2015-01-01から1年間の記事一覧

恥辱だらけの「戦後70年」

空疎な「戦後70年安倍談話」、世界文化遺産とユネスコ記憶遺産をめぐる醜態、地方自治体レベルでは強制連行被害者追悼碑などに対する反動的な企て……といかにも安倍内閣を選んだ日本社会に“ふさわしい”戦後70年目の一年は、まるでダメ押しのような恥ずべき知…

ユネスコに申請された「南京大虐殺」記録に関する解説

現在発売中の『世界』(岩波書店)2016年1月号で、笠原十九司さんによる「国際社会に歴史修正主義は通用しない ユネスコ世界記憶遺産登録の実相」が掲載されています。中国が登録申請(厳密には「申請」ではなく「推薦」とすべきとのこと)した資料のリスト…

戦後70年目の12月13日はあらたな“国恥”記念日

私自身は南京事件を問題にする際に、特に12月13日という日付にこだわるつもりはありません。「12月13日」というのが南京城内にいた人々の認識を反映したものであって、虐殺全体の広がりを認識するうえでは妨げにもなりかねないからです。ただ、メディア的に…

ネット配信、シンポジウムのお知らせ

コメント欄で L さんが告知してくださっていますが、明日12月9日の午後8時より「レイバーネットTV」が小野賢二さんを招いて「福島歩兵65連隊と南京大虐殺」という特集を配信します。 http://www.labornetjp.org/tv また12月12日には、やはり小野賢二さんを招…

「『南京事件』とは何か 3論客の見方相互検証」

さる11月12日にBSフジの番組「プライムニュース」で南京事件が特集されていました。 (テキストアーカイブ)『南京事件』とは何か 3論客の見方相互検証 番組サイドの酷さは次の3点によく現れてます。まず冒頭でキャスターが「非常に有力な3つの学説をみなさ…

『海軍の日中戦争』

笠原十九司、『海軍の日中戦争 アジア太平洋戦争への自滅のシナリオ』、平凡社、2015年6月 目次などの情報はこちらをご覧ください。 1997年に刊行された『日中全面戦争と海軍―パナイ号事件の真相』の続編ともいうべき笠原十九司さんの新著。本書でもパナイ号…

「講演とトーク 慰安所は、日本軍が設置した軍の施設だった!」

関西にお住いの方にしか役に立たない情報ですみませんが。 明日10月31日、下記要領にて永井和・京都大学教授と渡辺美奈・wam事務局長による講演会が行われます。 日時:2015年10月31日 13:30〜 会場:PLP会館大会議室(JR天満駅・地下鉄扇町駅徒歩5分)

『南京の実相』関連エントリ

ふぇみにすとの論考 日本の右派の英語発信の歴史についてのメモ 上記エントリで紹介されている書籍のうち、『南京の実相―国際連盟は「南京2万人虐殺」すら認めなかった』に関しては当ブログもリアルタイムで追いかけておりました。関連エントリは以下のとお…

佐藤正久を情報源にしちゃう“メディア・リテラシー自慢”

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20151016/1444988517 産経新聞の勇ましい()「歴史戦」記事でも、申請の審査を担当するのがユネスコの国際諮問委員会(IAC)であることは明らかにされているわけです。ところがこのブログ主はなにを勘違いしたのか、「アジ…

だから(以下略)

日本側がシベリア抑留に関する文書を登録させていたことを先日のエントリでも指摘しておきましたが、ほとんど完璧なタイミングでロシアが口を出してきましたね。「歴史戦」の文字も勇ましい産経新聞の記事より。 http://www.sankei.com/world/news/151015/wo…

だから言わんこっちゃない

よりにもよってシベリア抑留という被害体験に関わる資料を登録申請し認められたまさにその時に、南京大虐殺関連の資料の記憶遺産登録で政府が公式にクレームつける(与党のウヨ議員が噴きあがるならともかく)という厚かましさには、さすがに呆れ果てますね…

NNN ドキュメントほか

本日深夜(5日未明)1時10分から日テレ系列で放送される NNN ドキュメント '15 で小野賢二さんの調査活動が紹介されます。「ネットでの告知は当日になってからにしてくれ」と言われていたのですが、おそらくそれと同じ趣旨でしょう、現時点で番組公式サイト…

歴史修正主義者に「アウト」を宣告すべき理由

歴史修正主義者というのは、(1)人間の尊厳なんてなんとも思っておらず、(2)現実認識がレイシズムやショーヴィニズムのような下劣な動機で歪んでいる、という特徴をもっています。いずれも、この社会の歴史修正主義者の振る舞いを観察していれば容易に把握で…

どんな意味があるのかよくわからん調査項目

http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000059118.html ANNの緊急世論調査で「民主党など法案に反対した野党が2日半余りにわたって採決の引き延ばしを図ったことについては、6割近くの人が『評価しない』としています」とされてるんだけど、こ…

