2017年9月30日
9月21日に、「尾根幹線」を歩いてきました。
2017年9月21日
私は東京の多摩西部「稲城市」にある矢野口駅へやってきた。
今日の私は府中市に住んでいた頃に毎日のように自転車で走っていた「尾根
幹線」へ1年ぶりに行こうとしていた。
今日は自転車を家に置いてきた。
過去に一度、今住んでいる場所から自転車で行こうとしたが、思いのほか距
離があり、現在の自分の体力とひざの具合では行けないことが分かったので
、そうすることにした。
輪行も考えたが、面倒だったのでこれもやめた。
それに、自転車では走ったことがあるけれど、徒歩で通り抜けたことは一度も
ない。自分にとって目新しいのはどちらかと言えば後者だ。
と言う訳で、今回は徒歩を選択した。
徒歩を選択したことにより、いつもよりゆっくりと景色や風景を見れるので、め
ったに行く事が出来なくなってしまった尾根幹線のそれを、カメラに収めてお持
ち帰りすることにした。
現在の時間は10時15分。
昨日の曇天とは打って変わった秋晴れの青空の下、私は1年ぶりに都道19号
「鶴川街道」の歩道の路盤へと足をつけた。
写真は北を向いて撮ったもの。
この奥には多摩川原橋(たまがわらばし)があり、その名の通り多摩川を跨い
で調布へと抜けている。この橋もなつかしいが今日はそちらの方へは行かな
い。
写真を一枚とって、すぐに写真左の方へと足を進めた。
1分たらずで矢野口交差点へ差し掛かった。
川崎街道とぶつかっているため、非常に交通量が多い。
写真右奥の方へ向かって行けば、名前の通りで、商業と工業の町である川崎
へと行く事ができる。浮島町公園へ行くときによく利用していた。
矢野口のあたりは、自分にとってなつかしい道ばかりで、ふらっと寄ってしまい
そうになるけれど、今日は尾根幹線を歩きに来たので、この道とはここでさよな
らした。
しばらく歩いていくと、道端に梨の直売店に「梨直売」と書かれた赤いのぼりが
立っているのを見つけた。
この道は川崎街道や調布へと向かう車が通るため非常に交通量が多い。
そのためか、稲城の特産品である梨の直売所が道に沿っていたるところにあ
る。
風物詩なのだ。
尾根幹線は自転車で走るととても気持ちが良い。程よい上り下りとカーブによ
るワインディングで構成されていて、病み付きになる楽しさだ。
遠く澄んだ空気と、相模の山々を遠くに見ながら走る尾根幹、桜色に染まる春
の尾根幹、汗をだらだらと流しながら走る緑に囲まれた夏の尾根幹。どれも良
いけれど、秋の乾いた涼しい空気を切りながら走る晴天の尾根幹は格別だ。
矢野口駅から10分ほど歩き、榎戸交差点の手前までやってきた。
ここを左に抜けると、遊園地「よみうりランド」や読売ジャイアンツの練習場に行
くことが出来る。ただ、そこまでたどり着くまでの道が心を折りにくる道で、きつ
い上り坂で一気に標高を上げるのだ。
多摩丘陵の地形を進む代表的なむ多摩丘陵的道路である。
私が今歩いている場所は丘陵の縁に沿って走っているので非常に平坦だ。
交差点で進行方向左手を見れば、すぐ近くに緑の丘の壁がそびえ立っていて
、丘陵の縁にいるのが良く分かった。
ここで尾根幹線がどのような道かを簡単におさらいしておこう。
南多摩尾根幹線は、東京と神奈川の間ににょきっとできた「おでき」のような多
摩丘陵を、その名の通り尾根の部分で超える幹線道路である。
簡単な地図に起こすとこうなる。
東は調布市、西は町田市に延びており、全長は16km以上にも及ぶ。
ぽんぽこ狸合戦で有名な多摩ニュータウン計画で建設された道路であり、道路
の北側に沿うように、団地や住宅地が立ち並ぶ。
道は多摩丘陵の上にあるので、嫌が応でも丘陵の縁の急峻な地形の影響を
受けると言う事だ。
今まで遠くに見えていた緑のこんもりした地形が、すぐ目の前に迫ってきた。
とうとう、丘陵の縁に当った。
坂に入る手前の稲城福祉センター入口交差点で、いままで歩いてきた「鶴川
街道」とはお別れだ。この道はこの後、尾根幹線に沿った谷を走り、若葉台に
ある京王相模原線の黒川駅辺りから進路を南に変え、小田急線の鶴川駅方
面へと抜ける。
ついに多摩丘陵の縁に当る稲城1中南交差点にやってきた。
写真中心の中央分離帯の歩道部分に看板が立っているので行って見ることに
した。
そこから進行方向を見た景色がこの写真。
いかにも人工的に整備された木々と、まるで芝生のような中央分離帯の緑が、
都市らしい雰囲気をかもちだしていた。
普段は自転車で走っていて、この辺りはただの通過点としか見ていなかった
ため、ここに立ったのは初めてだった。感想としては、大きな中央分離帯と、
2車線分もありそうな幅の片側一車線道路が目の前の左右に広がる様が、
なんとも尾根幹線らしい景色だと思った。
写真では伝わりにくいが、実際に行って見ると、もう少しキツイ坂のように感じる
。
「危ない徐行」
とあるが、ここは上り坂である。たしかにこの坂を上り終えた場所には交差点が
あるので、徐行はすべきなのだが、看板に書かれたシンボルを見る限り、自転
車向けに出された看板のように感じる。自転車はこちら側の道では、歩道側を
下ってくることが多いはず。なのでこの看板は逆に向けるべきでは・・・?
なんて思いながらふと上を見ると、木々の葉っぱが少し色づき始めていた。
自転車だと結構きつく感じる坂だったけれど、徒歩だとそんなでもなかった。
実を言うと、尾根幹線の坂はこの辺りではゆったりまったりとしたもの。比較
的上りやすい道なのだ。
一つ目の坂を上りきると、竪谷戸大橋(たてやとおおはし)交差点に差し掛かっ
た。
後を振り返ると、なんとスカイツリーが見えた。
空気が澄んでいる時は新宿が見えると言う事は知っていたけれど、まさかもっ
と東寄りのスカイツリーまで見えるとはしらなんだ。
もしかすると、今日はツイているのかもしれない・・・?
