昨年末から今年にかけて、自宅のメインPCをWindowsXPからUbuntu9.10に移行しました。最大の目的はとあるツールの導入にあるのですが、これについては次の記事で。
WindowsはOS自体に魅力が無くとも、有志による優れたフリーソフトによって使い勝手のよい環境が実現できるので、他OSへの移行はなかなか面倒なものです。
私自身まだ完全にWindowsの時の水準まで環境を整備しきれたわけではありませんが、とりあえず今回は移行の際のいくつかのポイントを覚え書きとしてまとめておきます。
Ubuntuのインストール
Ubuntuを使い始めるに当たり、Windowsの環境を丸々上書きしてしまう必要はありません。専用HDDを用意してデュアルブート可能にするのがお勧めです。
この際のインストール方法は以下のページが参考になります。(手順を誤るとWindowsのMBRが上書きされてしまうのでご注意を)
記事の中でも紹介されているHDD切替器を購入し、スイッチを回すだけでWindowsとUbuntuの起動を切り替えられるようにしました。
Ubuntu環境整備メモ
インストール後、特になにも変更しなくても使えますが、気になったところをちょこっと直します。
IPV6の無効化
DNSの名前解決が遅い場合、この設定で解決することがあります。
$ sudo gedit /etc/sysctl.conf
net.ipv6.conf.all.disable_ipv6=1
起動音の無効化
ログイン画面で鳴る太鼓の音がうるさいのでおとなしくします。
$ cd /usr/share/sounds/ubuntu/stereo
$ sudo ln -s button-toggle-off.ogg system-ready.ogg
ログイン後の起動音は次の方法で無効化できます。
システム→設定→自動起動するアプリ→Gnome login sound→無効化
その他
自動的に時計合わせするよう設定。(ちなみに、カレンダーは月曜始まりに変更可能)
システム→システム管理→時刻と日付の設定→インターネット上のサーバと同期させる
外観の設定。
システム→設定→外観の設定→「外観」タブ
メニューの中にアイコンを表示する→有効化
ツールバーのスタイル→アイコンのみ
ターミナル環境の整備
vim,zshをインストール。(gvimを使う場合はvim-gnomeをインストール)
$ sudo apt-get install vim
$ sudo apt-get install zsh
デスクトップ右クリックでターミナルを開けるように。
$ sudo apt-get install nautilus-open-terminal
manを日本語化。
$ sudo apt-get install manpages-ja
Ubuntuシステムフォントの設定
Ubuntu日本語Remix版の標準フォントはVLゴシックのようですが、無駄に文字間隔が広いのが気になるので変更しました。フォントのインストール方法については以下の記事で紹介されています。
以下は今回フォントを探すにあたり参考にしたページ。
- Ubuntuをインストールした直後に行う設定(9.10 Karmic Koala編) - フォントを追加する
- フリーフォント - Wikipedia
- FreeFonts - Linux on the Desktop
使用したいフォントを~/.fontsにコピーしたら、次の手順で反映します。
$ fc-cache -f -v
$ cp /etc/fonts/conf.avail/69-language-selector-ja-jp.conf ~/.fonts.conf
$ vim ~/.fonts.conf
<fontconfig>
<match target="pattern">
<test qual="any" name="family">
<string>sans-serif</string>
</test>
<edit name="family" mode="prepend" binding="strong">
<string>UmePlus P Gothic</string>
<string>Meguri P</string>
<string>IPAPGothic</string>
<string>VL PGothic</string>
</edit>
</match>
<match target="pattern">
<test qual="any" name="family">
<string>serif</string>
</test>
<edit name="family" mode="prepend" binding="strong">
<string>Ume P Mincho</string>
<string>IPAPMincho</string>
<string>Sazanami Mincho</string>
</edit>
</match>
<match target="pattern">
<test qual="any" name="family">
<string>monospace</string>
</test>
<edit name="family" mode="prepend" binding="strong">
<string>UmePlus Gothic</string>