こんなのが幹部に昇進できる組織を信用しろといわれても無理な話

JBPress 2015.9.14 「米国が裏で糸を引いていた南京大虐殺という捏造」 内容的にはこれっぽっちも新味のない否定論の断片をアドホックにかき集めただけのクソ駄文ですが、問題はその書き手です。第7師団長を経て最終的に西部方面総監にまでなっています。田…

もう講和条約からやり直すしかないね

産経ニュース 2015.9.7 菅官房長官、「言葉遊びに受け取れる」と不快感 国連事務総長「国連は中立ではない」発言受け 国連の説明は「言葉遊び」でもなんでもなく、客観的に見れば日本政府が火遊びをしているだけです。枢軸国と連合国の間で「中立」を保て、…

朝日の連載「新聞と9条」で伊達秋雄氏が話題に

私も最初は気づかなかったのですが、砂川事件の一審判決を出した伊達秋雄判事について、このブログで間接的に言及したことがありました。『司法官の戦争責任 満州体験と戦後司法』(上田誠吉、花伝社)という本を紹介した際、引用した文章の中に伊達氏の著書…

安倍首相が大好きな「法の支配」を重視するなら……

47NEWS 2015/08/30 韓国、慰安婦問題で「行動」を 70年談話受け 元慰安婦の賠償請求権問題で、解決に向けた措置を韓国政府が講じなかったのは違憲とした憲法裁判所の判断から30日で4年となったことを受けた論評。 安倍首相は「法の支配」が−−正確には「…

「ハートネットTV」の戦後70年特集

NHK Eテレで月曜〜木曜の午後8時から放送されている福祉番組「ハートネットTV」では「シリーズ 戦後70年」と題するコンテンツを放送していますが、8月は戦時下の日独における障害者をとりあげています。 http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/ 「障害者と戦争 …

歴史修正主義への屈服の見本

window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.twitter.com/widgets.js"; fjs.paren…

「ピースナイター2015」は「誤解」を広めるか?

8月6日(木)「ピースナイター2015」開催決定!(広島東洋カープ公式サイト) ユニフォームの片袖には今年度、原爆死没者名簿に記載される人数を当日刻印し着用します。 リンク先で「写真は2014年8月6日時点での人数です」とのキャプション付きで掲示されてい…

河野談話以降に発見された資料を wam が公開

河野官房長官談話後に発見された日本軍「慰安婦」関連公文書等を公開しました 2007年に第一次安倍内閣が辻元清美議員の質問主意書に対して閣議決定した答弁書の「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような資料は発見されていない」という主張が孕んで…

「異例」なのは公になることじゃなくマスメディアが報じること、でしょ

時事ドットコム 2015/07/30 「昭和天皇「蒋介石支持を」=国連代表権問題、佐藤首相に促す−日米文書で判明」 蒋介石総統率いる中華民国(台湾)政府が国連の代表権を失う直前の1971年6月、佐藤栄作首相が米国のマイヤー駐日大使(共に当時)と会談した…

戦時中の動物園展(予定)

2008年に天王寺動物園(大阪)の「戦時中の動物園」についてレポートしました。 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080819/p1 その後も行われていたらしいことは耳にしていたのですが、確認してみると今年も8月10日から23日までの期間で予定されているようです…

『ヒトラーとナチ・ドイツ』

石田勇治、『ヒトラーとナチ・ドイツ』、講談社現代新書 全7章中2章がユダヤ人迫害およびホロコーストに割かれているが、全体としてはむしろホロコーストに至るまでの、ナチ体制が確立するまでの歴史について近年の研究成果を含めて紹介したものとなっている…

『昭和陸軍全史1〜3』

川田稔、『昭和陸軍全史1 満州事変』/『昭和陸軍全史2 日中戦争』/『昭和陸軍全史3 太平洋戦争』、講談社現代新書 第1巻が昨年7月に出て、今年の6月に完結した3巻シリーズ。タイトルに「全史」とあるが、3巻本とはいえなにぶん新書版なので、第1巻は永田鉄…

『日清戦争』

大谷正、『日清戦争 近代日本初の対外戦争の実像』、中公新書、2014年 日清戦争について知りたい、という人がいたらためらうことなくまずこれを薦めたい、という良書です。清との戦争の影で進んでいた朝鮮半島支配などについてもきちんと目配りされています…

7月7日

グーグルのニュース検索で先ほど「盧溝橋事件」をキーワードに検索してみた結果です。 自らの問題としてこの日を取り上げようとする日本のメディアはないようですね。

じゃあいったい「強制労働」とはなにを意味するんだろう?(追記あり)

皆さんすでにご承知おきの件ですが。 日本政府は5日の委員会発言で、韓国側がこだわった「強制労働」に関し「forced to work(働かされた)」との表現を使用。岸田氏はこの表現について「『強制労働』を意味するものでない」と説明した。さらに…

生きて虜囚の辱めを……

すでに指摘されておられる方もおられましたが、当ブログのレゾン・デートルを考えればやはりひとこと言っておかねば。 時事ドットコム 2015/07/01 「後方支援時の拘束「捕虜に当たらず」=岸田外相」 岸田文雄外相は1日の衆院平和安全法制特別委員会で、海…