ムファサ:ライオン・キング バリー・ジェンキンス監督
「ムファサ」
◆66kg "Magdeburger(マクデブルクの悲劇)" -
バリー・ジェンキンズ監督作品だったとは、鑑賞したあと知って驚いた。現代社会で差別され虐げられる黒人の現実を映画化するジェンキンズ監督にとって、「ムファサ」は何を意味するのだろうか。
前作で描かれたシンバの子が、祖父であるムファサについて思いを寄せるドラマ。ムファサとタカ(スカー)の言い伝えを孫が聞く。災害で家族と離れ離れになったムファサをタカが救うシーンから始まる。
リアルな映像は動物の動きだけでなく、自然の美しさをも目に焼き付ける。
ここに白いライオンが現れる。マッツ・ミケルソンが演じるこのライオンたちは、ムファサとタカにとって分断のきっかけを生む。タカが白いライオンに惹きつかれてゆくまでの描き方が絶妙だ。兄弟だと思っていたムファサの生まれ持った才能に及ばないと気付いたタカが白いライオンに魂を売る。そして・・・。
これはアメリカで現実に起きていることを投影したものではないかと感じさせる。壮大なスペクタクルとして鑑賞しても楽しいが、もしかするとジェンキンス監督は何かを伝えようとしているのではなかろうか。
◆『ムファサ:ライオンキング』レビュー – パンチの効いた起源の物語の中で、ストーリーテリングが重要な位置を占めている
◆「アメリカは偉大だったことがないのかもしれない」
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