本連載コラムでは主に日本のZ世代について語ってきました。ベトナムは近年経済が成長し、ベトナムのZ世代は積極的にキャリア形成を求め、自己投資に多くの時間やお金を注いでいます。FinTはベトナム支社を設立しており、そんなベトナムの若者の意欲を肌で感じています。今回は、ベトナムの若者におけるキャリア形成の考え方についてお話しします。
就業後も語学取得に励むベトナムの若者
ベトナムが位置する東南アジア諸国連合(ASEAN)地域は、世界でも若者が多い地域です。ベトナムの平均年齢は約31歳。日本の平均年齢の約47歳と比較すると、若さが際立ちます。
この若年人口の多さは、地域全体の経済成長をけん引しています。2025年のベトナムの経済成長率は、ASEAN地域で最も高い6.6%の予測です。ベトナムの若年人口の多さが雇用創出や新産業の発展をリードしています。こうした活力がベトナムの若者たちの将来への期待を高め、積極的なキャリア形成への意識を高めています。
高い経済成長が予測されているベトナムの若者は、キャリア形成への意欲が非常に高いです。例えばFinTのベトナムメンバーは、就業後に語学習得や専門分野のスキルアップを目指してスクールに通ったりするなど、自身のキャリアアップのために時間と資金を積極的に投じています。終業後にSNSやゲームなど、短期的な娯楽を楽しむ日本の若者と比較すると、ベトナムの若者は中長期的な自己投資に重点を置いています。
こうした傾向は統計にも表れています。日本では社会人の約53%が「勉強をしない人」であるのに対し、ベトナムではわずか3.6%にとどまります。
ASEANの若者は自分の視野を広げるために、海外旅行にも積極的に資金を投資しています。日本の若者と比較してもその支出は多いとされています。このような自己投資の姿勢が、国内総生産(GDP)が低下傾向にある日本と、経済が急成長するASEANの違いを反映していると考えられます。
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