ウキウキ気分で横断歩道を渡り、交差点の名前になった竪谷戸大橋を渡り始
める。すると左手に、異様に大きな送電線の鉄塔が見えた。
ゲタを履いている。
そのせいで余計に大きく見えたようだ。
手前に見える線路は、府中本町と梶ヶ谷貨物ターミナルを結ぶJRの貨物線で
ある。
橋からトンネルをのぞいていたら、線路に光が反射していた。まさかと思って
カメラを構えていたら、列車が通り過ぎていった。
今日は本当に運が良い。
ゲタのアップ。
不思議ではないのかもしれないけれど、私は何故か、不思議に感じた。
なんと言うか、いつもは地上についている土台の部分がそのまま露出している
ように見えるのだ。
橋を渡りきり、少しだけ坂を上ると次の交差点に差し掛かった。
稲城5中交差点。
中央分離帯を超えて、反対車線の横に出ている右折用のレーン、そして道の
上にかかる歩道橋。尾根幹線らしい構造物がそろっていた。
先ほどの写真に写っていた歩道橋のところまでやってきた。
折角なので、上ってみることにした。
両方の岸には住宅街が広がっていた。
橋の上から、調布方面をのぞく。
残念ながら先ほど見えていたスカイツリーは木々に隠されて見えなくなってしま
っているが、眺めはとても良い。
反対側を向くと、中央分離帯の原っぱの先に、また歩道橋が見えた。
しかもそこまでずーっと上りだ。かれこれ1kmは上りっぱなし。緩やかに上って
いる分、距離があるのだ。自転車より負荷が少ない徒歩とは言え、流石に足が
疲れてきた。
歩道橋を降りて、さっきの景色の少し奥に見えた向陽台小学校南交差点にた
どりついた。
右手におしゃれな集合住宅が現われた。
地図で調べると「みはらしの家」と言う建物で、写真に写っているのは何棟かあ
るうちの一つ(B棟)のようだ。
尾根幹線はまだ上る。
奥の方に見える橋も、歩道橋で「くじら橋」と言う。
この橋は何回も渡ったことがあるけれど、橋の上の景色はいつ見ても気持ち
が良い。
広い道幅、程よく見える公園の緑と街の風景。そして、見上げれば空しかな
い。とにかく開けていて、さっぱりとした景色なのである。
特に今日は、秋晴れのカラッとした天気。サイコーの景色だった。
橋の袂にはこのような石碑が立っていた。
初めて見たわけではないが、こうして写真に収めたり、本文を読むのは初めて
。石碑の石材のモザイク柄のせいで、写真では見づらいため文字に起こして
みた。
「土木学会田中賞について
土木学会田中賞は、東大名誉教授 田中 豊
博士のご功績を記念して昭和41年に設けら
れたものです
この賞は橋梁とそれに関連する構造物で、
計画・設計・施行・美観などの面においてす
ぐれた技術と特色を有すると認められた作品
に授与され、その年度の日本を代表するもの
として位置づけられています。
当「くじら橋」は、平成9年度の土木学会
田中賞を受賞いたしました。
稲 城 市
住宅・都市整備公団東京支社
多摩ニュータウン事業本部 」
田中豊と言う人がどう言う人でどんなご功績を残した方かは分からないけれ
、とかくこのくじら橋は、日本の土木学会が認めた、由緒ある歩道橋と言うこ
とは分かった。
橋から降りて、再び尾根幹線にやってきた。
ここは稲城中央公園交差点。
交差点をすぎると、再び上り坂だ。
ここの坂は今までのより、少し勾配がきつい。
坂の途中、こんな看板に出会った。
長峰杜の1番街と2番街とは、団地の名前のこと。そしてUR都市機構とは、
この団地の大家さんである。多摩ニュータウンにある団地の殆どが、このUR
都市機構の持ち物だ。
坂を上りきった。
自転車で来た時に、この電話ボックスを見て一息つけたことを思い出した。
ここから中央分離帯が一旦消える。
尾根幹線はきちんと開通しているが未完成の道で、本来は4車線道路になっ
ているはずだったのだ。そして、緑が生い茂る中央分離帯は、計画上では道
路になる予定の土地だった。そして尾根幹線には、多摩カントリークラブあた
りにトンネルを掘る計画が存在している。ちょうどこの辺りだ。
今立っている場所には中央分離帯が無い。つまり、もう道が広げられない。
と言う事は、ちょうど今さっき上ってきた坂の中央分離帯に、入り口が作られる
のではないかと考えられる。
2車線のままの尾根幹線を西へ進んでいくと、下り坂に差し掛かった。
ここから見える景色も良い。
冬の夜は特にマンションと鉄塔の灯りがきれいだったことを覚えている。
赤と白で塗られた送電線の鉄塔。
他の鉄塔はメッキむき出しのシルバーなのだけれど、このひとつだけは、なぜ
か赤と白で塗られていた。なんでも航空法で定められた一定の条件を超える
と、こうしなければいけないらしい。
確かに多摩丘陵の周りには、調布飛行場、横田基地、厚木基地、立川基地の
4つの飛行場があって、そしてそこから飛んできた飛行機が飛んでいるのを、
今日の散歩(?)中にも何回か見た。
長峰2町目交差点を渡り、多摩丘陵の中心に向かって歩きだした。
途中、稲城長峰ヴェルディフィールドなる施設の横を通った。
稲城は東京ヴェルディのホームタウン。こう言った練習施設が結構あって、
有名な選手を見ることもたまにあるらしい。
道は、幅広の片側一車線のまましばらく続く。
自転車ではさーっと抜けられる距離だけれど、歩きだと少し時間を要した。
若葉台公園の近くに来ると、道は大きく右へカーブし、坂を上り始めた。
カーブの途中の写真。
電話ボックスの奥に見える柵のようなものは、歩道橋である。
橋の下に、銘盤があった。
橋の名前が「歩道橋」になっている。
本当にそうなのだろうか。そう思って、とりあえずこの歩道橋の上に登ってみる
ことにした。
歩道橋へとつながる坂を上って出た景色を見て、思わず笑みがこぼれてしま
った。なぜか橋の上に緑の中央分離帯が用意されているのだ。さらに、右折
専用レーンまで作られている。尾根幹線にかかる橋だから、こう言うデザイン
にしたのかどうかは分からないが、そうであったとしたら、この橋を設計した
デザイナーは茶目っ気の聞いた人なのかもしれない。
欄干の柵に取り付けられた名盤には「若葉台公園中央橋」と書かれていた。
下に取り付けられた銘盤とは違ってしまっている。どちらが正式名称なのだろ
う・・・?
橋の上から尾根幹線を見下ろす。
若葉台公園の横を抜けて、次の上り坂へと挑んでいく車たちが見えた。
今見えているあの坂は、尾根幹線を自転車で走ったとき、一番ツライ上り坂
だったことを覚えている。
橋の反対側には若葉台の戸建ての宅地と山々が広がっていた。
左の方に見える四角い建物は駒沢女子大学とその付属高校である。
道を背に若葉台中央公園を望む。
きれいに整備された芝生と歩道が谷底へと伸びている。
ここはやっぱり「尾根」なのだなと思った。
道に戻ってきた。
カーブが終わって、交差点を超えたら、あのキツイ上り坂が待っている。
上り坂に差し掛かった所。思ったとおり、今日は徒歩なのでそこまできつくな
い。でも負荷は感じる。
進行方向左手には若葉台パークヒルズの建物が見え始めた。
私のような貧乏人には無縁なマンションであるが、こんな良い所に住めたらと
想像すると、上り坂で折られそうになった心が少しだけ元気になってくる。
車道を走る車はエンジンを唸らせながら進んで行った。
京王バスのパークヒルズ北停留所付近にも歩道橋があった。
が、歩道橋から見えるだいたいの景色が、今まで上ってきた坂を振り返った
時に予想できてしまい、面倒なのでスルーして通った。
橋の「腹部」は、くじら橋ににたツルツルのコンクリートで固められていた。
おそらく、意識したものなのだろう。
宅地の造成をしていた。
1年前には無かったかもしれない。
坂を200mほど上るとカーブに差し掛かった。
しかしこの先も坂は続く。
しかもちょっぴり長い。
頂上までの距離が見通せない、まさに初見殺しの坂。
坂を上りきると、長い下り坂と大きな橋が待っていた。
そして、中央分離帯が復活した。
この橋は歩道橋ではない。
都道137号線の坂浜聖ヶ丘橋という陸橋だ。
この道を写真右手に進んでいくと、ロケ地で有名なゆうひの丘に行く事が出来
る。もっと進めば、連光寺坂上交差点で、今日最初に交差した川崎街道に当
り、「耳をすませば」で有名な聖蹟桜ヶ丘までいける。
左手に進めば、若葉台へと行ける。
橋の上へとやってきた。
別にここに来る必要は無かったのだが、今日は天気が良いので景色を堪能
しにわざわざ寄り道してみた。
背丈ほどある柵から顔を出し、カメラを構えて撮影した。
時間が少し悪かったか、すこし逆光気味ではあるが、多摩センターと、相模の
山々まで見る事が出来た。
先ほどまで跡形もなくなっていた中央分離帯が、この橋の下で広さを取り戻し
ている。きっとトンネルの出口はその辺りになるのだろう。
階段を下りて、尾根幹線に戻ってきた。
長い下り坂が、次の交差点まで続いていた。
勾配はさっき登ってきた初見殺しの坂よりも緩い。
尾根幹線って実はツンデレなのでは?
