モンスター 「1年経って・・・」

カンテレのテレビドラマ「モンスター」が終わった。





67kg ニヤけている - #ダリチョコ の映画とグルメ


正直言って、レベルの高いドラマとは言えない。Netflixなどで配信されている国内(「新聞記者」、「地面師たち」など)、海外ドラマ(「ディプロマット」や「リディア・ポエットの法律」)や韓国ドラマとは比較にならない。同じ弁護士ものとして「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を連想するが、波及効果がまるで違う。


それでも国内のテレビドラマとしては唯一といっていいカンテレ「エルピス」や「罠の戦争」など時々精力的な話題の取り組んでいることは、東海テレビが向き合うドキュメンタリー映画とどもに評価したい。キー局が予算をかけて、このようなドラマなどに挑戦することは悪くない。



このドラマも、日本のテレビドラマとしての陳腐さや演出の稚拙さなどを別にして、自殺・体罰(教育)・環境汚染など、社会問題を扱いつつ、最後の最後で、人間の本質に迫る。


第9話で、群馬の産業廃棄施設の環境被害を疑い、父粒来がその反社企業の代理人として神波と対立するが、実は産業廃棄物を捨ててた大企業の企みだったことが明らかとなる。原一男監督が生涯のテーマとして取り組んだ「水俣曼荼羅」でも示されたとおり、環境被害が人体に影響を及ぼすことを立証するのは極めて難しい。


しかし本質は被害そのものではなく、被害を被った住民の心理だ。テレビなどの印象に操られ、企業側が示すカネに目がくらみ、問題が大きくなると騒ぎ立てる。その目的は賠償金の釣り上げか。


この不毛な論争や対立に、神波が立ち上がる。


「幸せとは何か」「なんのために生きるか」


という言葉を大勢に問いかけて、無表情な彼女の目の片側から大粒の涙が流れ出す。このドラマの主張が趣里さん演じる神波亮子が流す大粒の涙に集約される。そして宮崎駿監督の映画にも重なり合う。


神波は一貫して感情を示さない。父親と法廷で対決して負けたときだけ大泣きしたが、ほかでは全く感情を露わにしない。そして何かひらめくと「行ってきます」と行動に移し、現場で何が起きているのかを探る。我々はとかく机上でしか物事を判断しないものだが、彼女の行動力がこのドラマの魅力だったりする。


この行き先に何が見えるだろうか。企業に資金を委ねるメディア、テレビ。プロパガンダのように流されて信じ込む住民。自らの意思や考えではなく、空気に流されてゆく愚かな人々。こうしたジレンマに神波は対峙する。


いろいろな思いが重なるドラマだったが、最後の最後で趣里さんの強烈な演技に圧倒された。


第1話 大手企業の社員が自殺


第2話 アイドル歌手の盗作騒動


第3話 妻の経歴詐欺


第4話 サッカー部の体罰


第5話 超高額医療


第6話 患者から遺産を受け取った看護師


第7話 ドラマの聖地が事故現場に


第8話 優秀な高校生が強盗


第9話 贋作をめぐる物語


第10話 環境汚染の元凶


最終回 モンスターの正体





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能登の震災から1年経って、まだ水道も来ていないとはいったいどういうことなのだろう。



飲み水にも苦労する被災地の皆さんのことなど気にもせず、高額報酬の先生がたは今日も爆睡を続ける。いっそ椅子をベッドに代えてあげてはどうか?


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