2007年1月1日より、ISBNが13桁になりました。といっても番号体系がまったく変わってしまうわけではなく、今までが4で始まる10桁のところ、先頭に978-が加わって13桁です。
では皆さんが今日書店に行って本を手に取ると皆13桁に…なっていません。書店に並んでいるすべての本に修正をするのはとても無理。取次、出版社の持っている在庫もあわせると気が遠くなります。2007年に刊行する新刊書からは新ISBNを付与、それ以前の既刊書については、暫定処置として、今後増刷する分からの修正でよいとされています。
10桁と13桁が混在していたら困らない?
まず、書店でピッとなぞっているのは、ISBNの文字列ではなく、バーコードのところだと思います。これは書籍JANコードというもので、主に書籍の流通に利用されているのはこちらの部分です。1段目を見てみてください。978のあとISBNと同じ数字が続いています。ISBNとバーコードの番号が一致する形になったというわけなのです。
したがって一般の皆さんがお正月に書店に行ったらレジでお店の方が困っているという様子は、おそらくなかったことでしょう。
ただし書籍データの世界では、かなり大きな変化です。
書籍のデータを扱うさまざまな会社や図書館が昨年からその対応に追われています。
例えば、検索のしくみ。978と末尾の数字(チェックデジット)を除いた部分で同定するしくみになっていれば、10桁のままで探しても13桁で探しても同じように引きあたります。「数字がすべて合致していなければ同じものと判断しない」というガンコなしくみだと、10桁なら探せるけど13桁では探せない、あるいはその逆となります。
でも前者の方法がいちばん理想的なのかどうかは…私も知識が足りないので自信がありません。人間の目には単なる数字の羅列、ですが、コンピュータの世界はそのへんデリケートで深いのです。
さてTRC MARCです。初めて13桁のISBNを入力したのは、東京糸井重里事務所刊「ベリーショーツ」(吉本ばなな著)と「三位一体モデル」(中沢新一著)でした。
データ部新刊目録では、実際にISBNが変わるのはいつなのか、もう昨年の秋ごろから、今か今かと待っていました。「TRC MARCはいつから13桁になるのですか」とお問い合わせもいただいたのですが、ISBNを付与するのは本を出す出版社なので、私たちも待つしかありません。「2007年に刊行する新刊書から」といっても新年に発売される新刊書の見本は年内にも届きますし、奥付が「2007年1月」になっているものは、実際には11月ごろから少しずつ刊行されているのです。前述2件のMARCも、11月に作成したものでした。
昨年末は、13桁の付いている新刊見本がまだ珍しかったですが、年が改まったとたん、みるみる13桁が主流になっていきました。こういう時、時代の変わり目に立ち会った気分を味わいます。
少し長くなりました。明日はISBNの数字に隠されたヒミツについてお話いたします。