何故かと言うと、町田側の坂の方が全体的に勾配が緩いのだ。
稲城から相模原へと抜けるルートはツンデレの「ツン」。
相模原から稲城へと抜けるルートはデレ期。
だから「あ、今日はちょっと厳しくして欲しいな」って時は、稲城から相模原へ
と走り抜けて、「今日は優しくしてね」って時は逆に走りぬけると。
で、ツンデレを味わいたいときは稲城―相模原―稲城と言ったルートで帰っ
てくる。そうするとまるでツンデレヒロインを攻略し終えてデレ期に入ったみた
いな感じになるのだ。
・・・はい。ばかですね。
閑話休題。
多摩東公園交差点。
青看板を見て分かるとおり、ここで都道19号とはお別れ。
桜ヶ丘方面からやってきた都道18号がバトンタッチして尾根幹線に。
この記事を書いている時に地図を見て分かったことだけれども、どうやら稲城
市とも坂浜聖ヶ丘橋の辺りでさよならしていて、今私が立っているこの場所は、
多摩市になるようだ。
交差点から、また歩道橋が見えた。
「弓の橋」と言うらしい。
横から見て、名前の由来が分かった気がした。
この橋の辺りから、道の景色が大きく変わってくる。
いままで進行方向の左手には住宅地があったが、それはなくなる。
その代わりに森林公園とその遊歩道が、弓の橋のある丘の上広場公園から
肩を並べて歩き出す。
その入り口が写真の中央にある道である。
そして今まで同じ高さにあった上下線の道路に高度差がついた。
下り線の多摩市陸上競技場の入り口につながる道。
陸上競技場は下り線より低い高度にある上り線側にあるため、中央分離帯を
越えなければならない。なので下っているのだ。
しばらくすると、上り線と下り線が同高度になり合流した。
そして上り線の歩道が切れた。
これには理由があった。
実はこの上り線の歩道、と言うよりも本来上り線になるべきだった道路が、くず
が生い茂る中央分離帯の奥にあり、それが歩道として供用されている。
上り線の歩道は、車が走る上り線の道路とは別に存在しているのだ。
いままで1.5車線もありそうな幅の道が、見事に大型トラック一台分幅の2車
線道路になっている。本来、車道になるはずだった道を歩道として使ったしわ
寄せだ。
進行方向左手に、建物が見えてきた。
エコプラザ多摩前交差点手前に、「かっくんと」曲がった線を描く青看板が現わ
れた。
写真では見づらいが、永山駅方面に行く道は、先ほどの青看板と同じように、
「かっくん」と曲がっていた。
地図を見たところ、より分かりやすかったので、載せて置く。
現在私が立っている場所は、交差点と横にある建物の間で、永山駅は、地図
の上の方にある。
先ほど言った上り線の歩道についても、この地図を見ると分かっていただける
はずだ。
交差点を過ぎると、道は少し上った後、カーブを描いて下り坂になった。
下り坂の後に上り坂とカーブが続いている。
こう言う道は幹線と言うよりも、走りを楽しむための道だと私は思う。
自動車にとっては楽しい道だけれど、大型トラックにはとても厳しい道だ。
給食センター前交差点。
右側に見える建物は東京都立永山高等学校である。
このまま右に折れれば、団地の近代的なデザインで規格化された建物が建ち
ならぶ多摩ニュータウンらしい景色を見る事が出来る。
交差点を過ぎたあたりから、道は再び上下線で分離した。
誤侵入防止のための通行止めの標識が3つも立ち並んでいた。
国士舘大学の前あたりの道は、歩道と車道の間に、ガードレールでもう一つ
レーンが設けられている。
自転車通学する学生たちへの配慮なのだろうか。
国士舘大学の門の前までやってきた。
横断歩道の先に階段がある。
自転車で来ていたころから興味があったが、学校の前と言う事があって、ス
ルーしていた。でも今日は徒歩なので、自転車をどこかに放置する必要が無い
。行ってみることにした。
相模原方面。右手に見える路面が上り線だ。
こうしてみると結構な高度差があるのが分かる。
こちらは稲城方面。
写真の真ん中にあるのが、通行止めが3つもあった上下線の分離地点。
左の方の道へ行っても、給食センター前交差点に出る。
戻ってきた。
中央分離帯だけでなく、道路をまたぐ歩道もでてきて、実に尾根幹線らしい風
景だ。
都道18号線とは次の交差点でお別れ。
そして、都道156号線の支線が尾根幹線となる。
多摩卸売市場前交差点。
交差している鎌倉街道は4車線道路で、非常に交通量が多い。
鎌倉街道は、尾根幹線と同じく町田・相模原方面へと向かう道だが、もっと東寄
りの町田駅の近くに出る。町田市の中心に近いのはどちらかと言えば鎌倉街
道。尾根幹線は町田市内に出るとは言え、実情は相模原市に出る道だ。
交差点を過ぎて上り坂に差し掛かると、さっきまで遠くに見えていた歩道橋が
近くにあった。
この橋は、くじら橋のようにはなっていなかった。
上の写真は橋の上から多摩卸売市場前交差点を見た図だ。
いずれはここも4車線化されるのだろうが、そうなるとその道はこの景色の中
のどこに作られるのだろう。
もしだけれど、高架の4車線道路を中央分離帯に作るとしたら、その道はきっ
とこの歩道橋の上を通ることになるだろうから、その時はこの景色は見る事が
出来なくなるのかもしれない。
振り返って、町田方面を見た写真。
何故かここの盛り土部分だけが、除草剤を使って雑草を枯らせていた。
もしかすると、近い時期に工事が始まるのかもしれない。
道路へと戻ってきた。
ふと右を見ると、中央分離帯に、木が一本生えているのが見えた。
いずれ道路にするはずの土地に、こんなに立派に育つ木をわざわざ植えると
は考えられない。自然を残して欲しいと願った狸の仕業なのかもしれない。
道を進んでいくと、交差点の左へ行く道が途切れた青看板が現われた。
その青看板は恵泉女学園前交差点を指していた。
この交差点にはちょっと突っ込みどころがあった。
まず、青看板では左が途切れていたが、信号には御丁寧にも左折用の信号が。
そして、交差点の前にあるのは恵泉女学園ではなく、明大中野の文字。
恵泉女学園はこの奥の方にあるのだ。
と言っても、これには理由があった。
まず明大中野の方であるが、これは学校がここにあるのではなく、学校が校外
に取得したグラウンドらしい。学校の硬式ホームページによると2011年に取得
とのこと。
恵泉女学園の方が先にこの土地に立っていたので、交差点の名前がこうなっ
たのだと考えられる。
そして、青看板の方。
実を言うと、ここを左折しても都道156号なのだが、とても道幅が狭い。
その道の方たちには知られた「兎道」のようで。
なお、そちらへ行かない道もあるけれど、そっちはこの先で尾根幹線に交差
して終わるので、案内する意味が無いのだと考えられる。
地図の方が分かりやすいので、載せて置く。
恵泉女学園前交差点で進行方向右を見ると、すこし古くさい団地の建物が見
え始めた。
道路の右側には団地が続いていた。
上り坂を越えたあたり、また歩道橋があった。
南野スカイブリッジと言うらしい。今回は上がらなかった。
今まで緑の木々だけだった道の左側面に、再び人の住処が現われ始めた。
道は、交差点のあと、上って下って、交差点と、リズムを刻んでいる。
尾根幹線のリズムと言ったところだろうか。
そう言うところが、また楽しい。
交差点の青看板には左折しても都道156号であることが書いてある。
先ほどの地図を見れば、この標識が指す意味を理解しやすいと思う。
道路の右側には団地が立ち並んでいるため、このような案内になっているよう
だ。
南豊ヶ丘フィールド交差点に着いた。
