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プリウスの秘密


レジデント初期研修用資料: 組織の維持に必要なもの

「遊び」が車を走らせた

トヨタのハイブリッドカー「プリウス」は、
最初のうちは10m も走れなかったのだそうだ。

ハイブリッドカーの構造はネットワーク。
電池、発電機、モーター、遊星歯車、そしてエンジンと、
車を走らせるために関与してくるコンポーネントはたくさんあって、
それぞれの部品に制御系が実装されて、
お互いに通信しながら車を走らせる。

お互いの制御が干渉すると、車は止まる。
最初のうち、プリウスはすぐに止まってしまい、
止まる原因が分からなかったり、
部品を「改良」したはずなのに、
その改良が他の部品に影響を及ぼして、
やっぱり車が止まってしまったり。

ようやく車が走り出して、
試作品を実用化する段階に入ったとき、
真っ先に行われたのが、
コンポーネントどうしに「遊び」を持たせることだった。

プリウスの制御はすごくて、
本当はモーターとエンジン、
すべてを「直結」にしたままで、
速度制御ができるのだそうだ。

ところがそれは理想的すぎて、
条件がわずかに狂うと振動するし、
最悪止まる。

部品の間にクラッチを入れてみたり、
トルク差を吸収するダンパーを入れたり。
すべては本当は不必要な、
余計な部品。

余分な部品が追加されて、
ネットワークの効率が落ちて。
組織に「遊び」が生まれて、
組木細工のような車に柔軟性が実装されて、
ハイブリッドカーはようやく公道を走った。

コミュニティを維持していくのはある種の遊び、
非効率さで、
それは競争原理の外にいる人にしか付加できないもの。

それを与えられない人、
非効率さを惜しむ人というのは、
やっぱり組織を束ねるべきじゃないと思う。


<てるやん>

  ハイブリットカーの秘密。
  まさか、トヨタの生産工程が
  そのままハイブリットカーの設計そのものに応用されてるとはww
  トヨタ式をバカにしてた人は
  絶対ハイブリットカーとか作れないじゃないかw

  トヨタついでにここの話も拾ってみます。


債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら  実はGMの方が上らしい・・・

専門は違いますが、
まあアメリカつながりということもありよく話をしている訳ですが、
今日たまたまGMの売り上げが発表になったこともあって、

「ありゃーどうなの、やっぱ技術力が落ちるの?
 燃費の改善とかそういう点で、
 トヨタから見たら赤子の手をひねるようなもんだろ」、

といったら、

「いや、それはお前等みたいな経済屋の発想なんだよ。
 エンジニアの立場からするとやはりまだまだとんでもない実力差があると思わざるを得ないんだよね」

とノタマウ。

「いや、まさかGMがトヨタより上ってこと、技術的には??」

世界のトヨタがご冗談を!!!ですよね。
しかしどうも一面では本当らしいのだ、これが。

「 トヨタの車が売れているのは実は本体設計がどうだとか、
 基本エンジニアリングが優れている、
 という事では必ずしもなく、
 一重にその車としての利便性、
 シートのやわらかさとか、
 およそ自動車本体の性能に関係ないところに依存している部分が多い」

のだそうだ。

「技術屋の目から見ると、
 特に車の心臓部にあたるエンジンについては、
 せいぜいハイブリッドがまあ、目新しいね、
 という程度で基本設計段階でGMやフォードに匹敵するエンジンが作れているか
 というと必ずしもそうとも言えないんだよ。
 その証拠にトヨタはいまだにあれこれエンジンの基本設計を試行錯誤していじっていて、
 それはそれでいいのかもしれないけれど、
 GM、フォードあたりになると
 40年以上前のとんでもなく古い基本設計のエンジンを積んで、
 それでトヨタ車と遜色ない性能をたたき出している訳で、
 技術的にははるかに上を行っているとも言えるんだよ・・・・ 」

四十年前!! 冗談だろう、と思って調べてみたら、
たまたま今日の文春にも同じような話を発見! 
コルベットのエンジンが50年前のOHVのV8エンジンを搭載していると・・・・

トヨタにはこういうエンジンが、
つまり、これ以上は技術的にありません、
という最終兵器というものが無く、
その点GM、フォードはこのレベルのエンジンを
現代風にアレンジして使っている技術力はすごい・・・のだそうです。

例えば日本のお家芸といえる燃費。
日本人は徹底的に燃焼能力を高める事に執心し、
エンジンそのものに手を加えているが、
GMはエンジンはそのままにして、パワーを上げて、
エンジンの回転数を下げる事で結局燃料使用を少なくするという発想をとった・・・・


  いや、いくら完成されたといっても
  40年前で基本設計をやめるのはどうよ?
  基本からつねにいじったほうがよくね?
  とか思ったんですけど


GMとトヨタの比較 (kazu)
2006-07-30 04:15:45

こんにちわ。
このテーマを見て大変興味深かったのでお返事させていただきます。
以前トヨタ(マーク?)と
GM(ビュイックのセンチュリー※マーク?と同程度のクルマです)の
どちらも乗ったことがあるのでそのインプレッションを。

