイルである一方、その次の段階を模索している最中だと思う。というわけでオープンワールドスタイルはゲームに何をもたらしたか?と、「Watch dogs」を中心とするポストGTA・オープンワールドへの期待について。

 

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