ここでまた歩道と車道の間に謎のレーンが現われた。
ただ、この交差点の形を見る限り、あれは自転車用に用意されたレーンのよ
うだ。
交差点を渡ると、左側に公園の入り口があった。
一本杉公園と言うらしい。
道は例に沿って坂を上りはじめた。
頂上のあたりに、また歩道橋があった。
橋塔を持った立派な橋なのだが、名盤がはがされていて、名前が分からなか
った。
道に戻り次の交差点「小野配水場前交差点」へやってきた。
中央分離帯が小さい。
多摩ニュータウンの中心街である「多摩センター」を指す青看板が現われた。
左折が大型車進入禁止なのは、すぐさま1車線の狭い道になるためである。
なお、ここで都道156号線とはお別れだ。
併走する多摩ニュータウン通りと同じ、都道158号線が尾根幹線を兼業する
ことになる。
ここは多摩南野交差点。写真奥へ行けば、さっきの青看板の通り多摩センタ
ー駅周辺に出る。そこから先、道は多摩モノレールに沿って立川駅まで続い
ている。
写真には写っていないけれど、交差点の周りにはレストランなどの商業施設が
立ち並んでいた。
交差点を過ぎると、緩やかな下り坂が続いていた。
久しぶりに歩道が現われた。
鶴乃橋(つるのはし)と言うらしい。
名前の由来は良く分からなかった。
橋の上から町田方向を望む。
右側は団地や住宅地、左側はゴルフ場、そして会社の倉庫やビルが建ち並ぶ
景色が続いていた。
中央分離帯では、雑草の刈り取り作業が行われていた。
定期的にこう言った整備が行われているようだ。
道に戻ると、ゆったりとした上り坂が待っていた。
ここから唐木田までは、ゆったりまったりとした下り坂が続いた。
また、遠くに見える相模の山々が、坂浜聖ヶ丘橋のあたりより、大きくよりはっ
きり見えるようになってきた。
歩道の雰囲気が良い。
車道側に大きな建物が無いので、晴れた日は木漏れ日がとても心地よい場所
だ。今日は曇ってきてしまったけれども。
道は相変わらずゆったりまったりと下っている。
多摩ニュータウンを象徴する団地の建物をバックに、また歩道橋が現われた。
橋の団地側はY字なっていた。
坂の終わりが見えてきた。
多摩市総合福祉センター前交差点についた。
この交差点を右に曲がれば小田急多摩線の唐木田駅につく。
後を振り向くと、交差点の名前の通りの建物があった。
横断歩道を渡ったあとは上り坂が続く。
坂は途中から橋に変わった。
唐木田大橋だ。
前述の通り、私はこの尾根幹線を毎日のように自転車で通っていた。
なので、ある程度の風景は今日歩く前に知っていた。
だが、この唐木田大橋には、私がまだ見た事がない景色が存在している。
実はこの橋の下は小田急線の車庫になっているのだが、橋からの落下物を考
慮してか、人の背より高いアクリルの壁が欄干に取り付けられていて、それを
見ることが出来ないのだ。
自転車で立ち乗りしても、降りて背伸びしても、見る事が出来なかった車庫。
しかし今日は、カメラがある。
カメラのレンズがアクリルの壁を越えてしまえばいい。
手を頭の上に伸ばして、カメラを下に向ければ、それが見れる。
しかし、これを行うには少しリスクがあった。
人の目があって、正直な所、恥ずかしいのである。
で、撮れたのがこちら。
おー、並んでる並んでる。
けれど、写真の上の方を見ると・・・
わざわざ、こんなことしなくても、次の交差点を左に曲がって寄り道すれば見れ
たようだ。
交差点を渡る前に振り返って見てみたら、やっぱり普通に見れた。
知らなかった。
調布方面へ向かって走るときは、いつも上り車線の方を走っていて、下り車線
でこの橋を大妻学院側から見たのは始めてだったからだ。
大妻学院前の交差点には、工事区間の始まりの看板が立っていた。
拡幅工事とのことなので、4車線化工事をしているのだと思う。
しばらく進むと、中央分離帯側にもアスファルトが敷かれているのが見えた。
新しく敷かれたものではないけれど、記憶に無い。
よく見ていなかっただけだろうか。
次の交差点から車道が4車線化した。
ついに、尾根幹線の完成区間に突入した。
左手には大和証券と三菱UFJ銀行の、立派なビルが立ち並んでいる。
自転車で走っている時に、特に意識したことは無かったけれど、こうしてゆっく
り見てみると、こんな自然いっぱいの場所には釣り合わない建物だと思った。
交差点で都道155号線にぶつかった。右に行くと京王堀之内方面へ出る。
左に行くと、兎道に化ける。
左の壁は東急ドライビングスクール。
上り線の方には、ヤマダ電機などの商業施設が立ち並んでいる。
道は今までのクネクネした線形とは打って変わって真っ直ぐのびている。
少し休憩しようと思って、歩道の横にあった公園に入ると、何故か鶏がいた。
調べてみると、2年前に上り車線側にある長池公園で彼(彼女?)の目撃情
報があった。
ベンチに座っておにぎりを食べていると、さっきの鶏が近づいてきた。
人懐っこい性格のようだ。
何か食べ物をあげようと思ったけれど、残念ながら鶏が食べれそうな食べ物を
持っていなかった。
10分ほど休憩して、鶏に別れの挨拶をし、道路に戻ってきた。
相変わらず平坦で、真っ直ぐ伸びた道だ。
少し寄り道することにした。
タマホームのモデルハウスの裏手辺りに、こんな風に車止めがあるにも関わ
らず、青看板が道を案内している場所がある。
実の所、私も良く分からないのだが、その車止めの先に伸びている道は尾根
幹線の上下線を結んでいる。
現在私が立っているのは、地図上のタマホーム多摩(支)と書いてある建物の
下のあたりだ。そこの線を追っていくと、上り線にぶつかる。
Uターンと言うか、引き返したりするための役割をもつ道だったのだろうか。
道にこんなものが落ちていた。
尾根幹線の上下線を跨ぐ陸橋の名前は、長池上小山田陸橋と言うらしい。
この名前でググってみて分かったことだけれど、なんでもこの道は、尾根幹線
が今の姿になる前からあった道なのだとか。所謂、旧道と言うものらしい。
陸橋の上から町田方面を向いて撮影。
この道の出口は写真右の合流の少し奥あたりに、柱が立っている辺りだ。
その柱にはこちら側と同様に青看板が設置されていた。
陸橋の向こう側を見ると、植物が道路のS字を浮き出していた。
下り線に戻ってきて、長池上小山田陸橋を下から見てみる。
逆光で分からなくなってしまっているが、欄干を最近塗り直したようで、きれい
になっていた。
写真に写っている鉄塔は、米軍の施設とのこと。
あれの保守用道路として、いまも使われているのかもしれない。
歩道はここで一旦、本線とおさらばすることになった。
交差点への坂の途中、歩道によりそうように道が走っている。
1990年の空撮写真を見たところ、写真の奥の方は尾根幹線の旧道部分で、
その旧道は先ほどの長池上小山田陸橋につながっていたらしい。
振り返って撮影。
写真の奥のカーブの道は、今は尾根幹線になってしまっているところで旧道に
Y字でつながっていたようだ。
坂を下りて、南多摩斎場前交差点にやってきた。
右側にある大きな高架は、尾根幹線の車道部分だ。
この坂は尾根幹下り線の最後の上り坂。
坂を上り終えるとさっき陸橋で見えたトンネルが間近に見えた。
小山長池トンネル。
このトンネルの上には尾根緑道と呼ばれる遊歩道がある。別名は「戦車道路」
。なんでも、戦時中に戦車などのテストコースとして作られたものなのだとか。
トンネルの銘盤。
トンネルの中に市境があった。と言うか、いつの間にか八王子市に入っていた
のらしい。
いつ越えたのか地図で調べたら、鶏がいたあの辺りだった。