<string>Meguri</string>
<string>IPAGothic</string>
<string>VL Gothic</string>
</edit>
</match>
</fontconfig>
Windowsで使っていたフリーソフトの代替
Windows時代に使っていたソフトに対して、Ubuntuで同等機能を実現するためのソフトを探してみました。
ブラウザ(Firefox→Firefox)
ブラウザはFirefoxを使っていたので、Ubuntuにも標準でインストールされており特に問題無し。FlashやPDFを開けるようにするには以下のインストールが必要です。
$ sudo apt-get install flashplugin-installer
$ sudo apt-get install adobereader-jpn
メーラー(Becky→Gmail)
メーラーはクライアントソフトを使用せず、この機会にGmailに集約しました。Firefox側で少々カスタマイズしていますが、詳細はまたの機会に。
Gnomeパネルに新着メール通知のアプレットが追加できます。
$ sudo apt-get install gnome-gmail-notifier
2chブラウザ(JaneStyle→JD)
残念ながら、カスタマイズの自由度や更新チェックの処理速度でJaneStyleに及びません。とりあえず「更新チェック後、更新のあったスレをタブでまとめて開く」ができるのでこれを使っています。フォントはIPAMonaPGothic:10に設定。
$ sudo apt-get install jd
音楽再生(foobar2000→Exaile)
こちらも残念ながらfoobar2000に匹敵する再生ソフトは存在せず。
上記ページを参考に一通り試して結局これに落ち着きました。
$ sudo apt-get install exaile
動画再生(GOMPlayer/KMPlayer→SMPlayer/VLC)
コーデック内臓の動画プレイヤーとしてsmplayerとvlcをインストールしました。基本的にはsmplayerの方をメインで使おうと思っています。
$ sudo apt-get install mplayer
$ sudo apt-get install smplayer
$ sudo apt-get install vlc
画像ビューア(Vix→gThmb画像ビューア)
gThmbはオリジナル画像の縦横比を維持したトリミング機能が便利です。
$ sudo apt-get install gthumb
グラフィカルDiff(DF/WinMerge→Meld)
差分表示画面で部分的な変更の取り込みや直接編集、ディレクトリの比較も可能です。
$ sudo apt-get install meld
クリップボード拡張(ArtTips→Glipper)
Linuxはクリップボード拡張の文化が根付いていないようで、ろくなツールがありません。
GlipperはGnomeパネル用のアプレットで、アイコンをマウスでクリックして履歴を選択するとその文字列がクリップボードに入るものです。FIFOのストックモードもありません。
$ sudo apt-get install glipper
WineでWindowsソフトを動かす
IDMで管理していたパスワードを確認するためにWineを使っています。以下のように日本語フォントを追加しないとデフォルトでは日本語が文字化けします。
$ sudo apt-get install wine
$ cp sazanami-gothic.ttf ~/.wine/drive_c/windows/Fonts/
$ cp sazanami-mincho.ttf ~/.wine/drive_c/windows/Fonts/
おわりに
Ubuntuのソフトの充実具合にはまだ不安もあったのですが、案外なんとかなるもので、ここ数週間一度もWindowsは起動することなく生活できています。
画面のアンチエイリアスやウィンドウのエフェクトなども綺麗で、OS自体の機能はWindowsより遥に優れています。(たとえばファイルシステムの特性によりデフラグも不要)
Windowsからの移行先としてMacを選ぶのもよいですが、フリー文化のUbuntuも候補として検討する価値は十分あると思います。
次回からは私がUbuntuに移行した最大の目的であるタイル型のアレについてご紹介してゆく予定です。
参考サイト
その他Ubuntuの導入に関しては以下のサイトに比較的情報がまとまっています。特にgihyoの連載はかなりのボリュームで読み応え充分です。
Comments»
こちらはWindows7 HomePremiun 64Bit SP1がデフォルトで
Ubuntu 12.04 LTS 64Bitを Grub2のデュアルブートにして
使っている者ですが、私の場合
音楽再生はmocです。あと、
wineは入れないほうがいいんじゃないの?
ちょっと気になりました
コメントありがとうございます。
mocはCUIのプレイヤーなんですね。現在Ubuntu自体使っていないのですが、機会があれば試してみます。
wineを入れない理由はセキュリティ的なものですかね。IDMはKeePassに移行しましたが、WWWWCでまだ必要になりそうです。