セブンイレブンへの愛着が強いフランチャイズチェーン（FC）オーナーの間で、経営陣への不満が強まっている。実質的な創業者、鈴木敏文氏の時代から注文は厳しかったが「当時はオーナーを大事にし、一蓮托生（いちれんたくしょう）の関係だった」との声が目立つ。人件費の高騰などへの対応や力強い成長戦略が見えづらく、成功体験の大きいFCシステムの見直しを求める声もある。【関連記事】「セブン愛は非常に強い。もっと

南海電気鉄道は4日、大阪の観光名所「通天閣」を運営する通天閣観光（大阪市）を2024年内に子会社化すると発表した。通天閣を中心とする繁華街「新世界」は、南海の沿線沿いにある主要商圏の一つだ。南海を核に通天閣などの観光資源と地元商店との連携を強め、地域の活性化や鉄道利用の拡大につなげる。新しい新世界の構築に向けた第一歩となる。「本業の運輸のほか飲食や小売り、宿泊、エンタメをかけあわせて、（地域に

大分市中心部から山沿いの坂道を上ること40分。清流と水田に囲まれた山あいの静かな集落に、大分デバイステクノロジー（ODT）の工場がある。建物の中は、外見からは想像もつかない慌ただしさだった。新設のラインを整備するため、白と薄緑の防じん服を着た社員が慌ただしく動き回る。クリーンルームで造られるパワー半導体は、国内外の企業へと出荷されていく。取引先は幅広く、米テキサス・インスツルメンツや米マイクロン・テクノロジー

京成電鉄は20日、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド（OLC）株の一部売却を求める英投資ファンドのパリサー・キャピタルの株主提案について、反対する意見を発表した。京成は「OLC株は中長期的な企業価値向上のために必要な大型投資の原資になり得る」ことなどを理由に挙げ、短期的な売却を求めるパリサーに反対している。同日の取締役会での独立社外取締役5人を含む取締役全員一致の決議

米投資ファンドのカーライル・グループは20日、「ケンタッキーフライドチキン」を運営する日本KFCホールディングスを買収すると発表した。買収額は約1300億円。TOB（株式公開買い付け）のほか約35%の日本KFC株を持つ三菱商事などから買い取り、9月をめどに完全子会社化する。店舗網を広げ、デジタル化を進める。TOB価格は1株あたり6500円。日本KFC株の20日の終値は5400円で、約20%の上

サントリーは17日、京急蒲田駅（東京・大田）のホームの一部を期間限定で貸し切り、チューハイ「こだわり酒場のタコハイ」を提供する酒場を開くと発表した。18日から期間限定で駅看板の一部も「京急蒲タコハイ駅」に変わる。停車している6両編成の電車内でも飲食できるようにした。ブランドの消費者接点の拡大を狙う。京急蒲田駅の2番線ホームを貸し切ってタコハイとギョーザを楽しめるようにした。駅周辺の名店「你好（

空調設備大手の大気社株が上昇している。17日に一時前日比255円（5%）高い5070円を付け、上場来高値を更新した。産業空調や塗装システムが好調で、2024年3月期の連結純利益が最高益となった。自社株買いや増配の発表を好感する買いも入っている。15日発表の24年3月期決算は売上高が前の期比37%増の2935億円、純利益は97%増の156億円となった。クリーンルームなどの産業空調や自動車の塗装シ

17日の東京株式市場で三井住友フィナンシャルグループ（FG）株が7日続伸し、16年半ぶりの高値をつけた。一時前日比336円（4%）高の9736円まで上げた。好調な業績見通しや株主還元策の強化を好感した買いが続いている。終値は9723円だった。15日に市場予想（QUICKコンセンサス）を上回る連結純利益の見通しを示したほか、大幅な増配や1000億円を上限とする自社株買いなどを発表していた。202

米ゼネラル・エレクトリック（GE）は4月、3社への分社化を完了した。20世紀最高の経営者と称されるジャック・ウェルチ元最高経営責任者（CEO）が築き上げた複合企業（コングロマリット）は解体され、航空エンジン、医療機器、電力の3社に分かれた。企業価値向上の切り札はトヨタ自動車流のカイゼンだ。米屈指の名門企業は輝きを取り戻せるのだろうか。2023年1月にMRI（磁気共鳴画像装置）などを手がけるGEヘルスケア・テクノロジーズ

住信SBIネット銀行は、住信SBIと広告主がそれぞれ持つ顧客データを掛け合わせて、効率的に広告を配信・分析するサービスを始めた。企業がターゲットにする顧客層を把握し、より効果的に広告を配信できるようにする。自動車や投資用不動産の販売会社などの利用を見込む。22年に設立した子会社、テミクス・データ（東京・港）がサービスを提供する。本人の同意を得た銀行などの顧客ごとに固有のIDをつくり、年齢層や性