トンネルを抜けると、多摩丘陵の向こう側の世界が広がっていた。
小山長池トンネル南交差点までくると、橋本の町が遠くに見えた。
都道158号線はここで終わっている。ここから先は、都道503号線の区間に入
る。
最後の交差点についた。
写真奥の道は、2014年に開通したばかりの区間。
この坂を下れば、尾根幹線の終点の交差点だ。
しかしここは、自動車専用区間なので私は交差点を左に曲がって旧道に入ら
なければいけない。
けっこうな勾配の下り坂で、一気に高度を下げていく。
S字カーブの先に、本線の高架が見えた。
本線は5%の勾配で緩やかに下る。
坂を下り終えると、終点の小山交差点が見えた。
交差点の先に、神奈川県相模原市の看板。100mも歩かないうちに神奈川県
に入れる。
終点に到着。
時間は16時30分。
矢野口駅からここまで、8時間歩き続けた。
尾根幹線の本線は、小山交差点より橋本側で町田街道にぶつかって終わっ
ていた。
神奈川県から小山交差点を望む。
久しぶりの尾根幹線を堪能できた。けれど、想像以上に疲れた。
自転車だと1時間程度で抜けられる上り下りが適度にある緑いっぱいの快走
路だったけれど、歩きだときつい。距離がありすぎる。
徒歩だと自転車ではスルーしがちな歩道橋からの景色をいたるところから楽
しめたのは良かった。
楽しいことは楽しいのだが、やっぱり自転車で来たいと思った。
それでは~
使用機材:Nikon D90 + AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6G VR
F9 ISO200 1/500秒 f=26mm
9月21日に、「尾根幹線」を歩いてきました。
2017年9月21日
私は東京の多摩西部「稲城市」にある矢野口駅へやってきた。
今日の私は府中市に住んでいた頃に毎日のように自転車で走っていた「尾根
幹線」へ1年ぶりに行こうとしていた。
今日は自転車を家に置いてきた。
過去に一度、今住んでいる場所から自転車で行こうとしたが、思いのほか距
離があり、現在の自分の体力とひざの具合では行けないことが分かったので
、そうすることにした。
輪行も考えたが、面倒だったのでこれもやめた。
それに、自転車では走ったことがあるけれど、徒歩で通り抜けたことは一度も
ない。自分にとって目新しいのはどちらかと言えば後者だ。
と言う訳で、今回は徒歩を選択した。
徒歩を選択したことにより、いつもよりゆっくりと景色や風景を見れるので、め
ったに行く事が出来なくなってしまった尾根幹線のそれを、カメラに収めてお持
ち帰りすることにした。
現在の時間は10時15分。
昨日の曇天とは打って変わった秋晴れの青空の下、私は1年ぶりに都道19号
「鶴川街道」の歩道の路盤へと足をつけた。
写真は北を向いて撮ったもの。
この奥には多摩川原橋(たまがわらばし)があり、その名の通り多摩川を跨い
で調布へと抜けている。この橋もなつかしいが今日はそちらの方へは行かな
い。
写真を一枚とって、すぐに写真左の方へと足を進めた。
1分たらずで矢野口交差点へ差し掛かった。
川崎街道とぶつかっているため、非常に交通量が多い。
写真右奥の方へ向かって行けば、名前の通りで、商業と工業の町である川崎
へと行く事ができる。浮島町公園へ行くときによく利用していた。
矢野口のあたりは、自分にとってなつかしい道ばかりで、ふらっと寄ってしまい
そうになるけれど、今日は尾根幹線を歩きに来たので、この道とはここでさよな
らした。
しばらく歩いていくと、道端に梨の直売店に「梨直売」と書かれた赤いのぼりが
立っているのを見つけた。
この道は川崎街道や調布へと向かう車が通るため非常に交通量が多い。
そのためか、稲城の特産品である梨の直売所が道に沿っていたるところにあ
る。
風物詩なのだ。
尾根幹線は自転車で走るととても気持ちが良い。程よい上り下りとカーブによ
るワインディングで構成されていて、病み付きになる楽しさだ。
遠く澄んだ空気と、相模の山々を遠くに見ながら走る尾根幹、桜色に染まる春
の尾根幹、汗をだらだらと流しながら走る緑に囲まれた夏の尾根幹。どれも良
いけれど、秋の乾いた涼しい空気を切りながら走る晴天の尾根幹は格別だ。
矢野口駅から10分ほど歩き、榎戸交差点の手前までやってきた。
ここを左に抜けると、遊園地「よみうりランド」や読売ジャイアンツの練習場に行
くことが出来る。ただ、そこまでたどり着くまでの道が心を折りにくる道で、きつ
い上り坂で一気に標高を上げるのだ。
多摩丘陵の地形を進む代表的なむ多摩丘陵的道路である。
私が今歩いている場所は丘陵の縁に沿って走っているので非常に平坦だ。
交差点で進行方向左手を見れば、すぐ近くに緑の丘の壁がそびえ立っていて
、丘陵の縁にいるのが良く分かった。
ここで尾根幹線がどのような道かを簡単におさらいしておこう。
南多摩尾根幹線は、東京と神奈川の間ににょきっとできた「おでき」のような多
摩丘陵を、その名の通り尾根の部分で超える幹線道路である。
簡単な地図に起こすとこうなる。
東は調布市、西は町田市に延びており、全長は16km以上にも及ぶ。
ぽんぽこ狸合戦で有名な多摩ニュータウン計画で建設された道路であり、道路
の北側に沿うように、団地や住宅地が立ち並ぶ。
道は多摩丘陵の上にあるので、嫌が応でも丘陵の縁の急峻な地形の影響を
受けると言う事だ。
今まで遠くに見えていた緑のこんもりした地形が、すぐ目の前に迫ってきた。
とうとう、丘陵の縁に当った。
坂に入る手前の稲城福祉センター入口交差点で、いままで歩いてきた「鶴川
街道」とはお別れだ。この道はこの後、尾根幹線に沿った谷を走り、若葉台に
ある京王相模原線の黒川駅辺りから進路を南に変え、小田急線の鶴川駅方
面へと抜ける。
ついに多摩丘陵の縁に当る稲城1中南交差点にやってきた。
写真中心の中央分離帯の歩道部分に看板が立っているので行って見ることに
した。
そこから進行方向を見た景色がこの写真。
いかにも人工的に整備された木々と、まるで芝生のような中央分離帯の緑が、
都市らしい雰囲気をかもちだしていた。
普段は自転車で走っていて、この辺りはただの通過点としか見ていなかった
ため、ここに立ったのは初めてだった。感想としては、大きな中央分離帯と、
2車線分もありそうな幅の片側一車線道路が目の前の左右に広がる様が、
なんとも尾根幹線らしい景色だと思った。
写真では伝わりにくいが、実際に行って見ると、もう少しキツイ坂のように感じる
。
「危ない徐行」
とあるが、ここは上り坂である。たしかにこの坂を上り終えた場所には交差点が
あるので、徐行はすべきなのだが、看板に書かれたシンボルを見る限り、自転
車向けに出された看板のように感じる。自転車はこちら側の道では、歩道側を
下ってくることが多いはず。なのでこの看板は逆に向けるべきでは・・・?
なんて思いながらふと上を見ると、木々の葉っぱが少し色づき始めていた。
自転車だと結構きつく感じる坂だったけれど、徒歩だとそんなでもなかった。
実を言うと、尾根幹線の坂はこの辺りではゆったりまったりとしたもの。比較
的上りやすい道なのだ。
一つ目の坂を上りきると、竪谷戸大橋(たてやとおおはし)交差点に差し掛かっ
た。
後を振り返ると、なんとスカイツリーが見えた。
空気が澄んでいる時は新宿が見えると言う事は知っていたけれど、まさかもっ
と東寄りのスカイツリーまで見えるとはしらなんだ。
もしかすると、今日はツイているのかもしれない・・・?
