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首相と与党幹事長を殺すべきと主張する老漫画家

今日、扱う問題は、すでに幾人かのブロガーが取り上げているが、どうにも許せないものを感じたので、僕なりの批判を加えていきたいと思う。

先日、藤田まこと氏の死を惜しむ記事を書いた。
若い頃は「必殺シリーズ」が好きで、よく観たものだったが、去年の「必殺仕事人2009」は観るのが耐えられなくなっていた。
ここ10年の間に、実母、実父、叔父、ふたりの叔母、継母、従兄弟の子供と、次々と近親者を亡くしてきたからかもしれない。
「命の大切さを知っている」と言ってしまえば陳腐に聞こえるだろうが、火葬場で何人も、近しい者の骨を拾ってきた者にとって、「殺人肯定」のメッセージを底に秘めたこの時代劇に対し、理屈よりも先に拒否反応が起こってしまう。
「悪い奴は殺してもかまわない」・・・・・この論理の刷り込みが齎すものは、たとえば、なにか犯罪が起き、「犯人」が捕まるたびに「殺してしまえ」と合唱するような痛い者たちを生んでいく。いつだったか、mixiにおいて、小沢幹事長に害を加えようとした者が未遂でつかまったニュースについた日記に、少なからず「死ねば良かったのに」「誰か俺の代わりに殺してくれ」等々の慄然とするような表現があったことを思い出す。僕は、この者たちは、「人の死」というものをリアルで身近なものとして体験したことのない未熟な者たちなんだろうなと思うことでなんとか理性を保ったが、行き場のない憤怒を鎮めるのに、しばしの時間が必要だった。
いかに悪人と言えど、犯罪者と言えど、まずは裁判で裁かれなければならない。「裁判なき刑の執行」は、それそのものがまた、犯罪である。
人の命を抹消するという行為については、自分自身に同じ行為が為される理不尽を想像したうえで、思考されなければならない。

昨日の朝日新聞の「声」欄に、ひとつの「諷刺」漫画が掲載された。
作者は、かなり昔から妖艶な美女を描くことに長けた、いわゆる「大人」漫画家「小島功」だ。
長いこと、ビッグコミックオリジナルで「ヒゲとボイン」なる(僕に言わせれば)クソ面白くもない漫画を連載している御仁だが、もう80を超えた爺さんである。
問題とすべきその漫画は、先日亡くなった藤田まこと氏扮する中村主水が、小沢一郎、鳩山由紀夫、金正日、ビン・ラディンと思しき人物を横目に、「仕事人、もっと続けたかったなあ、やあ、冗談、冗談」とつぶやきながら、(おそらく天国に向かって)歩いているという絵だ。

まず第一に問題なのは、金正日、ビン・ラディンと、小沢、鳩山両氏を、同列に扱っていることだ。
金正日、ビン・ラディンは、決して少なくない無辜の人間の命を損ねたかもしれない可能性があると言われている。少なくとも、理念のために暴力と殺人を肯定し、合理化する人間であることは、ほぼ、間違いないだろう。然るに、小沢、鳩山氏はどうか。誰か人を殺したか。どちらも身内の中をぐるぐる回るカネの処理を、適格に出来ていないと、一方的に見なされているだけではないか。百歩譲って、金権にまみれた腐敗政治家だったとしても、殺されなければならない理由はない。それでは2・26事件を起こした皇道派青年将校の倣岸不遜で独善的な論理と同じになってしまうではないか。
そして第二に、たとえ金正日が政権を追われ、ビン・ラディンが捕縛されたとしても、裁判にかけ、導き出された判決に従わせなければならない。三国志の関羽雲長が呉に敗戦したのちに首を刎ねられたような、そんな前時代的なことが、21世紀の現代に為されるべきではないのは当たり前のことだ。

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しかし、時の首相と与党幹事長を「殺すべきだ」という寓意を秘めた漫画を、堂々と掲載する朝日の「良識」を疑わざるを得ない。いや、首相や幹事長だけでなく、何びとといえども「殺すべき対象」として描かれていいはずがない。いかに作者が新聞漫画の「大家」でも、これほどの悪意が込められた漫画を、僕は今まで見たことがない。
そもそも「諷刺」漫画というのは、絶対的な権力者の行いに対して、庶民の側からのささやかなレジスタンスと皮肉を込めて、諷したものであると僕は理解してきた。
今までのそういう図式を、藤田まことというひとりの俳優の死に絡めて、この老境漫画家はそのまま当てはめたつもりだろう。しかし、鳩山政権は、庶民が選んだ、庶民がつくった政権だという観点が皆無なために、この漫画は、「諷刺漫画」というより「アンシャン・レジーム(旧勢力)のプロパガンダ漫画」というべきものに成り果てしまっている。「冗談、冗談」というコメントをつけて、「問題性」をはぐらかそうとしているが、冗談で済まされる問題ではない。「どうせ漫画だから」という甘えた言い方は許されない。描いていいことと悪いことがあるだろう。漫画というビジュアルな媒体から刷り込まれるイメージの影響は大きい。政治的なマイナス効果を齎すことはもとより、「生命」の軽視に繋がるという意味において、その罪は深いと言わなければならない。

そして・・。
亡くなったのは「中村主水」ではなく、「藤田まこと」である。彼は必殺シリーズのほかに、数々の役をこなし、舞台にも立ってきた。まだまだ、やりたかったこともたくさんあったに違いない。彼が続けたかった仕事は、決して「殺し」ではなかったはずだ。亡くなられた方の意思をこんな形で矮小化し、政治的なイメージづくりに利用する卑劣な朝日新聞と小島功を、僕は心の底から憎むものである。

