健康で文化的な最低限度の生活 (第7話・2018/8/28) 感想
関西テレビ制作・フジテレビ系・『健康で文化的な最低限度の生活』(公式)
第7話『笑わない鉄の女VS働かない男』の感想。
なお、原作の柏木ハルコ「健康で文化的な最低限度の生活」(小学館)は未読。
栗橋(川栄李奈)は正義感が強くしっかり者だが、幼い頃から「愛想のない子」と言われ、皆と笑顔で接するえみる(吉岡里帆)に内心、引け目を感じていた。その栗橋が担当する利用者の中林(池田鉄洋)は、同居の姉が病死して以来、1年以上がたつ今も就労意欲がない。求職活動に改善が見られないことを理由に、栗橋は生活保護廃止を見込んだ指示書を手渡すが、後日、栗橋の不在時に中林が来訪。応対したえみるは中林が抱える問題を知る。一方、えみるは阿久沢(遠藤憲一)と娘の麻里(阿部純子)に遭遇する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:柏木ハルコ「健康で文化的な最低限度の生活」(小学館)
脚本:矢島弘一(過去作/毒島ゆり子のせきらら日記) 第1,2,3,4,7話
岸本鮎佳(過去作/演劇「艶∞ポリス」) 第5,6話
演出:本橋圭太(過去作/サイレーン 刑事×彼女×完全悪女) 第1,2,5,6話
小野浩司(過去作/リテイク 時をかける想い) 第3,4,7話
音楽:fox capture plan(過去作/ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~)
オープニング曲:安田レイ「Sunny」(SME Records)
主題歌:AAA「Tomorrow」(avex trax)
こう言う作品を見たかった!
前回まで、私が期待する方向とどんどん乖離していく本作の感想について、愚痴ばかりになるから止めるのは簡単だが、現在の生活保護制度の実情を知って欲しいから第7話も見て感想を書くとした。そして、見た。結論から言えば、こう言う作品を見たかった…の、一言に尽きる。
脇役が中心の物語が、秀逸な仕上がりと言う歯痒い結果に
主人公・えみるの同期で同僚の栗橋の物語。これまで主人公の傍らには存在していたが、スポットライトを浴びるのは今回が初。
従って、主人公がメインでないストーリーとしては “異例” な放送回なのだが、脇役がメインになった方が「生活保護制度の実情」を様々な角度から描いて、テーマはより研ぎ澄まされ、且つ分かり易く描いてしまったと言う、なんとも歯痒い回となった。
川栄李奈さんの名演技で、えみると栗橋の違いが明瞭に
また、連ドラとして良かった点は、えみると栗橋の違いを明瞭に描き分けたこと。個人的には、これまでの成長しているのか分からない主人公よりも、明らかに成長を見せた栗橋を応援したくなった。
もう1つ良かったのは、川栄李奈さんが「優秀なケースワーカー」を見事に演じ切ったこと。恐らく、川栄さんの演技が無ければ、ここまでの仕上がりにはならなかったろう。これで次回からの吉岡里帆さんの演技への期待のハードルが一気に高くなったのは間違いない。
頭でっかちで行動先行してしまうのは、何事にも良くない…
さて、今回の栗橋の言動を見て思い出したことがある。もう10年以上前の話になるが、今は亡き私の実父が最初に短期記憶障害の症状が現れて、どうして良いか分からずに、慌ててネットや本で情報収集をして、あちこちの病院や区の地域包括支援センターに相談に行ったが、私の言動は空回りするばかり。
父も短期記憶障害以外の症状がないため、かなり困惑気味だったのを今では分かる。そして、たまたま隣近所に通って来ていた介護ヘルパーさんに相談したら、意外とあっさり解決策が見つかった。その時、頭でっかちで行動先行してしまうのは、何事にも良くないなと反省したことを思い出した。
もっと、音声読上げブラウザを意識して投稿せねば…
また、私の知り合いにも識字障害の人がいて、このブログを読んでくれているので、音声読み上げブラウザに対応するように気を付けてはいるが、ついつい文字数を合わせるために半角カタカナを使ってしまうことがあり、頭の中で「ゴメン」と言いつつ、投稿している。
週に何度も「また読めなかったよ」のメールを貰って、また反省。こんな風に、自分に起きたことや自分の周囲のことに、ドラマの内容を重ね合わせることが出来るのも、この第7話が良い仕上がりだった証拠だと思う。
あとがき
今回で描かれたことは、とても興味深かったです。生活保護ケースワーカーも人間ですから、偏見や差別意識はあるのは当然です。だから、それを常に自覚することが重要ってこと、また、実は生活補との捕捉率は約20%以下で、80%以上の人たちが生活保護の枠の外で劣悪な状況で生活しています。
やはり、生活保護制度への誤解や偏見を解き、制度改革をして欲しい…と、今回を見て思いました。そして、ドラマ作品として、無駄な描写が無かったことが素晴らしかったです。脇役で出来たのですから、主人公がメインのエピソードでも同じことは出来るはずです…
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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話
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