ウキウキ気分で横断歩道を渡り、交差点の名前になった竪谷戸大橋を渡り始
める。すると左手に、異様に大きな送電線の鉄塔が見えた。
ゲタを履いている。
そのせいで余計に大きく見えたようだ。
手前に見える線路は、府中本町と梶ヶ谷貨物ターミナルを結ぶJRの貨物線で
ある。
橋からトンネルをのぞいていたら、線路に光が反射していた。まさかと思って
カメラを構えていたら、列車が通り過ぎていった。
今日は本当に運が良い。
ゲタのアップ。
不思議ではないのかもしれないけれど、私は何故か、不思議に感じた。
なんと言うか、いつもは地上についている土台の部分がそのまま露出している
ように見えるのだ。
橋を渡りきり、少しだけ坂を上ると次の交差点に差し掛かった。
稲城5中交差点。
中央分離帯を超えて、反対車線の横に出ている右折用のレーン、そして道の
上にかかる歩道橋。尾根幹線らしい構造物がそろっていた。
先ほどの写真に写っていた歩道橋のところまでやってきた。
折角なので、上ってみることにした。
両方の岸には住宅街が広がっていた。
橋の上から、調布方面をのぞく。
残念ながら先ほど見えていたスカイツリーは木々に隠されて見えなくなってしま
っているが、眺めはとても良い。
反対側を向くと、中央分離帯の原っぱの先に、また歩道橋が見えた。
しかもそこまでずーっと上りだ。かれこれ1kmは上りっぱなし。緩やかに上って
いる分、距離があるのだ。自転車より負荷が少ない徒歩とは言え、流石に足が
疲れてきた。
歩道橋を降りて、さっきの景色の少し奥に見えた向陽台小学校南交差点にた
どりついた。
右手におしゃれな集合住宅が現われた。
地図で調べると「みはらしの家」と言う建物で、写真に写っているのは何棟かあ
るうちの一つ(B棟)のようだ。
尾根幹線はまだ上る。
奥の方に見える橋も、歩道橋で「くじら橋」と言う。
この橋は何回も渡ったことがあるけれど、橋の上の景色はいつ見ても気持ち
が良い。
広い道幅、程よく見える公園の緑と街の風景。そして、見上げれば空しかな
い。とにかく開けていて、さっぱりとした景色なのである。
特に今日は、秋晴れのカラッとした天気。サイコーの景色だった。
橋の袂にはこのような石碑が立っていた。
初めて見たわけではないが、こうして写真に収めたり、本文を読むのは初めて
。石碑の石材のモザイク柄のせいで、写真では見づらいため文字に起こして
みた。
「土木学会田中賞について
土木学会田中賞は、東大名誉教授 田中 豊
博士のご功績を記念して昭和41年に設けら
れたものです
この賞は橋梁とそれに関連する構造物で、
計画・設計・施行・美観などの面においてす
ぐれた技術と特色を有すると認められた作品
に授与され、その年度の日本を代表するもの
として位置づけられています。
当「くじら橋」は、平成9年度の土木学会
田中賞を受賞いたしました。
稲 城 市
住宅・都市整備公団東京支社
多摩ニュータウン事業本部 」
田中豊と言う人がどう言う人でどんなご功績を残した方かは分からないけれ
、とかくこのくじら橋は、日本の土木学会が認めた、由緒ある歩道橋と言うこ
とは分かった。
橋から降りて、再び尾根幹線にやってきた。
ここは稲城中央公園交差点。
交差点をすぎると、再び上り坂だ。
ここの坂は今までのより、少し勾配がきつい。
坂の途中、こんな看板に出会った。
長峰杜の1番街と2番街とは、団地の名前のこと。そしてUR都市機構とは、
この団地の大家さんである。多摩ニュータウンにある団地の殆どが、このUR
都市機構の持ち物だ。
坂を上りきった。
自転車で来た時に、この電話ボックスを見て一息つけたことを思い出した。
ここから中央分離帯が一旦消える。
尾根幹線はきちんと開通しているが未完成の道で、本来は4車線道路になっ
ているはずだったのだ。そして、緑が生い茂る中央分離帯は、計画上では道
路になる予定の土地だった。そして尾根幹線には、多摩カントリークラブあた
りにトンネルを掘る計画が存在している。ちょうどこの辺りだ。
今立っている場所には中央分離帯が無い。つまり、もう道が広げられない。
と言う事は、ちょうど今さっき上ってきた坂の中央分離帯に、入り口が作られる
のではないかと考えられる。
2車線のままの尾根幹線を西へ進んでいくと、下り坂に差し掛かった。
ここから見える景色も良い。
冬の夜は特にマンションと鉄塔の灯りがきれいだったことを覚えている。
赤と白で塗られた送電線の鉄塔。
他の鉄塔はメッキむき出しのシルバーなのだけれど、このひとつだけは、なぜ
か赤と白で塗られていた。なんでも航空法で定められた一定の条件を超える
と、こうしなければいけないらしい。
確かに多摩丘陵の周りには、調布飛行場、横田基地、厚木基地、立川基地の
4つの飛行場があって、そしてそこから飛んできた飛行機が飛んでいるのを、
今日の散歩(?)中にも何回か見た。
長峰2町目交差点を渡り、多摩丘陵の中心に向かって歩きだした。
途中、稲城長峰ヴェルディフィールドなる施設の横を通った。
稲城は東京ヴェルディのホームタウン。こう言った練習施設が結構あって、
有名な選手を見ることもたまにあるらしい。
道は、幅広の片側一車線のまましばらく続く。
自転車ではさーっと抜けられる距離だけれど、歩きだと少し時間を要した。
若葉台公園の近くに来ると、道は大きく右へカーブし、坂を上り始めた。
カーブの途中の写真。
電話ボックスの奥に見える柵のようなものは、歩道橋である。
橋の下に、銘盤があった。
橋の名前が「歩道橋」になっている。
本当にそうなのだろうか。そう思って、とりあえずこの歩道橋の上に登ってみる
ことにした。
歩道橋へとつながる坂を上って出た景色を見て、思わず笑みがこぼれてしま
った。なぜか橋の上に緑の中央分離帯が用意されているのだ。さらに、右折
専用レーンまで作られている。尾根幹線にかかる橋だから、こう言うデザイン
にしたのかどうかは分からないが、そうであったとしたら、この橋を設計した
デザイナーは茶目っ気の聞いた人なのかもしれない。
欄干の柵に取り付けられた名盤には「若葉台公園中央橋」と書かれていた。
下に取り付けられた銘盤とは違ってしまっている。どちらが正式名称なのだろ
う・・・?
橋の上から尾根幹線を見下ろす。
若葉台公園の横を抜けて、次の上り坂へと挑んでいく車たちが見えた。
今見えているあの坂は、尾根幹線を自転車で走ったとき、一番ツライ上り坂
だったことを覚えている。
橋の反対側には若葉台の戸建ての宅地と山々が広がっていた。
左の方に見える四角い建物は駒沢女子大学とその付属高校である。
道を背に若葉台中央公園を望む。
きれいに整備された芝生と歩道が谷底へと伸びている。
ここはやっぱり「尾根」なのだなと思った。
道に戻ってきた。
カーブが終わって、交差点を超えたら、あのキツイ上り坂が待っている。
上り坂に差し掛かった所。思ったとおり、今日は徒歩なのでそこまできつくな
い。でも負荷は感じる。
進行方向左手には若葉台パークヒルズの建物が見え始めた。
私のような貧乏人には無縁なマンションであるが、こんな良い所に住めたらと
想像すると、上り坂で折られそうになった心が少しだけ元気になってくる。
車道を走る車はエンジンを唸らせながら進んで行った。
京王バスのパークヒルズ北停留所付近にも歩道橋があった。
が、歩道橋から見えるだいたいの景色が、今まで上ってきた坂を振り返った
時に予想できてしまい、面倒なのでスルーして通った。
橋の「腹部」は、くじら橋ににたツルツルのコンクリートで固められていた。
おそらく、意識したものなのだろう。
宅地の造成をしていた。
1年前には無かったかもしれない。
坂を200mほど上るとカーブに差し掛かった。
しかしこの先も坂は続く。
しかもちょっぴり長い。
頂上までの距離が見通せない、まさに初見殺しの坂。
坂を上りきると、長い下り坂と大きな橋が待っていた。
そして、中央分離帯が復活した。
この橋は歩道橋ではない。
都道137号線の坂浜聖ヶ丘橋という陸橋だ。
この道を写真右手に進んでいくと、ロケ地で有名なゆうひの丘に行く事が出来
る。もっと進めば、連光寺坂上交差点で、今日最初に交差した川崎街道に当
り、「耳をすませば」で有名な聖蹟桜ヶ丘までいける。
左手に進めば、若葉台へと行ける。
橋の上へとやってきた。
別にここに来る必要は無かったのだが、今日は天気が良いので景色を堪能
しにわざわざ寄り道してみた。
背丈ほどある柵から顔を出し、カメラを構えて撮影した。
時間が少し悪かったか、すこし逆光気味ではあるが、多摩センターと、相模の
山々まで見る事が出来た。
先ほどまで跡形もなくなっていた中央分離帯が、この橋の下で広さを取り戻し
ている。きっとトンネルの出口はその辺りになるのだろう。
階段を下りて、尾根幹線に戻ってきた。
長い下り坂が、次の交差点まで続いていた。
勾配はさっき登ってきた初見殺しの坂よりも緩い。
尾根幹線って実はツンデレなのでは?
