野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

作曲は年越し/大掃除

「世界のしょうない音楽祭2024」に向けた新曲の作曲、90%くらい仕上がっているが、年内に完成しなかたので、年を越すことに。でも、宮城道雄の《春の海》も少し引用されているので、正月に作曲もいいなぁ。

 

里村さんと大掃除。重曹とクエン酸を使った化学の実験をしているような気分。

 

みなさん、良いお年を。

 

JACSHA/坂本龍一のような

JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)のオンライン会議。KIAC(城崎国際アートセンター)での3年間のコミュニティプログラムをドキュメントするウェブサイトのための原稿の校正作業など。

 

『世界のしょうない音楽祭2024』のための新曲の作曲中。日本→インド→ヨーロッパ→ハイチと世界を音楽で旅していて、ワークショップのアイディアも一つを除いて、全部曲に入った。問題なのは、ワークショップでできたフレーズ。森亜紀子さん曰く「坂本龍一みたい」。坂本龍一に似せることを意図せずに、どう落とし込むかを色々考えて、なんとか着地点を見出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作曲中

『世界のしょうない音楽祭2024』に向けての新曲を作曲中。だいたい終わりくらいまで一応、書いた。スコアは20段くらいなのだが、その半分はプロが演奏するパートで、半分が初心者の人が演奏するパート。同じ楽器でヴァイオリンpro、ヴァイオリンws、シタールpro、シタールwsと並べて書いていたが、proはまとめて下の方に、wsは上の方にと分けて並べ替えてみた。

 

暫定的な譜面をプリントアウトして、そこに鉛筆で書き込みながら手直し中。1月5日のワークショップで音出ししたいので、年内にある程度、見通しを立てたい。

 

www.youtube.com

 

 

 

無関係の間の関係性/ホームパーティー

『世界のしょうない音楽祭2024』に向けて作曲中。別々の人が別々に行ったワークショップで、音頭をつくったり、インド音楽を体験したり、古楽(コレッリ)を演奏したり、ハイチの音楽を歌ったり、ベートーヴェンを演奏したりしていて、それを作曲(構成)しようとしている。これを単に順番につなげても必然性もないメドレーになってしまい、そこが悩みどころ。大阪音大の渡邊未帆先生からのメールに

 

「先生方にお持ちいただいた各音楽のエッセンスには、地域ごとの特徴がありながらも、共通することがあって、音楽でつながっているひとときを楽しめたと思います。」

 

とある。共通すること。ぼくが作曲としてやっていることは、無関係の間に関係性を作っていくこと。関係なさそうなバラバラを関係あると思ってみることから始めれば、何かが聞こえてくる。気がつくと、ハイチと宮城道雄はつながり、コレッリとインドはつながり、インドとベートーヴェンがつながり、全部が円環状につながっていく。これだと作曲している意味があると、納得。

 

夜は、里村さんと一緒に、パレスチナの研究をする人類学者のJoshua Rickardさん、ジョシュアのパートナーでYWCAなどでパレスチナ支援の活動をされている斎藤未緒さんのお宅でのパーティーに出かけた。ジョシュアは料理が好きなようで、パレスチナ料理をはじめとしたご馳走をたくさんいただき、南米アマゾンにフィールド調査に行っていた研究者、音楽学者、弁護士、映像の方、大学生など、色々な方々とリビングルームで立食交流。

 

ジョシュアは2012年に東京(千住)で開催した『風呂フェッショナルなコンサート』で公募で集まった出演者の一人。今は熊本に住んでいる。

www.youtube.com

 

 

作曲中/肥後琵琶リサーチ#16/プロプロ

世界のしょうない音楽祭2024に向けての作曲。インド音楽のワークショップに基づく場面を書いているうちに、そこに尺八のポルタメントや、コレッリのラ・フォリア、ベートーヴェンの歓喜の歌など、ワークショップの別素材が融合しそうに感じられてきた。

 

肥後琵琶リサーチ16回目。肥後琵琶乃会の岩下小太郎さん、後藤昭子さんとの濃密な時間。今年始めた肥後琵琶、本当に一年通して、色々なことを学ばせていただいたし、肥後琵琶350周年の記念コンサートを聴くこともできて、本当に感謝。

 

www.youtube.com

 

夜は、熊本市現代美術館と五福公民館の共同企画のプロプロ(=プロジェクタープロジェクト)に参加しに五福公民館へ。宮尾有さん、陶芸家の星野久美さん、美術館の里村真理さんとプロジェクターを活用するアイディアを色々試みるワークショップ。公民館は災害時に避難所となり、大雨などが降るとここに避難し宿泊していく人がいるそうだ。避難所用の仕切りをプロジェクターのスクリーンにするような空間づくりをやってみた。防災とアートが重なり合う。面白い。ぼくはピアノを弾いたり、色々一緒に遊んだ。

 

 

 

 

JACSHA打ち合わせ/今日はインド音楽

JACSHAのオンライン打ち合わせ。KIACでのコミュニティプログラムのウェブデザインこと、1月25日のイベントのことなど。1月25日のイベントは、情報公開になった。

 

KIACコミュニティプログラム2022-24 成果報告&トーク「食べて、話して、考えよう!アートと地域文化のアーカイブ」 | イベント | アーティスト・イン・レジデンス | 城崎国際アートセンター

 

『世界のしょうない音楽祭2024』に向けての新曲の作曲。インド音楽のワークショップに基づく部分を作曲する。昨年度までは自分が立ち会っていたので、作曲の際に手がかりが多かったが、今回は、渡邊先生による短いワークショップ報告とわずかな動画だけが手がかり。現場の状況を想像で補完しながら作曲する。家にシタールはないので、シタールを思いながら琵琶を弾く。

 

 

 

The Life of Debussy/梅田哲也パフォーマンス

Roger Nichols著『The Life of Debussy』読了。2018年、ドビュッシーが没後100年で、《Debussy 100》というケンハモデュオの曲を書く時に読み始めてたはずなのに、ずっと積読状態だったが、今月はファリャ、ラヴェルと読んだので、ドビュッシーも読んでみた。ラヴェルと違って女性関係のトラブルがいっぱい出てくる。晩年6つのソナタを構想してたのに3つしか書かずに55歳で没。あ、ぼくの年齢より若い。

www.kinokuniya.co.jp

 

山口での瑠璃光寺での梅田哲也さんのパフォーマンスと洞春寺での能登の震災に関するトークを聞く。パフォーマンスは耳の位置がほんの数十センチ移動するだけでも定常波の干渉などで音が聞こえてきたり聞こえなくなったりして、いろいろ楽しい。首を回したり、しゃがんだり立ったり。トークは、曹洞宗の方々の宗教家としての思いや、梅田さんの当事者意識に関するお話など興味深く聞く。トークの終わりがけに会場に質問を聞く時間に、そろそろ出なければとトイレに行っていたら、質問が出ないからと、「今日は野村誠さんも見に来られていたので」と指名されて、慌ててトイレから出て、30年前の「神戸のためのコンサート」を実施した経緯などを話す。十和田市現代美術館からYCAMに移った見留さやかさんとも久しぶりの再会。見留さんはスペインでの島袋道浩展で、野村の音が使われている作品にあったそうで、うれしい。

 

Â