そして悪しき“伝統”は引き継がれ……

防衛大の学生がいじめの加害者である上級生・同級生を刑事告訴した、という件はみなさんすでにお聞き及びのことかと。「Bussiness Journal」で配信されている記事で紹介されていた防大OBの現役幹部海上自衛官のコメントがひどいです。

 その一方で、同じく防大OBで現役幹部海上自衛官は、「こうしたいじめに耐える、いじめられないように立ち振る舞うことも自衛官としての修行になる」と話す。


「そもそも、いじめに遭うのは動作が緩慢な者か、やたらと正論を吐く理屈っぽい者が多い。自衛隊のような戦闘組織は命令一下、たとえ理不尽な命令でも率先して動かなければならない。動作が緩慢な者はいざというときに組織の足を引っ張る。海外からの侵略や震災などの有事の際は、『何が正しいか』を議論している間に、事態が深刻化することもある。本人の考え方を自衛官らしく矯正し、もし向いていないと判断するならば、別の進路を考えさせることも防大同窓の役目だ」
(http://biz-journal.jp/2014/08/post_5677.html)

これ、「人権」という観点から見て論外なのは当然ですが、組織論的にも問題大有りじゃないですか? 「やたらと正論を吐く理屈っぽい者」、「何が正しいか」を考えようとする者を排除して行った組織の先行きを、私たちはすでに知っているのではないでしょうか?