何故かと言うと、町田側の坂の方が全体的に勾配が緩いのだ。
稲城から相模原へと抜けるルートはツンデレの「ツン」。
相模原から稲城へと抜けるルートはデレ期。
だから「あ、今日はちょっと厳しくして欲しいな」って時は、稲城から相模原へ
と走り抜けて、「今日は優しくしてね」って時は逆に走りぬけると。
で、ツンデレを味わいたいときは稲城―相模原―稲城と言ったルートで帰っ
てくる。そうするとまるでツンデレヒロインを攻略し終えてデレ期に入ったみた
いな感じになるのだ。
・・・はい。ばかですね。
閑話休題。
多摩東公園交差点。
青看板を見て分かるとおり、ここで都道19号とはお別れ。
桜ヶ丘方面からやってきた都道18号がバトンタッチして尾根幹線に。
この記事を書いている時に地図を見て分かったことだけれども、どうやら稲城
市とも坂浜聖ヶ丘橋の辺りでさよならしていて、今私が立っているこの場所は、
多摩市になるようだ。
交差点から、また歩道橋が見えた。
「弓の橋」と言うらしい。
横から見て、名前の由来が分かった気がした。
この橋の辺りから、道の景色が大きく変わってくる。
いままで進行方向の左手には住宅地があったが、それはなくなる。
その代わりに森林公園とその遊歩道が、弓の橋のある丘の上広場公園から
肩を並べて歩き出す。
その入り口が写真の中央にある道である。
そして今まで同じ高さにあった上下線の道路に高度差がついた。
下り線の多摩市陸上競技場の入り口につながる道。
陸上競技場は下り線より低い高度にある上り線側にあるため、中央分離帯を
越えなければならない。なので下っているのだ。
しばらくすると、上り線と下り線が同高度になり合流した。
そして上り線の歩道が切れた。
これには理由があった。
実はこの上り線の歩道、と言うよりも本来上り線になるべきだった道路が、くず
が生い茂る中央分離帯の奥にあり、それが歩道として供用されている。
上り線の歩道は、車が走る上り線の道路とは別に存在しているのだ。
いままで1.5車線もありそうな幅の道が、見事に大型トラック一台分幅の2車
線道路になっている。本来、車道になるはずだった道を歩道として使ったしわ
寄せだ。
進行方向左手に、建物が見えてきた。
エコプラザ多摩前交差点手前に、「かっくんと」曲がった線を描く青看板が現わ
れた。
写真では見づらいが、永山駅方面に行く道は、先ほどの青看板と同じように、
「かっくん」と曲がっていた。
地図を見たところ、より分かりやすかったので、載せて置く。
現在私が立っている場所は、交差点と横にある建物の間で、永山駅は、地図
の上の方にある。
先ほど言った上り線の歩道についても、この地図を見ると分かっていただける
はずだ。
交差点を過ぎると、道は少し上った後、カーブを描いて下り坂になった。
下り坂の後に上り坂とカーブが続いている。
こう言う道は幹線と言うよりも、走りを楽しむための道だと私は思う。
自動車にとっては楽しい道だけれど、大型トラックにはとても厳しい道だ。
給食センター前交差点。
右側に見える建物は東京都立永山高等学校である。
このまま右に折れれば、団地の近代的なデザインで規格化された建物が建ち
ならぶ多摩ニュータウンらしい景色を見る事が出来る。
交差点を過ぎたあたりから、道は再び上下線で分離した。
誤侵入防止のための通行止めの標識が3つも立ち並んでいた。
国士舘大学の前あたりの道は、歩道と車道の間に、ガードレールでもう一つ
レーンが設けられている。
自転車通学する学生たちへの配慮なのだろうか。
国士舘大学の門の前までやってきた。
横断歩道の先に階段がある。
自転車で来ていたころから興味があったが、学校の前と言う事があって、ス
ルーしていた。でも今日は徒歩なので、自転車をどこかに放置する必要が無い
。行ってみることにした。
相模原方面。右手に見える路面が上り線だ。
こうしてみると結構な高度差があるのが分かる。
こちらは稲城方面。
写真の真ん中にあるのが、通行止めが3つもあった上下線の分離地点。
左の方の道へ行っても、給食センター前交差点に出る。
戻ってきた。
中央分離帯だけでなく、道路をまたぐ歩道もでてきて、実に尾根幹線らしい風
景だ。
都道18号線とは次の交差点でお別れ。
そして、都道156号線の支線が尾根幹線となる。
多摩卸売市場前交差点。
交差している鎌倉街道は4車線道路で、非常に交通量が多い。
鎌倉街道は、尾根幹線と同じく町田・相模原方面へと向かう道だが、もっと東寄
りの町田駅の近くに出る。町田市の中心に近いのはどちらかと言えば鎌倉街
道。尾根幹線は町田市内に出るとは言え、実情は相模原市に出る道だ。
交差点を過ぎて上り坂に差し掛かると、さっきまで遠くに見えていた歩道橋が
近くにあった。
この橋は、くじら橋のようにはなっていなかった。
上の写真は橋の上から多摩卸売市場前交差点を見た図だ。
いずれはここも4車線化されるのだろうが、そうなるとその道はこの景色の中
のどこに作られるのだろう。
もしだけれど、高架の4車線道路を中央分離帯に作るとしたら、その道はきっ
とこの歩道橋の上を通ることになるだろうから、その時はこの景色は見る事が
出来なくなるのかもしれない。
振り返って、町田方面を見た写真。
何故かここの盛り土部分だけが、除草剤を使って雑草を枯らせていた。
もしかすると、近い時期に工事が始まるのかもしれない。
道路へと戻ってきた。
ふと右を見ると、中央分離帯に、木が一本生えているのが見えた。
いずれ道路にするはずの土地に、こんなに立派に育つ木をわざわざ植えると
は考えられない。自然を残して欲しいと願った狸の仕業なのかもしれない。
道を進んでいくと、交差点の左へ行く道が途切れた青看板が現われた。
その青看板は恵泉女学園前交差点を指していた。
この交差点にはちょっと突っ込みどころがあった。
まず、青看板では左が途切れていたが、信号には御丁寧にも左折用の信号が。
そして、交差点の前にあるのは恵泉女学園ではなく、明大中野の文字。
恵泉女学園はこの奥の方にあるのだ。
と言っても、これには理由があった。
まず明大中野の方であるが、これは学校がここにあるのではなく、学校が校外
に取得したグラウンドらしい。学校の硬式ホームページによると2011年に取得
とのこと。
恵泉女学園の方が先にこの土地に立っていたので、交差点の名前がこうなっ
たのだと考えられる。
そして、青看板の方。
実を言うと、ここを左折しても都道156号なのだが、とても道幅が狭い。
その道の方たちには知られた「兎道」のようで。
なお、そちらへ行かない道もあるけれど、そっちはこの先で尾根幹線に交差
して終わるので、案内する意味が無いのだと考えられる。
地図の方が分かりやすいので、載せて置く。
恵泉女学園前交差点で進行方向右を見ると、すこし古くさい団地の建物が見
え始めた。
道路の右側には団地が続いていた。
上り坂を越えたあたり、また歩道橋があった。
南野スカイブリッジと言うらしい。今回は上がらなかった。
今まで緑の木々だけだった道の左側面に、再び人の住処が現われ始めた。
道は、交差点のあと、上って下って、交差点と、リズムを刻んでいる。
尾根幹線のリズムと言ったところだろうか。
そう言うところが、また楽しい。
交差点の青看板には左折しても都道156号であることが書いてある。
先ほどの地図を見れば、この標識が指す意味を理解しやすいと思う。
道路の右側には団地が立ち並んでいるため、このような案内になっているよう
だ。
南豊ヶ丘フィールド交差点に着いた。
ここでまた歩道と車道の間に謎のレーンが現われた。
ただ、この交差点の形を見る限り、あれは自転車用に用意されたレーンのよ
うだ。
交差点を渡ると、左側に公園の入り口があった。
一本杉公園と言うらしい。
道は例に沿って坂を上りはじめた。
頂上のあたりに、また歩道橋があった。
橋塔を持った立派な橋なのだが、名盤がはがされていて、名前が分からなか
った。
道に戻り次の交差点「小野配水場前交差点」へやってきた。
中央分離帯が小さい。
多摩ニュータウンの中心街である「多摩センター」を指す青看板が現われた。
左折が大型車進入禁止なのは、すぐさま1車線の狭い道になるためである。
なお、ここで都道156号線とはお別れだ。