トヨタ自動車が発表した昨年度（2023年度）1年間のグループ全体の決算で、本業のもうけを示す営業利益が5兆3500億円余りとなり、日本の上場企業で初めて5兆円を超えました。ハイブリッド車を中心に販売が好調だったことや、円安で利益が押し上げられたことが主な要因です。 トヨタ自動車は8日、昨年度1年間のグループ全体の決算を発表し、売り上げにあたる営業収益は前の年度から21.4％増えて45兆953億円となり、過去最高を更新しました。 本業のもうけを示す営業利益は96.4％増えて5兆3529億円となり、日本の上場企業で初めて5兆円を超えました。 ハイブリッド車を中心に販売が好調だったことや北米やヨーロッパを中心に車の性能向上に伴う値上げを行ったことなどで前の年度と比べて2兆円の増益につながったほか、円安の影響で6850億円の利益の押し上げがあったことが主な要因となっています。 また、最終的な利益は

LINEヤフーの株価が低迷している。情報漏洩が相次いだことを受けて、総務省が大株主の韓国企業との資本関係の見直しを要請する異例の事態となり、経営の先行きを不安視する見方が広がった。広告や電子商取引（EC）は復調傾向だが、市場の懸念は根深い。信頼回復には抜本的な立て直し策を打ち出す必要がありそうだ。LINEヤフーの23年4〜12月期連結決算（国際会計基準）は純利益が前年同期比32%減の1224億

2024年2月15日の日本経済新聞朝刊1面に「ニデック社長に岸田氏」という記事がありました。ニデックは長年経営を率いてきた創業者の永守重信氏（79）が会長兼最高経営責任者（CEO）を退任し、岸田光哉副社長（64）が新たに社長兼CEOに就く人事を発表しました。岸田氏とはどのような人物なのでしょうか。カリスマ性発揮の永守氏「サポート役に」強い指導力を発揮し続けてきた永守氏は、会見で「リタイア」「や

日本から経済成長が失われた時代に、炭鉱の町のさびれた商店街から飛び出し世界的なアパレル企業へと駆け上がったユニクロ。無名の紳士服店はどうやってグローバル企業への階段を上ってきたのか。その裏にあった知られざるストーリーを5回連載でひもといた「ユニクロ秘録」をまとめてお届けします。（編集委員　杉本貴司）①ユニクロ「戦う相手が変わった」柳井氏見果てぬ30年構想ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長

住友グループの源流である別子銅山（愛媛県新居浜市）で使う機械の工場として、1888年に産声を上げた住友重機械工業。長い歴史の中で事業の裾野を広げてきたが、強みが見えにくくなり現在の企業価値は理論値の7割にとどまっている。実はある半導体製造装置の分野では世界最大手の牙城を崩せるほどの実力もある。半導体銘柄への転身を図れば、企業価値の毀損を脱する可能性も秘める。「一般商船の建造の新たな受注は202

日本から経済成長が失われた時代に、炭鉱の町のさびれた商店街から飛び出し世界的なアパレル企業へと駆け上がったユニクロ。無名の紳士服店はどうやってグローバル企業への階段を上ってきたのか。その裏にあった知られざるストーリーを、5回連載でひもとく。「日下君、君は有明の店長だ。有明は世界最大の店になるんだ」日下正信が柳井正からこう告げられたのは、2015年春。この時、日下は柳井の真意が理解できなかった。

広島県は手縫い針と待ち針の国内生産量で全国の9割以上を占め、江戸時代からの長い歴史を誇る。戦後創業のチューリップ（広島市）は広島の針メーカーでは後発だが、手縫い針で培ったノウハウを生かして電子部品の検査機器向けにも参入。事業を多角化しながら伝統産業を守り続ける。広島の針づくりは中国山地で盛んだった「たたら製鉄」に源流を持つ。広島藩主の浅野家がその鉄を使った針づくりを、下級武士たちに生活の糧とし

花王は傘下のカネボウ化粧品が手掛けている中価格帯コスメブランド「コフレドール」の販売を12月メドで終える。4月1日にブランドの公式サイトなどで告知した。6月から順次生産を終了する。花王は業績回復に向け、成長投資をするブランドを約20に絞り込む一方、コフレドールなどその他は統廃合を検討していた。コフレドールは2007年に販売を始め、主にドラッグストアなどで展開している。北川景子さんや菜々緒さんな

情報漏洩を繰り返すLINEヤフーに対して、総務省が異例とも言える要請に踏み込んだ。LINEを生み出した韓国ネイバーとの関係見直しを求めた。今やLINEは日本の情報通信インフラの一端を担うサービスだけに、責任ある対応を求めたい。総務省は2023年11月に発覚したLINEからの情報流出が、電気通信事業法が定める「通信の秘密の漏洩」にあたると断定した。事態を重く見た総務省は5日、運営会社であるLIN

日本経済新聞 電子版のイベントページです。【LINEヤフーに行政指導、失態続きの情報管理を超速解説】