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ポーランド侵攻時、ナチスが反ユダヤ主義を広めるために新聞に載せたプロパガンダ漫画。
やせこけたポーランド人家族と肥え太ったユダヤ人夫婦の絵。
漫画がファシストの道具にもなりうるのは、小林よしのりや「マンガ嫌韓流」の事例を見ても明らかだ。



いま生きているということ 
それはかくされた悪を注意深くこばむこと

小室等 詩・谷川俊太郎

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未分類 ï½œ コメント(4) ï½œ 20100221031208 ï½œ 編集
62|鹿島 防人|20100221230321

Add your Comment, please 小島氏の漫画は現代の日本の青年にはきついかもしれない。中国の関羽の例を挙げたが、日本でも奥羽のアテルイ(蝦夷の頭領)は征夷将軍の軍に衆寡適せず破れた、同属を救う為虜囚の辱めに耐えて捕虜になり朝廷へ送られた、そこで朝廷の官僚(皇族)によって斬首にあった。当時蝦夷の都は岩手の水沢市の近くであったという。小沢一郎氏はこの蝦夷の頭領を敬愛していると聞く。自分も当時 朝廷によって若者狩りに遭い、遠く九州へ防人として送られた事実に囚われている。防人には残った家族の辛さ悲しさ苦しさ、和歌に込めた家族/嫁の想い一首、
さきもりに ゆくはたがせと とうひとを みるがともしさ ものおもひもせず 
佐伎毛利尓  由久波多我世登  刀布比登乎  美流我登毛之佐  毛乃母比毛世受
かくも人間の為せる業は非業です。一方 今人間は地球でその繁栄を謳歌している。しかし生命を育んだ地球は瀕死の状態です、過去に生命は何度も絶滅の危機を乗り越えてきた事実もある。しかし生物が引き起こした危機は今回初めて人間が起こしている。人類がいわゆる神を造り、神は人類を選ばれた、ユダヤは神に選ばれた、と特別扱いして、その繁栄を謳歌して、他民族を始め、地球の生態が破壊されつつある事を返り見ない人類。地球を中型飛行機で一回りすれば、大地は人類の傲慢で赤土に替えられて生物には不毛の砂漠になりつつある。これを何度も見る時、その毎 涙した。はじめに戻って、殺し足りないと言いながら死んでいった必殺仕掛け人の見ているのが、誰というのではなく、只の人間と見れば、人間以外の生物は諸手を上げて喜ぶ構図であると、自分は見た、、その昔 お釈迦様は人間の為せる罪をしり、キリストもそれを知り、愛の尊さを教えて人類を救おうとした、しかし彼らも人間の大膨張にはその防ぐ手段を教えてはいない。一度人間を抹殺しないと地球の生命を守れないことは、必然であると悟られていたのであろう。しかし 賢人の言っているのは一神教の教えの最後の試練ではなく、つまり信者であろうとなかろうと人間は地球の全生命を道連れにして地球を死の惑星にする運命が定められている。こうすれば藤田まこと扮する仕事人はその絶滅を少し早めるのか、遅らせるのか、あまり関係ない、。小沢氏、鳩山氏、金氏、ビンラデン氏も被害者であるから、
米国によりソ連侵攻の防衛に使われ、NYビル破壊テロ主犯に仕立て上げられ(9.11はBUSHーGrのテロ)た被害者、金氏も金日生とその仲間に仕立てられたのロボットである事は既知の事実、日本の両氏も現在は、清和会、三宝会の宿敵(殺してやりたい自民の目の上のタンコブ)と見なされている。このように見ると、面白い漫画(アイロニック)とも解釈される。つまり必殺仕掛け人は殺さないほうが良いと判断したから、殺さずお先に天国へ行った。この4人よりもっと悪い人間はごまんといる。何故 
この4人を選んだか、今マスコミに叩かれているから、ブッシュ親子をはじめ幾らでもいるが今現在マスコミに叩かれていないと時世漫画にはならない。だから小島はこの4人を選んだ。人間が歩き出してから、真実は事実は表面に出てこない、何時も暗闇で画策されている。これまでも、これからも、願わくは速く地球から人間を追放するか、人間を百万人以下に減らしてくれると、他の生物には都合が良い。生まれ変わるときは、人間に生まれ変わるとは限らないから、人間が激減しても心配は要らない。神に願わくは、人間を特別に減らして貰いたい。くじら、マグロ、烏、雀、ゴキブリ、雑草、蚊、蟻、原虫、バクテリア、ヴィールスを増やしたら最高です。平和はバランスから生まれます。今は人間である一生物より、 合掌 
65|輪廻は迷信|20100222172208

さっきスケートの浅田真央と鳩山・小沢を並べて「金が欲しい」という漫画をTBSでやってた
66|田仁|20100222201354

嫌だな、と思いつつ見過ごしにした、私が悪かったです。
確かに目にしたのに。

実に仰る通り!
68|ノンポリな一市民|20100223022116

私は朝日を擁護したり味方をする者ではありません。客観的に公平な立場で見て、この風刺画は、いわゆる「ブラックユーモア」と呼んでもいいレベルの単純な皮肉を込めた作品だなーと感じます。理由は、殺されるべき4人の人物を同列に扱っている単純さと、漫画上のコメントである「やあ、冗談、冗談」という軽いタッチのオチが逆に読者の笑いを誘うなーと感じるからです。表現の自由を謳歌するマスコミがそれを精一杯用いて表現した作品であり、この作品を見た読者がどういう評価を与えるかも自由で本人次第だと思います。
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