併走する多摩ニュータウン通りと同じ、都道158号線が尾根幹線を兼業する
ことになる。
ここは多摩南野交差点。写真奥へ行けば、さっきの青看板の通り多摩センタ
ー駅周辺に出る。そこから先、道は多摩モノレールに沿って立川駅まで続い
ている。
写真には写っていないけれど、交差点の周りにはレストランなどの商業施設が
立ち並んでいた。
交差点を過ぎると、緩やかな下り坂が続いていた。
久しぶりに歩道が現われた。
鶴乃橋(つるのはし)と言うらしい。
名前の由来は良く分からなかった。
橋の上から町田方向を望む。
右側は団地や住宅地、左側はゴルフ場、そして会社の倉庫やビルが建ち並ぶ
景色が続いていた。
中央分離帯では、雑草の刈り取り作業が行われていた。
定期的にこう言った整備が行われているようだ。
道に戻ると、ゆったりとした上り坂が待っていた。
ここから唐木田までは、ゆったりまったりとした下り坂が続いた。
また、遠くに見える相模の山々が、坂浜聖ヶ丘橋のあたりより、大きくよりはっ
きり見えるようになってきた。
歩道の雰囲気が良い。
車道側に大きな建物が無いので、晴れた日は木漏れ日がとても心地よい場所
だ。今日は曇ってきてしまったけれども。
道は相変わらずゆったりまったりと下っている。
多摩ニュータウンを象徴する団地の建物をバックに、また歩道橋が現われた。
橋の団地側はY字なっていた。
坂の終わりが見えてきた。
多摩市総合福祉センター前交差点についた。
この交差点を右に曲がれば小田急多摩線の唐木田駅につく。
後を振り向くと、交差点の名前の通りの建物があった。
横断歩道を渡ったあとは上り坂が続く。
坂は途中から橋に変わった。
唐木田大橋だ。
前述の通り、私はこの尾根幹線を毎日のように自転車で通っていた。
なので、ある程度の風景は今日歩く前に知っていた。
だが、この唐木田大橋には、私がまだ見た事がない景色が存在している。
実はこの橋の下は小田急線の車庫になっているのだが、橋からの落下物を考
慮してか、人の背より高いアクリルの壁が欄干に取り付けられていて、それを
見ることが出来ないのだ。
自転車で立ち乗りしても、降りて背伸びしても、見る事が出来なかった車庫。
しかし今日は、カメラがある。
カメラのレンズがアクリルの壁を越えてしまえばいい。
手を頭の上に伸ばして、カメラを下に向ければ、それが見れる。
しかし、これを行うには少しリスクがあった。
人の目があって、正直な所、恥ずかしいのである。
で、撮れたのがこちら。
おー、並んでる並んでる。
けれど、写真の上の方を見ると・・・
わざわざ、こんなことしなくても、次の交差点を左に曲がって寄り道すれば見れ
たようだ。
交差点を渡る前に振り返って見てみたら、やっぱり普通に見れた。
知らなかった。
調布方面へ向かって走るときは、いつも上り車線の方を走っていて、下り車線
でこの橋を大妻学院側から見たのは始めてだったからだ。
大妻学院前の交差点には、工事区間の始まりの看板が立っていた。
拡幅工事とのことなので、4車線化工事をしているのだと思う。
しばらく進むと、中央分離帯側にもアスファルトが敷かれているのが見えた。
新しく敷かれたものではないけれど、記憶に無い。
よく見ていなかっただけだろうか。
次の交差点から車道が4車線化した。
ついに、尾根幹線の完成区間に突入した。
左手には大和証券と三菱UFJ銀行の、立派なビルが立ち並んでいる。
自転車で走っている時に、特に意識したことは無かったけれど、こうしてゆっく
り見てみると、こんな自然いっぱいの場所には釣り合わない建物だと思った。
交差点で都道155号線にぶつかった。右に行くと京王堀之内方面へ出る。
左に行くと、兎道に化ける。
左の壁は東急ドライビングスクール。
上り線の方には、ヤマダ電機などの商業施設が立ち並んでいる。
道は今までのクネクネした線形とは打って変わって真っ直ぐのびている。
少し休憩しようと思って、歩道の横にあった公園に入ると、何故か鶏がいた。
調べてみると、2年前に上り車線側にある長池公園で彼(彼女?)の目撃情
報があった。
ベンチに座っておにぎりを食べていると、さっきの鶏が近づいてきた。
人懐っこい性格のようだ。
何か食べ物をあげようと思ったけれど、残念ながら鶏が食べれそうな食べ物を
持っていなかった。
10分ほど休憩して、鶏に別れの挨拶をし、道路に戻ってきた。
相変わらず平坦で、真っ直ぐ伸びた道だ。
少し寄り道することにした。
タマホームのモデルハウスの裏手辺りに、こんな風に車止めがあるにも関わ
らず、青看板が道を案内している場所がある。
実の所、私も良く分からないのだが、その車止めの先に伸びている道は尾根
幹線の上下線を結んでいる。
現在私が立っているのは、地図上のタマホーム多摩(支)と書いてある建物の
下のあたりだ。そこの線を追っていくと、上り線にぶつかる。
Uターンと言うか、引き返したりするための役割をもつ道だったのだろうか。
道にこんなものが落ちていた。
尾根幹線の上下線を跨ぐ陸橋の名前は、長池上小山田陸橋と言うらしい。
この名前でググってみて分かったことだけれど、なんでもこの道は、尾根幹線
が今の姿になる前からあった道なのだとか。所謂、旧道と言うものらしい。
陸橋の上から町田方面を向いて撮影。
この道の出口は写真右の合流の少し奥あたりに、柱が立っている辺りだ。
その柱にはこちら側と同様に青看板が設置されていた。
陸橋の向こう側を見ると、植物が道路のS字を浮き出していた。
下り線に戻ってきて、長池上小山田陸橋を下から見てみる。
逆光で分からなくなってしまっているが、欄干を最近塗り直したようで、きれい
になっていた。
写真に写っている鉄塔は、米軍の施設とのこと。
あれの保守用道路として、いまも使われているのかもしれない。
歩道はここで一旦、本線とおさらばすることになった。
交差点への坂の途中、歩道によりそうように道が走っている。
1990年の空撮写真を見たところ、写真の奥の方は尾根幹線の旧道部分で、
その旧道は先ほどの長池上小山田陸橋につながっていたらしい。
振り返って撮影。
写真の奥のカーブの道は、今は尾根幹線になってしまっているところで旧道に
Y字でつながっていたようだ。
坂を下りて、南多摩斎場前交差点にやってきた。
右側にある大きな高架は、尾根幹線の車道部分だ。
この坂は尾根幹下り線の最後の上り坂。
坂を上り終えるとさっき陸橋で見えたトンネルが間近に見えた。
小山長池トンネル。
このトンネルの上には尾根緑道と呼ばれる遊歩道がある。別名は「戦車道路」
。なんでも、戦時中に戦車などのテストコースとして作られたものなのだとか。
トンネルの銘盤。
トンネルの中に市境があった。と言うか、いつの間にか八王子市に入っていた
のらしい。
いつ越えたのか地図で調べたら、鶏がいたあの辺りだった。
トンネルを抜けると、多摩丘陵の向こう側の世界が広がっていた。
小山長池トンネル南交差点までくると、橋本の町が遠くに見えた。
都道158号線はここで終わっている。ここから先は、都道503号線の区間に入
る。
最後の交差点についた。
写真奥の道は、2014年に開通したばかりの区間。
この坂を下れば、尾根幹線の終点の交差点だ。
しかしここは、自動車専用区間なので私は交差点を左に曲がって旧道に入ら
なければいけない。
けっこうな勾配の下り坂で、一気に高度を下げていく。
S字カーブの先に、本線の高架が見えた。
本線は5%の勾配で緩やかに下る。
坂を下り終えると、終点の小山交差点が見えた。
交差点の先に、神奈川県相模原市の看板。100mも歩かないうちに神奈川県
に入れる。
終点に到着。
時間は16時30分。
矢野口駅からここまで、8時間歩き続けた。
尾根幹線の本線は、小山交差点より橋本側で町田街道にぶつかって終わっ
ていた。
神奈川県から小山交差点を望む。
久しぶりの尾根幹線を堪能できた。けれど、想像以上に疲れた。
自転車だと1時間程度で抜けられる上り下りが適度にある緑いっぱいの快走
路だったけれど、歩きだときつい。距離がありすぎる。
徒歩だと自転車ではスルーしがちな歩道橋からの景色をいたるところから楽
しめたのは良かった。
楽しいことは楽しいのだが、やっぱり自転車で来たいと思った。
それでは~