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「描く」仕事の現場から

イラストレーター兼デザイナー兼ディレクターTETSUの独り言

「描く」ことからはじまる。

2005å¹´04月06æ—¥ | â– ãƒ–レストの現場
全てのクリエイティブと呼ばれる作業は
「描く」ことからはじまる。

本当は、「描く」ために「(想い)えがく」ことから
はじまるというのが正確だ。

デザイナーさんが描かないというのをよく聞く。
オペレーター化していることに対しての
嘆きなのだが、
もう、ここ10年、多くの現場がそうなっていた。

でも少し、変わってきている気がする。
「描く」人が増えてきた気がする。

ここで言う「描く」は上手く描くことでは一概にない。
おもっていることをぶれずに伝えるには
文章だけではむずかしい。そのための
手段として、「描く」のだ。
極論すれば、○×△でもいい。
それでも、描いてコミュニケーションした方が早い。

「描く」ことは、その人が思い描けることを如実に反映する。
具体的に描けるということは
それだけ、具体的にイメージしているということであり、
逆に、あるイメージに縛られているということでもある。

いちど「描いて」出してもらえば、
他の人とのイメージの擦り合わせや
様々な戦略的なブレストがそれに対して
行えるのである。

クリエイティブは以前に創造工学の項目で書いたが、
「広げて」から「絞る」作業の繰り返しの中で、
より「練っていく」ものだ。

そのスタート地点として、
クリエイティブに携わる限り、
「描く」ことからはじめるべきである。


創造工学概論(その2)

2005å¹´03月23æ—¥ | â– ãƒ–レストの現場
その1で述べたような7段階を土台にして、
製品の計画から実施にいたるまでの段階を
4段階に分けたのが添付の図のような考え方である。

ここで大切なことは、
各段階の間に「節」があること。
その「節」ではそれ以前に拡散した
データを集束していることである。

「集束→拡散」はアイデアを広げる作業で
「拡散→集束」は決断的な作業になる。

これは、ある側面、
弁証法的な考え方ともいえる。

一度集束して作ったテーゼを
また新たな検証によって拡散した
アンチテーゼによってより強いものへと
メタモルフォゼしていく。

■計画段階(認識→解析→公式化→)
■アイデア段階(→展開→検討→評価→)
■提出段階(→総合→提示→評価→)
■仕様段階(→仕様→実施)

このとき重要なのは、
「計画段階」のタイミングで
これをはずすと意味がなくなる。

プロダクツに限らず、グラフィックに於いても
こういう考え方は、日常のアイデアのブレストの中でも
わりと普通に行われている。

今がアイデアを拡散する時なのか
集束する時なのかを意識しながら
ブレスト出来るようになっていくと
物事がより高いレベルで
まとまっていくことになる。

創造工学概論(その1)

2005å¹´03月22æ—¥ | â– ãƒ–レストの現場
プロセスを標準化していく原形の一つに
創造工学(Creative Engineering)がある。
これは、ハロルド・R・ビュール(カリフォルニア大学
・設計技術教授/当時)らが提唱したものであるが

ビュールは
「デザイナーとは古い問題に新しい解答を与える人間達であり、
これは問題に対する挑戦である。」として、以下のような
7段階を挙げる。

この7段階は問題認識から
そのアイデアを統合して提案するまでについて、
整然と段階を追って明確な設計プロセスを提示していることから、
「科学的追求法」とも呼ばれている。

1.認識する  問題解決にあたって、一般状況または混乱を認識することによって
       問題自体の入念な研究を行う。
2.定義する  問題の中から、不必要なものを消し、ここの特性も加えて、
       言葉や記号によって明確に公式化する
3.準備する  問題解決の潜在的要素を集める。情報の全容を掴む。
4.分析する  情報を分類し,特性を列記,全体の問題に対する寄与の度合いをきめる。
5.統合する  様々な特性およびアイデアを今の問題と連合させる。
       連合促進のための技術を使う。連合の過程は常に意識的思考に
       結びついているものではなく、「ひらめき」からしばしば
       解決策を見いだす。
6.評価する  各種の解決を秤にかけ、決定または選択する。
       評価のために多くのシステムが用いられる。
7.提出する  アイデアの売込み。アイデアまたは問題解決は誰かに売れない以上
       あまり意味のあるものとは言えない。

全体的には理論的に段階をふむのだが、
総合する段階では「ひらめき(Incubation)」も大切である。

脳のブラックボックス的な働きを
表立ってやってみるとでも言おうか。

(つづく)