GM はカナダで乗っていたので日本と道路事情の違いがあるので一概に言えませんが、
とにかく燃費が凄く良かったです。
エンジンは87年製で2400CCのキャブ仕様でしたが、
リッター当たり16~7KMは走りました。
信じられないかもしれませんが本当です。

その代わりメンテナンスはやりにくく、
オイルフィルターを変えるだけでも一苦労でした。

トヨタは85年製2000CCインジェクション仕様で、
GMの87年製エンジンよりも技術的には進んでいましたが
高速道路でどんなに頑張ってもリッター当たり10KM程度でした。
でもメンテナンスは楽でした。
それから壊れませんでしたね。


  リッター17KMってそれなんてハイブリット?ww
  トルク上げて距離稼ぐってのはほんとだったのかw

  これはでも、、、
  お互いの道路事情の違いなんじゃないでしょうか?

  車のことはよく知らないですけど
  GM、フォードって基本的に一回り以上車体が大きくて
  でかいエンジンが積める。

  でかいエンジンと車体だから慣性がつきやすい。
  慣性でみると同じエネルギーでも
  でかいほうが走行中の伸びがあると思うんですよ。

  じゃあなんでトヨタはそういう車を作らないかというと
  基本設計が日本人のそれなわけで
  ボディもエンジンもそこまで大きくない
  日本は車庫も小さかったりするしw

  でも、信号、渋滞ばかりの日本ではそのほうが適してる。
  信号からの再発進は、でかい車ほどエネルギーを使うわけで。
  GMやフォードを東京で走らせたら
  リッター1桁切るんじゃないでしょうか?
  アメリカでも過密都市専用で走るなら同じことだと思います。
  たぶんアメ車は道路事情のよくないヨーロッパでも
  あまり売れてないんじゃないでしょうか?


  コメント欄を見ると
  やはりトヨタのエンジンはそれほどすごいというわけでなく
  車としての総合的付加価値がバランス良いのがウリだとか。
  「販売のトヨタ」健在って感じがしますね。
  (それだけの総合バランスを取れるのも「技術」だと思いますがw)
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  3. |2007/07/08
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コメント

<たっく> 

おいらは車にあまり興味が無いのでこの部分について。

>コミュニティを維持していくのはある種の遊び、
>非効率さで、
>それは競争原理の外にいる人にしか付加できないもの。

遊びの無い組織はうまく回っている時は強いかもしれん。
でも変化に弱い。 そしてそれは致命的な弱点。
必要な遊びと不要な無駄を見極められない人はリーダーになっちゃダメだね。
  1. #2NZBXl8Y
  2. [編集] |
  3. 2007/07/08

<hamasta> 

>遊び
これも結局コスト感覚に行き着くんだなぁ。
斉藤一人じゃないけれど。
商人は時にコストを気にしすぎるあまり遊びを削りすぎ、
技術屋は遊びを重視しすぎてコスト度外視になる。

にしても、そろそろリッター20kmくらいの車が主流にならないのかな。
重油価格は向こう10年高止まりっていうか二度と1バレル20ドルみたいな値段にならないだろうし。


今後は燃費でホンダのスーパーカブの時代が再び来たりして。
一度リッター50kmの伝説を体験したい。
  1. #Zu6GYWc2
  2. [編集] |
  3. 2007/07/08

<たっく> 

>商人は時にコストを気にしすぎるあまり遊びを削りすぎ、
>技術屋は遊びを重視しすぎてコスト度外視になる。

そこんとこは技術者側も反省すべきですね。おいらも含め^^;

でも経営を握ってるのは商売人の方が圧倒的だから
どうしても遊びが削られる方向に進んじゃうのでしょう。
そしてそのまま進むとコムスン、NOVA、ミートホープの出来上がり。
そのアンチテーゼとしてどうしても反発したくなっちゃうのかも。

世の中何事もバランスですね、最後は。
  1. #2NZBXl8Y
  2. [編集] |
  3. 2007/07/09

<medtoolz> 

トヨタ自動車の品質の話、個々の部品精度はアメ車のほうが高いのに、
コンポーネントとしての精度感は日本車のほうが圧倒的に高いなんて
話がありましたね。
「高精度部品の集積が高精度コンポーネント」というアメリカ流と、
最後に帳尻をあわせる技術が異様に進化した、日本流のやりかたと。
  1. #-
  2. [編集] |
  3. 2007/07/12

<てるやん> 

>トヨタ自動車の品質の話、個々の部品精度はアメ車のほうが高いのに、
コンポーネントとしての精度感は日本車のほうが圧倒的に高いなんて
話がありましたね。

それ、個人のスタープレイヤーを尊重するアメリカの会社と
スターを作らず1枚岩として家族経営なまとまりを重視する日本の会社とで
昔のイメージが重なりますね。

小は性格から、大は文化までつながってるような
車ですら何かを映し出す鏡なんですかね。
  1. #XCrtMn7Q
  2. [編集] |
  3. 2007/07/12
なまえ:


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